やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第4版 序
 近年の著しい科学技術の進歩は医療に対する期待を膨らませ,人々は自身の健康とその担い手である医療従事者に大きな関心を持つようになっている.人々が求めているのは安心,安全で質の高い医療であり,それらを提供する医療従事者には優れた識見と先進の医療技術,豊かな人間性が求められている.
 歯学教育もこれらの期待に応える義務を負っているが,歯科医師の需給バランスや歯科学生の質の担保といった観点で,必ずしも十分な対応がなされたとは言えない状況があった.しかし,最近は卒前教育を巡る様々な改革・改変が進行中である.その中で特に重視されているのが,卒前臨床実習で患者を実際に診療するクリニカル・クラークシップの充実である.これを円滑に運用するには国民の理解と協力が不可欠であることから,歯学教育が内容と質の担保を厳格に実施していることを国民に提示する必要がある.その具体的な取り組みとして,臨床実習開始前モデル・コア・カリキュラムが策定され,進級認定共用試験システムが運用されるようになった.
 このモデル・コア・カリキュラムは,すべての学生が臨床実習開始前に履修すべき必須の内容を精選し,必要最小限度のものとして提示したものである.したがって,この教育内容だけでは急速に進歩する歯科医療への展開を可能とする指針にはなり得ないとの認識から,歯科大学学長・歯学部長会議は歯科学生に教育すべき内容を整理し,歯科医師養成のための手引きとすべく歯科医学教授要綱の改訂を行った.そこには,従来型の学問領域別に必要な知識・技能について整理した項目が挙げられており,臨床実習開始前モデル・コア・カリキュラムの不足部分を補完する形になっている.
 本書では2007年にともに改訂された臨床実習開始前モデル・コア・カリキュラムと歯科医学教授要綱を重視しながら内容を検討し,小児歯科学を体系的に理解しやすいような章と項目に組み立てている.本書の第1版は1996年に刊行され,2002年には第2版,2007年には第3版,そして今回の第4版と改訂がなされている.いずれも,小児を取り巻く環境が変化し,科学技術が進歩・発展していることへの対応として改訂されたものであるが,各版に共通する考え方として,「小児の心身の発育と保健への社会の関わりの意義を理解し,子どもは親のみならず地域の人々が育てる」という意識を持って小児の歯科保健医療を考えてもらうことを意図し,編集・企画している.
 最後に,多忙の中ご執筆いただいた著者の方々,及び編集・出版にご尽力頂いた医歯薬出版編集部に深謝いたします.
 2011年3月1日
 編者
 木 裕三
 田村 康夫
 井上 美津子
 白川 哲夫

第3版 序
 歯科医学・歯科医療は科学の進歩発展および社会の変化によって大きく変容する.近年の生命科学の飛躍的な発展,少子超高齢社会の到来,子育て支援の充実,子ども虐待やドメスティック・バイオレンスの増加等は,歯科医学・歯科医療関係者に知識量の爆発的増大に対応できる学習,一人ひとりのこころに寄り添った歯科医療,個人と地域・国際社会への健康の増進と疾病の予防・根絶への寄与,国際的な活動等を必要条件として求めている.
 歯科医学・歯科医療教育は,国民から信託された幅広い識見と豊かな人間性とを有し,受診者中心の医療を実践できる優れた歯科医師の養成を確実にするものでなければならない.
 文部科学省は,基礎歯科医学と臨床歯科医学・歯科医療の有機的連携を備えた「モデル・コア・カリキュラム」を公表した.また,国民の信託に応える歯科医師の養成には,国民の臨床実習に対するいっそうの理解と協力とが不可欠であることから,臨床実習開始直前の歯学生が,具有すべき知識・技能・態度を有していることを評価する「共用試験システム」の導入と,その厳格な運用を国民に公表する責任(アカウンタビリティ)とを提示した.これらは現在軌道に乗っている.
 本書は,1996年に初版が発行され,2002年に第2版が発行された.その後小児を取り巻く社会環境の著しい変化等のため,近年心身症を示す小児や子ども虐待の増加がみられること,摂食機能の育成支援がますます重要な課題となってきたこと,地域住民に信頼される生涯のかかりつけ医が求められ,一生のスタート期にある小児および保護者,地域住民との接点になる地域口腔保健活動が重要な意義と位置を占めることから,第2版までは章の中の節として扱ってきたものを,それぞれ「小児のこころと疾患」,「摂食機能の育成支援」,「小児の地域口腔保健―集団を対象にする口腔保健管理―」として新たな章を起こす,「モデル・コア・カリキュラム」,「共用試験」に沿った「一般目標」「到達目標」を各章の初めに掲載する,カラー刷りとする,これらにより,いっそう理解が深められるように企画・編集した.
