第6版の序
医療の現場において薬を用いて病気の治療,検査,予防が行われている.歯科医療においても薬による口腔疾患の治療は欠くべからざるものである.さらに超高齢社会が現実になっている今,多くの患者さんが薬による治療を受けており,その内容と薬の特性を理解・把握し,全身あるいは口腔内に及ぼす影響を考慮して歯科治療を行うことが求められている.その際には薬の作用メカニズム以外にも,薬効に影響を与える因子,予測しうる有害事象についての基本的な対応などを十分に理解しておく必要がある.さらにチーム医療を基盤とした現代の歯科医療において,すべての医療従事者が薬を有効かつ安全に使用するための知識を身につけることが求められている.
薬を使用した医療を行う際に必要な基礎的な知識を学ぶ教科書として,本書『現代歯科薬理学』は出版され版を重ねてきた.平成24年に出版した第5版はほぼ6年を経過し,記載内容も新しい薬物治療に対応できなくなっていた.そこで今回,近年の薬理学および関連の学問の進歩を取り入れた新しい第6版が企画された.本書,『現代歯科薬理学 第6版』は現在の薬物治療の発展状況に沿って大幅な改訂を行い,歯科医学を学ぶ学生への知識の教授のみならず,歯科医師をはじめ医療従事者として現在活躍されている方々への参考になるように,アップデートした内容となっている.
第6版の編集にあたり,章立ての再検討を行い,使用頻度が少なくなった薬物は割愛,統合を行っている.また,新しい章として「ゲノム薬理学とiPS細胞」,「歯科における漢方薬」を追加しており,新しく展開される薬物開発の現状,あるいは臨床において広く利用されるようになった漢方薬の情報を記載してある.本書の内容は膨大な薬理学に関する学術情報の中から,歯科医療における標準的な知識を簡明に解説したものである.そのため本第6版では,各章の冒頭に「学修目標とポイント」,「本章のキーワード」を挙げてあるので,勉学する際に学修の指標として活用いただきたい.
さらに薬物名を医薬品一般名で表記するようにした.一般名で医薬品を表記・指示することが現在の医療システムにおいて採用されているので,薬物名称を一般名にて記載することに馴染んでいただきたい.
各章のテキスト内には記載できなかった内容ではあるが知っておいたほうがよい知識,あるいは歴史的な薬物開発の経緯などはコラムとしてまとめてある.本書の内容は平成30年版歯科医師国家試験出題基準,平成28年度改訂版歯学教育モデル・コア・カリキュラムなど,わが国の歯学教育の基準となるべき提言に沿っているので,学生諸氏は本書をおおいに活用してほしい.
本第6版では新しく教育的指導の責任者として就任された方々に各章の担当者として執筆をお願いした.旧版までの各章を担当された先生方にはこれまでのご苦労に深謝したい.
新薬が次から次へと開発,臨床応用される時代となっている.さらにプレシジョン・メディシン(11章)など患者に適した薬物応用方法が話題となるこの頃である.本書『現代歯科薬理学』を利用して,学生ならびに医療従事者の方々に薬物治療の基礎的な知識を整理,学修していただき,歯科医療現場におけるよりよい医療の実践に役立てていただければ幸いである.
平成29年12月
編集委員 大谷啓一 青木和広
鈴木邦明 兼松 隆
戸苅彰史 筑波隆幸
第5版の序
本書『現代歯科薬理学』は昭和54年発行の初版以来,歯科学生にとり歯科薬理学の標準的教科書,参考図書として広く利用されてきた.本書は時代に則した内容変遷を遂げつつ数回にわたり版を重ねてきた.直近の改訂は平成17年に発行された第4版であり,大幅な内容の改善が行われた.しかし爾来数年を経て薬理学を取り巻く環境変化のスピードは加速するばかりで,第4版の内容も改訂せざるを得なくなった.本書の歯科学生における薬物の知識習得,臨床における薬物応用への重要な役割を考えると改訂をおろそかにすることはできず,第5版の発行はきわめて時宜を得たものと思われる.
今回の第5版は約6年ぶりの改訂であり,薬理学に関する新しい知見や臨床での薬物応用に関する最新情報を網羅することを目標として企画を行った.また同時に薬理学の膨大な知識を羅列的に記述するのではなく,重要な部分には詳細で平易な解説を付けて,より絞り込んだ内容にするよう留意してある.したがって今回の版ではページ数が第4版よりも少なくなっているが,新知見や重要な部分に関しては十分に記述されているので安心していただきたい.
本書は平成13年より提唱され版を重ねている「歯科医学教育モデル・コア・カリキュラム:教育内容ガイドライン(平成19年版)」をベースに最新版の情報も加味して項目立てを行っている.また同時に平成17年度より実施されている「臨床実習前の共用試験(CBT試験)」への標準的な学習・知識を提供できる内容となっている.さらに,平成19年に大幅な改訂が行われた「歯科医学教授要綱」の薬理学(生体と薬物)の内容を最大限に盛り込んだ.平成22年版の「歯科医師国家試験出題基準」への対応も行っている.現在我が国の歯学教育の基準となるべきこれらの提言を全て吸収し学習項目の整理を行っているので,学生諸氏には本書を大いに活用して欲しい.
第5版で充実を図った内容としては歯科臨床薬理学とも言うべき「医薬品適用上の注意」があり,学生諸氏が臨床現場において薬物応用の基礎知識を得られるようにした.旧版より導入した「ゲノム薬理」,「歯科における再生治療と薬物」に関しては最新の情報を入れたので,将来の薬理学の発展に思いを寄せていただきたい.各章の中で記述した薬物名に関しては,従来使用されている一般名を記述していることが多いが,日本医薬品一般名称データベースならびに平成23年に刊行された第十六改正日本薬局方にある局方名との対応表を巻末に付けたので利用いただきたい.
各章の旧版以来の執筆者も交代の時期となり大幅な入れ替えをお願いし,新しく教育的指導の立場に立たれた方々と交代した.旧版執筆者の方々のこれまでのご苦労に深く感謝したい.
第5版改訂中に本書の初版から第4版まで編集の中心として貢献いただいた小椋秀亮先生が先立たれたのは誠に残念であった.先生のご冥福をお祈りすると同時に,本書が広く我が国の標準的な歯科薬理学教科書として学生諸氏に利用していただくことで先生の労に報いたいと思う.
平成24年1月
編集委員 加藤有三 大谷啓一
篠田 壽 鈴木邦明
戸苅彰史
第4版の序
本書は,歯科薬理学の標準的な教科書として昭和54年に初版が発行され,その後,昭和64年に第2版,平成10年に第3版と全面的な改訂が行われてきた.この間,多くの歯学部の学生諸君から好評をもって迎えられたことは,編集に携わったものとして大きな喜びとするところである.
歯科薬理学は歯科医学における生命科学と歯科医療を連結する学問分野として,進歩発展を遂げてきた.最近では,これまで臨床適用されていた薬物が副作用のために使用中止となったり,また多くの新規薬物の登場などによって薬物情報に混乱を生じている.また歯科臨床も,齲蝕予防の進展による齲蝕の減少,高齢者や全身性疾患を伴う患者の増加などに対応して大きく変化しつつあり,21世紀の歯科医療においては,従来にも増して全身管理の知識を深めることが,歯科医師に対して強く求められている.
常に時代の要請に沿うべく,従来から改訂を重ねてきた本書も第3版の発行以来すでに7年を経過した.この7年間に,歯科医学教育の面では「歯科医学教授要綱」の大改訂ならびに「歯科医師国家試験出題基準」の4回目の改訂が行われた.また,平成13年3月に提出された「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の報告に基づいて,モデル・コア・カリキュラムの設定ならびにCBT試験が平成17年度から実施される予定となっている.
今般,これらの教育環境の変化に対応しつつ,また学問の進歩に合わせて本書を改訂すべく,第4版の編集を企画した.歯学部学生の標準的な教科書の改訂という基本の下に,より多くの学生諸君に理解しやすく,また講義を担当される諸先生方にとっても使いやすくするという視点で合議し,その結果,分担執筆者も大幅に入れ替えて,本書を完成するに至った次第である.
第4版では,各章での最新情報を導入することに加えて,二つの新しい章「ゲノム薬理」,「組織再生と薬物」を設けた.同時に,文章の簡略化,図表の整理などを行った.薬物の化学構造は,薬理作用の説明に必要なときに記載し,一般の薬物では代表的なもののみを記載することとした.収載薬物については,実験薬理学に関する代表的薬物は積極的に収載したが,特に臨床に使われる薬物については,現在わが国で実際に臨床適用されている薬物を中心に収載した.このため,旧版に収載されていても,副作用などの問題のために現在使用されていない薬物の多くは,第4版では除外されているので,この点にも十分に注意を払っていただきたい.
このたび上梓された第4版 現代歯科薬理学が,当代の信頼するに足る教科書として,先生方や学生諸君の座右に置かれることを切に願う次第である.
平成17年8月吉日
編集委員 小椋秀亮
加藤有三
篠田 壽
大谷啓一
第3版の序
本書は,主として歯科大学・歯学部の学生を対象とする薬理学・歯科薬理学の教科書として1979年8月に初版を刊行して以来5刷を重ねたが,斯学の進歩,発展をふまえて1989年には内容を一新した第2版を刊行した.その後1990年11月には第2刷増補版を,また1995年3月には第5刷増補版を刊行してきたが,この第2版の発刊から9年を経て,このたびさらに内容をいっそう充実させた第3版を刊行するはこびとなった.
