やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

図説シリーズ・普及版の発行に際して

 1960年代後半から1970年代後半にかけて,電子顕微鏡やX線・γ線などの放射線,さらにはMRIなどの物理的検索,また,酵素法やアミノ酸分析,組織化学・酵素学的染色などの化学的検索方法の発達は著しく,多くの生理機能の解明がなされ,基礎医学に携わる者は勿論,co-Medicalの部門に関係する諸兄姉にとっても,からだ全体としてそのすべてを理解することの難しさが痛感されていた.
 当時,東京慈恵会医科大学の生理学教室から東海大学体育学部に移り,さらに1974年,医学部に転じ,生理学の教鞭をとっていた私としては,この精密で難解なヒトのからだの生理的機能や,運動による変動,さらには生理機能の変調による症候,種々の疾病の病態,その栄養学的見地からの解析などを,より簡明に解説し,これらをさらに深く追究する端緒になればと考え,この図説シリーズの発刊を企図したのである.
 すなわち,本シリーズの姿勢は,からだの仕組みから解説した生理・解剖学部門,体内で栄養素がいかに利用されて行くかを解説した栄養・生化学部門,さらに病気の仕組みと栄養・代謝との関係から解説した病態生理・栄養学的部門を骨子として,一貫して著述されている.また,精密で難解なヒトのからだの構造や働き,運動や病気の成立ちなどを,視覚的にもより理解され易くするため,全巻を通じて,左ページに図表を纏め,右ページでそれを解説する形式をとり,これを一つの単位として幾つかの単位を纏め,一つの生理機能を理解できるようにと努力したのである.
 さて,本シリーズは,ほぼ20年前の1979年に上梓された第一作『からだの仕組みと働き』に始まり,以来,1981年に症候の病態生理ともいうべき『病気の成立ちとからだ I』,さらに1982年には『運動の仕組みと応用』,1983年に疾患別病態生理である『病気の成立ちとからだ II』,1997年に『運動・スポーツの功と罪』,さらに臓器・組織別に解剖と生理との関連を追究した『ヒトのからだ』を刊行して,この一連のシリーズ全6冊を完結させた.
 しかし,この約20年間のうちにも医学に関連した諸学問の進歩は著しく,初版で10〜22刷を重ねたのちすべて改定第2版を発行した.その総数は13万7千余部にも及び,各方面にわたる教育・研究者の諸兄姉あるいは学生諸君に多大のご支持を戴いていることは感謝にたえない.
 なお,本書の最大の目的の一つは,これから学問を学ぼうとする人達の格好の入門書たらんことにあり,これ以上の学問的研究については各個の専門書を参照されたい.
 さて,今回,これらの実績を踏まえ,より多くの読者の入門書として利用されんことを考え,また,医歯薬出版株式会社の意向もあって,その内容を変えることなく,より価格を抑えた新装丁による本シリーズ普及版の発行を企図した.この普及版シリーズが,前シリーズと共に,皆様のお役に立つことを願ってやまない次第である.
 2001年8月22日 日本体育大学大学院研究科長室にて 中野昭一

