五臓六腑のデータ
日本における解剖の草分けは,1771年,杉田玄白がドイツの解剖学書をオランダ語に訳した『ターヘル・アナトミア』を手に入れたことに始まる.彼が小塚原刑場で処刑された罪人の解剖に立ち会い,『ターヘル・アナトミア』の内容の正確さに感動し,その解剖を一緒に見学した豊前(大分県)の藩医の前野良沢と日本語に訳したものが『解体新書』とよばれる形態解剖学である.
一方,病理解剖は,形態解剖学をもとに,病気になった患者が不幸にして亡くなったとき,医師にその診断や治療が正確であったかを知らせ,また経過中の多くの疑問を解決してくれるもので,その後は同じ病気に罹患する患者の処置法に大きな影響を与えるものである.
その経過中,異常を起こした五臓六腑(漢方で心臓,腎臓,肝臓,肺臓,脾臓の五臓器に,大腸,小腸,胃,胆嚢,膀胱,三焦[腔])の六腑)は多くの情報を流してくれる.その“情報”が流れる血液,尿,便などの検体を検査し,また心電図,肺機能,体温など生体機能をとらえ,患者の状態,病気の状態を知るのが臨床検査である.
翻って,歯科を考えてみると,細菌が原因であろうがなかろうが,欠損を埋め,膿を出し,いかに歯をきれいにするかに奔走した匠の医療であったことは否めない.検査がなくても治療ができ,歯が抜ければその原因を探ることなく補綴する.噛めるという機能回復のために.インプラントを入れた患者が食べすぎて糖尿病で亡くなった……などという話も現実的になってきている.
超高齢化社会を迎えた現在,匠の世界であった歯科医療が,患者の状況を考えずして歯科治療ができる状況ではなくなった.また,口腔疾患が糖尿病,高血圧,心臓病,肥満などに影響を及ぼすことも明らかになった今,医師たちも,五臓六腑の病気を治すにも歯科医師の協力が必要になってきたことを認識している.もしそうなら,患者の状態,病気の状態を知ることができる臨床検査から歯科医師が逃避することはできないことは言うまでもない.医師と対等に話ができなければ,これからの医療連携は成り立たないのである.
本書は,決して歯科医師が五臓六腑に起こった病気を治すために知らなければならない臨床検査に関する書ではない.歯科医療従事者が,口腔から全身を,全身から口腔を制御することができる事実を理解したうえで,知らなければならない臨床検査を記したものである.
2012年4月
編者 井上 孝
日本における解剖の草分けは,1771年,杉田玄白がドイツの解剖学書をオランダ語に訳した『ターヘル・アナトミア』を手に入れたことに始まる.彼が小塚原刑場で処刑された罪人の解剖に立ち会い,『ターヘル・アナトミア』の内容の正確さに感動し,その解剖を一緒に見学した豊前(大分県)の藩医の前野良沢と日本語に訳したものが『解体新書』とよばれる形態解剖学である.
一方,病理解剖は,形態解剖学をもとに,病気になった患者が不幸にして亡くなったとき,医師にその診断や治療が正確であったかを知らせ,また経過中の多くの疑問を解決してくれるもので,その後は同じ病気に罹患する患者の処置法に大きな影響を与えるものである.
その経過中,異常を起こした五臓六腑(漢方で心臓,腎臓,肝臓,肺臓,脾臓の五臓器に,大腸,小腸,胃,胆嚢,膀胱,三焦[腔])の六腑)は多くの情報を流してくれる.その“情報”が流れる血液,尿,便などの検体を検査し,また心電図,肺機能,体温など生体機能をとらえ,患者の状態,病気の状態を知るのが臨床検査である.
翻って,歯科を考えてみると,細菌が原因であろうがなかろうが,欠損を埋め,膿を出し,いかに歯をきれいにするかに奔走した匠の医療であったことは否めない.検査がなくても治療ができ,歯が抜ければその原因を探ることなく補綴する.噛めるという機能回復のために.インプラントを入れた患者が食べすぎて糖尿病で亡くなった……などという話も現実的になってきている.