この第3版の特色は,まず,平成6年(1994)に改訂された『歯科大学学長会議/歯科医学教授要綱,歯科薬理学』の教授項目に準拠したかたちで編集されていることと,平成8年(1996)4月に公布された第十三改正日本薬局方に基づいて薬物名を原則的に統一した点である.次に,この約10年間における薬理学・歯科薬理学領域における目覚ましい発展の成果に対応して,各専門領域から新しい分担執筆者に加わっていただき,また従来からの執筆者の分担領域を一部変更し,さらに歯科臨床的視点からの解説も加えられたことである.
本書の初版以来20年になろうとするこの時期に,書名にふさわしい現代性を維持した第3版を世に送り出すことができたのは,執筆者各位の努力の賜であり,編集責任者として厚く感謝申し上げる次第である.編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点があると思われる.この第3版を基として,今後ともより斬新な,より内容の充実した教科書に育てていきたいと考えている.
初版の“はしがき”にも記したように,本書の内容はおおむねそれぞれの専門分野にしたがって分担執筆されているので,多少の精粗と不平等があり,学生諸君にとってはいささか難解なものとして受け取られるところがあるかもしれない.特に小活字の部分は,学生諸君には詳しすぎる内容や他の学科でも学ぶ事柄などが記されており,その部分はとばして読んでもよいということではないが,省いても全体の意味は通じるようにしてある.これらの点は講義を行うに当たって,本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
なお,前回第2版までの編集責任者の1人であった小倉保己/東北大学名誉教授は現在石巻専修大学学長職を務めておられるが,現職がきわめて多忙であることから,今回の第3版の編集責任者を辞退された.たいへん残念ではあるが,まことにやむをえないことと判断して,今回から編集責任者が交代することになった.小倉保己氏の該博な知識と本書への情熱が,これまでの本書の刊行を支えてきた大きな力であったことに思いを至し,ここに同氏に対して深甚なる謝意を表する次第である.
1998年3月
編集責任者 小椋秀亮
加藤有三
篠田 壽
第2版の序
現代歯科薬理学の初版は1979年8月に発刊された.それから10年を経て,ここに第2版が刊行されることになった.
この第2版の内容は,昭和59年改訂の歯学教授要綱(歯科大学学長会議 歯学教授要綱改訂委員会)に掲げられている歯科薬理学教授要綱の教授項目に準拠したかたちで編集されたものである.また昭和61年6月に第十一改正日本薬局方が公布されたので,これに基づいて薬物名を統一した点,および現在厚生省において進められている歯科口腔用剤の再評価が従来臨床で使用されてきた多くの歯科用医薬品に及んできたので,その再評価結果を取り入れて編集作業が行われている点も第2版の特色といえる.第2版は初版と比べてオータコイド,救急用薬剤,ホルモン,ビタミンなどの多くの新項目が追加されており,またその内容も全体として一新され,充実したものとなった.これはこの10年間の薬理学・歯科薬理学領域におけるめざましい発展の成果をふまえた各分担執筆者各位の努力の賜であり,編集責任者として感謝申し上げる次第である.
このたび上梓のはこびとなった現代歯科薬理学第2版は,将来新たに改版されて行くものの原型ともなるべきものである.編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点があることと思われる.本書を基として今後より斬新な,より内容の充実した教科書に育てあげたいと考えている.
初版の“はしがき”にも記したように,本書の内容は,概ねそれぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握できるように編集されている.このため,学生諸君にとってはいささか難解なものとして受け取られるかもしれない.この点は講義を行うにあたって本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
1989年5月
編集責任者 小椋秀亮
小倉保己
初版の序
近年,歯学の臨床分野は拡大・分化の一途をたどり,薬物を医療に利用する機会も多くなるにつれて,歯科医師の薬物治療に対する関心も急速にたかまってきた.今後も歯学領域における各種の疾患に関する研究が進展するにつれて,歯科臨床における薬物の重要性はますます増大してゆくであろうと思われる.その意味でも,歯学部における薬理学の教育は,一層の充実を期すべく努めることが必要である.
上記の目的を達成するためにも,また歯学領域の薬理学の講義をより充実させ,より効率的に運用するためにも,教科書の編纂は目下の急務であると考え,同学の士の賛同を得て本書の刊行を企図した.
薬理学の範囲は広く,さらに歯科専用薬剤を含む歯科薬理学の内容は膨大なものである.そこで本書においては,昭和42年改訂歯科大学学長会議,歯学教育問題調査会編“歯科薬理学教授要綱”(これは主として歯科臨床で繁用される薬物に関するもの)ならびに昭和48年,全国歯科大学・歯学部の薬理学講座担当教官の合意によって補訂した“歯科薬理学教授要綱”に準拠して一応の内容項目の選定を行った.これはあくまでも便宜上のことであり,歯科薬理学の進歩に対応して本書にとりあげた項目が将来改訂されていくことは言うまでもない.
本書の内容は,それぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握されるように工夫されている.このため,学生諸君にはやや難解なものとして受取られるかもしれない.この点は,講義を行うにあたって,本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点なしとしない.また,本書の刊行準備にとりかかってから発刊に至るまでに,分担執筆による諸般の事情により長年月を経ることになった.したがって,本書の内容は必ずしも各執筆者の意に満ちたものばかりとは言えないところもあろうが,その点も編集責任者の責である.今後できるだけ早い機会に補訂を行い,さらに改訂を重ねつつ,本書をより斬新な,より充実した教科書に育てあげたいと考えている.歯科医学の関係機関はもとより,医学領域の方々にも本書が利用されるならば,編集責任者として望外の喜びである.
本書の刊行にあたり,歯学における薬理学教育の大先達,日本学士院会員,東京医科歯科大学名誉教授,昭和大学歯学部長,岡田正弘先生の序文を賜わったことに深く感謝の意を表するとともに,厚く御礼申し上げる次第である.
1979年8月
編集責任者 小椋秀亮
小倉保己
医療の現場において薬を用いて病気の治療,検査,予防が行われている.歯科医療においても薬による口腔疾患の治療は欠くべからざるものである.さらに超高齢社会が現実になっている今,多くの患者さんが薬による治療を受けており,その内容と薬の特性を理解・把握し,全身あるいは口腔内に及ぼす影響を考慮して歯科治療を行うことが求められている.その際には薬の作用メカニズム以外にも,薬効に影響を与える因子,予測しうる有害事象についての基本的な対応などを十分に理解しておく必要がある.さらにチーム医療を基盤とした現代の歯科医療において,すべての医療従事者が薬を有効かつ安全に使用するための知識を身につけることが求められている.
薬を使用した医療を行う際に必要な基礎的な知識を学ぶ教科書として,本書『現代歯科薬理学』は出版され版を重ねてきた.平成24年に出版した第5版はほぼ6年を経過し,記載内容も新しい薬物治療に対応できなくなっていた.そこで今回,近年の薬理学および関連の学問の進歩を取り入れた新しい第6版が企画された.本書,『現代歯科薬理学 第6版』は現在の薬物治療の発展状況に沿って大幅な改訂を行い,歯科医学を学ぶ学生への知識の教授のみならず,歯科医師をはじめ医療従事者として現在活躍されている方々への参考になるように,アップデートした内容となっている.
第6版の編集にあたり,章立ての再検討を行い,使用頻度が少なくなった薬物は割愛,統合を行っている.また,新しい章として「ゲノム薬理学とiPS細胞」,「歯科における漢方薬」を追加しており,新しく展開される薬物開発の現状,あるいは臨床において広く利用されるようになった漢方薬の情報を記載してある.本書の内容は膨大な薬理学に関する学術情報の中から,歯科医療における標準的な知識を簡明に解説したものである.そのため本第6版では,各章の冒頭に「学修目標とポイント」,「本章のキーワード」を挙げてあるので,勉学する際に学修の指標として活用いただきたい.
さらに薬物名を医薬品一般名で表記するようにした.一般名で医薬品を表記・指示することが現在の医療システムにおいて採用されているので,薬物名称を一般名にて記載することに馴染んでいただきたい.
各章のテキスト内には記載できなかった内容ではあるが知っておいたほうがよい知識,あるいは歴史的な薬物開発の経緯などはコラムとしてまとめてある.本書の内容は平成30年版歯科医師国家試験出題基準,平成28年度改訂版歯学教育モデル・コア・カリキュラムなど,わが国の歯学教育の基準となるべき提言に沿っているので,学生諸氏は本書をおおいに活用してほしい.
本第6版では新しく教育的指導の責任者として就任された方々に各章の担当者として執筆をお願いした.旧版までの各章を担当された先生方にはこれまでのご苦労に深謝したい.
新薬が次から次へと開発,臨床応用される時代となっている.さらにプレシジョン・メディシン(11章)など患者に適した薬物応用方法が話題となるこの頃である.本書『現代歯科薬理学』を利用して,学生ならびに医療従事者の方々に薬物治療の基礎的な知識を整理,学修していただき,歯科医療現場におけるよりよい医療の実践に役立てていただければ幸いである.
平成29年12月
編集委員 大谷啓一 青木和広
鈴木邦明 兼松 隆
戸苅彰史 筑波隆幸
第5版の序
本書『現代歯科薬理学』は昭和54年発行の初版以来,歯科学生にとり歯科薬理学の標準的教科書,参考図書として広く利用されてきた.本書は時代に則した内容変遷を遂げつつ数回にわたり版を重ねてきた.直近の改訂は平成17年に発行された第4版であり,大幅な内容の改善が行われた.しかし爾来数年を経て薬理学を取り巻く環境変化のスピードは加速するばかりで,第4版の内容も改訂せざるを得なくなった.本書の歯科学生における薬物の知識習得,臨床における薬物応用への重要な役割を考えると改訂をおろそかにすることはできず,第5版の発行はきわめて時宜を得たものと思われる.
