やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版 序
 『無歯顎補綴治療学』の初版が2004年9月に出版されて以来今日まで,歯学部学生をはじめとして,多くの方々が本書を活用してくださっていることに対しまして,心から謝意を表します.
 この度の改訂にあたり,新たに市川哲雄教授,大川周治教授に編集委員として加わっていただきました.さらに23校に及ぶ歯科大学・歯学部の有床義歯補綴学担当教員の方々に分担執筆をお願いしました.なお編集方針につきましては,初版と同じく『歯科医学教授要綱』と『歯科医師国家試験出題基準』に準拠した構成としました.しかし高齢社会の急速な進展に対応し得るために,一部内容を補足し,新たな章を加えました.主な変更点は,「第2章 診察,検査,診断」に(社)日本補綴歯科学会が長年にわたる検討を経てまとめた「症型分類」を加えたこと,「第3章 治療」としてくくられていた「I 前処置」「II 印象採得」「III 顎間関係の記録」「IV 下顎運動の記録と咬合器装着」「V 人工歯の排列」「VI 義歯とその試適」「VII 埋没,重合,研磨」「VIII 重合義歯の咬合器再装着と咬合調整」「IX 義歯の装着」をそれぞれ独立した章として記述したこと,さらに新たに「複製義歯による治療」と「無歯顎患者に対する歯科訪問診療」の章を加えたことなどです.また,全頁をカラー印刷とし,図や写真などの理解を深められるように配慮するなどの改変を試みました.
 ここ数年,高齢化のスピードは一段と加速し,それに伴い高齢無歯顎患者も増加している状況にあって,今回の改訂は無歯顎補綴治療の社会的要請にも応える内容となっております.さらに歯科医師国家試験はますます厳しさを増し,狭き門になりつつある状況下で,無歯顎補綴学とそれに立脚した臨床に関しても,術式や製作法と並んで診察・検査・診断と治療計画の立案などの能力が問われております.加えてインプラント治療は,無歯顎補綴治療の選択肢として重要な位置を占めるようになりました.このような背景から,多くの歯学部学生と歯科医師およびその関係の方々には,共通の基盤に立って新しい無歯顎補綴治療学とその臨床を学習あるいは認識していただくことが必要であると考えます.
 ご承知の通り,21世紀におけるわが国の健康政策であります「健康日本21」では,改善重点項目の一つとして「歯の健康」が掲げられています.顎口腔系の健康が全身の健康と密接に関係していることがエビデンスをもって示された所以です.適正な全部床義歯の装着が高齢者の健康の維持・増進に重要な役割を担っていることを強調したいと思います.「咬合・咀嚼が創る健康長寿」を具現化しなければなりません.
 本書が多くの歯学部学生と研修歯科医師の教科書として,また,日々臨床に携わる歯科医師の参考書として活用され,無歯顎患者の診断と治療に有効に生かされることを切望いたします.

