生きがいのある人生は歯・口の健康から
日本は,世界一の長寿国として,世界に名声を轟かせています.このことは,国民一人一人の努力で勝ちえた素晴らしい財産といえます.私たちは,この財産を大切にしていかなければなりません.しかし,同時に長生きすればするほど,「生きていてよかった」,「長生きして嬉しい」という生活の質あるいは人生の質的な満足感がなければなりません.
この満足感があればこそ,私たちはさらに長生きをする期待や希望が生まれてくるのでしょう.
歯・口の健康を通じて,国民の皆さんの健康づくりを長くお手伝いしてきた歯科の関係者は,私たちの専門領域である歯・口あるいは顎・顔面の形態と機能の良好な状態が,どれほど国民の健康や生きていることの喜びに深くかかわっているのかを日々の経験から知らされてきました.この貴重な経験は,すべて国民の皆さんが私たちに教えてくれた大切な宝物であると感謝をしております.むし歯で泣いていた子どもたち,歯列不正のために笑顔の苦手な学生諸氏,歯周疾患で好きな食べ物も噛めずに我慢していた方々,入れ歯が合わなくて苦労していた方々,歯を失ってから体の不調を訴えていた方々,寝たきりで入れ歯もなく流動食を余儀なくされていた方々,このような多くの方々が私たちに歯科の価値を教えてくれました.
私たちは,これらの方々から得られた貴重な知見を,すべての国民にお返ししなければなりません.そして,一人でも多くの方に健康で幸せな満足のいく生活を送っていただかなければならないと思っております.
そこで,私たちは国民の皆さんに恩返しのつもりで,わかりやすい歯科の健康づくりに関する本を作ってみました.著者は,歯科の各領域の専門家であり,しかも国民の皆さんの健康づくりに使命感をもっている者ばかりです.できるかぎり,視覚的で容易に,しかも楽しく理解していただけるように“ビジュアルなマニュアル”としましたが,どうしても専門的な内容を正しく伝えるために文章の難解なところがあるかもしれません.そのような部分は,また読者の皆さんからご指摘とご教示をいただければと思っております.
本書によって,皆さんの健康と幸せがいっそう増進してくださることを心から祈念しております.
最後に,楽しくわかりやすいイラストを随所に描いてくださった森野さかなさんと,編集に努力された医歯薬出版株式会社の辻 寿 氏に厚く御礼を申しあげます.
2000年5月 明海大学歯学部 教授 安井利一
日本は,世界一の長寿国として,世界に名声を轟かせています.このことは,国民一人一人の努力で勝ちえた素晴らしい財産といえます.私たちは,この財産を大切にしていかなければなりません.しかし,同時に長生きすればするほど,「生きていてよかった」,「長生きして嬉しい」という生活の質あるいは人生の質的な満足感がなければなりません.
この満足感があればこそ,私たちはさらに長生きをする期待や希望が生まれてくるのでしょう.
歯・口の健康を通じて,国民の皆さんの健康づくりを長くお手伝いしてきた歯科の関係者は,私たちの専門領域である歯・口あるいは顎・顔面の形態と機能の良好な状態が,どれほど国民の健康や生きていることの喜びに深くかかわっているのかを日々の経験から知らされてきました.この貴重な経験は,すべて国民の皆さんが私たちに教えてくれた大切な宝物であると感謝をしております.むし歯で泣いていた子どもたち,歯列不正のために笑顔の苦手な学生諸氏,歯周疾患で好きな食べ物も噛めずに我慢していた方々,入れ歯が合わなくて苦労していた方々,歯を失ってから体の不調を訴えていた方々,寝たきりで入れ歯もなく流動食を余儀なくされていた方々,このような多くの方々が私たちに歯科の価値を教えてくれました.
私たちは,これらの方々から得られた貴重な知見を,すべての国民にお返ししなければなりません.そして,一人でも多くの方に健康で幸せな満足のいく生活を送っていただかなければならないと思っております.
そこで,私たちは国民の皆さんに恩返しのつもりで,わかりやすい歯科の健康づくりに関する本を作ってみました.著者は,歯科の各領域の専門家であり,しかも国民の皆さんの健康づくりに使命感をもっている者ばかりです.できるかぎり,視覚的で容易に,しかも楽しく理解していただけるように“ビジュアルなマニュアル”としましたが,どうしても専門的な内容を正しく伝えるために文章の難解なところがあるかもしれません.そのような部分は,また読者の皆さんからご指摘とご教示をいただければと思っております.
本書によって,皆さんの健康と幸せがいっそう増進してくださることを心から祈念しております.
最後に,楽しくわかりやすいイラストを随所に描いてくださった森野さかなさんと,編集に努力された医歯薬出版株式会社の辻 寿 氏に厚く御礼を申しあげます.