 最後に,お忙しいなかご執筆いただいた先生方,ならびに編集・出版にご尽力いただいた医歯薬出版株式会社編集部に深謝いたします.
 2007年4月1日
 編者
 赤坂 守人
 西野 瑞穗
 佐々 龍二
 木 裕三
 田村 康夫

第2版 序
 21世紀に入り歯学教育のあり方は大きな転換期を迎えている.すなわち,少子超高齢社会の到来,生命科学の飛躍的発展による歯科医学・歯科医療関係者に求められる知識量の爆発的な増大,個人と地域・国際社会の健康の増進と疾病の予防・根絶に寄与し,国際的な活動ができる人材の必要性,そしてなによりも国民から信託された幅広い識見と豊かな人間性を有し,患者中心の医療を実践できる優れた歯科医師の養成,歯学教育はこれらに確実に対応できなければならない.
 このような歯学教育の大きな転換期にあたり,文部科学省は歯学生が卒業までに学んでおくべき態度,技能,知識に関する教育内容を精選し,現代的課題を加え基礎歯科医学と臨床歯科医学・歯科医療の有機的連携を備えた「国公私立大学共通のモデル・コア・カリキュラム」を2001年3月27日各歯科大学・大学歯学部の関係者,歯学生,国民の皆様および関係行政機関に対し公表した.
 さらに,国民の信託に応え臨床実習を充実させるためには国民の臨床実習に対するいっそうの理解と協力が不可欠であることから,臨床実習開始直前の歯学生がその具有すべき基本的知識(モデル・コア・カリキュラムに提示されたもの)と技能と態度とを有していることを評価する「共用試験システム」の導入と,その厳格な運用を国民に明示することの責任(アカウンタビリティ)を提示した.
 言うまでもなく小児歯科は,成人に至るまでの成長発達期,すなわち胎生期から20歳頃までの小児の口腔を健全に育成するための歯科医療であり,小児歯科学という学問・科学に裏付けられたものでなければならない.小児歯科では従来から全人的視点から小児に対応することが実行されているが,近年急激な少子社会の到来により,その社会の将来を見据えて小児に対する保健・医療・福祉を特に手厚くする必要性が叫ばれ,小児歯科医療の重要性が従来にも増して認識されるようになってきた.
 本書は平成7年に初版が発行された.その後,「歯科医学教授要綱」の改訂,歯科医学の技術および材料などの進歩,そして上述したような歯科医療を取り巻く社会環境の変化などがみられ,従来の小児歯科学の概念や治療法など一部修正が必要となってきた.
 そこで本改訂では,一般臨床歯科医の基礎教育を目標にした「小児歯科医学教授要綱」と,2001年3月に公表された「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」を特に重視しながら,新しい時代に対応した小児歯科学について,理解が深められるよう編集・企画した.
 最後に,お忙しいなかご執筆をお引き受けくださった先生方,ならびに編集・出版にご尽力いただいた医歯薬出版株式会社編集部に感謝の意を表します.
 2002年2月1日
 編者
 赤坂 守人
 西野 瑞穗
 佐々 龍二

第1版 序
 近年,歯科医学・歯科医療はかつて経験しなかったような速さで著しい変貌を遂げ,現在も変貌しつつある.それは歯科医学・歯科医療に関する研究の高度先進化,口腔領域を含めた全身の疾病構造の変化,インフォームドコンセントの徹底,高質の医療の希求,治療から予防への志向など,歯科医療に対する国民のニーズの変化などが急激に生じてきたからである.
 このような大きな変貌を遂げている歯科医療の各分野のなかで,社会環境や自然環境の変化の影響をもっとも受けやすい小児を対象とする小児歯科医療は,もっとも大きく変貌している分野の一つである.いうまでもなく小児歯科は,成人に至るまでの成長発達期,すなわち胎生期から20歳頃までの小児の口腔を健全に育成するための歯科医療であり,小児歯科学という学問・科学に裏付けられたものでなければならない.
 歯科医学・歯科医療の発展とともに,専門分化と,これを統合する総合化が進んでいる.臨床系では処置内容による歯科保存学,歯科補綴学,口腔外科学など縦割りとする技術的な分化に対し,小児歯科学は,近年の高齢者歯科と同様,横割りとする患者サイドに立った全人的視点からの分化と位置付けられ,地域の一般医,家庭医の基本と考えるべきものである.
