特集にあたって
「この患者はサルコペニアか,それとも低栄養か」―こうした問いを,日々の臨床で感じたことがある医療者は少なくないだろう.診断基準ごとに分断されてきた評価の枠組みが,現場での判断をむずかしくしてきた.
近年,この状況に大きな変化が生まれつつある.2024年から2025年にかけて,アジアのサルコペニア基準(AWGS 2025),国際的なサルコペニア定義の統一をめざすGLIS,低栄養の国際診断基準であるGLIMが相次いで更新・成立した.これらに共通するキーワードが「マッスルヘルス(muscle health)」―筋肉の量・質・機能を軸に,低栄養・肥満・カヘキシアを統合的に管理するという考え方である.
本特集「マッスルヘルス―低栄養・肥満・カヘキシアの統合管理」は,この概念の転換をまず総論で整理し,各論として診断・病態・栄養処方・社会実装の各論点を専門家に論じていただく構成とした.50代からのサルコペニア早期評価,サルコペニア肥満の診断アプローチ,カヘキシアとの不可逆ライン,同化抵抗性に挑む栄養処方,ICD-11対応と診療報酬の展望,筋肉を全身の健康バロメーターとして捉える未来像―各論は互いに連動し,一本の臨床論理を形成している.
本特集が,多職種で「マッスルヘルス」という共通言語を使いはじめるきっかけとなれば幸いである.
熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・栄養支援センター
吉村芳弘
「この患者はサルコペニアか,それとも低栄養か」―こうした問いを,日々の臨床で感じたことがある医療者は少なくないだろう.診断基準ごとに分断されてきた評価の枠組みが,現場での判断をむずかしくしてきた.
近年,この状況に大きな変化が生まれつつある.2024年から2025年にかけて,アジアのサルコペニア基準(AWGS 2025),国際的なサルコペニア定義の統一をめざすGLIS,低栄養の国際診断基準であるGLIMが相次いで更新・成立した.これらに共通するキーワードが「マッスルヘルス(muscle health)」―筋肉の量・質・機能を軸に,低栄養・肥満・カヘキシアを統合的に管理するという考え方である.
本特集「マッスルヘルス―低栄養・肥満・カヘキシアの統合管理」は,この概念の転換をまず総論で整理し,各論として診断・病態・栄養処方・社会実装の各論点を専門家に論じていただく構成とした.50代からのサルコペニア早期評価,サルコペニア肥満の診断アプローチ,カヘキシアとの不可逆ライン,同化抵抗性に挑む栄養処方,ICD-11対応と診療報酬の展望,筋肉を全身の健康バロメーターとして捉える未来像―各論は互いに連動し,一本の臨床論理を形成している.
本特集が,多職種で「マッスルヘルス」という共通言語を使いはじめるきっかけとなれば幸いである.
熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・栄養支援センター
吉村芳弘
特集 マッスルヘルス─低栄養・肥満・カヘキシアの統合管理
特集にあたって(吉村芳弘)
【総論】AWGS 2025×GLISで再定義される“マッスルヘルス”(吉村芳弘)
サルコペニアの早期診断と重症度評価:50歳代からの新基準とGLIMの併用─AWGS 2025コンセンサスが描くMuscle Healthのライフコース・アプローチ(荒井秀典)
サルコペニア肥満に対する評価と介入(西岡心大)
カへキシアvs.サルコペニア:マッスルヘルスの不可逆ライン(上島順子)
同化抵抗性を踏まえた栄養戦略(上野いずみ)
診療報酬・ICD-11対応を見据えたマッスルヘルス管理(飯島勝矢)
筋肉は全身の「健康のバロメーター」─肥満・低栄養・カヘキシアをつなぐ臨床栄養の新しい視点(海道利実)
現場で迷わない! 身体計測実践のコツ(3)
適切な身体計測の実践に向けて(香川雅春)
スポット
「鉄欠乏性貧血の診療指針」に基づいた貧血の栄養食事療法(小林ゆき子)
嚥下評価の現状と新しい視点―耳内嚥下音を含めて(山口優実)
ズームアップ