今回の第5版は約6年ぶりの改訂であり,薬理学に関する新しい知見や臨床での薬物応用に関する最新情報を網羅することを目標として企画を行った.また同時に薬理学の膨大な知識を羅列的に記述するのではなく,重要な部分には詳細で平易な解説を付けて,より絞り込んだ内容にするよう留意してある.したがって今回の版ではページ数が第4版よりも少なくなっているが,新知見や重要な部分に関しては十分に記述されているので安心していただきたい.
本書は平成13年より提唱され版を重ねている「歯科医学教育モデル・コア・カリキュラム:教育内容ガイドライン(平成19年版)」をベースに最新版の情報も加味して項目立てを行っている.また同時に平成17年度より実施されている「臨床実習前の共用試験(CBT試験)」への標準的な学習・知識を提供できる内容となっている.さらに,平成19年に大幅な改訂が行われた「歯科医学教授要綱」の薬理学(生体と薬物)の内容を最大限に盛り込んだ.平成22年版の「歯科医師国家試験出題基準」への対応も行っている.現在我が国の歯学教育の基準となるべきこれらの提言を全て吸収し学習項目の整理を行っているので,学生諸氏には本書を大いに活用して欲しい.
第5版で充実を図った内容としては歯科臨床薬理学とも言うべき「医薬品適用上の注意」があり,学生諸氏が臨床現場において薬物応用の基礎知識を得られるようにした.旧版より導入した「ゲノム薬理」,「歯科における再生治療と薬物」に関しては最新の情報を入れたので,将来の薬理学の発展に思いを寄せていただきたい.各章の中で記述した薬物名に関しては,従来使用されている一般名を記述していることが多いが,日本医薬品一般名称データベースならびに平成23年に刊行された第十六改正日本薬局方にある局方名との対応表を巻末に付けたので利用いただきたい.
各章の旧版以来の執筆者も交代の時期となり大幅な入れ替えをお願いし,新しく教育的指導の立場に立たれた方々と交代した.旧版執筆者の方々のこれまでのご苦労に深く感謝したい.
第5版改訂中に本書の初版から第4版まで編集の中心として貢献いただいた小椋秀亮先生が先立たれたのは誠に残念であった.先生のご冥福をお祈りすると同時に,本書が広く我が国の標準的な歯科薬理学教科書として学生諸氏に利用していただくことで先生の労に報いたいと思う.
平成24年1月
編集委員 加藤有三 大谷啓一
篠田 壽 鈴木邦明
戸苅彰史
第4版の序
本書は,歯科薬理学の標準的な教科書として昭和54年に初版が発行され,その後,昭和64年に第2版,平成10年に第3版と全面的な改訂が行われてきた.この間,多くの歯学部の学生諸君から好評をもって迎えられたことは,編集に携わったものとして大きな喜びとするところである.
歯科薬理学は歯科医学における生命科学と歯科医療を連結する学問分野として,進歩発展を遂げてきた.最近では,これまで臨床適用されていた薬物が副作用のために使用中止となったり,また多くの新規薬物の登場などによって薬物情報に混乱を生じている.また歯科臨床も,齲蝕予防の進展による齲蝕の減少,高齢者や全身性疾患を伴う患者の増加などに対応して大きく変化しつつあり,21世紀の歯科医療においては,従来にも増して全身管理の知識を深めることが,歯科医師に対して強く求められている.
常に時代の要請に沿うべく,従来から改訂を重ねてきた本書も第3版の発行以来すでに7年を経過した.この7年間に,歯科医学教育の面では「歯科医学教授要綱」の大改訂ならびに「歯科医師国家試験出題基準」の4回目の改訂が行われた.また,平成13年3月に提出された「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の報告に基づいて,モデル・コア・カリキュラムの設定ならびにCBT試験が平成17年度から実施される予定となっている.
今般,これらの教育環境の変化に対応しつつ,また学問の進歩に合わせて本書を改訂すべく,第4版の編集を企画した.歯学部学生の標準的な教科書の改訂という基本の下に,より多くの学生諸君に理解しやすく,また講義を担当される諸先生方にとっても使いやすくするという視点で合議し,その結果,分担執筆者も大幅に入れ替えて,本書を完成するに至った次第である.
第4版では,各章での最新情報を導入することに加えて,二つの新しい章「ゲノム薬理」,「組織再生と薬物」を設けた.同時に,文章の簡略化,図表の整理などを行った.薬物の化学構造は,薬理作用の説明に必要なときに記載し,一般の薬物では代表的なもののみを記載することとした.収載薬物については,実験薬理学に関する代表的薬物は積極的に収載したが,特に臨床に使われる薬物については,現在わが国で実際に臨床適用されている薬物を中心に収載した.このため,旧版に収載されていても,副作用などの問題のために現在使用されていない薬物の多くは,第4版では除外されているので,この点にも十分に注意を払っていただきたい.
このたび上梓された第4版 現代歯科薬理学が,当代の信頼するに足る教科書として,先生方や学生諸君の座右に置かれることを切に願う次第である.
平成17年8月吉日
編集委員 小椋秀亮
加藤有三
篠田 壽
大谷啓一
第3版の序
本書は,主として歯科大学・歯学部の学生を対象とする薬理学・歯科薬理学の教科書として1979年8月に初版を刊行して以来5刷を重ねたが,斯学の進歩,発展をふまえて1989年には内容を一新した第2版を刊行した.その後1990年11月には第2刷増補版を,また1995年3月には第5刷増補版を刊行してきたが,この第2版の発刊から9年を経て,このたびさらに内容をいっそう充実させた第3版を刊行するはこびとなった.
この第3版の特色は,まず,平成6年(1994)に改訂された『歯科大学学長会議/歯科医学教授要綱,歯科薬理学』の教授項目に準拠したかたちで編集されていることと,平成8年(1996)4月に公布された第十三改正日本薬局方に基づいて薬物名を原則的に統一した点である.次に,この約10年間における薬理学・歯科薬理学領域における目覚ましい発展の成果に対応して,各専門領域から新しい分担執筆者に加わっていただき,また従来からの執筆者の分担領域を一部変更し,さらに歯科臨床的視点からの解説も加えられたことである.
本書の初版以来20年になろうとするこの時期に,書名にふさわしい現代性を維持した第3版を世に送り出すことができたのは,執筆者各位の努力の賜であり,編集責任者として厚く感謝申し上げる次第である.編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点があると思われる.この第3版を基として,今後ともより斬新な,より内容の充実した教科書に育てていきたいと考えている.
初版の“はしがき”にも記したように,本書の内容はおおむねそれぞれの専門分野にしたがって分担執筆されているので,多少の精粗と不平等があり,学生諸君にとってはいささか難解なものとして受け取られるところがあるかもしれない.特に小活字の部分は,学生諸君には詳しすぎる内容や他の学科でも学ぶ事柄などが記されており,その部分はとばして読んでもよいということではないが,省いても全体の意味は通じるようにしてある.これらの点は講義を行うに当たって,本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
なお,前回第2版までの編集責任者の1人であった小倉保己/東北大学名誉教授は現在石巻専修大学学長職を務めておられるが,現職がきわめて多忙であることから,今回の第3版の編集責任者を辞退された.たいへん残念ではあるが,まことにやむをえないことと判断して,今回から編集責任者が交代することになった.小倉保己氏の該博な知識と本書への情熱が,これまでの本書の刊行を支えてきた大きな力であったことに思いを至し,ここに同氏に対して深甚なる謝意を表する次第である.
1998年3月
編集責任者 小椋秀亮
加藤有三
篠田 壽
第2版の序
現代歯科薬理学の初版は1979年8月に発刊された.それから10年を経て,ここに第2版が刊行されることになった.
この第2版の内容は,昭和59年改訂の歯学教授要綱(歯科大学学長会議 歯学教授要綱改訂委員会)に掲げられている歯科薬理学教授要綱の教授項目に準拠したかたちで編集されたものである.また昭和61年6月に第十一改正日本薬局方が公布されたので,これに基づいて薬物名を統一した点,および現在厚生省において進められている歯科口腔用剤の再評価が従来臨床で使用されてきた多くの歯科用医薬品に及んできたので,その再評価結果を取り入れて編集作業が行われている点も第2版の特色といえる.第2版は初版と比べてオータコイド,救急用薬剤,ホルモン,ビタミンなどの多くの新項目が追加されており,またその内容も全体として一新され,充実したものとなった.これはこの10年間の薬理学・歯科薬理学領域におけるめざましい発展の成果をふまえた各分担執筆者各位の努力の賜であり,編集責任者として感謝申し上げる次第である.
このたび上梓のはこびとなった現代歯科薬理学第2版は,将来新たに改版されて行くものの原型ともなるべきものである.編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点があることと思われる.本書を基として今後より斬新な,より内容の充実した教科書に育てあげたいと考えている.
初版の“はしがき”にも記したように,本書の内容は,概ねそれぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握できるように編集されている.このため,学生諸君にとってはいささか難解なものとして受け取られるかもしれない.この点は講義を行うにあたって本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
1989年5月
編集責任者 小椋秀亮
小倉保己
初版の序
近年,歯学の臨床分野は拡大・分化の一途をたどり,薬物を医療に利用する機会も多くなるにつれて,歯科医師の薬物治療に対する関心も急速にたかまってきた.今後も歯学領域における各種の疾患に関する研究が進展するにつれて,歯科臨床における薬物の重要性はますます増大してゆくであろうと思われる.その意味でも,歯学部における薬理学の教育は,一層の充実を期すべく努めることが必要である.
上記の目的を達成するためにも,また歯学領域の薬理学の講義をより充実させ,より効率的に運用するためにも,教科書の編纂は目下の急務であると考え,同学の士の賛同を得て本書の刊行を企図した.