2000年5月 明海大学歯学部 教授 安井利一
ヴィジュアル・フォーラム
序文
おとなになってからの歯と口の健康づくり
1.ご自分の口の口のなかを知っていますか
20歳代から50歳代の口のなか
60歳代から80歳代の口のなか
歯の健康度をチェック…4/歯の数…4/歯の病気…5/高齢者と唾液…6/歯の喪失予防…7
2.長い目でみて考えよう
むし歯の進行について知ろう
むし歯…8
歯周病とその進行について知ろう
歯周病とは…3/歯周病の進行の例…14
3.むし歯,歯周病を予防しよう
セルフ・チェックはこうしよう
むし歯のセルフ・チェック…18/むし歯を知るための観察…18/症状が知らせる歯の異常 むし歯になった兆候…21/歯周病のセルフ・チェック…24/歯周組織を知るための観察…25/症状が知らせる歯周組織の異常 歯周病になった兆候…26
セルフ・ケアはこうしよう
むし歯,歯周病は,感染症であるとともに生活習慣病です…30/では健康な生活習慣とは…32/歯みがきの効果…33/「みがいてる」と「みがけてる」はちがいます…35/みがけるみがき方のポイント…36/みがく道具…38/歯みがき剤・歯みがきペースト…39
こうなったら歯科医にかかろう
歯科医にかかるべきむし歯…40/歯科医にかかるべき歯と歯肉の異常…41
4.口臭のない口は社会のエチケット
口臭…44
5.歯と口の健康づくりプラーク・コントロールが基本です
ブラッシングをていねいに
なぜブラッシングが必要なのか…46/自分にあったみがき方をみつけよう…47/みがけないところはどこだろう…49/歯ブラシの選択,歯みがき剤について…51/入れ歯,補綴物を装着している場合のみがき方…52
補助清掃用具の使い方
写真で見るブラッシング,フロッシング
6.歯・口元の美と健康
7.顎関節症の症状とケア
あごをいたわりましょう
あごの関節の仕組みと働き…64/診断の実際…65/治療法の選択…67
8.歯周病は全身疾患にも影響します
口のなかのばい菌が体の他のところへ行って病気を起こす
細菌が血管のなかに入って,体の他のところへ行く…70/細菌を飲む…71
歯周病による炎症があること自体が全身に悪影響を及ぼす
2型糖尿病(インシュリン非依存性の糖尿病)…72/動脈硬化・心臓血管障害…73/早期低体重児出産…73
歯の欠損とアルツハイマー型痴呆
高齢期の歯と口の健康づくり
1.高齢期の歯と口のなか
2.高齢期の歯と口のケア
欠損部位を放置するとどうなるか
歯がないところは入れ歯を入れようこんな入れ歯があります
入れ歯の効用
3.入れ歯のメインテナンス
歯と入れ歯をみがきましょう
歯のない方も入れ歯をみがきましょう
入れ歯の耐用年数
コラム:唾液はえらい
介護を必要とするようになった方の口腔ケア
1.介護を必要とするようになった方の口腔ケア
口から食べて元気になる 口腔ケアはこんなに大事
食べ方,食べさせ方…98/知的障害(痴呆)のある方への口腔ケア…100/SOSを見逃さないように…105
2.口腔ケアの一般的な方法
要介護者のセルフ・チェック
歯のチェック…107/歯肉のチェック…108/口腔粘膜,口腔乾燥のチェック…108/舌のチェック…109/義歯のチェック…109/めったにないが要チェック:口腔の腫瘍…109
プライマリ・ケアはこんなふうに
歯口清掃…111/口腔粘膜と義歯の清掃…111/義歯清掃の流れ…112/義歯清掃のポイント…112/舌の清掃…113/リハビリテーションの前段階としての機能的口腔ケア…113
身体に障害のある方,知的障害のある方への口腔ケア
口腔ケアを行うときの姿勢と注意点…114/口腔ケアの方法…115/器質的ケア…115/機能的ケア…117
3.噛む・飲み込むがうまくいかない方の口腔ケア
要介護者のセルフ・チェック
「くちびる」,「ほっぺ」,「舌」,「つば」みんな大事です…120/食べ物もこぼれるし,よだれもでるし…120/「舌」のケアを忘れてませんか…122/よい「つば」をたくさん出しましょう…123/ゴックンと飲み込みが悪いときには…123/ぶくぶくうがいは元気よく…124/お口のなかをのぞいてみてあげてください…125/お口のなかをサッパリさせてあげましょう…126/介護のなかに口腔ケアを…126
かかりつけ歯科医をもとう
1.かかりつけ歯科医をもとう
かかりつけ歯科医の機能と意義
静かな疾患…128/総合的視点…128/継続した診療…129/専門的な治療の確保…129
かかりつけ歯科医とホームドクター
医療機関の機能分担…130/ホームドクター…130/家庭医制度…131