 本書は一般臨床医の基礎教育を目標にした,「小児歯科学教授要綱」を重視した内容となっている.そのなかでも大きな特徴は,従来,小児歯科学は健全な歯列・咬合,口腔機能などの育成を目標に,口腔管理の重要性を第一義として教授してきたが,この点をさらに明解にしたこと,小児受診者への対応や,歯列・咬合の育成,歯周疾患などの項目を充実させたこと,さらに日本人小児の歯・顎顔面の発育について最新のデータを収載したこと,理解しやすいように可能なかぎり用語統一をはかったことである.
 歯学生が本書により,歯科医師として基本的に必要な小児歯科学・小児歯科医療の知識を十分に修得し,卒前臨床実習や歯科医師としての研修,また小児歯科学の進歩発展に寄与する研究活動などに連続性をはかられるよう祈念する.
 最後に,本書の出版にあたり,多大なご協力をいただいた医歯薬出版株式会社編集部に厚くお礼申し上げる.
 1996年3月1日
 編者
 赤坂 守人
 西野 瑞穗
 佐々 龍二
第1編 小児歯科学概論
 1章 小児と歯科保健医療 (木裕三)
  I 小児とは
  II 小児と社会
   1.小児と社会の関わり
   2.小児と人権
  III 小児と医学・医療
  IV 小児歯科学と小児歯科医療
   1.小児歯科学とは
   2.小児歯科医療の特殊性
 2章 小児歯科医療における歯科医師の基本的責任 (木裕三)
  I 歯科医師の義務
  II インフォームド・コンセント
  III 小児科医療の安全・安心への配慮
   1.小児歯科医療における危険性と安全性確保のための対策
   2.リスクマネジメント
第2編 成長発達
 3章 全身の成長・発達 (三留雅人)
  I 発育概論
   1.成長,発達及び発育の定義
   2.発育の原則
   3.発育に影響する因子
   4.発育期の分類
   5.各器官の発育
  II 小児の成長
   1.身体成長の特徴
   2.身体成長の評価法
  III 小児の発達
   1.脳・神経の発達
   2.原始反射
   3.運動の発達
   4.社会性の発達
   5.言語の発達
   6.情動の発達
   7.発達の評価
   8.思春期の精神的特徴
  IV 小児の生理的発達
   1.バイタルサイン
   2.血液成分
  V 小児の栄養
   1.小児期の栄養
   2.栄養摂取法
 4章 頭蓋,顎顔面の発育 (鈴木康生・島村和宏)
  I 頭蓋の発育
   1.頭部の成長発育
   2.発育様式
   3.脳頭蓋の発育
   4.顔面頭蓋の発育
  II 顎の発育
   1.上顎の発育
   2.下顎の成長
  III 発育の評価
   1.生体計測による評価法
   2.頭部エックス線規格写真法による評価法
 5章 口腔機能の発達
  I 摂食機能の発達 (田村康夫)
   1.吸啜の発達
   2.咀嚼の発達
   3.嚥下の発達
  II 発語・調音 (石川雅章 ・木裕三)
   1.発語・調音を理解するための基礎知識
   2.調音(構音)の発達
   3.発達期に見られる構音障害
  III 小児の顎運動 (三輪全三・木裕三)
   1.顎運動の測定方法
   2.歯の萌出と顎運動の変化
   3.小児と成人の顎運動の違い
   4.顎運動測定の臨床応用
 6章 歯の発育と異常
  I 歯の形成 福本敏
   1.歯胚の発生と発育
   2.歯の発育段階
   3.歯の発育評価法
  II 歯の形成障害
   1.歯の発育時期と形成障害
   2.形成障害の原因
  III 歯の異常
   1.歯数の異常
   2.歯の形態の異常
   3.歯の構造の異常
   4.歯の色調の異常
   5.その他の異常
  IV 歯の萌出 田口洋
   1.乳歯の萌出時期と順序
   2.永久歯の萌出時期と順序
  V 歯の萌出異常
   1.萌出時期(順序)の異常
   2.萌出方向(位置)の異常
   3.萌出量の異常
 7章 歯列及び咬合の発育と異常 (山ア要一・岩ア智憲・齊藤一誠)
  I 歯列及び咬合の定義
  II 歯列及び咬合の発育
   1.無歯期及び乳歯列完成前期
   2.乳歯列期
   3.切歯交換期及び第一大臼歯萌出開始期・完了期
   4.側方歯群交換期
   5.第二大臼歯萌出開始期・完了期