坂東ハートクリニックの食事相談(坂東正章)
Column
○×例でわかる! 説明スキルアップ講座(8)
説明スキル(7)訓読みで伝える(松本千明)
未知なる発酵食を訪ねて―フィールドワークからみる食と文化(8)
ラオスで出会った驚きの発酵肉食品(横山 智)
ぷろらぼ 研究室で学んでみませんか
東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻 社会予防疫学分野
連載
サーカディアンリズムに基づく健康タイムライン―保健指導のニューアプローチ(2)
起床と朝食に関するアドバイス(増田由美・久保 明)
脂質栄養学を盛り上げる 最新研究トピックス(5)
ビタミン様栄養素コリンをめぐる現状(5)
卵黄由来コリンの研究開発と今後の展望(竹田優美)
栄養支援に活かす! 行動医学・メンタルヘルス実践アプローチ(14)
ACTを活かした行動変容アプローチ―GIP/GLP-1受容体作動薬時代の“やめられない”をどう支援するか(野崎剛弘)
これだけは知っておこう 臨床栄養学ビギナー道場(27)
管理栄養士は病態に対応した静脈栄養も理解しておきたいね(6)
病態対応TPN輸液―膵炎症例に対するTPN処方(井上善文)
こんだてじまん
じまんの一品ヤンニョムチキン(埼友会 埼友草加病院/横山 舞 ほか)
News and Information
日本栄養士会医療職域
自治体病院
精神科病院
関連省庁
おしらせ
REMARKS
JCNパズル
特集にあたって(吉村芳弘)
【総論】AWGS 2025×GLISで再定義される“マッスルヘルス”(吉村芳弘)
サルコペニアの早期診断と重症度評価:50歳代からの新基準とGLIMの併用─AWGS 2025コンセンサスが描くMuscle Healthのライフコース・アプローチ(荒井秀典)
サルコペニア肥満に対する評価と介入(西岡心大)
カへキシアvs.サルコペニア:マッスルヘルスの不可逆ライン(上島順子)
同化抵抗性を踏まえた栄養戦略(上野いずみ)
診療報酬・ICD-11対応を見据えたマッスルヘルス管理(飯島勝矢)
筋肉は全身の「健康のバロメーター」─肥満・低栄養・カヘキシアをつなぐ臨床栄養の新しい視点(海道利実)
現場で迷わない! 身体計測実践のコツ(3)
適切な身体計測の実践に向けて(香川雅春)
スポット
「鉄欠乏性貧血の診療指針」に基づいた貧血の栄養食事療法(小林ゆき子)
嚥下評価の現状と新しい視点―耳内嚥下音を含めて(山口優実)
ズームアップ
坂東ハートクリニックの食事相談(坂東正章)
Column
○×例でわかる! 説明スキルアップ講座(8)
説明スキル(7)訓読みで伝える(松本千明)
未知なる発酵食を訪ねて―フィールドワークからみる食と文化(8)
ラオスで出会った驚きの発酵肉食品(横山 智)
ぷろらぼ 研究室で学んでみませんか
東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻 社会予防疫学分野
連載
サーカディアンリズムに基づく健康タイムライン―保健指導のニューアプローチ(2)
起床と朝食に関するアドバイス(増田由美・久保 明)
脂質栄養学を盛り上げる 最新研究トピックス(5)
ビタミン様栄養素コリンをめぐる現状(5)
卵黄由来コリンの研究開発と今後の展望(竹田優美)
栄養支援に活かす! 行動医学・メンタルヘルス実践アプローチ(14)
ACTを活かした行動変容アプローチ―GIP/GLP-1受容体作動薬時代の“やめられない”をどう支援するか(野崎剛弘)
これだけは知っておこう 臨床栄養学ビギナー道場(27)
管理栄養士は病態に対応した静脈栄養も理解しておきたいね(6)
病態対応TPN輸液―膵炎症例に対するTPN処方(井上善文)
こんだてじまん
じまんの一品ヤンニョムチキン(埼友会 埼友草加病院/横山 舞 ほか)
News and Information
日本栄養士会医療職域
自治体病院
精神科病院
関連省庁
おしらせ
REMARKS
JCNパズル















