やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 2014年に医歯薬出版株式会社から『ペリオバカ養成講座 学びの門戸を開くための100の質問』を上梓した(これをバカ本(1)とします).あれから7年もの年月が経っているではないか.卒業間もないころに手に取ったペリオバカも“立派な“ペリオバカに成長しているだろうし,手に取ったときにすでにキャリアを積んでおられた方も“年季の入った”ペリオバカの領域に突入されていることと思う.
 7年もの間,私は何もしていなかったわけではない.2019年1月から2020年12月までの2年間にわたり,同社の月刊『デンタルハイジーン』で『Dr.Hiroのペリオバカ養成講座2〜メインテナンス編〜』を連載していたのである.本書(バカ本(2)とします)はその連載に加筆してまとめたものである.そしてバカ本(2)はバカ本(1)をお持ちの方には続編としてのプレゼントになっている(有料ですが).バカ本(1)をお持ちでない方は……想定外です.
 バカ本(1)では“知識“に重点を置いたが,今回のバカ本(2)では“経験”を意識した.毎日患者さんに接しているだけで経験を積んでいくことはできるが,それだけでは高みを目指せない.せっかくの経験を実のあるものにするためには,やはりペリオバカでありつづける必要があるのだ.
 ほとんどのメインテナンス患者さんには“弱いところ“がある(私の弱いところは腰と肩です).それを見出す“目”と守る“手“,癒す“口”に加え,寄り添う“ハート“がなければ経験を活かせない.本書を通じて,「自分にとってメインテナンスが“弱いところ”」という歯科衛生士さんに全力で語りかけたつもりである.
 愛すべきペリオバカはみんな素直なので,きっと本書からたくさんのことを吸収してもらえることと思う.本書を読み終えて,「ぜ〜〜んぶ知ってることばかりなので吸収するような内容はまったくなかった」と言われても本代はお返しできません.「難しすぎて吸収できず消化不良なんだけど」と言われても本代はお返しできません.しかも本書には私が“呪い“をかけているのでネットで売却もできません.でも「いっぱい吸収できました〜」と言ってくれる読者にはメロメロです.そこも私の“弱いところ”.エンジョイ!
 最後に,連載時から本書製作までお世話になりっぱなしの志村健作氏,イラストレーター,デザイナー,そして本書製作,販売にかかわられたすべての皆さんに感謝します.ありがとう!
 2021年初春 山本浩正
 はじめに
 プロローグ
 ペリオバカ度診断とは
No.1 メインテナンス序章編
No.2 検査編
No.3 コミュニケーション編
No.4 DHカルテ編
No.5 施術編
No.6 ライフスタイル編
No.7 気になるトピック編

 ペリオバカ度診断成績表
 参考文献
 索引

 Column
  (1)罰ゲーム
  (2)ファーストチェス理論
  (3)プロテウス効果
  (4)コミュニケーション・ポジション
  (5)コミュニケーション能力
  (6)石工の話
  (7)ワイナリー巡りと彼
  (8)マイクロスリップ
  (9)不便益
  (10)マラソンを観て想うこと
  (11)シャープニングの不便益
  (12)太陽の恵み