かかりつけ歯科医機能の普及
索引
執筆者一覧
序文
おとなになってからの歯と口の健康づくり
1.ご自分の口の口のなかを知っていますか
20歳代から50歳代の口のなか
60歳代から80歳代の口のなか
歯の健康度をチェック…4/歯の数…4/歯の病気…5/高齢者と唾液…6/歯の喪失予防…7
2.長い目でみて考えよう
むし歯の進行について知ろう
むし歯…8
歯周病とその進行について知ろう
歯周病とは…3/歯周病の進行の例…14
3.むし歯,歯周病を予防しよう
セルフ・チェックはこうしよう
むし歯のセルフ・チェック…18/むし歯を知るための観察…18/症状が知らせる歯の異常 むし歯になった兆候…21/歯周病のセルフ・チェック…24/歯周組織を知るための観察…25/症状が知らせる歯周組織の異常 歯周病になった兆候…26
セルフ・ケアはこうしよう
むし歯,歯周病は,感染症であるとともに生活習慣病です…30/では健康な生活習慣とは…32/歯みがきの効果…33/「みがいてる」と「みがけてる」はちがいます…35/みがけるみがき方のポイント…36/みがく道具…38/歯みがき剤・歯みがきペースト…39
こうなったら歯科医にかかろう
歯科医にかかるべきむし歯…40/歯科医にかかるべき歯と歯肉の異常…41
4.口臭のない口は社会のエチケット
口臭…44
5.歯と口の健康づくりプラーク・コントロールが基本です
ブラッシングをていねいに
なぜブラッシングが必要なのか…46/自分にあったみがき方をみつけよう…47/みがけないところはどこだろう…49/歯ブラシの選択,歯みがき剤について…51/入れ歯,補綴物を装着している場合のみがき方…52
補助清掃用具の使い方
写真で見るブラッシング,フロッシング
6.歯・口元の美と健康
7.顎関節症の症状とケア
あごをいたわりましょう
あごの関節の仕組みと働き…64/診断の実際…65/治療法の選択…67
8.歯周病は全身疾患にも影響します
口のなかのばい菌が体の他のところへ行って病気を起こす
細菌が血管のなかに入って,体の他のところへ行く…70/細菌を飲む…71
歯周病による炎症があること自体が全身に悪影響を及ぼす
2型糖尿病(インシュリン非依存性の糖尿病)…72/動脈硬化・心臓血管障害…73/早期低体重児出産…73
歯の欠損とアルツハイマー型痴呆
高齢期の歯と口の健康づくり
1.高齢期の歯と口のなか
2.高齢期の歯と口のケア
欠損部位を放置するとどうなるか
歯がないところは入れ歯を入れようこんな入れ歯があります
入れ歯の効用
3.入れ歯のメインテナンス
歯と入れ歯をみがきましょう
歯のない方も入れ歯をみがきましょう
入れ歯の耐用年数
コラム:唾液はえらい
介護を必要とするようになった方の口腔ケア
1.介護を必要とするようになった方の口腔ケア
口から食べて元気になる 口腔ケアはこんなに大事
食べ方,食べさせ方…98/知的障害(痴呆)のある方への口腔ケア…100/SOSを見逃さないように…105
2.口腔ケアの一般的な方法
要介護者のセルフ・チェック
歯のチェック…107/歯肉のチェック…108/口腔粘膜,口腔乾燥のチェック…108/舌のチェック…109/義歯のチェック…109/めったにないが要チェック:口腔の腫瘍…109
プライマリ・ケアはこんなふうに
歯口清掃…111/口腔粘膜と義歯の清掃…111/義歯清掃の流れ…112/義歯清掃のポイント…112/舌の清掃…113/リハビリテーションの前段階としての機能的口腔ケア…113
身体に障害のある方,知的障害のある方への口腔ケア
口腔ケアを行うときの姿勢と注意点…114/口腔ケアの方法…115/器質的ケア…115/機能的ケア…117
3.噛む・飲み込むがうまくいかない方の口腔ケア
要介護者のセルフ・チェック
「くちびる」,「ほっぺ」,「舌」,「つば」みんな大事です…120/食べ物もこぼれるし,よだれもでるし…120/「舌」のケアを忘れてませんか…122/よい「つば」をたくさん出しましょう…123/ゴックンと飲み込みが悪いときには…123/ぶくぶくうがいは元気よく…124/お口のなかをのぞいてみてあげてください…125/お口のなかをサッパリさせてあげましょう…126/介護のなかに口腔ケアを…126
かかりつけ歯科医をもとう
1.かかりつけ歯科医をもとう
かかりつけ歯科医の機能と意義
静かな疾患…128/総合的視点…128/継続した診療…129/専門的な治療の確保…129
かかりつけ歯科医とホームドクター
医療機関の機能分担…130/ホームドクター…130/家庭医制度…131
かかりつけ歯科医機能の普及
索引
執筆者一覧