第2版改訂にあたって

 本書は,ヒトのからだの仕組みとその正常な働きと動態,さらにはその病態を,生理学・生化学・栄養学など多角的な面から捉え,図を多用してそれらをより簡明にまとめ,からだ全体として把握し,その理解を深めることを目的として,1979年に発刊を企図した“図説シリーズ”の中でも,本来ならば解剖学を主体として生理学との生合成を試みた本書が,その巻頭を占めるものであった.
 したがって,現在,この“図説シリーズ”は,構造と機能,動態,病態という順序から,本書をその第1として,第2にヒトの生理機能を主体とした『からだの仕組みと働き』,第3に症候の病態生理を解説した『病気の成り立ちとからだ(I)』,第4に疾患別病態生理の『病気の成り立ちとからだ(II)』,第5に生理機能の動態をスポーツ医学的に捉えた『運動の仕組みと応用』,さらに第6としてその運動を『運動・スポーツの功と罪』として論じた全6冊から構成されているのである.
 すなわち,この全6冊を通読していただけるならば,本“図説シリーズ”の目的であるヒトのからだの中で行われている生理学的な働き,生化学的な変動,さらには栄養学的裏付けなどを,その動態あるいはその病態などを含めて,全般的な総合的理解と,これらの学問への導入に役立てられるものと自負している.
 しかし,私が生理学を専門としていることもあって,本書は,この“図説シリーズ”の初版である『からだの仕組みと働き』を出版以来9年を経た1988年,東海大学医学部解剖学教室の清木勘治教授,坂部貢助教授のご協力を得て,これからの解剖学,生理学さらには栄養学とを結ぶための恰好の入門書となればと考え,本書の初版が刊行されたのである.
 以来,ヒトのからだの構造と機能との関連が重要視されているにもかかわらず,初心者にとって解剖学と生理学とを有機的に結合して論じた入門書があまりみられていないこともあって,既に多くの増刷が重ねられてきている.そこで,今回,近年の新しい知見を加えて改版した第2版の発刊が企図されたのである.
 願わくば,本書を他の“図説シリーズ”の図書と併せて通読していただけるならば,前述のようにヒトの体内で起きる,あるいは起きているであろう正常な働きや,その病態まで,からだ全体として,総合的な理解をしうるよすがになればと考えている.
 さて,本書も他の“図説シリーズ”と同様に,その特徴とするところは,各項の視覚的理解を促すことを目的として,左ページにできうる限り簡明に,その項目を図・表として纏め,右ページでその解説を行い,各ページごとに1つの構造や機能を,あるいは1つの事柄を理解できるように努力したところにある.
 なお,本書を編纂するにあたって,多くの先輩,諸兄姉の論文,著書,その他から多くのご教示をいただいており,とくに本書に引用させていただいた文献に関しては,それらを章末に纏め,心から感謝の意を表するとともに,これらの文献,図書を本書より進んだ教科書として推薦する次第である.
 また,本書は,多くの人々のご好意を受けており,個々に謝辞を述べることは不可能に近い.ここに本書の著者を代表して,ご指導をいただいた先輩,諸兄姉に満腔の謝意を表するとともに,直接,ご協力をいただいた金子麻奈美嬢に感謝したい.
 なお,本書の企画,出版に際して,多大なご協力をいただいた医薬出版株式会社および編集部の諸氏,図版の制作にあたっていただいた高橋雄作氏に謝意を表する.
 2000年2月 日本体育大学 大学院体育科学研究科 博士課程 研究科長室にて 中野昭一