 2009年1月
 編集委員代表 細井紀雄
 平井敏博


 近年の教育改革の波は歯科医学教育分野にも及んでおり,歯学教育モデル・コア・カリキュラムが提示され,共用試験の本格実施および歯科医師臨床研修の完全義務化が決定されている.そこで,これらの変革への対応が可能な無歯顎補綴治療に関する教科書が必要であると考えた.
 従来から,全部床義歯補綴学あるいは無歯顎補綴学とよばれる学問は,究極的には患者の健康の維持・増進をはかるために必要な理論と技術を考究することを目的としている.したがって,全部床義歯補綴学を含む歯科補綴学は,生命科学や健康科学をベースとする実学であり,人々の健康・福祉の向上に貢献する役割を担う学問である.すなわち,歯科補綴学は歯科補綴治療学であるといえる.このことから,本書名を“無歯顎補綴治療学“とした.また,無歯顎補綴治療とは,無歯顎患者の形態的・機能的障害の改善や回復を目指すことから,リハビリテーションの一分野であるといえる.リハビリテーションの究極的な目標はQOLの維持・向上であり,無歯顎補綴治療は,まさに21世紀に求められる主要な医療の一つであるといえる.なお,最新の“歯学教授要綱”では,“基本方針・到達目標“として,“口腔疾患の予防と健康の保持・増進に寄与する人材の養成”“患者の全身状態を把握し対応する能力を有する人材の養成”があげられている.この理由としては,人口の高齢化に伴う複数の基礎疾患を有する高齢者の増加が考えられる.また,国民の健康に対する関心の高まりと,咬合・咀嚼が全身の健康に重要な役割を果たしていることを示す多くの客観的データの提示も見逃せない.無歯顎患者への義歯補綴治療の重要性は明白である.
 以上のことから,本書では,まず健康あるいはQOLと密接な関係にある老化に関する基礎的知識を整理し,全人的見地から無歯顎患者を診ることができる能力を涵養する記載を心がけた.また,無歯顎という病態についての理解を深めるためには,顎口腔系の常態との比較が必要であると考え,総論部分では健常有歯顎者の形態と機能に関する詳細な記載を行った.また,臨床術式に関しては図と写真を多用し,それらを記述と平行して掲載することによって理解を容易にした.さらに,各章末には一般目標,到達目標とkey wordsを設定し,全般的な教育内容と修得すべき指標を記載した.なお,用語に関しては,“歯科補綴学専門用語集”(日本補綴歯科学会編)に準拠した.
 本書が歯学部学生,臨床研修医および歯科医師に広く活用され,人々の健康の維持・増進に寄与することを切望する.
 最後に,本書の発刊に貴重なご示唆を賜りました東京医科歯科大学名誉教授 林 都志夫先生に心から深謝いたします.

 2004年 盛夏
 編者 細井紀雄
    平井敏博
第1章 総論
 I 無歯顎補綴治療の健康に果たす役割と全部床義歯 平井敏博
  1 健康・QOLと歯科医学
  2 顎口腔系の機能と形態
  3 歯科補綴学と義歯補綴治療
  4 歯科補綴学・補綴歯科診療と咬合
 II 無歯顎の病因と病態
  1 無歯顎の病因 平井敏博
  2 歯の寿命および喪失歯数と全部床義歯装着者数
  3 無歯顎の病態
   1)歯の喪失後の顎骨の変化
   2)歯の喪失後の顎堤粘膜の変化
  4 加齢に伴う変化  平井敏博〔1),2)〕・水口俊介〔3),5),6)〕・古谷野 潔〔4)〕
   1)顎関節
   2)筋
   3)神経系
   4)下顎運動・下顎位
   5)唾液
   6)味覚
  5 咀嚼障害 平井敏博
  6 嚥下障害
  7 発語障害(構音障害)
 III 補綴装置としての全部床義歯 皆木省吾・原 哲也
  1 全部床義歯の構成要素
   1)人工歯
   2)義歯床
  2 全部床義歯の各部の名称と役割
  3 全部床義歯の維持
   1)唾液による物理的維持力
   2)陰圧による物理的維持力
   3)筋圧による生理的維持力
   4)解剖学的維持力
  4 全部床義歯の支持
  5 全部床義歯の安定
   1)咬合平衡
   2)上下顎顎堤の前頭面的対向関係
   3)上下顎顎堤の矢状面的対向関係
 IV 全部床義歯装着者にみられる主要症候 皆木省吾・原 哲也
   1)義歯床下および周囲組織の疼痛
   2)咀嚼障害
   3)審美障害
   4)発語障害(構音障害)
   5)顎機能異常
   6)顎関節の疼痛

第2章 診察,検査,診断
 I 医療面接とインフォームドコンセント 馬場一美・五十嵐順正
  1 医療面接
   1)面接の態度
   2)話し方
 2 インフォームドコンセント
   1)患者の心理
   2)診療内容の説明
 II 診察,検査 馬場一美・五十嵐順正
  1 一般的な診察
   1)主 訴
   2)既往歴
   3)現 症
   4)基礎疾患
   5)服用薬剤
   6)患者の気質・精神医学的状態
  2 局所的な診察と検査
   1)口腔外の診察
   2)口腔内の診察
   3)画像検査
   4)顎機能の検査
   5)満足度,口腔関連QOL
   6)使用中の義歯の観察
   7)研究用模型の観察
 III 診断と治療計画の立案 市川哲雄
  1 無歯顎補綴治療における診断
  2 プロブレムリストの作成
  3 治療計画の立案
  4 到達目標と治療効果
   1)到達目標の設定
   2)治療効果
   3)栄養の評価
  5 治療計画の提示と指導

