序 文
障害者歯科の臨床は今日まで,多くの先駆者によるたゆみない努力のもとに行われてきたが,さまざまな障害者に対して歯科保健を推進し歯科治療を行うためには,幅広い知識と技術,そして経験が必要である.これを系統だてて,障害者歯科学として診療,教育と研究に統合する試みはようやく緒についたところにすぎない.しかし,今日のように医療,保健,福祉が一体化してきている状況の中で,これからの歯科関係者には,障害者に対する歯科保健と治療の社会的意義および,介護と福祉の面における意義を理解したうえでの専門性が求められている.
一方,障害者歯科学は,免疫学,救急医学や臓器移植学などと同じように区分される比較的新しい臨床歯科学の分野の一つであり,学際的な性格をもっている.また,障害者歯科臨床は,障害者やその家族からの要請に応じながら試行錯誤で行われているのが現状であるが,福祉社会の進行する21世紀を目前に,障害者歯科の必要性はますます増大しつつあり,歯学教育は大きな見直しと再編が必要な時期にきている.このような時代の潮流のなかで,臨床・研究の前線にいる執筆陣が力を合わせて,新しい障害者歯科の考え方を整理・提示した意義は大きいと考えられる.
本書においては狭義の歯科治療にとどまらず,今日の歯科保健・医療の枠組みの拡大を試みる意味で,音声言語障害と摂食・嚥下障害についての解説を組み入れた.また,障害者歯科臨床では大きなテーマの一つである,歯科診療に適応の困難な患者を適応できるように誘導するための考え方と技法を,行動調整(behavior management:行動管理,行動調節,取り扱い,とも称される)と表現した.これには,患者の行動を指導・管理するという視点よりも,患者と医療者サイドの双方が協調しながら歯科診療を成し遂げていくという姿勢こそ肝要である,との意味を込めている.
現状の,障害者歯科学は,研究面でも臨床の面でもまだまだ発展途上にある.臨床,教育と研究の最前線から情報を取り入れ,さらに本書にある内容を充実・刷新させていくことが,障害者歯科に関わるものの今後の課題であると考えている.
このたび,手軽に読むことのできることを意図した最新の障害者歯科ガイドブックを発刊できることは,編者の意を汲んで大幅な加筆・修正にも快く応じていただいた分担執筆者の協力のおかげであり,また,医歯薬出版の理解と積極的な助言によるところが大きいものと感謝している.
本書が,歯科学生はもとより障害者歯科にたずさわる多くの人に愛され利用されること,今後もさらに内容の充実をはかりながら,成長することを心より願うものである.
1999年3月 森崎市治郎 緒方克也 向井美惠
障害者歯科の臨床は今日まで,多くの先駆者によるたゆみない努力のもとに行われてきたが,さまざまな障害者に対して歯科保健を推進し歯科治療を行うためには,幅広い知識と技術,そして経験が必要である.これを系統だてて,障害者歯科学として診療,教育と研究に統合する試みはようやく緒についたところにすぎない.しかし,今日のように医療,保健,福祉が一体化してきている状況の中で,これからの歯科関係者には,障害者に対する歯科保健と治療の社会的意義および,介護と福祉の面における意義を理解したうえでの専門性が求められている.
一方,障害者歯科学は,免疫学,救急医学や臓器移植学などと同じように区分される比較的新しい臨床歯科学の分野の一つであり,学際的な性格をもっている.また,障害者歯科臨床は,障害者やその家族からの要請に応じながら試行錯誤で行われているのが現状であるが,福祉社会の進行する21世紀を目前に,障害者歯科の必要性はますます増大しつつあり,歯学教育は大きな見直しと再編が必要な時期にきている.このような時代の潮流のなかで,臨床・研究の前線にいる執筆陣が力を合わせて,新しい障害者歯科の考え方を整理・提示した意義は大きいと考えられる.
本書においては狭義の歯科治療にとどまらず,今日の歯科保健・医療の枠組みの拡大を試みる意味で,音声言語障害と摂食・嚥下障害についての解説を組み入れた.また,障害者歯科臨床では大きなテーマの一つである,歯科診療に適応の困難な患者を適応できるように誘導するための考え方と技法を,行動調整(behavior management:行動管理,行動調節,取り扱い,とも称される)と表現した.これには,患者の行動を指導・管理するという視点よりも,患者と医療者サイドの双方が協調しながら歯科診療を成し遂げていくという姿勢こそ肝要である,との意味を込めている.
現状の,障害者歯科学は,研究面でも臨床の面でもまだまだ発展途上にある.臨床,教育と研究の最前線から情報を取り入れ,さらに本書にある内容を充実・刷新させていくことが,障害者歯科に関わるものの今後の課題であると考えている.