超高齢化社会を迎えた現在,匠の世界であった歯科医療が,患者の状況を考えずして歯科治療ができる状況ではなくなった.また,口腔疾患が糖尿病,高血圧,心臓病,肥満などに影響を及ぼすことも明らかになった今,医師たちも,五臓六腑の病気を治すにも歯科医師の協力が必要になってきたことを認識している.もしそうなら,患者の状態,病気の状態を知ることができる臨床検査から歯科医師が逃避することはできないことは言うまでもない.医師と対等に話ができなければ,これからの医療連携は成り立たないのである.
本書は,決して歯科医師が五臓六腑に起こった病気を治すために知らなければならない臨床検査に関する書ではない.歯科医療従事者が,口腔から全身を,全身から口腔を制御することができる事実を理解したうえで,知らなければならない臨床検査を記したものである.
2012年4月
編者 井上 孝
Foreword 五臓六腑のデータ(井上 孝)
Part 1 臨床検査とは(井上 孝・石 和久)
1 臨床検査の倫理と安全
(1)臨床検査の倫理
(2)臨床検査の安全
2 臨床検査はなぜ必要か
(1)臨床検査とは何か
(2)臨床検査の実際
1.臨床における検査実施
2.検査項目の選び方と成績の読み方
3.病因(原因)診断のための検査
4.病態診断のための検査
(3)臨床検査における歯科衛生士の役割
1.検査の補助および介助
2.検査の準備と患者への説明
3 どんな検査があるのか
(1)生体検査(生理機能検査)
(2)検体検査
(3)画像検査
1.エックス線検査
2.MRI(磁気共鳴画像診断)検査
3.RI検査(シンチグラフィー,核医学検査)
4.超音波検査(エコー検査)
5.骨量検査(骨密度検査,骨塩定量法)
6.内視鏡検査
4 検査成績の読み方
(1)検査成績の表し方
1.定性・半定量
2.定量
3.画像,図形
4.病変部の描出画像
(2)基準値・異常値とその変動要因
1.基準値(正常値)とは
2.病院による単位表記法の違い
3.基準値の変動要因および検査データ判読時のピットフォール
4.極異常値
Column
1 感染症と口腔内所見
2 微生物の大きさ
3 血液の変化に伴う体の変化
(1)血液の温度と震え・汗かき (2)眠いときに目をこするのはなぜ? (3)走ると右脇腹が痛くなる? (4)青白い顔・赤ら顔 (5)痣の色の変化
4 病院に行かなくてもできる検体検査;尿と便の観察
(1)尿の色 (2)大便の色とにおい
5 人間ドック・健診における基準値の現実
6 飲み込んだ空気の行方
7 病気と痛みの位置
Part 2 生体検査(生理機能検査)(松坂賢一)
1 体温検査
(1)体温とは
(2)体温測定(検温)の意義
(3)体温の測定法
1.測定器具(体温計)
2.測定部位と測定時間
3.部位別の測定方法
(4)体温の変動
2 脈拍検査
(1)脈拍とは
(2)脈拍測定の意義
1.脈拍数
2.脈拍数の異常
(3)脈拍の測り方
(4)脈拍測定のポイント
3 血圧検査
(1)血圧とは
(2)血圧測定の意義
(3)血圧を左右する因子
(4)血圧の測り方
1.測定器具
2.測定方法
(5)血圧測定のポイント
4 心機能検査
(1)心電図とは
1.心臓の動きと心電図の波形
2.心電図検査で見つかる異常
3.検査時の留意点
(2)特殊な心電図検査
1.運動負荷心電図検査
2.ホルター心電図検査
5 肺機能検査
(1)肺機能検査とは
(2)肺機能検査の意義
(3)肺機能検査の内容
1.肺気量分画
2.努力肺活量,1秒率,予測肺活量および%肺活量
(4)肺機能検査で見つかる異常
6 筋電図検査
(1)筋電図とは
(2)筋電図検査の意義
(3)筋電図検査の方法
1.表面筋電図検査
2.針筋電図検査
7 脳波検査
(1)脳波検査とは
(2)脳波検査で見つかる異常
8 血中酸素濃度検査
9 その他の検査
(1)視力検査
(2)眼底検査
(3)眼圧検査
(4)聴力検査
Column
8 最近の家庭用体温計
9 脈拍測定にはなぜ親指を使わないのか?