第3章 前処置
 長岡英一
  1 補綴的前処置
   1)治療用義歯による粘膜治療(ティッシュコンディショニング)
   2)治療用義歯による咬合治療
  2 外科的前処置
   1)口蓋隆起,下顎隆起に対する外科的処置
   2)骨鋭縁部に対する外科的処置
   3)顎堤のアンダーカットに対する外科的処置
   4)高度な顎堤吸収に対する外科的処置
   5)軟組織に対する外科的処置
  3 その他の前処置

第4章 印象採得
 I 印象採得の目的 細井紀雄
 II 印象用材料 細井紀雄
  1 印象材の所要性質
  2 印象材の物理的性質
  3 概形印象用材料
   1)コンパウンド印象材
   2)アルジネート印象材
  4 精密印象用材料
   1)シリコーンラバー印象材
   2)ポリサルファイドラバー印象材
   3)酸化亜鉛ユージノールペースト
   4)石膏印象材
   5)アクリル系印象材
 III 概形印象 大川周治
  1 目的
  2 印象法
   1)モデリングコンパウンドによる概形印象採得
   2)アルジネート印象材による概形印象採得
 IV 研究用模型 細井紀雄
  1 使用目的
  2 製作法
 V 精密印象 細井紀雄
  1 目的
  2 印象法
   1)個人トレーの製作
   2)個人トレーによる辺縁形成
   3)印象採得
 VI 印象法の種類
  1 印象材の組み合わせによる分類 細井紀雄
   1)単一印象
   2)連合印象
  2 目的別による分類
   1)概形印象
   2)精密印象
   3)リラインのための印象
  3 粘膜への圧力別分類 櫻井 薫
   1)無圧印象
   2)加圧印象
   3)選択的加圧印象
  4 機能別分類
   1)解剖学的印象
   2)機能印象
   3)ダイナミック印象
   4)咬合圧印象
   5)咬座印象
  5 印象材別分類
   1)アルジネート印象材
   2)ラバー系印象材
   3)コンパウンド印象材
   4)酸化亜鉛ユージノール印象材
   5)ワックス系印象材
   6)アクリル系印象材
   7)石膏印象材
 VII フレンジテクニック 鱒見進一
  1 デンチャースペースを構成する筋群
   1)義歯維持筋
   2)義歯脱離筋
  2 デンチャースペースの記録法
   1)ニュートラルゾーンテクニック
   2)フレンジテクニック
   3)ピエゾグラフィ
 VIII 作業用模型 鱒見進一
  1 使用目的
  2 製作法
  3 模型の調整
   1)緩衝腔,リリーフ
   2)ブロックアウト
   3)後堤(ポストダム)法

第5章 顎間関係の記録
 I 咬合床の製作 野首孝祠
   1)咬合床の高さ
   2)咬合堤の幅
   3)水平面上の弓形
   4)床翼部および口蓋部の形状
 II 仮想咬合平面の決定 野首孝祠
  1 上顎咬合床の修正
   1)前歯部の修正
   2)臼歯部の修正
  2 下顎咬合床の高さの調整
 III 垂直的顎間関係の記録 野首孝祠
  1 形態的根拠に基づく方法
   1)無歯顎時の情報を利用する方法
   2)有歯顎時の情報を利用する方法
  2 機能的根拠に基づく方法
   1)下顎安静位利用法
   2)最大咬合力測定法
   3)発音利用法
   4)嚥下法
   5)下顎位置感覚測定法
 IV 水平的顎間関係の記録 鈴木哲也
  1 一般的な水平的顎間関係の記録法
  2 とくに器具を必要としない方法
   1)筋疲労法
   2)タッピング法
   3)ワルクホッフ小球利用法
   4)頭部後傾法
   5)嚥下法
   6)側頭筋触診法(側頭筋把握法)
   7)咬筋触診法(咬筋把握法)
  3 特殊な器具を使用する方法
   1)ゴシックアーチ描記法
   2)チューイン法
   3)FGPテクニック
   4)終末蝶番軸法
 V 標示線 鈴木哲也
   1)正中線
   2)口角線
   3)鼻翼幅線(鼻幅線)
   4)上唇線と下唇線
   5)微笑線