このたび,手軽に読むことのできることを意図した最新の障害者歯科ガイドブックを発刊できることは,編者の意を汲んで大幅な加筆・修正にも快く応じていただいた分担執筆者の協力のおかげであり,また,医歯薬出版の理解と積極的な助言によるところが大きいものと感謝している.
本書が,歯科学生はもとより障害者歯科にたずさわる多くの人に愛され利用されること,今後もさらに内容の充実をはかりながら,成長することを心より願うものである.
1999年3月 森崎市治郎 緒方克也 向井美惠
I編 障害者歯科序論
1章 障害者歯科とは
I 障害者歯科学の定義
II 障害の概念
1.障害とは
2.障害の三つのレベル
III 障害の分類と病気との関係
1.障害の分類
2.病気と障害
IV 障害者歯科学の特質
V 障害者歯科の対象と場
2章 障害者の社会的問題と環境
I ノーマライゼーションの考え方
II バリアフリーの社会づくり
1.バリアフリーとは
2.隔離と集中化から統合と脱集中化へ
III 障害者に対する理解
1.共感的理解
2.医療的・心理的理解
3.社会的理解
IV 障害の受容と適応,障害者の家庭と社会化の問題
1.障害の受容と適応
2.障害者の家庭の問題
3.障害者の社会化の問題
3章 障害者のQOLと障害者歯科の関連職種
I 障害者のQOLと歯科保健
1.クオリティ・オブ・ライフ(quality of life:QOL)とは
2.QOLと歯科保健,医療
II 障害者歯科と関連の職種
4章 障害者の歴史と現況
I 障害者に関する歴史
II 障害者に対する教育,医療,福祉の制度と現況
III 障害者の生活空間
5章 障害者歯科の歴史
I 外国における障害者歯科の歴史
II 日本における障害者歯科の歴史
II編 障害者歯科各論
1章 視覚障害
I 視覚障害とは
II 視覚障害の影響
III 視覚障害の原因
IV 視覚障害の頻度と分類
V 視覚障害者の症状や行動
VI 視覚障害者の口腔内所見
VII 歯科診療時の注意点
2章 聴覚障害
I 聴覚障害の定義・疫学
II 分類・病因
III 口腔症状
IV 歯科における対応
3章 肢体不自由
I 肢体不自由の定義
II 肢体不自由の症状,分類
III 肢体不自由の疫学
IV 肢体不自由者の歯科的問題
V 肢体不自由各論
1.脳性麻痺/37
2.筋ジストロフィー/43
3.脊髄損傷/49
4.慢性間節リウマチ/54
5.骨系統疾患および二分脊椎/57
4章 精神遅滞
I 精神機能の基礎知識
1.知能と知能検査
2.認知と記憶
3.情緒
4.運動の発達
II 精神遅滞(精神発達遅滞)64
1.精神遅滞の定義
2.精神遅滞の頻度(疫学)と原因
3.精神遅滞の症状
4.精神遅滞への対応
5.発達特性と歯科における対応
III 精神遅滞を伴うおもな障害とその歯科的特性
1.染色体異常(配偶子病)
2.遺伝子病(遺伝)
3.頭形の異常
5章 てんかん
I てんかんの定義
II てんかんの疫学と原因シ9
1.てんかんの疫学
2.てんかんの原因
III てんかん発作の分類
1.全般てんかん(原発性および続発性)
2.部分てんかん
3.反射てんかん
IV 抗てんかん薬
V 口腔症状と歯科疾患
1.外傷
2.歯肉肥大
VI 歯科における対応と診療
1.問診とマネージメント
2.歯科治療中の発作への対処
3.てんかん重積症
4.薬物性の歯肉肥大
5.薬物間の相互作用
6章 音声言語障害
I 音声言語機能とは
1.音声言語機能にかかわる言葉
2.音声言語機能の調節
3.音声言語の構成
II 音声言語障害とは
1.音声言語障害の定義
2.音声言語障害の原因と分類
III 歯科における音声言語障害の診療
1.歯科口腔疾患と音声言語障害
2.評価法
3.歯科的対応
7章 摂食・嚥下障害
I 障害者歯科医療と摂食・嚥下障害
1.摂食・嚥下障害の定義
2.摂食・嚥下障害にかかわる解剖・生理
II 摂食・嚥下障害の分類
1.小児の摂食 嚥下障害
2.成人の摂食 嚥下障害
3.高齢者の摂食 嚥下障害
III 摂食・嚥下障害に対する評価法
IV 摂食・嚥下障害への対応
1.発達障害児に対する訓練指導
2.成人・高齢者に対する指導訓練
8章 行動および情緒の障害
I 情緒の発達
II 社会性の発達
III 広汎性発達障害