10 塩分と血圧
11 仮面高血圧と白衣高血圧
Part 3 検体検査(小川郁子・松坂賢一)
1 血液を用いる検査
1.検査のための採血
(1)血液学的検査
1.赤血球の検査.赤血球数,ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値
2.白血球数の検査.白血球数,白血球分画,好中球の核形移動
3.血小板数の算定
(2)血液凝固・線溶系検査
1.出血性素因と止血のしくみ
2.出血性素因のスクリーニング検査
(3)生化学検査
1.肝機能の検査
2.腎機能の検査
3.糖代謝の検査
(4)免疫・血清検査
1.炎症の検査
2.ウイルス感染症の検査
3.アレルギーおよび自己免疫疾患の検査
4.腫瘍マーカー
(5)血液型検査
1.ABO式血液型検査
2.Rh式血液型検査
3.輸血時の血液適応検査(交差適合試験;クロスマッチ)
(6)その他の検査
2 感染症(細菌)検査
1.塗抹検査
2.培養検査
3.薬剤感受性試験
3 病理検査
(1)細胞診
1.剥離細胞診
2.穿刺吸引細胞診
(2)組織診
1.生検(バイオプシー)
2.術中迅速検査
3.手術摘出材料検査
(3)剖検(病理解剖)
4 分子生物学的検査
(1)遺伝子を用いる検査
1.遺伝子診断とは
2.感染症の遺伝子検査
5 尿検査
(1)腎臓の働き
(2)尿定性検査
6 糞便検査
1.便潜血反応
2.寄生虫検査
Column
12 特定健康診査(特定健診)
13 採血時に「親指を中に入れてぎゅっと握る」のはなぜ?
14 筋肉注射後によく揉むのはなぜ?
15 貧血は若さと美貌の大敵!
16 歯周病用歯磨剤と線溶系の関係は?
17 どれだけ出血したら命が危ない?
18 在宅訪問診療時に特に要チェックな検査項目は?
19 わが国の予防接種
20 尿検査にはどれくらいの量が必要?
Part 4 口腔領域の臨床検査(栗原英見・松坂賢一・柿木保明・井上 孝・小川郁子)
1 口臭検査
(1)口臭とは
1.口臭症の分類
2.口臭の原因物質
(2)口臭検査の流れ
1.口臭検査の準備
2.口臭の測定
3.舌苔付着量の検査
4.唾液分泌量の検査
5.その他の検査
2 味覚検査
1.濾紙ディスク法
2.電気味覚検査
3 歯科金属アレルギーの検査
1.パッチテスト
2.DLSTを応用した検査
4 舌の検査
(1)舌の解剖学的所見
(2)舌の観察
1.観察方法
2.観察時の留意点
3.観察項目
(3)舌所見の評価
(4)舌の臨床検査
5 口腔粘膜の検査
(1)口腔粘膜の観察
1.観察時の留意点
2.観察項目
(2)口腔粘膜所見の評価
1.形成異常
2.感染症
3.薬剤による疾患
4.扁平苔癬
5.口内炎
6.前がん病変
(3)口腔粘膜の臨床検査
6 唾液検査
(1)齲蝕に関連した唾液検査
1.唾液の採取
2.宿主因子の検査
3.微生物因子の検査
(2)歯周疾患に関連した唾液検査
1.唾液内における歯周病原性細菌の検査
2.唾液内潜血検査
(3)口腔乾燥症に関連した唾液検査
1.唾液流出量の測定
7 歯周組織の検査
(1)歯周組織の破壊の程度を調べる検査
1.エックス線写真検査
2.臨床的アタッチメントレベルの測定
3.根分岐部のプロービング
4.付着歯肉の幅の測定
5.小帯の付着位置の測定
6.骨サウンディング
(2)歯周局所の炎症の程度を調べる検査
1.歯周ポケットの深さの測定
2.プロービング時の出血(BOP)の評価
3.歯の動揺の測定
4.歯肉炎指数による評価
5.歯肉溝滲出液量の測定
(3)その他の検査
1.歯周病の局所的増悪因子の検査
2.根尖性歯周炎による歯周組織の変化の検査
3.感染歯周病原細菌関連の検査
8 歯の検査