  III 歯列及び咬合の異常
   1.正常咬合とは
   2.歯列及び咬合異常の要因
   3.代表的な咬合異常
 8章 小児期の歯・歯周組織の特徴 (木裕三)
  I 乳歯の特徴
   1.乳歯の生物学的役割
   2.乳歯の数と名称
   3.乳歯の形態学的特徴
   4.乳歯の組織学的特徴
   5.乳歯歯質の物理化学的特徴
   6.乳歯の生理的歯根吸収
  II 幼若永久歯の特徴
   1.形態学的特徴
   2.物理・化学的特徴
   3.幼若永久歯歯髄の臨床的特徴
  III 小児の歯周組織
   1.歯周組織の構造
   2.歯の萌出と歯周組織
   3.歯槽骨の成長と歯の萌出
第3編 診察・検査・診断
 9章 小児への歯科的対応法 (井上美津子)
  I 診療時に必要な心理
   1.歯科診療と小児の心理反応
   2.小児患者・保護者・歯科医師の関係
  II 歯科的対応の実際
   1.診療前の対応
   2.診療時の対応
   3.診療直後の対応
  III 基本的な診察法
   1.診察時の対応の基本
   2.年齢別対応
   3.特別な配慮を必要とする小児への対応
  IV 歯科的対応を重視した臨床管理システム
   1.小児の口腔管理における歯科的対応
   2.適応行動を育てる予防管理システム
  V 歯科的対応における疼痛のコントロール
   1.歯科治療における疼痛と小児の反応
   2.疼痛のコントロールのための対応法
  VI 小児の薬理的特性
   1.投与方法と薬用量の算定法
   2.投薬に際しての注意
 10章 小児の診療の流れ (山座治義・野中和明)
  I 診察・検査・診断
   1.診察・検査の目的と概要
   2.診察項目
  II 診断に必要な資料
  III 診療計画
 11章 医療安全と危機管理 (白川哲夫)
  I 医療安全の考え方
  II ヒヤリ・ハットと医療事故
  III 安全な医療を提供するための危機管理
  IV 小児歯科医療と危機管理
   1.小児歯科臨床で想定される緊急事態と偶発症
   2.偶発症・偶発事故への対応
   3.偶発症・偶発事故の予防
第4編 歯・口腔の疾患とその対応(治療,予防)
 12章 齲蝕
  I 齲蝕基礎 (星野倫範・藤原卓)
   1.齲蝕の病因論
   2.齲蝕の疫学
   3.齲蝕の為害作用
  II 齲蝕予防 (新谷誠康)
   1.齲蝕予防の基本的な考え方
   2.歯口清掃法
   3.齲蝕予防のための代用糖
   4.齲蝕予防のための食事指導
   5.フッ化物を利用した薬物応用法
   6.予防填塞
  III 齲蝕治療(治療の前処置)
   1.小児の局所麻酔法 (有田憲司)
   2.ラバーダム法 (小野芳明・木裕三)
  IV 齲蝕治療(歯冠修復法) (八若保孝)
   1.乳歯の歯冠修復
   2.乳歯における各種修復法
   3.幼若永久歯の歯冠修復
  V 齲蝕治療(歯内療法) (小方清和・苅部洋行)
   1.乳歯の歯髄疾患
   2.乳歯の根尖性歯周炎
   3.乳歯の根管充填
   4.幼若永久歯の歯髄疾患
  VI 齲蝕治療(乳歯抜去) (香西克之)
 13章 歯周疾患 (香西克之)
  I 歯周疾患の分類と罹患状況
  II 歯周疾患の種類と特徴
   1.歯肉炎
   2.歯周炎
   3.壊死性潰瘍性歯肉炎
   4.歯肉退縮
  III 歯周疾患の予防
   1.歯周疾患のリスクファクター
   2.小児歯周組織の状態評価
   3.歯周疾患予防行動
 14章 外傷 (宮新美智世・木裕三)
  I 歯の外傷の状況と影響
   1.外傷の状況
   2.歯の外傷による影響
  II 外傷の診察・検査と診断
   1.医療面接
   2.診察
   3.歯の外傷の臨床診断・分類
  III 歯の外傷の処置と経過
   1.外傷後に観察される特徴的所見
   2.歯の損傷と治療法,ならびに臨床経過
   3.歯周組織損傷の治療と臨床経過
   4.術後経過のまとめ
  IV 学校(園)での対応
   1.学校(園)における口腔の外傷
   2.歯科医院での対応上の注意点
  V スポーツ外傷と歯の外傷の予防
   1.スポーツ外傷
   2.外傷の予防