はじめに

 ヒトのからだは,からだの骨組みをつくり,ヒトとしての形を整えている解剖学的な構造と,その構造をつくっている細胞・組織・臓器の1つあるいはその幾つかが協調的に作用して発揮する多くの生理機能とから成り立っている.
 したがって,ヒトの何かを論ずる場合,いちばん大切なことは,個々の構造,個々の機能を論ずる前に,まず,ヒト全体として,人間として捉えたからだの構造を十分に把握し,会得しておかなければならない.
 近年,科学の進歩と共に医学的分野も,漸次細分化され,ヒトの働きも細胞レベルから分子レベルに至るまで専門的な追究が行われるようになってきている.
 したがって,からだのある構造,ある働きを論ずる場合,研究面ではきわめて先鋭的に狭い範囲を深く,より深く追究していく傾向にあることは否めない.
 そこで私たちは,1979年,まず,日常生活を営むための働きを学ぼうとする生理学,外部からエネルギーや物質を取り入れて利用し,生活を営む過程を学ぼうとする栄養学あるいは栄養生理学,さらにその働きの変調を検索しようという病態生理学・病態栄養学などを,より簡易にまとめ,その相互理解とヒトのからだ全体として把握することを目的として,生理学・生化学・栄養学の3者をできうる限り有機的に結合させた“図説シリーズ”の発刊を企図したのである.
 すなわち,その1は「からだの仕組みと働き」として主に一般生理機能と生化学的知識を,その2は「病気の成り立ちとからだ(I)」として生理機能がどのように変化するといかなる症候が出現するかをその病態生理として,その3は同じく「病気の成り立ちとからだ(II)」として,個々の病気のときに体内ではどのような機能が営まれているかを疾患別病態生理として,さらにその4では正常なヒトが運動を行った場合の生理機能の変化,そのスポーツ医学的見地からの追究を「運動の仕組みと応用」として発刊したのである.
 幸いにして,これらの小著が目的とする生理学,生化学,栄養学と,その病態などの勉学に対して,その全般的理解と,学問への導入という点では,教科書または副読本としての責を果たしてきたのではないかと自負している.
 しかし,本図説シリーズでもっとも欠けるところは,小生が生理学を専門とすることもあって,近年,多くの新知見が加えられてきている解剖学的所見の少ないところであろう.また,従来,盛んに構造と機能との関連の重要性が叫ばれているにもかかわらず,解剖学と生理学とを対比して論じた恰好の書の少ないことも事実である.幸い,今回,東海大学医部解剖学教室清木勘治教授の絶大なるご援助を得て,本図説シリーズの第1巻ともいうべき解剖学的構造と生理機能とを,機能別に論じた「図説・ヒトのからだ」がまとめられたのである.これによって,これから解剖学,生理学,生化学,栄養学あるいはそれらの病態,さらには運動生理,運動栄養学などを学ぼうとする人たちにとって,その概要を把握する恰好の入門書となればと考えている.
 本書の特徴とするところは,他の図説シリーズと同様に,各項の視覚的理解を促すことを目的として,左頁にできうるかぎり簡明にその項目を図・表としてまとめ,右頁でその解説を行い,各頁ごとに1つの構造や機能を,また1つの事柄を理解できるように努力したところにある.
 なお,本図説シリーズは,本書をもって一応,完結をみるが,前述のように,この全5冊を通読することによって得たヒトのからだ全体としての知識を基として,さらに専門的な知識の獲得に進まれんことを望んでやまない.
 なお,本書を編纂するにあたって,多くの先輩諸兄姉の論文,著書,その他から多くのご教示を戴いており,とくに引用させて戴いた文献に関しては,各章末に,それらの著書をあげて,心から感謝の意を表するとともに,これらの図書を本書より進んだ教科書として推薦する次第である.
 また,本書は,多くの人々のご好意を受けており,個々に感謝の辞を述べることは不可能に近い.しかし,私を生理学への道へご教導戴いた東京慈恵会医科大学生理学教室の故杉本良一教授,名取禮二名誉学長,阿部正和学長,さらには東海大学医学部長佐々木正五教授に心からの感謝の意を捧げるとともに,種々ご援助を戴いた教室の槙田由美嬢に感謝したい.
 なお,本書の企画,出版にさいして,多大なご助力を戴いた医歯薬出版株式会社および本書の図版製作にあたって戴いた高橋雄作氏に謝意を表するしだいである.
 1988年3月 東海大学医学部生理学教室にて 中野昭一
I章 生体の基礎的構造とその役割
A.解剖
 1.細胞
   1)細胞の構造
 2.組織
   1)上皮組織
   2)結合・支持組織
   3)筋組織
   4)神経組織
B.生理
 1.生理機能別にみたからだの系統
 2.神経系・感覚系の働き
 3.呼吸・循環・排泄系の働き
 4.その他の系の働き

II章 発生の仕組み
解剖
 1.ヒトの発生
   1)生殖細胞の成熟
   2)着床と胚葉形成
   3)胚葉の分化
   4)絨毛膜と胎盤
   5)臍帯
 2.異常現象
   1)不妊
   2)着床異常
   3)絨毛性疾患
   4)多胎児
   5)催奇形因子
 3.体外受精

III章 生殖と成長,発育
生理
 1.男性の生殖機能
   1)精子の形成と精液
   2)精巣から分泌されるホルモン
 2.女性の生殖機能
   1)卵子の生成
   2)性周期
   3)卵巣から分泌されるホルモン
 3.受精と妊娠
   1)受精
   2)着床と胎盤形成
   3)妊娠と分娩
 4.成長の区分
 5.からだの成長
 6.成長に影響を与える因子
   1)内的因子(遺伝的因子)
   2)外的因子(環境的因子)
 7.成長に関与するホルモン
   1)成長ホルモン
   2)甲状腺ホルモン
   3)アンドロゲン
   4)インスリン
   5)糖質コルチコイド
 8.加齢現象
   1)身体諸機能の年齢的変化
   2)神経系の年齢的変化
   3)循環器系の年齢的変化
   4)内分泌系の年齢的変化
   5)細胞と組織の年齢的変化