1.エックス線写真による検査
2.歯の数
3.歯の形
4.歯の破折
5.歯の色
6.歯の位置
7.齲蝕
8.マイクロスコープによる検査
9.充填物・歯冠修復物の検査
9 根管内細菌培養検査
(1)根管内細菌培養検査とは
(2)根管内細菌培養検査の方法と判定
1.準備
2.採取
3.培養と判定
4.留意点(偽陽性と偽陰性)
Column
21 ガスクロマトグラフィ
22 味覚と亜鉛
23 安静時唾液
24 シェーグレン症候群の診断基準
25 寒さの震えと汗っかき
Part 5 摂食・嚥下関連の検査(戸原 玄)
1 摂食・嚥下とは
(1)摂食・嚥下の過程
1.先行期(認知期)
2.準備期(咀嚼期)
3.口腔期・咽頭期・食道期
(2)摂食・嚥下障害
2 疾患や老化が摂食・嚥下機能に及ぼす影響
(1)老化が摂食・嚥下機能に及ぼす影響
1.摂食・嚥下機能に関連する筋力の低下;飲み込む力,送り込む力の減弱
2.摂食・嚥下機能に関連する器官の協調性の破綻;飲み込みにかかる時間の延長
(2)疾患が摂食・嚥下機能に及ぼす影響(脳血管障害によるもの)
1.球麻痺
2.仮性球麻痺
3 摂食・嚥下障害のスクリーニング検査
(1)反復唾液嚥下テスト(RSST)
(2)改訂水飲みテスト(MWST)
(3)フードテスト(FT)
(4)咳テスト(cough test)
4 摂食・嚥下障害の検査法
(1)嚥下造影(VF)検査
(2)嚥下内視鏡(VE) 検査
Column
26 嚥下から排便までの所要時間は?
Part 6 主な疾患・病態別検査値のとらえ方−こんな患者が来院したら(井上 孝・安彦善裕)
1 糖尿病
2 胃・十二指腸潰瘍
3 ウイルス性肝炎・慢性肝炎
4 貧血
5 感染症・急性炎症
6 特発性血小板減少性紫斑病
7 血友病
8 白血病
9 妊娠
10 甲状腺機能亢進症/ 低下症
(1)甲状腺機能亢進症
(2)甲状腺機能低下症
11 慢性腎不全
12 ネフローゼ症候群
13 虚血性心疾患(心筋梗塞,狭心症などの総称)
14 心不全
15 高血圧症
16 不整脈
17 ベーチェット病
18 関節リウマチ
19 シェーグレン症候群
20 うつ病,不安障害
Column
27 糖尿病とストレス,そして歯周炎
28 赤血球産生の低下はどうして起こる?−赤血球というメニューをつくるには……?
29 母体のフィルター
30 歯科心身症
Afterword 気象情報と臨床検査(井上 孝)
REFERENCES
INDEX
Part 1 臨床検査とは(井上 孝・石 和久)
1 臨床検査の倫理と安全
(1)臨床検査の倫理
(2)臨床検査の安全
2 臨床検査はなぜ必要か
(1)臨床検査とは何か
(2)臨床検査の実際
1.臨床における検査実施
2.検査項目の選び方と成績の読み方
3.病因(原因)診断のための検査
4.病態診断のための検査
(3)臨床検査における歯科衛生士の役割
1.検査の補助および介助
2.検査の準備と患者への説明
3 どんな検査があるのか
(1)生体検査(生理機能検査)
(2)検体検査
(3)画像検査
1.エックス線検査
2.MRI(磁気共鳴画像診断)検査
3.RI検査(シンチグラフィー,核医学検査)
4.超音波検査(エコー検査)
5.骨量検査(骨密度検査,骨塩定量法)
6.内視鏡検査
4 検査成績の読み方
(1)検査成績の表し方
1.定性・半定量
2.定量
3.画像,図形
4.病変部の描出画像
(2)基準値・異常値とその変動要因
1.基準値(正常値)とは
2.病院による単位表記法の違い
3.基準値の変動要因および検査データ判読時のピットフォール
4.極異常値
Column
1 感染症と口腔内所見
2 微生物の大きさ
3 血液の変化に伴う体の変化