 15章 口腔軟組織疾患及び顎疾患
  I 口腔軟組織の異常と疾患の処置 (飯沼光生・田村康夫)
   1.小帯の異常
   2.口唇の病変
   3.歯肉の病変
   4.舌の病変
   5.粘膜の病変
  II 顎疾患(顎骨の疾患) (香西克之)
  III 顎関節症 苅部洋行
   1.咀嚼機構の解剖
   2.顎関節症の定義
   3.顎関節症の主症状
   4.顎関節症の疫学286
   5.顎関節症の病因論
   6.顎関節症の診察
   7.顎関節症の診断と症型分類
   8.顎関節症の管理
 16章 咬合誘導 (田村康夫)
  I 咬合誘導の考え方
   1.目的
   2.咬合誘導の分類
  II 歯列・咬合及び顎顔面の診察・検査・診断
   1.口腔・顎顔面の診察
   2.歯列・咬合の分析
   3.画像検査
  III 歯列・咬合を乱す異常の処置
   1.齲蝕
   2.歯の異常
   3.萌出の異常
   4.軟組織の異常
  IV 口腔習癖と処置
   1.口腔習癖の種類とその影響
   2.口腔習癖の処置
  V 保隙
   1.診察と診断
   2.保隙装置の適用
   3.種類と選択
   4.保隙装置装着後の管理
  VI 動的(能動的)咬合誘導法
   1.診査と診断
   2.咬合誘導の処置法
   3.咬合発育段階による歯列,咬合異常の処置
第5編 口腔管理,健康教育,地域口腔保健
 17章 小児期の臨床口腔管理とそのシステム (松村誠士・下野勉)
  I 定期健康診断
   1.目的
   2.診察・検査・診断事項
   3.定期健康診断の時期
  II 保健指導
   1.保護者の支援(教育)
   2.小児の支援
   3.保健指導効果の評価
 18章 小児の地域口腔保健
  I 乳幼児の口腔保健 (井上美津子)
   1.母子保健の現状と地域口腔保健
   2.妊産婦と乳幼児の口腔保健
   3.幼稚園・保育園児の口腔保健
  II 学校歯科保健
   1.学校歯科保健の目的と学校歯科医の役割
   2.学校歯科健康診断
   3.学校における健康支援
  III 思春期の口腔保健
   1.思春期の口腔疾患の現状
   2.思春期の口腔保健
  IV 児童虐待 (香西克之)
   1.児童虐待の定義
   2.身体的虐待による頭部顔面・口腔・歯の所見
   3.デンタルネグレクト
   4.歯科健診や歯科診療での虐待の発見
   5.虐待が疑われた場合の対応と通告義務
 19章 国際協力 (中島一郎)
   1.国際協力の必要性
   2.保険医療支援の取り組み機関
   3.開発途上国における小児の健康問題
   4.小児歯科医療支援
第6編 心身障害児及び全身疾患児への歯科的対応
 20章 障害児の歯科治療 (白川哲夫・小口春久)
  I 障害児の歯科医療の歴史
  II 障害の概念
   1.定義と概念
   2.障害児数
  III 障害児の口腔健康管理の考え方と問題点
   1.障害児の口腔健康管理の考え方
   2.障害児の口腔機能と機能獲得の問題点
   3.摂食・嚥下機能障害
  IV 障害の種類と口腔所見
   1.発達障害
   2.肢体不自由
   3.痙攣性疾患
   4.感覚障害
   5.言語障害
   6.唇・顎・口蓋裂
  V 歯科的対応法
   1.診療を阻害する要因
   2.障害児への歯科的対応法
  VI 歯科医療全般についての留意事項
   1.一般的留意事項
   2.障害児の歯科保健管理
 21章 歯科治療上注意すべき小児の全身疾患
  I 遺伝 (新谷誠康)
  II 染色体異常
   1.常染色体トリソミー
   2.性染色体過剰
   3.性染色体モノソミー
  III 感染症(細菌及びウイルス感染症) (藤原卓)
   1.小児の感染症患者の歯科治療における一般的注意点
   2.感染性の高い重要なウイルス感染症
   3.血液媒介性感染症
   4.その他のウイルス感染症
  IV ビタミン欠乏症 (白川哲夫)
  V 内分泌疾患
  VI 血液・造血器疾患
  VII 代謝障害
  VIII 腎疾患
  IX 循環器疾患
  X 呼吸器疾患
  XI 免疫性疾患(アレルギー) (藤原卓)

 参考文献
 索引