薬理学の範囲は広く,さらに歯科専用薬剤を含む歯科薬理学の内容は膨大なものである.そこで本書においては,昭和42年改訂歯科大学学長会議,歯学教育問題調査会編“歯科薬理学教授要綱”(これは主として歯科臨床で繁用される薬物に関するもの)ならびに昭和48年,全国歯科大学・歯学部の薬理学講座担当教官の合意によって補訂した“歯科薬理学教授要綱”に準拠して一応の内容項目の選定を行った.これはあくまでも便宜上のことであり,歯科薬理学の進歩に対応して本書にとりあげた項目が将来改訂されていくことは言うまでもない.
本書の内容は,それぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握されるように工夫されている.このため,学生諸君にはやや難解なものとして受取られるかもしれない.この点は,講義を行うにあたって,本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点なしとしない.また,本書の刊行準備にとりかかってから発刊に至るまでに,分担執筆による諸般の事情により長年月を経ることになった.したがって,本書の内容は必ずしも各執筆者の意に満ちたものばかりとは言えないところもあろうが,その点も編集責任者の責である.今後できるだけ早い機会に補訂を行い,さらに改訂を重ねつつ,本書をより斬新な,より充実した教科書に育てあげたいと考えている.歯科医学の関係機関はもとより,医学領域の方々にも本書が利用されるならば,編集責任者として望外の喜びである.
本書の刊行にあたり,歯学における薬理学教育の大先達,日本学士院会員,東京医科歯科大学名誉教授,昭和大学歯学部長,岡田正弘先生の序文を賜わったことに深く感謝の意を表するとともに,厚く御礼申し上げる次第である.
1979年8月
編集責任者 小椋秀亮
小倉保己
薬理学 総論
1章 薬理作用(大谷啓一)
I 薬と医療
II 薬物療法の種類
1.原因療法
2.対症療法
3.補充療法
4.予防療法
III 薬理作用の様式
1.器質的変化
2.機能的変化
IV 薬理作用の基本形式
1.興奮作用
2.抑制作用
3.刺激作用
4.補充作用
5.抗感染作用
V 薬理作用の分類
1.局所作用と全身作用
2.直接作用と間接作用
3.主作用と副作用
4.選択的作用と一般作用
VI 薬物の併用
1.協力作用
2.拮抗作用
2章 用量と薬理作用(兼松 隆)
I 用量-反応関係
1.段階的用量-反応関係
2.量子的用量-反応関係
3.薬の用量を表す用語
II 治療係数
III 治療薬物モニタリング
3章 生体内生理活性物質
I 神経伝達物質(兼松 隆)
1.アミン類
2.抑制性アミノ酸
3.興奮性アミノ酸
II オータコイド
1.(生理活性)アミン
2.脂質
3.生理活性ペプチド
III ホルモン(戸苅彰史)
1.ホルモンの特徴
2.ホルモンの種類と分類
3.フィードバック調節
4.ホルモン分泌の調節
5.ホルモンの作用機序
IV サイトカイン(兼松 隆)
V 成長因子
4章 薬理作用の機序
I 薬物受容体とリガンド(若森 実)
1.作動薬
2.拮抗薬
3.余剰受容体
II 受容体を介する薬理作用
1.細胞膜受容体
2.細胞質および核内受容体
III 受容体を介さない薬理作用
1.膜輸送タンパク質に作用する薬物
2.酵素に作用する薬物(鈴木邦明)
3.核酸に作用する薬物
4.細胞膜・脂質に作用する薬物
5.代謝拮抗物質による作用
6.物理化学的作用
5章 薬物動態(筑波隆幸)
I 薬物動態
1.定義
2.血中濃度-時間曲線
II 薬物の投与経路
1.全身適用と局所適用
2.経口投与
3.舌下投与
4.注射投与
5.直腸内投与
6.皮膚投与
7.吸入投与
8.その他
III 薬物の吸収
1.薬物の細胞膜通過
2.吸収におけるpHの影響
3.吸収における脂溶性と水溶性
4.バイオアベイラビリティ
IV 薬物の分布
1.血中での薬物の存在様式
2.組織血流量
3.血管透過性
4.組織移行性
5.組織への蓄積
6.分布容積
7.コンパートメントモデル
V 薬物の代謝
1.薬物代謝反応
2.薬物代謝酵素
3.抱合反応
4.代謝酵素の誘導と阻害
5.プロドラッグ
VI 薬物の排泄
1.尿中への排泄
2.腸肝循環
3.全身クリアランス
4.クレアチニンクリアランス
5.その他の排泄経路
6.定常状態
7.反復投与
8.負荷投与量
6章 薬物の効果に影響する諸因子(青木和広)
I 生体側の因子
1.年齢
2.性差
3.動物の種差
4.人種差,動物の系統差
5.個体差,遺伝的素因
6.疾病
7.栄養状態,体重
8.外部環境
II 薬物側の因子
1.薬物の剤形
2.ドラッグデリバリーシステム
III 人の責任分担や心理などに関与する因子
1.服薬遵守
2.薬物の服薬時刻と回数
3.薬物の連用と併用
4.プラセボ効果
5.医療面接と情報不足
7章 薬物の連用(小林真之)
I 耐性
1.薬物耐性
2.脱感作
3.過感受性
4.離脱症候
II 薬物依存
1.薬物依存の形成機序
2.身体依存と精神依存
3.薬物乱用
4.薬物中毒
III 薬物の蓄積
8章 薬物の副作用・有害作用・相互作用(鈴木邦明)
I 副作用と有害作用
II 薬物の有害作用の分類
III 薬物の有害作用の原因
1.投与量の過大
2.細胞毒性
3.薬物アレルギー,アレルギー性細胞傷害
4.催奇形性
5.変異原性と発癌性
6.薬物相互作用
IV 一般的有害作用の分類
1.血液障害
2.消化器障害
3.肝障害
4.腎障害
5.呼吸器障害
6.中枢神経障害
7.皮膚障害
V 歯科領域における薬物の副作用・有害作用
1.歯肉増殖症
2.口腔乾燥症
3.唾液分泌過剰
4.歯の形成障害と着色
5.味覚障害
6.口唇異常感
7.口内炎
VI 薬物相互作用
1.薬力学的相互作用
2.薬物動態学的相互作用
VII 副作用の予知と回避
9章 医薬品適用上の注意(ライフステージと薬物)(筒井健夫)
I 妊婦に対する薬物投与
1.妊娠中の薬物療法の注意事項
2.妊婦の薬物動態
3.薬物の胎盤通過性
II 授乳婦に対する薬物投与
1.母乳への薬物の移行性
2.哺乳による薬物移行
3.授乳中の女性に投与が禁忌もしくは授乳の一時停止が必要な主な薬物
III 小児に対する薬物投与
1.小児の薬物動態
2.小児薬用量の設定
3.小児に特有な有害作用
IV 高齢者に対する薬物投与
1.高齢者の薬物動態
V 全身的疾患を有する患者への薬物投与
10章 薬物と医薬品(原澤秀樹)
I 医薬品の開発
1.医薬品の開発から承認,発売までの流れ
II 医薬品
1.医薬品の法的位置づけ
2.医薬品の管理および取り扱い
3.医薬品情報
4.医薬品の剤形
III 医薬品の適用と処方箋
1.処方箋の機能
2.処方箋の記載事項
IV 医療安全対策
1.使用上の安全対策
2.院内感染対策
3.医薬品による健康被害
4.薬害
11章 ゲノム薬理学とiPS細胞(二藤 彰)
I ゲノム薬理学とは
II ゲノム薬理における創薬
III iPS細胞とは
IV ヒト幹細胞を用いた創薬
V 個別化医療
VI iPS細胞を用いた個別化医療
VII ゲノム薬理と個人情報
薬理学 各論
12章 末梢神経系に作用する薬物(戸苅彰史)
I 末梢神経の分類
1.体性神経系
2.自律神経系
II ニューロン間の情報伝達と薬物
1.アドレナリン作動性神経伝達
2.コリン作動性神経伝達
III 交感神経に作用する薬物
1.アドレナリン作動薬
2.抗アドレナリン薬
3.交感神経ニューロン遮断薬
IV 副交感神経に作用する薬物
1.コリン作動薬
2.抗コリン薬
V 自律神経節に作用する薬物
1.神経節興奮薬
2.神経節遮断薬
VI 神経筋接合部に作用する薬物
1.神経筋接合部興奮薬
2.神経筋接合部遮断薬
13章 中枢神経系に作用する薬物
I 全身麻酔薬(笠原正貴)
[総論]
1.全身麻酔
2.全身麻酔薬の作用機序
3.吸入麻酔薬
4.麻酔前投薬
[各論]
1.吸入麻酔薬
2.静脈麻酔薬
II アルコール(中西 博)
1.エタノール
2.メタノール
III 麻薬性鎮痛薬
[総論]
1.痛覚の伝達経路
[各論]
1.麻薬性鎮痛薬
2.非麻薬性鎮痛薬
3.麻薬拮抗薬
IV 催眠鎮静薬,抗不安薬(兼松 隆)
[総論]
1.催眠鎮静薬
2.抗不安薬
[各論]