IV章 骨・関節とその仕組み
解剖
 1.骨の成り立ち
 2.関節の成り立ち
 3.全身の骨組み
 4.頭蓋骨
   1)内頭蓋底
   2)蝶形骨と側頭骨
   3)鼻腔,副鼻腔と眼窩
 5.脊柱
 6.胸郭
 7.上肢骨
 8.下肢骨

V章 からだの防衛機能とその仕組み
A.解剖
 1.第一次リンパ性器官
   1)胸腺
   2)ファブリチウス嚢
 2.第二次リンパ性器官
   1)リンパ節
   2)リンパ小節
   3)扁 桃
   4)脾 臓
B.生理
 1.感染に対する防御機能
   1)非特異的防御機構
   2)特異的防御機構
 2.ホメオステーシスとストレス学説
   1)ストレスとは
   2)汎適応症候群
   3)ストレスの大きさによる体内変化の時間的経過

VI章 体液と電解質の役割
生理
 1.水の生物学化学的特性
 2.体内における水の分布
 3.体液の成分とその分布
 4.水の出納
 5.日常生活による体液組成の変動
 6.酸・塩基平衡を司る機構と機能

VII章 造血器と血液の働き
A.解剖
 1.骨髄
 2.血球の形成
   1)赤血球
   2)白血球
   3)血小板
 3.胎生期の造血作用
B.生理
 1.血液の成分と特性
 2.血液の働き
   1)運搬の働き
   2)酸・塩基平衡の調整
   3)体液量の調節
   4)身体防御作用
 3.赤血球の機能
   1)赤血球の生成と崩壊
   2)赤血球の構造と働き
   3)赤血球指数
   4)溶血
 4.白血球の機能
 5.血小板
 6.血漿
 7.血液の凝固
 8.血液型

VIII章 血液循環を司る器官とその仕組み
A.解剖
〈血管系〉
 1.毛細血管
 2.血管の一般的な形
 3.動脈と静脈
 4.血管の分枝と吻合
   1)動静脈吻合
   2)静脈網(静脈叢)
   3)怪網
 5.心臓
   1)形態
   2)心臓の壁と弁膜
 6.体循環
   1)おもな動脈
   2)おもな静脈
 7.胎児の血液循環
〈リンパ系〉
 1.リンパ系とは
 2.リンパ管の構造
 3.全身のリンパ管の分布
B.生理
 1.心臓とその働き
   1)心臓周期
   2)心臓拍動の仕組み
   3)心筋の特性
   4)心電図
   5)心音
   6)心拍出量と脈拍
 2.心拍動を調節する仕組み
   1)心房反射(ベインブリッジ反射)
   2)大動脈(神経)および頚洞脈洞(神経)反射
   3)感覚刺激による反射
   4)高位中枢の刺激
   5)頚動脈小体反射
 3.血圧
   1)最大血圧と最小血圧,平均血圧
   2)血圧を決定する因子
   3)血圧を左右する生理的な因子
 4.血液の循環
   1)血流速度と循環時間
   2)静脈還流

IX章 呼吸を司る器官とその仕組み
A.解剖
 1.呼吸器系とは
 2.鼻
   1)外鼻
   2)鼻腔
   3)鼻道
   4)鼻粘膜
   5)鼻腔の脈管と神経
 3.咽頭
 4.喉頭
   1)喉頭の骨組み
   2)喉頭の筋
   3)喉頭腔と声門
   4)喉頭の脈管と神経
 5.気管
   1)気管の位置と形状
   2)気管の脈管と神経
 6.気管支
   1)右気管支
   2)左気管支
   3)気管支の脈管と神経
 7.肺
   1)部位
   2)肺の基本構造
   3)肺区域
   4)肺の脈管と神経
 8.胸膜
 9.縦隔
B.生理
 1.呼吸とは
 2.呼吸運動
   1)吸息運動と呼息運動
   2)肺内の変化
 3.呼吸運動の調節
   1)呼吸中枢
   2)呼吸の神経性調節
   3)呼吸の化学的調節
 4.肺容量
 5.ガス交換とガスの運搬