第6章 下顎運動の記録と咬合器装着
 I 下顎運動の記録 河野正司
  1 下顎運動測定の目的
   1)咬合器による下顎運動の再現
   2)下顎運動の診断
  2 下顎運動の測定法
   1)ゴシックアーチ描記法
   2)チェックバイト法による顆路角の測定
   3)時系列測定
   4)6自由度測定
 II 咬合器 鈴木哲也
  1 咬合器の種類
   1)調節性による分類
   2)関節部の構造による分類
   3)顆路部の構造による分類
  2 咬合器への模型装着
   1)模型装着の前準備
   2)咬合平面板を用いた装着
   3)フェイスボウを用いた装着
   4)顆路の調節

第7章 人工歯の排列
 I 人工歯の歴史 清野和夫
 II 前歯部人工歯の選択と排列 清野和夫
  1 前歯部人工歯の選択
   1)形態
   2)色調
   3)大きさ
  2 前歯部人工歯の排列
   1)リップサポート
   2)微笑線
   3)笑線
   4)上顎前歯部唇側面の位置
   5)上下顎前歯部の被蓋関係
   6)上顎前歯部排列時の人工歯切縁の位置
   7)個性的排列
   8)前歯部排列後の修正
 III 臼歯部人工歯の選択と排列 市川哲雄・永尾 寛
  1 臼歯部人工歯の選択
   1)形態
   2)材質
   3)大きさ
   4)色調
  2 臼歯部人工歯の排列
   1)排列位置
   2)上顎法による排列と下顎法による排列
   3)咬合様式

第8章 ろう義歯とその試適
 豊田 實
 I ろう義歯
  歯肉形成
   1)審美的形態
   2)機能的形態
 II ろう義歯の試適
   1)ろう義歯の義歯床形態の検査
   2)咬合高径の検査
   3)舌房の検査
   4)審美性の検査
   5)咬合の検査
   6)発語機能の検査

第9章 埋没,重合,研磨
 橋 裕
 I 埋 没
  1 埋没の前準備
   1)テンチのコア法
   2)スプリットキャスト法
  2 埋没法
   1)アメリカ式埋没法
   2)フランス式埋没法
  3 埋没の手順
   1)フラスク
   2)埋没手順
 II 流ろうとレジン入
  1 流ろう
  2 レジン入
 III 重 合
  1 レジン重合法
   1)加熱重合法
   2)常温重合法
   3)マイクロ波重合法
  2 各種重合法の特徴
 IV 義歯の取り出し
 V 研 磨
  1 意義
  2 手順
   1)形態修正,荒研磨
   2)仕上げ研磨

第10章 重合義歯の咬合器再装着と咬合調整
 豊田 實
  1 重合の完了した義歯の咬合器再装着
   1)スプリットキャスト法
   2)テンチのコア法
  2 人工歯の削合
   1)選択削合
   2)自動削合

第11章 義歯の装着
 大川周治
 I 装着時の調整
  1 形態に関する調整
   1)装着の前準備
   2)義歯床辺縁部の調整
   3)義歯床研磨面の形態
   4)義歯床粘膜面の適合性
   5)維持力の確認
  2 機能に関する調整
   1)咬合接触状態の検査
   2)咬合・咀嚼圧を負荷した状態での適合試験
   3)機能圧が負荷されたのちの維持の検査
  3 審美に関する調整
 II 装着時の患者指導
  1 義歯への慣れに関する指導
  2 摂食に関する指導
  3 義歯および口腔内の清掃に関する指導
   1)機械的清掃
   2)化学的清掃
   3)口腔内の清掃
  4 就寝時における義歯の取り扱いに関する指導
  5 リコールとメインテナンスに関する指導
 III 装着直後の調整
   1)調整時期
   2)咬合調整と義歯床の調整
 IV 治療効果の評価