1.ベンゾジアゼピン系薬物
2.バルビツール酸系薬物
3.その他
V 抗てんかん薬
[総論]
[各論]
1.抗てんかん薬
VI 向精神薬
A.抗精神病薬
[総論]
[各論]
B.抗不安薬
C.抗うつ薬・抗躁薬
[総論]
[各論]
1.抗うつ薬
2.抗躁薬
VII 中枢神経興奮薬(筑波隆幸)
[総論]
[各論]
1.大脳作用型興奮薬
2.脳幹作用型興奮薬
3.脊髄作用型興奮薬
4.幻覚薬
VIII Parkinson病治療薬
IX 脳循環代謝改善薬
X 認知症治療薬
14章 循環系に作用する薬物(若森 実)
I 高血圧治療薬
1.血圧の決定因子と高血圧の病態生理
2.高血圧治療薬
II 心不全治療薬
1.心不全の病態生理
2.心不全治療薬
III 抗不整脈薬
1.不整脈の病態生理
2.抗不整脈薬
IV 狭心症治療薬
1.狭心症の病態生理
2.狭心症治療薬
15章 血液および造血器に作用する薬物(仲村健二郎)
[総論]
I 止血-線溶機構
1.止血-線溶機構
2.凝固因子のカスケード
3.線溶系
[各論]
II 止血薬
1.全身性止血薬
2.局所止血薬
III 抗凝固薬
1.血小板凝集抑制薬
2.経口抗凝固薬
3.ヘパリン製剤
4.血栓溶解薬
IV 貧血に用いられる薬物
V メトヘモグロビン血症に用いられる薬物
16章 腎臓に作用する薬物(見正道)
I 腎臓の構造
II 腎臓の機能
1.尿生成の過程
2.尿生成を調節するホルモン
III 利尿薬
1.ループ利尿薬
2.チアジド系利尿薬
3.炭酸脱水酵素阻害薬
4.カリウム保持性利尿薬
5.浸透圧利尿薬
6.バソプレシンV2受容体拮抗薬
IV 抗利尿薬
17章 呼吸器系に作用する薬物(佐伯万騎男)
I 気管支喘息治療薬
1.気管支喘息治療薬の分類
II COPD治療薬
III 鎮咳薬
IV 去痰薬
V 呼吸促進薬
18章 消化器系に作用する薬物(山ア 純)
[総論]
I 胃の構造と機能
1.胃酸分泌
2.胃酸分泌調節機構
3.胃粘膜防御機構
II 腸の構造と機構
[各論]
III 胃に作用する薬物
1.消化性潰瘍治療薬
2.機能性ディスペプシア治療薬
3.制吐薬
IV 腸に作用する薬物
1.止瀉薬
2.瀉下薬
3.整腸薬
4.過敏性腸症候群治療薬
5.炎症性腸疾患治療薬
V 肝臓,胆?に作用する薬物
1.利胆薬・胆石溶解薬
2.肝疾患治療薬
19章 内分泌および代謝系に作用する薬物
I 甲状腺ホルモンと抗甲状腺薬(戸苅彰史)
1.生合成・分泌・作用
2.甲状腺機能亢進症の治療薬
3.甲状腺機能低下症の治療薬
II 膵臓ホルモンと経口糖尿病治療薬
1.インスリンの合成・分泌・作用
2.糖尿病
3.糖尿病治療薬
III 副腎皮質ホルモンと抗副腎皮質ホルモン薬
1.副腎皮質ホルモンの生理作用
2.抗副腎皮質ホルモン薬
IV 性ホルモンと性ホルモン拮抗薬
1.性ホルモンの分泌制御と生理作用
2.アンドロゲン製剤
3.抗アンドロゲン薬
4.エストロゲン製剤
5.プロゲステロン製剤
6.抗エストロゲン薬
7.経口避妊薬
V カルシウム代謝ホルモンと骨粗鬆症治療薬
VI 脂質代謝と脂質異常症治療薬(岡元邦彰)
1.コレステロール合成阻害
2.胆汁酸阻害
3.コレステロールトランスポーター阻害薬
4.VLDLからLDLへの異化の亢進
5.脂肪酸合成阻害
6.LDL取り込み促進薬
7.その他
VII 尿酸代謝と高尿酸血症・痛風治療薬
1.急性発作治療薬
2.尿酸排泄促進薬
3.尿酸生合成阻害薬
20章 ビタミン(田熊一敞)
[総論]
1.ビタミンとは
2.脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン
[各論]
I 脂溶性ビタミン
1.ビタミンA
2.ビタミンD
3.ビタミンE
4.ビタミンK
II 水溶性ビタミン
1.ビタミンB群
2.ビタミンC
歯科薬理学 各論
21章 局所麻酔薬(鈴木邦明)
I 局所麻酔薬とは
II 局所麻酔薬の作用機構
1.痛覚伝導
2.局所麻酔薬の作用点と作用機序
3.局所麻酔薬の解離型と非解離型の割合
4.作用部位での有効濃度に影響する因子
5.血管収縮薬の併用
III 局所麻酔薬
1.合成局所麻酔薬の開発
2.基本的化学構造と分類
3.主なエステル型局所麻酔薬
4.主なアミド型局所麻酔薬
5.歯科領域で使用される局所麻酔薬
IV 局所麻酔薬の適用法
V 局所麻酔薬の生体に対する作用
1.局所麻酔薬の一般的性質
2.薬物動態
3.全身作用
4.副作用・有害作用
22章 救急用薬物(笠原正貴)
I 救急時に使用される薬物
1.呼吸器系に作用する薬物
2.循環作動薬
II 歯科治療中に起こる全身的偶発症の治療
1.頻度の高い全身的偶発症への対応
23章 抗炎症薬,解熱鎮痛薬
[総論]
I 炎症の基本概念(十川紀夫)
II 炎症の経過と炎症性病理変化
III 炎症のケミカルメディエーター
1.生体アミン類
2.エイコサノイド
3.血漿キニン類
4.その他
[各論]
I ステロイド性抗炎症薬(戸苅彰史)
1.糖質コルチコイドの作用
2.ステロイド性抗炎症薬の作用機序
3.ステロイド性抗炎症薬の有害作用
4.ステロイド性抗炎症薬の臨床適用
II 非ステロイド性抗炎症薬(十川紀夫)
1.酸性NSAIDsの作用機序と薬理作用
2.酸性NSAIDsの副作用・有害作用
3.酸性NSAIDsの薬物相互作用
4.酸性NSAIDsの分類
5.塩基性NSAIDs
6.NSAIDs投与時の特別な注意事項
III 解熱鎮痛薬
IV 片頭痛治療薬
V 神経障害性疼痛治療薬
1.抗うつ薬
2.イオンチャネル遮断薬
3.NMDA受容体拮抗薬
4.下行性疼痛抑制系活性化薬
24章 抗感染症薬
[総論]
I 抗感染症薬の基礎的事項(筑波隆幸)
1.定義
2.選択毒性
3.殺菌作用と静菌作用
4.抗菌スペクトル
II 抗感染症薬の作用機序
1.細胞壁合成阻害
2.細胞膜障害
3.核酸合成阻害
4.タンパク質合成阻害
5.葉酸合成阻害
III 耐性獲得の機序
IV 抗感染症薬の生体内分布
V MRSAに対する薬物投与
VI 抗感染症薬の副作用
VII 抗感染症薬による副現象
[各論]
I サルファ薬
II β-ラクタム系抗菌薬
1.ペニシリン系抗菌薬
2.セフェム系抗菌薬
3.カルバペネム系抗菌薬
4.ペネム系抗菌薬
5.モノバクタム系抗菌薬
6.β-ラクタマーゼ阻害薬
III アミノグリコシド系抗菌薬(佐藤友昭)
IV マクロライド系抗菌薬
V リンコマイシン系抗菌薬
VI テトラサイクリン系抗菌薬
VII クロラムフェニコール系抗菌薬
VIII ペプチド系抗菌薬
IX ピリドンカルボン酸系抗菌薬
1.キノロン系抗菌薬
2.ニューキノロン系抗菌薬
X ホスホマイシン系抗菌薬
XI 抗結核薬
XII 抗真菌薬
1.ポリエン系抗真菌薬
2.グリサン系抗真菌薬
3.アリルアミン系抗真菌薬
4.アゾール系抗真菌薬
5.フルオロピリミジン系抗真菌薬
6.キャンディン系抗真菌薬
7.その他の抗真菌薬
XIII 抗ウイルス薬
1.抗ヘルペスウイルス薬
2.抗サイトメガロウイルス薬
3.インフルエンザ治療薬
4.ウイルス性肝炎治療薬
5.HIV感染治療薬
25章 免疫機能に影響する薬物(竹内 弘)
I 免疫とは
1.免疫反応
2.免疫にかかわるサイトカイン
3.免疫機能に影響する薬物の主な対象疾患
4.アレルギー反応
II 免疫抑制薬
1.細胞増殖阻害薬
2.リンパ球機能阻害薬
3.生物学的製剤
III 免疫賦活薬
1.非特異的免疫賦活薬
2.サイトカイン
3.免疫グロブリン
IV アレルギーの治療薬
1.抗ヒスタミン薬
2.抗アレルギー薬
3.糖質コルチコイド
V 抗リウマチ薬
1.免疫抑制薬
2.免疫調節薬
3.生物学的製剤
26章 抗腫瘍薬(柏俣正典)
I 腫瘍とその治療法
II 抗腫瘍薬の種類
1.アルキル化薬
2.代謝拮抗薬
3.抗腫瘍性抗生物質
4.微小管阻害薬
5.ホルモン類
6.白金化合物
7.トポイソメラーゼ阻害薬
8.分子標的治療薬
9.生体応答調整物質
10.その他の抗腫瘍薬
27章 口腔粘膜疾患に用いられる薬物(北川善政,浅香卓哉)
I 薬物の種類と適応
II 各種口腔粘膜疾患に対する治療法
1.ウイルス感染症
2.口腔カンジダ症
3.口腔扁平苔癬
4.皮膚の慢性水疱症
5.アフタ・再発性アフタ
6.口角炎
7.毛舌