(1)血液の温度と震え・汗かき (2)眠いときに目をこするのはなぜ? (3)走ると右脇腹が痛くなる? (4)青白い顔・赤ら顔 (5)痣の色の変化
4 病院に行かなくてもできる検体検査;尿と便の観察
(1)尿の色 (2)大便の色とにおい
5 人間ドック・健診における基準値の現実
6 飲み込んだ空気の行方
7 病気と痛みの位置
Part 2 生体検査(生理機能検査)(松坂賢一)
1 体温検査
(1)体温とは
(2)体温測定(検温)の意義
(3)体温の測定法
1.測定器具(体温計)
2.測定部位と測定時間
3.部位別の測定方法
(4)体温の変動
2 脈拍検査
(1)脈拍とは
(2)脈拍測定の意義
1.脈拍数
2.脈拍数の異常
(3)脈拍の測り方
(4)脈拍測定のポイント
3 血圧検査
(1)血圧とは
(2)血圧測定の意義
(3)血圧を左右する因子
(4)血圧の測り方
1.測定器具
2.測定方法
(5)血圧測定のポイント
4 心機能検査
(1)心電図とは
1.心臓の動きと心電図の波形
2.心電図検査で見つかる異常
3.検査時の留意点
(2)特殊な心電図検査
1.運動負荷心電図検査
2.ホルター心電図検査
5 肺機能検査
(1)肺機能検査とは
(2)肺機能検査の意義
(3)肺機能検査の内容
1.肺気量分画
2.努力肺活量,1秒率,予測肺活量および%肺活量
(4)肺機能検査で見つかる異常
6 筋電図検査
(1)筋電図とは
(2)筋電図検査の意義
(3)筋電図検査の方法
1.表面筋電図検査
2.針筋電図検査
7 脳波検査
(1)脳波検査とは
(2)脳波検査で見つかる異常
8 血中酸素濃度検査
9 その他の検査
(1)視力検査
(2)眼底検査
(3)眼圧検査
(4)聴力検査
Column
8 最近の家庭用体温計
9 脈拍測定にはなぜ親指を使わないのか?
10 塩分と血圧
11 仮面高血圧と白衣高血圧
Part 3 検体検査(小川郁子・松坂賢一)
1 血液を用いる検査
1.検査のための採血
(1)血液学的検査
1.赤血球の検査.赤血球数,ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値
2.白血球数の検査.白血球数,白血球分画,好中球の核形移動
3.血小板数の算定
(2)血液凝固・線溶系検査
1.出血性素因と止血のしくみ
2.出血性素因のスクリーニング検査
(3)生化学検査
1.肝機能の検査
2.腎機能の検査
3.糖代謝の検査
(4)免疫・血清検査
1.炎症の検査
2.ウイルス感染症の検査
3.アレルギーおよび自己免疫疾患の検査
4.腫瘍マーカー
(5)血液型検査
1.ABO式血液型検査
2.Rh式血液型検査
3.輸血時の血液適応検査(交差適合試験;クロスマッチ)
(6)その他の検査
2 感染症(細菌)検査
1.塗抹検査
2.培養検査
3.薬剤感受性試験
3 病理検査
(1)細胞診
1.剥離細胞診
2.穿刺吸引細胞診
(2)組織診
1.生検(バイオプシー)
2.術中迅速検査
3.手術摘出材料検査
(3)剖検(病理解剖)
4 分子生物学的検査
(1)遺伝子を用いる検査
1.遺伝子診断とは
2.感染症の遺伝子検査
5 尿検査
(1)腎臓の働き
(2)尿定性検査
6 糞便検査
1.便潜血反応
2.寄生虫検査
Column
12 特定健康診査(特定健診)
13 採血時に「親指を中に入れてぎゅっと握る」のはなぜ?
14 筋肉注射後によく揉むのはなぜ?
15 貧血は若さと美貌の大敵!
16 歯周病用歯磨剤と線溶系の関係は?
17 どれだけ出血したら命が危ない?
18 在宅訪問診療時に特に要チェックな検査項目は?
19 わが国の予防接種
20 尿検査にはどれくらいの量が必要?