X章 消化・吸収を司る器官とその仕組み
A.解剖
 1.消化器系とは
 2.口腔
   1)口唇と頬
   2)歯
   3)舌
   4)口蓋
   5)唾液腺
 3.咽頭と食道
   1)咽頭
   2)食道
 4.胃
 5.小 腸
   1)十二指腸
   2)空腸と回腸
 6.大腸
 7.肝臓
 8.胆嚢と胆道
 9.膵臓
 10.腹膜
B.生理
 1.消化とは
   1)消化の一般作用
   2)消化液の分泌機序
   3)消化液の一般性状とその生理作用
 2.管腔内消化と膜消化
 3.消化器系の運動
   1)口腔内の運動
   2)胃の運動
   3)小腸の運動
   4)大腸の運動
   5)排便
 4.吸収
   1)吸収の場としての小腸粘膜の構成
   2)吸収の機序
 5.三大栄養素の消化と吸収
   1)糖質の消化と吸収
   2)蛋白質の消化と吸収
   3)脂肪の消化と吸収
   4)その他の吸収

XI章 主として栄養素の代謝を司る器官とその仕組み
A.解剖
 1.肝臓
   1)肝臓の外形
   2)肝臓の構成
   3)肝臓の血管・リンパ管・神経支配
B.生理
 1.おもな栄養素と,その特徴
   1)糖質
   2)蛋白質
   3)脂質
 2.糖質代謝
   1)糖質の合成
   2)糖質の分解
 3.蛋白質代謝
   1)蛋白質の合成
   2)蛋白質の分解
 4.脂質代謝
   1)脂肪の合成
   2)脂肪の分解
 5.エネルギーの生成
   1)無気的過程によるATPの産生
   2)有気的過程によるATPの産生
   3)酸化的リン酸化
   4)運動時におけるエネルギー供給源の想定
 6.肝臓の働き
   1)肝臓とは
   2)肝臓の機能
   3)胆汁色素の生成と排泄

XII章 尿の生成・排出を司る器官とその仕組み
A.解剖
 1.泌尿器系とは
 2.腎臓
   1)位置
   2)腎臓の形状
   3)腎臓の構造
   4)腎臓の血管と神経
 3.尿管
   1)区分
   2)尿管の構造
   3)尿管の脈管と神経
 4.膀胱
   1)部位と形状
   2)構造
   3)脈管と神経
 5.尿道
   1)男の尿道
   2)女の尿道
B.生理
 1.尿の生成
   1)糸球体における濾過作用
   2)尿細管の働き
 2.尿生成の調節
   1)対向流増幅系と対向流交換系による尿の濃縮
   2)糸球体濾過を調節する因子
   3)尿細管の再吸収に影響を与える因子
   4)内分泌的調節
 3.腎臓の生理機能
   1)排尿に関する機能
   2)排尿に関係のない機能
 4.腎機能を表現するクリアランス(清掃率)
 5.尿と排尿の仕組み
   1)尿中の固形成分と排泄量
   2)排尿と膀胱の働き

XIII章 思考や意思の決定を司る機構(中枢神経系)とその仕組み
A.解剖
 1.神経組織
   1)神経細胞(ニューロン)
   2)神経膠細胞
 2.神経系の発生と区分
 3.髄膜
 4.脊髄
 5.延髄
 6.橋
 7.中脳
 8.小脳
 9.間脳
   1)視床
   2)視床上部
   3)視床下部
   4)視床腹部
 10.大脳半球
   1)大脳皮質
   2)大脳核
   3)大脳髄質
   4)大脳辺縁系
 11.神経路(伝導路)
   1)錐体路
   2)錐体外路
   3)知覚性神経路
B.生理
 1.神経系の分類
 2.脳と脊髄
   1)脳と脊髄の構造
   2)脳脊髄液
   3)脳の血流
 3.脊髄の働き
 4.脳幹の働き
   1)姿勢反射とその統合
   2)自律神経中枢
   3)眼に関する中枢
   4)脳幹網様体
 5.間脳の働き
   1)視床
   2)視床下部
 6.小脳と大脳基底核
 7.大脳の働き
   1)大脳皮質
   2)脳の機能