8.白板症
9.口腔乾燥症
10.味覚障害
11.特殊な疾患
28章 硬組織に作用する薬物
I カルシウム調節ホルモン(鈴木恵子)
1.副甲状腺ホルモン
2.ビタミンD
3.カルシトニン
II ビタミンK
III 選択的エストロゲン受容体モジュレーター
IV ビスホスホネート製剤(青木和広)
1.薬物動態と骨吸収抑制作用
2.臨床応用と副作用
3.骨吸収抑制作用以外の薬理作用とその応用
V 抗RANKL抗体
29章 唾液腺に作用する薬物(谷村明彦,東城庸介)
[総論]
I 唾液の生理作用
II 唾液の分泌機構
III 唾液分泌の調節に関与する受容体と細胞内情報伝達
1.Ca2+をセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達系
2.cAMPをセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達系
[各論]
IV 唾液分泌を促進する薬物と口腔乾燥症の治療薬
1.口腔乾燥症治療薬
2.副作用として唾液分泌を促進する薬物
V 唾液分泌を阻害する薬物
1.抗コリン薬
2.向精神薬
3.抗ヒスタミン薬
4.その他の薬物
30章 重金属拮抗薬(田村幸彦)
I 重金属……347 II 重金属拮抗薬
31章 消毒に用いられる薬物
[総論]
I 消毒に用いられる薬物(三枝 禎)
II 院内感染の防止と消毒
III 消毒薬の用途と特徴
1.用途・使用法
2.特徴:消毒薬の作用に影響を与える因子
IV 滅菌・消毒の対象となる器具の分類
V 消毒水準分類からみた消毒薬
VI 消毒薬の作用機序
VII 消毒薬の効力の比較
[各論]
I 酸化剤
1.過酸化水素
2.過酢酸
II ハロゲン系
1.次亜塩素酸系
2.ヨードホール・ヨード系
III アルコール類(大住伴子)
1.エタノール
2.イソプロパノール
IV アルデヒド類
1.ホルマリン
2.パラホルムアルデヒド
3.グルタラール
4.フタラール
V フェノール類
1.フェノール
2.クレゾール石ケン液
3.その他のフェノール類
VI 精油類
VII 第四級アンモニウム塩(三枝 禎)
1.ベンザルコニウム塩化物
2.ベンゼトニウム塩化物
VIII クロルヘキシジングルコン酸塩
IX 両性界面活性剤
X その他の消毒薬
1.有機色素類
2.重金属
XI B型肝炎ウイルスとヒト免疫不全ウイルスの消毒
1.B型肝炎ウイルス
2.ヒト免疫不全ウイルス
32章 歯内療法に用いられる薬物(興地隆史)
I 歯内療法と薬物
II 齲窩消毒薬,歯髄鎮静・鎮痛薬
1.齲窩の消毒と歯髄の鎮静・鎮痛
2.齲窩消毒薬,歯髄鎮静・鎮痛薬
III 象牙質知覚過敏症治療薬
1.象牙質知覚過敏症
2.象牙質知覚過敏症治療薬
3.象牙質知覚過敏抑制材
IV 覆髄薬・断髄薬
1.間接覆髄法に用いる薬剤
2.暫間的間接覆髄法に用いる薬剤
3.直接覆髄法に用いる薬剤
4.生活断髄法に用いる薬剤
V 根管清掃薬・根管拡大補助薬
VI 根管消毒薬
1.根管消毒薬の必要性
2.根管消毒薬の所要性質と問題点
3.根管消毒薬
VII 根管充?薬
1.根管充?
2.根管充?薬
33章 歯周治療に用いられる薬物(山本松男,小出容子)
I 歯周疾患とは
II 歯周治療:炎症のコントロール,創傷治癒と組織再生
III 歯周治療に用いる薬物
1.歯肉縁上プラークの抑制に関連する薬物
2.歯肉縁下プラークの抑制に関連する薬物
3.その他の薬物
IV 歯周外科手術に関連する薬物
1.骨補?材
2.GTR法
3.増殖因子などの応用
4.コラーゲン製剤
34章 齲蝕予防薬(佐伯万騎男)
I フッ化物の定義
II フッ化物の作用
1.フッ化物の全身的影響
2.フッ化物の慢性中毒
3.フッ化物の急性中毒
III フッ化物の臨床応用
1.フッ化物の歯面塗布
2.フッ化物洗口
3.フッ化物配合歯磨剤
4.水道水のフッ素化
IV 代用甘味料
35章 歯科における漢方薬(笠原正貴)
I 漢方とは
II 漢方の特徴
1.漢方薬の構成と漢方の戦略
2.漢方の診断法
III 歯科適応の漢方薬
コラム
薬と薬物,薬剤(大谷啓一)
生体内生理活性物質による生体機能の多彩な調節(兼松 隆)
ALSの原因遺伝子(二藤 彰)
Gタンパク質共役型受容体と平滑筋収縮(戸苅彰史)
酒量抑制薬(中西 博)
ワルファリン投与患者の歯科処置(仲村健二郎)
喘息の新しい治療ガイドライン(佐伯万騎男)
パパベリン(山ア 純)
原発事故とヨウ素剤(戸苅彰史)
歯周病と糖尿病(戸苅彰史)
症状の重篤化に伴う心停止への対応(笠原正貴)
アスピリンの抗血小板作用とアスピリンジレンマ(十川紀夫)
抗微生物薬適正使用の手引き(筑波隆幸)
PK/PD理論(筑波隆幸)
アレルギー誘発剤(竹内 弘)
イレッサ(柏俣正典)
顎骨壊死(青木和広)
唾液の機能(谷村明彦,東城庸介)
口腔乾燥症治療薬の作用機序に関する新しい視点(谷村明彦,東城庸介)
三酸化ヒ素(田村幸彦)
強酸性電解水(三枝 禎)
速乾性擦式消毒剤(三枝 禎)
微量有効作用(三枝 禎)
参考文献
索引
1章 薬理作用(大谷啓一)
I 薬と医療
II 薬物療法の種類
1.原因療法
2.対症療法
3.補充療法
4.予防療法
III 薬理作用の様式
1.器質的変化
2.機能的変化
IV 薬理作用の基本形式
1.興奮作用
2.抑制作用
3.刺激作用
4.補充作用
5.抗感染作用
V 薬理作用の分類
1.局所作用と全身作用
2.直接作用と間接作用
3.主作用と副作用
4.選択的作用と一般作用
VI 薬物の併用
1.協力作用
2.拮抗作用
2章 用量と薬理作用(兼松 隆)
I 用量-反応関係
1.段階的用量-反応関係
2.量子的用量-反応関係
3.薬の用量を表す用語
II 治療係数
III 治療薬物モニタリング
3章 生体内生理活性物質
I 神経伝達物質(兼松 隆)
1.アミン類
2.抑制性アミノ酸
3.興奮性アミノ酸
II オータコイド
1.(生理活性)アミン
2.脂質
3.生理活性ペプチド
III ホルモン(戸苅彰史)
1.ホルモンの特徴
2.ホルモンの種類と分類
3.フィードバック調節
4.ホルモン分泌の調節
5.ホルモンの作用機序
IV サイトカイン(兼松 隆)
V 成長因子
4章 薬理作用の機序
I 薬物受容体とリガンド(若森 実)
1.作動薬
2.拮抗薬
3.余剰受容体
II 受容体を介する薬理作用
1.細胞膜受容体
2.細胞質および核内受容体
III 受容体を介さない薬理作用
1.膜輸送タンパク質に作用する薬物
2.酵素に作用する薬物(鈴木邦明)
3.核酸に作用する薬物
4.細胞膜・脂質に作用する薬物
5.代謝拮抗物質による作用
6.物理化学的作用
5章 薬物動態(筑波隆幸)
I 薬物動態
1.定義
2.血中濃度-時間曲線
II 薬物の投与経路
1.全身適用と局所適用
2.経口投与
3.舌下投与
4.注射投与
5.直腸内投与
6.皮膚投与
7.吸入投与
8.その他
III 薬物の吸収
1.薬物の細胞膜通過
2.吸収におけるpHの影響
3.吸収における脂溶性と水溶性
4.バイオアベイラビリティ
IV 薬物の分布
1.血中での薬物の存在様式
2.組織血流量
3.血管透過性
4.組織移行性
5.組織への蓄積
6.分布容積
7.コンパートメントモデル
V 薬物の代謝
1.薬物代謝反応
2.薬物代謝酵素
3.抱合反応
4.代謝酵素の誘導と阻害
5.プロドラッグ
VI 薬物の排泄
1.尿中への排泄
2.腸肝循環
3.全身クリアランス
4.クレアチニンクリアランス
5.その他の排泄経路
6.定常状態
7.反復投与
8.負荷投与量
6章 薬物の効果に影響する諸因子(青木和広)
I 生体側の因子
1.年齢
2.性差
3.動物の種差
4.人種差,動物の系統差
5.個体差,遺伝的素因
6.疾病
7.栄養状態,体重
8.外部環境
II 薬物側の因子
1.薬物の剤形
2.ドラッグデリバリーシステム
III 人の責任分担や心理などに関与する因子
1.服薬遵守
2.薬物の服薬時刻と回数
3.薬物の連用と併用
4.プラセボ効果
5.医療面接と情報不足
7章 薬物の連用(小林真之)
I 耐性
1.薬物耐性
2.脱感作
3.過感受性
4.離脱症候
II 薬物依存
1.薬物依存の形成機序
2.身体依存と精神依存
3.薬物乱用
4.薬物中毒
III 薬物の蓄積