Part 4 口腔領域の臨床検査(栗原英見・松坂賢一・柿木保明・井上 孝・小川郁子)
1 口臭検査
(1)口臭とは
1.口臭症の分類
2.口臭の原因物質
(2)口臭検査の流れ
1.口臭検査の準備
2.口臭の測定
3.舌苔付着量の検査
4.唾液分泌量の検査
5.その他の検査
2 味覚検査
1.濾紙ディスク法
2.電気味覚検査
3 歯科金属アレルギーの検査
1.パッチテスト
2.DLSTを応用した検査
4 舌の検査
(1)舌の解剖学的所見
(2)舌の観察
1.観察方法
2.観察時の留意点
3.観察項目
(3)舌所見の評価
(4)舌の臨床検査
5 口腔粘膜の検査
(1)口腔粘膜の観察
1.観察時の留意点
2.観察項目
(2)口腔粘膜所見の評価
1.形成異常
2.感染症
3.薬剤による疾患
4.扁平苔癬
5.口内炎
6.前がん病変
(3)口腔粘膜の臨床検査
6 唾液検査
(1)齲蝕に関連した唾液検査
1.唾液の採取
2.宿主因子の検査
3.微生物因子の検査
(2)歯周疾患に関連した唾液検査
1.唾液内における歯周病原性細菌の検査
2.唾液内潜血検査
(3)口腔乾燥症に関連した唾液検査
1.唾液流出量の測定
7 歯周組織の検査
(1)歯周組織の破壊の程度を調べる検査
1.エックス線写真検査
2.臨床的アタッチメントレベルの測定
3.根分岐部のプロービング
4.付着歯肉の幅の測定
5.小帯の付着位置の測定
6.骨サウンディング
(2)歯周局所の炎症の程度を調べる検査
1.歯周ポケットの深さの測定
2.プロービング時の出血(BOP)の評価
3.歯の動揺の測定
4.歯肉炎指数による評価
5.歯肉溝滲出液量の測定
(3)その他の検査
1.歯周病の局所的増悪因子の検査
2.根尖性歯周炎による歯周組織の変化の検査
3.感染歯周病原細菌関連の検査
8 歯の検査
1.エックス線写真による検査
2.歯の数
3.歯の形
4.歯の破折
5.歯の色
6.歯の位置
7.齲蝕
8.マイクロスコープによる検査
9.充填物・歯冠修復物の検査
9 根管内細菌培養検査
(1)根管内細菌培養検査とは
(2)根管内細菌培養検査の方法と判定
1.準備
2.採取
3.培養と判定
4.留意点(偽陽性と偽陰性)
Column
21 ガスクロマトグラフィ
22 味覚と亜鉛
23 安静時唾液
24 シェーグレン症候群の診断基準
25 寒さの震えと汗っかき
Part 5 摂食・嚥下関連の検査(戸原 玄)
1 摂食・嚥下とは
(1)摂食・嚥下の過程
1.先行期(認知期)
2.準備期(咀嚼期)
3.口腔期・咽頭期・食道期
(2)摂食・嚥下障害
2 疾患や老化が摂食・嚥下機能に及ぼす影響
(1)老化が摂食・嚥下機能に及ぼす影響
1.摂食・嚥下機能に関連する筋力の低下;飲み込む力,送り込む力の減弱
2.摂食・嚥下機能に関連する器官の協調性の破綻;飲み込みにかかる時間の延長
(2)疾患が摂食・嚥下機能に及ぼす影響(脳血管障害によるもの)
1.球麻痺
2.仮性球麻痺
3 摂食・嚥下障害のスクリーニング検査
(1)反復唾液嚥下テスト(RSST)
(2)改訂水飲みテスト(MWST)
(3)フードテスト(FT)
(4)咳テスト(cough test)
4 摂食・嚥下障害の検査法
(1)嚥下造影(VF)検査
(2)嚥下内視鏡(VE) 検査
Column
26 嚥下から排便までの所要時間は?
Part 6 主な疾患・病態別検査値のとらえ方−こんな患者が来院したら(井上 孝・安彦善裕)
1 糖尿病
2 胃・十二指腸潰瘍
3 ウイルス性肝炎・慢性肝炎
4 貧血
5 感染症・急性炎症
6 特発性血小板減少性紫斑病
7 血友病
8 白血病
9 妊娠
10 甲状腺機能亢進症/ 低下症
(1)甲状腺機能亢進症
(2)甲状腺機能低下症
11 慢性腎不全
12 ネフローゼ症候群
13 虚血性心疾患(心筋梗塞,狭心症などの総称)
14 心不全
15 高血圧症
16 不整脈
17 ベーチェット病
18 関節リウマチ
19 シェーグレン症候群
20 うつ病,不安障害
Column
27 糖尿病とストレス,そして歯周炎
28 赤血球産生の低下はどうして起こる?−赤血球というメニューをつくるには……?
29 母体のフィルター
30 歯科心身症
Afterword 気象情報と臨床検査(井上 孝)
REFERENCES
INDEX