やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

 無歯顎補綴においてはしばしば「どの補綴装置を選択するか」という議論に終始しがちになりますが,本当に重要なのは装置の選択そのものではなく,「患者さんがその補綴装置を使いこなせるかどうか」「患者さんにとって必要十分な機能と審美が達成されているかどうか」ではないでしょうか.本稿では,骨格性II級ハイアングル症例に対し,いきなり最終補綴へ進むのではなく,治療用義歯を用いた咬合再構成とリハビリテーションを徹底的に行い,機能と審美の両立を“検証“したうえで最終総義歯へと移行した一症例を供覧していただきます.そこで用いられる治療用義歯は単なる暫間装置ではなく,患者の潜在能力を引き出し,真のゴールを可視化するための「検証装置」です.“妥協としての総義歯”ではなく,“納得して選択された総義歯”という意味の転換,補綴治療におけるパラダイムシフトを感じ取っていただければ幸いです.
 (編集部)
Edentulous prosthetics 治療用義歯によるトレーニングと検証を基盤とした患者中心の無歯顎補綴治療の実践
 前編 治療計画の立案から治療用義歯の装着まで
 (鈴木英史)

Clinical research 歯科医師こそ知っておきたい レトロネーザルアロマの研究と臨床効果
 (千葉栄一)

連載 義歯補綴の臨床解剖学 (7)
 臨床編(1)
 解剖学的要件を考慮した概形印象の採得,研究用模型の製作と床外形の設定および個人トレーの製作
 (河相安彦・岩城麻衣子・金澤 学・近藤信太郎・木村政司)

連載 インプラントの軟組織付着を学び直す (4) 〔最終回〕
 バイオフィルムの抑制/軟組織封鎖性に与える「摩耗粉」の影響
 (吉成正雄)

連載 コバルトコーヌスの歯科技工術式 (6)
 外冠部上部構造体の製作とコバルトクロム合金のろう着技術
 (澤畠孝重・中込敏夫)

Special contributions 群像 ダブルライセンスの“今”
 医科歯科連携時代の旗手 その道のりと医療現場の最前線
 Part 2 最前線で働くダブルライセンスの医師たち
 「体全体を知りたい」という気持ちを原動力に歯学から医学へ
 (山﨑知子)
 ダブルドクターの知識と技術を最大限活用する
 『食べる』をみる専門家としての役割
 (米永一理)
 医科と歯科の境界を越えて拓く頭蓋顎顔面外科
 顎顔面外科医の統合的役割とその意義
 (加持秀明)
 Epilogue
 ダブルライセンスがもたらす新しい価値
 (柳川 徹)

Implant treatment 非外科的インプラント周囲疾患治療におけるGUIDED BIOFILM THERAPY
 臨床的に実証された体系的コンセプト
 (Dr.Nadine Strafela-Bastendorf,Dr.Klaus-Dieter Bastendorf)

Digital solution 患者本位の補綴治療および予防ケアのためのデジタルソリューション
 AI統合型問診リスク評価システム「ara.onl」の臨床応用
 (Prof.Dr.Gerhard Schmalz,Prof.Dr.Dirk Ziebolz)

NEWS&REPORT
 デンツプライシロナ FDI臨床教育モジュール「低侵襲審美歯科」の東京開催を支援