8章 薬物の副作用・有害作用・相互作用(鈴木邦明)
I 副作用と有害作用
II 薬物の有害作用の分類
III 薬物の有害作用の原因
1.投与量の過大
2.細胞毒性
3.薬物アレルギー,アレルギー性細胞傷害
4.催奇形性
5.変異原性と発癌性
6.薬物相互作用
IV 一般的有害作用の分類
1.血液障害
2.消化器障害
3.肝障害
4.腎障害
5.呼吸器障害
6.中枢神経障害
7.皮膚障害
V 歯科領域における薬物の副作用・有害作用
1.歯肉増殖症
2.口腔乾燥症
3.唾液分泌過剰
4.歯の形成障害と着色
5.味覚障害
6.口唇異常感
7.口内炎
VI 薬物相互作用
1.薬力学的相互作用
2.薬物動態学的相互作用
VII 副作用の予知と回避
9章 医薬品適用上の注意(ライフステージと薬物)(筒井健夫)
I 妊婦に対する薬物投与
1.妊娠中の薬物療法の注意事項
2.妊婦の薬物動態
3.薬物の胎盤通過性
II 授乳婦に対する薬物投与
1.母乳への薬物の移行性
2.哺乳による薬物移行
3.授乳中の女性に投与が禁忌もしくは授乳の一時停止が必要な主な薬物
III 小児に対する薬物投与
1.小児の薬物動態
2.小児薬用量の設定
3.小児に特有な有害作用
IV 高齢者に対する薬物投与
1.高齢者の薬物動態
V 全身的疾患を有する患者への薬物投与
10章 薬物と医薬品(原澤秀樹)
I 医薬品の開発
1.医薬品の開発から承認,発売までの流れ
II 医薬品
1.医薬品の法的位置づけ
2.医薬品の管理および取り扱い
3.医薬品情報
4.医薬品の剤形
III 医薬品の適用と処方箋
1.処方箋の機能
2.処方箋の記載事項
IV 医療安全対策
1.使用上の安全対策
2.院内感染対策
3.医薬品による健康被害
4.薬害
11章 ゲノム薬理学とiPS細胞(二藤 彰)
I ゲノム薬理学とは
II ゲノム薬理における創薬
III iPS細胞とは
IV ヒト幹細胞を用いた創薬
V 個別化医療
VI iPS細胞を用いた個別化医療
VII ゲノム薬理と個人情報
薬理学 各論
12章 末梢神経系に作用する薬物(戸苅彰史)
I 末梢神経の分類
1.体性神経系
2.自律神経系
II ニューロン間の情報伝達と薬物
1.アドレナリン作動性神経伝達
2.コリン作動性神経伝達
III 交感神経に作用する薬物
1.アドレナリン作動薬
2.抗アドレナリン薬
3.交感神経ニューロン遮断薬
IV 副交感神経に作用する薬物
1.コリン作動薬
2.抗コリン薬
V 自律神経節に作用する薬物
1.神経節興奮薬
2.神経節遮断薬
VI 神経筋接合部に作用する薬物
1.神経筋接合部興奮薬
2.神経筋接合部遮断薬
13章 中枢神経系に作用する薬物
I 全身麻酔薬(笠原正貴)
[総論]
1.全身麻酔
2.全身麻酔薬の作用機序
3.吸入麻酔薬
4.麻酔前投薬
[各論]
1.吸入麻酔薬
2.静脈麻酔薬
II アルコール(中西 博)
1.エタノール
2.メタノール
III 麻薬性鎮痛薬
[総論]
1.痛覚の伝達経路
[各論]
1.麻薬性鎮痛薬
2.非麻薬性鎮痛薬
3.麻薬拮抗薬
IV 催眠鎮静薬,抗不安薬(兼松 隆)
[総論]
1.催眠鎮静薬
2.抗不安薬
[各論]
1.ベンゾジアゼピン系薬物
2.バルビツール酸系薬物
3.その他
V 抗てんかん薬
[総論]
[各論]
1.抗てんかん薬
VI 向精神薬
A.抗精神病薬
[総論]
[各論]
B.抗不安薬
C.抗うつ薬・抗躁薬
[総論]
[各論]
1.抗うつ薬
2.抗躁薬
VII 中枢神経興奮薬(筑波隆幸)
[総論]
[各論]
1.大脳作用型興奮薬
2.脳幹作用型興奮薬
3.脊髄作用型興奮薬
4.幻覚薬
VIII Parkinson病治療薬
IX 脳循環代謝改善薬
X 認知症治療薬
14章 循環系に作用する薬物(若森 実)
I 高血圧治療薬
1.血圧の決定因子と高血圧の病態生理
2.高血圧治療薬
II 心不全治療薬
1.心不全の病態生理
2.心不全治療薬
III 抗不整脈薬
1.不整脈の病態生理
2.抗不整脈薬
IV 狭心症治療薬
1.狭心症の病態生理
2.狭心症治療薬
15章 血液および造血器に作用する薬物(仲村健二郎)
[総論]
I 止血-線溶機構
1.止血-線溶機構
2.凝固因子のカスケード
3.線溶系
[各論]
II 止血薬
1.全身性止血薬
2.局所止血薬
III 抗凝固薬
1.血小板凝集抑制薬
2.経口抗凝固薬
3.ヘパリン製剤
4.血栓溶解薬
IV 貧血に用いられる薬物
V メトヘモグロビン血症に用いられる薬物
16章 腎臓に作用する薬物(見正道)
I 腎臓の構造
II 腎臓の機能
1.尿生成の過程
2.尿生成を調節するホルモン
III 利尿薬
1.ループ利尿薬
2.チアジド系利尿薬
3.炭酸脱水酵素阻害薬
4.カリウム保持性利尿薬
5.浸透圧利尿薬
6.バソプレシンV2受容体拮抗薬
IV 抗利尿薬
17章 呼吸器系に作用する薬物(佐伯万騎男)
I 気管支喘息治療薬
1.気管支喘息治療薬の分類
II COPD治療薬
III 鎮咳薬
IV 去痰薬
V 呼吸促進薬
18章 消化器系に作用する薬物(山ア 純)
[総論]
I 胃の構造と機能
1.胃酸分泌
2.胃酸分泌調節機構
3.胃粘膜防御機構
II 腸の構造と機構
[各論]
III 胃に作用する薬物
1.消化性潰瘍治療薬
2.機能性ディスペプシア治療薬
3.制吐薬
IV 腸に作用する薬物
1.止瀉薬
2.瀉下薬
3.整腸薬
4.過敏性腸症候群治療薬
5.炎症性腸疾患治療薬
V 肝臓,胆?に作用する薬物
1.利胆薬・胆石溶解薬
2.肝疾患治療薬
19章 内分泌および代謝系に作用する薬物
I 甲状腺ホルモンと抗甲状腺薬(戸苅彰史)
1.生合成・分泌・作用
2.甲状腺機能亢進症の治療薬
3.甲状腺機能低下症の治療薬
II 膵臓ホルモンと経口糖尿病治療薬
1.インスリンの合成・分泌・作用
2.糖尿病
3.糖尿病治療薬
III 副腎皮質ホルモンと抗副腎皮質ホルモン薬
1.副腎皮質ホルモンの生理作用
2.抗副腎皮質ホルモン薬
IV 性ホルモンと性ホルモン拮抗薬
1.性ホルモンの分泌制御と生理作用
2.アンドロゲン製剤
3.抗アンドロゲン薬
4.エストロゲン製剤
5.プロゲステロン製剤
6.抗エストロゲン薬
7.経口避妊薬
V カルシウム代謝ホルモンと骨粗鬆症治療薬
VI 脂質代謝と脂質異常症治療薬(岡元邦彰)
1.コレステロール合成阻害
2.胆汁酸阻害
3.コレステロールトランスポーター阻害薬
4.VLDLからLDLへの異化の亢進
5.脂肪酸合成阻害
6.LDL取り込み促進薬
7.その他
VII 尿酸代謝と高尿酸血症・痛風治療薬
1.急性発作治療薬
2.尿酸排泄促進薬
3.尿酸生合成阻害薬
20章 ビタミン(田熊一敞)
[総論]
1.ビタミンとは
2.脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン
[各論]
I 脂溶性ビタミン
1.ビタミンA
2.ビタミンD
3.ビタミンE
4.ビタミンK
II 水溶性ビタミン
1.ビタミンB群
2.ビタミンC
歯科薬理学 各論
21章 局所麻酔薬(鈴木邦明)
I 局所麻酔薬とは
II 局所麻酔薬の作用機構
1.痛覚伝導
2.局所麻酔薬の作用点と作用機序
3.局所麻酔薬の解離型と非解離型の割合
4.作用部位での有効濃度に影響する因子
5.血管収縮薬の併用
III 局所麻酔薬
1.合成局所麻酔薬の開発
2.基本的化学構造と分類
3.主なエステル型局所麻酔薬
4.主なアミド型局所麻酔薬
5.歯科領域で使用される局所麻酔薬
IV 局所麻酔薬の適用法
V 局所麻酔薬の生体に対する作用
1.局所麻酔薬の一般的性質
2.薬物動態
3.全身作用
4.副作用・有害作用
22章 救急用薬物(笠原正貴)
I 救急時に使用される薬物
1.呼吸器系に作用する薬物
2.循環作動薬
II 歯科治療中に起こる全身的偶発症の治療
1.頻度の高い全身的偶発症への対応
23章 抗炎症薬,解熱鎮痛薬
[総論]
I 炎症の基本概念(十川紀夫)
II 炎症の経過と炎症性病理変化
III 炎症のケミカルメディエーター
1.生体アミン類
2.エイコサノイド
3.血漿キニン類
4.その他
[各論]
I ステロイド性抗炎症薬(戸苅彰史)
1.糖質コルチコイドの作用
2.ステロイド性抗炎症薬の作用機序
3.ステロイド性抗炎症薬の有害作用