XIV章 神経による命令機構(末梢神経系)とその仕組み
A.解剖
 1.脳神経
 2.脊髄神経
   1)頚神経叢
   2)腕神経叢
   3)肋間神経
   4)腰神経叢
   5)仙骨神経叢
   6)陰部神経叢
   7)尾骨神経叢
 3.自律神経系
   1)交感神経
   2)副交感神経
B.生理
 1.神経細胞と神経線維
 2.神経の興奮
   1)静止電位と活動電位
   2)神経の興奮
   3)興奮伝導
   4)シナプス伝導
 3.末梢神経の分類
 4.自律神経系の働き
   1)交感神経系
   2)副交感神経系
   3)自律神経と伝達物質
   4)自律神経支配の特徴
 5.脳神経の働き
 6.脊髄神経の働き
 7.反射

XV章 運動を司る器官とその仕組み
A.解剖
 1.筋肉系
   1)筋肉の種類
   2)筋の補助装置
 2.背部の筋
   1)浅層の筋
   2)深層の筋
 3.頭部の筋
   1)表情筋
   2)咀嚼筋
 4.頚部の筋
   1)浅層の筋
   2)深層の筋
   3)頚筋膜
 5.胸部の筋
   1)浅層の筋
   2)深層の筋
   3)横隔膜
 6.腹部の筋
   1)前腹筋
   2)側腹筋
   3)後腹筋
   4)鼠径靭帯
 7.上肢の筋
   1)肩甲部の筋
   2)上腕の筋
   3)前腕の筋
   4)手の筋
 8.下肢の筋
   1)骨盤の筋
   2)大腿の筋
   3)下腿の筋
   4)足の筋
B.生理
 1.運動神経系
 2.神経筋接合部
 3.骨格筋の収縮
   1)骨格筋の構造
   2)骨格筋収縮の分子機構
   3)等張性収縮と等尺性収縮
   4)収縮の様式
   5)筋肉の疲労
   6)筋の成長と萎縮
   7)筋の電気活動

XVI章 ホルモンの生成を司る器官とその仕組み
生理
 1.ホルモンの一般作用
 2.ホルモンの種類と,その分泌
 3.主たるホルモンの働き
   1)甲状腺と,そのホルモン
   2)副甲状腺と,そのホルモン
   3)サイロカルシトニン
   4)副腎と,そのホルモン
   5)膵臓と,そのホルモン
   6)下垂体と,そのホルモン

XVII章 生殖を司る器官とその仕組み
解剖
 1.男の生殖器
   1)精巣(睾丸)
   2)精巣上体
   3)精管
   4)射精管
   5)付属腺と精液
   6)陰茎と陰嚢
   7)男性ホルモン
 2.女の生殖器
   1)卵巣
   2)卵管
   3)子宮
   4)腟
   5)外性器
   6)乳腺
 3.子宮内膜の周期性変化(月経周期)
   1)月経期
   2)増殖期(卵胞期)

XVIII章 感覚を司る器官とその仕組み
A.解剖
 1.視覚器
   1)眼球
   2)眼瞼と涙腺
   3)眼筋
 2.平衡・聴覚器
   1)外耳
   2)中耳
   3)内耳
 3.嗅覚器
 4.味覚器
 5.外皮
   1)皮膚
   2)毛
   3)爪
B.生理
 1.感覚受容器
 2.感覚情報
 3.体性感覚
   1)皮膚感覚
   2)深部感覚
 4.内臓感覚
   1)内臓痛
   2)関連痛
 5.視覚
   1)光受容機能
   2)遠近調節
   3)屈折異常
   4)明暗調節
   5)情報伝達路
   6)視野と視力
   7)色覚
   8)立体感
   9)眼球運動
 6.聴覚
   1)音の感覚
   2)音の性質
   3)音の伝導
 7.平衡感覚
   1)平衡斑
   2)半規管
 8.味覚
 9.嗅覚

XIX章 遺伝の仕組み
解剖
 1.遺伝子
   1)遺伝子の構造
   2)遺伝子の複製と情報の発現
   3)遺伝情報発現の調節
 2.染色体
   1)染色体と遺伝子
   2)染色体の形
   3)染色体と細胞分裂
   4)染色体異常