第12章 義歯装着後の経過観察
 I 装着後の生体と義歯の変化 石崎 憲・櫻井 薫
  1 生体の変化
  2 義歯の変化
   1)人工歯部の変化
   2)義歯床の変化
 II 定期検査と評価 石崎 憲・櫻井 薫
  1 残存組織について
   1)顎堤・床下粘膜の変化への対処
   2)顎関節・筋の異常への対処
  2 咬合について
   1)義歯の咬頭嵌合位の変化
   2)咬合の変化への対処
  3 義歯について
   1)義歯床の破折・破損
   2)人工歯の破折・破損・脱落
  4 患者指導
 III 修 理 石崎 憲・櫻井 薫
  1 義歯床
  2 人工歯
 IV リライン(床裏装法) 村田比呂司
  1 直接法によるリライン
   1)特徴
   2)検査と前処置
   3)手順
  2 間接法によるリライン
   1)フラスク埋没による方法(軟質リライン材,義歯床用レジン)
   2)リライニングジグによる方法(硬質リライン材,軟質リライン材)
 V リベース 村田比呂司
 VI 咬合面再形成 村田比呂司

第13章 複製義歯による治療
 横山敦郎
  1 複製義歯による治療の特徴
  2 複製義歯の製作方法
   1)複製義歯用フラスクへの旧義歯の埋没
   2)義歯の複製
   3)複製義歯の取り出し研磨
  3 複製義歯による治療法
   1)診断
   2)複製義歯の製作と装着
   3)複製義歯の調整
   4)ティッシュコンディショニング,咬合治療終了後の印象採得および咬合採得
   5)試適と装着

第14章 金属床義歯による治療
 小正 裕・岡崎定司
  1 金属床義歯の利点と欠点
  2 金属床義歯の構造
  3 金属床義歯の製作手順
   1)ろう義歯の試適とコア採得
   2)フレームワークの製作
   3)耐火模型の製作
   4)ワックスアップ
   5)フレームワークの鋳造・研磨
   6)ろう義歯の製作
   7)金属床義歯の完成
   8)金属床義歯のリライン
  4 圧印床

第15章 即時全部床義歯による治療
 藤原 周
  1 即時全部床義歯の利点と欠点
  2 診療手順と製作法
  3 即時全部床義歯の装着に関する注意事項

第16章 オーバーデンチャーによる治療
 長岡英一
  1 オーバーデンチャーの利点と欠点
  2 オーバーデンチャーの適応症
  3 処置法の選択
   1)コーピング法,ノンコーピング法
   2)コーピングの形態
   3)アタッチメント,テレスコープクラウン
  4 アフターケア

第17章 顎義歯による治療
 尾澤昌悟・田中貴信
  1 腫瘍による顎欠損
   1)顎欠損に伴う臨床症状
   2)顎義歯製作に関する臨床的問題点と治療目標
  2 主要な臨床術式
   1)上顎顎義歯
   2)下顎顎義歯

第18章 インプラントによる治療
 赤川安正・久保隆靖
  1 オッセオインテグレーション
   1)オッセオインテグレーションとは
   2)オッセオインテグレーションの獲得
   3)オッセオインテグレーションの維持
 2 1回法インプラントと2回法インプラント
 3 可撤式上部構造と固定式上部構造
 4 インプラント治療とその将来

第19章 無歯顎患者に対する歯科訪問診療
 野村修一
 I 歯科訪問診療の目的と意義
  1 歯科訪問診療の対象者と目的
  2 要介護高齢者の口腔状況と歯科訪問診療の意義
 II 診察・検査・診断
  1 歯科訪問診療と安全管理
  2 患者とのコミュニケーションと診療時の体位
  3 診察・検査・診断の要点
   1)口腔内の診察
   2)義歯の観察
   3)顎運動機能の評価
 III 器具・器材
  1 診療器具・器材と環境の整備
  2 感染予防
 IV 治療方針と処置
  1 治療方針の決定
  2 歯科訪問診療の実際
 V 患者指導
  1 義歯および口腔内の清掃に関する指導
  2 義歯への慣れ,摂食に関する指導
  3 メインテナンスに関する指導

 文献
 索引