4.ステロイド性抗炎症薬の臨床適用
II 非ステロイド性抗炎症薬(十川紀夫)
1.酸性NSAIDsの作用機序と薬理作用
2.酸性NSAIDsの副作用・有害作用
3.酸性NSAIDsの薬物相互作用
4.酸性NSAIDsの分類
5.塩基性NSAIDs
6.NSAIDs投与時の特別な注意事項
III 解熱鎮痛薬
IV 片頭痛治療薬
V 神経障害性疼痛治療薬
1.抗うつ薬
2.イオンチャネル遮断薬
3.NMDA受容体拮抗薬
4.下行性疼痛抑制系活性化薬
24章 抗感染症薬
[総論]
I 抗感染症薬の基礎的事項(筑波隆幸)
1.定義
2.選択毒性
3.殺菌作用と静菌作用
4.抗菌スペクトル
II 抗感染症薬の作用機序
1.細胞壁合成阻害
2.細胞膜障害
3.核酸合成阻害
4.タンパク質合成阻害
5.葉酸合成阻害
III 耐性獲得の機序
IV 抗感染症薬の生体内分布
V MRSAに対する薬物投与
VI 抗感染症薬の副作用
VII 抗感染症薬による副現象
[各論]
I サルファ薬
II β-ラクタム系抗菌薬
1.ペニシリン系抗菌薬
2.セフェム系抗菌薬
3.カルバペネム系抗菌薬
4.ペネム系抗菌薬
5.モノバクタム系抗菌薬
6.β-ラクタマーゼ阻害薬
III アミノグリコシド系抗菌薬(佐藤友昭)
IV マクロライド系抗菌薬
V リンコマイシン系抗菌薬
VI テトラサイクリン系抗菌薬
VII クロラムフェニコール系抗菌薬
VIII ペプチド系抗菌薬
IX ピリドンカルボン酸系抗菌薬
1.キノロン系抗菌薬
2.ニューキノロン系抗菌薬
X ホスホマイシン系抗菌薬
XI 抗結核薬
XII 抗真菌薬
1.ポリエン系抗真菌薬
2.グリサン系抗真菌薬
3.アリルアミン系抗真菌薬
4.アゾール系抗真菌薬
5.フルオロピリミジン系抗真菌薬
6.キャンディン系抗真菌薬
7.その他の抗真菌薬
XIII 抗ウイルス薬
1.抗ヘルペスウイルス薬
2.抗サイトメガロウイルス薬
3.インフルエンザ治療薬
4.ウイルス性肝炎治療薬
5.HIV感染治療薬
25章 免疫機能に影響する薬物(竹内 弘)
I 免疫とは
1.免疫反応
2.免疫にかかわるサイトカイン
3.免疫機能に影響する薬物の主な対象疾患
4.アレルギー反応
II 免疫抑制薬
1.細胞増殖阻害薬
2.リンパ球機能阻害薬
3.生物学的製剤
III 免疫賦活薬
1.非特異的免疫賦活薬
2.サイトカイン
3.免疫グロブリン
IV アレルギーの治療薬
1.抗ヒスタミン薬
2.抗アレルギー薬
3.糖質コルチコイド
V 抗リウマチ薬
1.免疫抑制薬
2.免疫調節薬
3.生物学的製剤
26章 抗腫瘍薬(柏俣正典)
I 腫瘍とその治療法
II 抗腫瘍薬の種類
1.アルキル化薬
2.代謝拮抗薬
3.抗腫瘍性抗生物質
4.微小管阻害薬
5.ホルモン類
6.白金化合物
7.トポイソメラーゼ阻害薬
8.分子標的治療薬
9.生体応答調整物質
10.その他の抗腫瘍薬
27章 口腔粘膜疾患に用いられる薬物(北川善政,浅香卓哉)
I 薬物の種類と適応
II 各種口腔粘膜疾患に対する治療法
1.ウイルス感染症
2.口腔カンジダ症
3.口腔扁平苔癬
4.皮膚の慢性水疱症
5.アフタ・再発性アフタ
6.口角炎
7.毛舌
8.白板症
9.口腔乾燥症
10.味覚障害
11.特殊な疾患
28章 硬組織に作用する薬物
I カルシウム調節ホルモン(鈴木恵子)
1.副甲状腺ホルモン
2.ビタミンD
3.カルシトニン
II ビタミンK
III 選択的エストロゲン受容体モジュレーター
IV ビスホスホネート製剤(青木和広)
1.薬物動態と骨吸収抑制作用
2.臨床応用と副作用
3.骨吸収抑制作用以外の薬理作用とその応用
V 抗RANKL抗体
29章 唾液腺に作用する薬物(谷村明彦,東城庸介)
[総論]
I 唾液の生理作用
II 唾液の分泌機構
III 唾液分泌の調節に関与する受容体と細胞内情報伝達
1.Ca2+をセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達系
2.cAMPをセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達系
[各論]
IV 唾液分泌を促進する薬物と口腔乾燥症の治療薬
1.口腔乾燥症治療薬
2.副作用として唾液分泌を促進する薬物
V 唾液分泌を阻害する薬物
1.抗コリン薬
2.向精神薬
3.抗ヒスタミン薬
4.その他の薬物
30章 重金属拮抗薬(田村幸彦)
I 重金属……347 II 重金属拮抗薬
31章 消毒に用いられる薬物
[総論]
I 消毒に用いられる薬物(三枝 禎)
II 院内感染の防止と消毒
III 消毒薬の用途と特徴
1.用途・使用法
2.特徴:消毒薬の作用に影響を与える因子
IV 滅菌・消毒の対象となる器具の分類
V 消毒水準分類からみた消毒薬
VI 消毒薬の作用機序
VII 消毒薬の効力の比較
[各論]
I 酸化剤
1.過酸化水素
2.過酢酸
II ハロゲン系
1.次亜塩素酸系
2.ヨードホール・ヨード系
III アルコール類(大住伴子)
1.エタノール
2.イソプロパノール
IV アルデヒド類
1.ホルマリン
2.パラホルムアルデヒド
3.グルタラール
4.フタラール
V フェノール類
1.フェノール
2.クレゾール石ケン液
3.その他のフェノール類
VI 精油類
VII 第四級アンモニウム塩(三枝 禎)
1.ベンザルコニウム塩化物
2.ベンゼトニウム塩化物
VIII クロルヘキシジングルコン酸塩
IX 両性界面活性剤
X その他の消毒薬
1.有機色素類
2.重金属
XI B型肝炎ウイルスとヒト免疫不全ウイルスの消毒
1.B型肝炎ウイルス
2.ヒト免疫不全ウイルス
32章 歯内療法に用いられる薬物(興地隆史)
I 歯内療法と薬物
II 齲窩消毒薬,歯髄鎮静・鎮痛薬
1.齲窩の消毒と歯髄の鎮静・鎮痛
2.齲窩消毒薬,歯髄鎮静・鎮痛薬
III 象牙質知覚過敏症治療薬
1.象牙質知覚過敏症
2.象牙質知覚過敏症治療薬
3.象牙質知覚過敏抑制材
IV 覆髄薬・断髄薬
1.間接覆髄法に用いる薬剤
2.暫間的間接覆髄法に用いる薬剤
3.直接覆髄法に用いる薬剤
4.生活断髄法に用いる薬剤
V 根管清掃薬・根管拡大補助薬
VI 根管消毒薬
1.根管消毒薬の必要性
2.根管消毒薬の所要性質と問題点
3.根管消毒薬
VII 根管充?薬
1.根管充?
2.根管充?薬
33章 歯周治療に用いられる薬物(山本松男,小出容子)
I 歯周疾患とは
II 歯周治療:炎症のコントロール,創傷治癒と組織再生
III 歯周治療に用いる薬物
1.歯肉縁上プラークの抑制に関連する薬物
2.歯肉縁下プラークの抑制に関連する薬物
3.その他の薬物
IV 歯周外科手術に関連する薬物
1.骨補?材
2.GTR法
3.増殖因子などの応用
4.コラーゲン製剤
34章 齲蝕予防薬(佐伯万騎男)
I フッ化物の定義
II フッ化物の作用
1.フッ化物の全身的影響
2.フッ化物の慢性中毒
3.フッ化物の急性中毒
III フッ化物の臨床応用
1.フッ化物の歯面塗布
2.フッ化物洗口
3.フッ化物配合歯磨剤
4.水道水のフッ素化
IV 代用甘味料
35章 歯科における漢方薬(笠原正貴)
I 漢方とは
II 漢方の特徴
1.漢方薬の構成と漢方の戦略
2.漢方の診断法
III 歯科適応の漢方薬
コラム
薬と薬物,薬剤(大谷啓一)
生体内生理活性物質による生体機能の多彩な調節(兼松 隆)
ALSの原因遺伝子(二藤 彰)
Gタンパク質共役型受容体と平滑筋収縮(戸苅彰史)
酒量抑制薬(中西 博)
ワルファリン投与患者の歯科処置(仲村健二郎)
喘息の新しい治療ガイドライン(佐伯万騎男)
パパベリン(山ア 純)
原発事故とヨウ素剤(戸苅彰史)
歯周病と糖尿病(戸苅彰史)
症状の重篤化に伴う心停止への対応(笠原正貴)
アスピリンの抗血小板作用とアスピリンジレンマ(十川紀夫)
抗微生物薬適正使用の手引き(筑波隆幸)
PK/PD理論(筑波隆幸)
アレルギー誘発剤(竹内 弘)
イレッサ(柏俣正典)
顎骨壊死(青木和広)
唾液の機能(谷村明彦,東城庸介)
口腔乾燥症治療薬の作用機序に関する新しい視点(谷村明彦,東城庸介)
三酸化ヒ素(田村幸彦)
強酸性電解水(三枝 禎)
速乾性擦式消毒剤(三枝 禎)
微量有効作用(三枝 禎)
参考文献
索引

