1.広汎性発達障害の概念と定義
2.自閉症および類似疾患
IV 微細脳機能障害
V 情緒障害
VI 小児精神分裂病
VII 歯科と関連する精神医学
1.障害者歯科の対象としての精神障害者
2.精神科症候学
3.精神療法
4.精神疾患各論
5.精神疾患と歯科治療
9章 重症心身障害
I 重症心身障害とは
II 臨床症状と合併症 1.臨床症状
2.重症心身障害児の全身状態
III 口腔症状
1.口腔衛生状態
2.う蝕
3.歯周疾患
4.歯列・咬合
5.歯の形態異常
6.歯や骨の外傷
7.口腔の形態異常
8.粘膜疾患
9.機能異常
IV 歯科からの対応
1.歯科治療
2.予防処置と歯科保健指導
3.摂食機能療法
10章 内部障害
I 内部障害の定義
II 内部障害の病態と歯科的問題点
1.心臓機能障害
2.呼吸機能障害
3.腎臓機能障害
4.膀胱または直腸機能障害
5.小腸機能障害
6.ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
11章 脳血管障害後遺症
I 脳卒中の分類と発生原因
1.出血性脳血管障害
2.閉塞性脳血管障害
II 全身的症状
1.運動障害
2.知覚障害
3.高次脳機能障害
4.運動失調
5.意識障害
6.排尿障害
7.痴呆
8.摂食・嚥下障害
III 口腔症状と歯科治療上の注意点
1.う蝕
2.歯周疾患
3.義歯関連問題
4.その他の症状
III編 障害者歯科治療
1章 障害者歯科における診療記録と環境設定
I 診療に必要な情報収集と評価
1.問診
2.現症-全身的所見
3.現症-口腔所見
II 記録の管理
III 障害者歯科の設計(バリアフリーをめざして)154
1.アクセシビリティー
2.設計に必要な数字
3.人にやさしい歯科診療所の具体例
IV 障害者歯科に必要なスタッフ
2章 障害者歯科における歯科保健指導
I 障害者と歯科保健指導の諸問題
1.障害者の心理と行動と保健
2.障害者への指導と効果
3.障害者の生活環境と歯科保健
4.障害者の機能と能力の評価
5.障害児と障害者では指導目標が違う
II 障害者への歯科保健指導の実際
1.問題点の抽出
2.指導目標を立てる
3.障害者のプラークコントロール
4.歯磨きの指導
5.指導効果の評価と管理計画
6.障害者自身への指導とチームワーク
7.保護者や施設の介助者への指導
3章障害者歯科における定期口腔健診
I はじめに
II 定期口腔健診の意義
III 定期口腔健診の方法
1.定期健診の順序
2.定期健診における評価法
IV 定期診査の時期と間隔
V 予防法の提示
VI おわりに
4章 障害者歯科における行動調整
I 行動調整の基本
1.行動調整が必要な障害者に対する基本的考え方
2.行動科学としての考え方
3.患者の予防時の配慮
4.患者の治療室への誘導法
5.治療の説明方法
6.治療中の患者の行動の予測
7.障害者歯科における疼痛管理
8.開口保持とラバーダム
II 行動調整の実際
1.薬物を用いない行動調整
2.薬物による行動調整
5章 障害者の歯科治療
I 歯冠修復
1 歯冠修復の目的 2治療計画 3治療の実際
II 歯髄処置
1 障害者歯科における歯髄診断
III 補綴処置
1 欠損補綴
1.障害者歯科における欠損補綴の意義と目的
2.固定性架工義歯(ブリッジ)
3.有床義歯
2 唇顎口蓋裂患者の補綴
1.唇顎口蓋裂治療の流れ
2.歯科補綴処置開始時の口腔内の問題点
3.補綴方法の選択
4.補綴治療の実際
5.補綴治療前後の予防的配慮
IV 口腔外科処置
1 はじめに
2 口腔外科処置における基本的な注意事項
3 抜歯
4 炎症の外科的処置
5 外傷の外科的処置
6 口腔外科処置に伴う投薬
V 歯周治療
1 歯肉炎
2 歯周炎
3 歯周疾患の治療
4 歯周疾患に対する抗生物質の併用療法
5 全身疾患に伴う歯周疾患
6 薬物性歯肉肥大
VI 矯正歯科治療
1 障害者における矯正歯科治療の意義
2 障害者の矯正歯科治療の目的
3 障害者の歯列不正・不正咬合の原因
4 障害者の矯正治療における注意点
6章 地域における障害者歯科
I かかりつけ歯科医の障害者歯科
1.かかりつけ歯科医の障害者への役割
2.障害者への理解とかかわり
3.歯科保健管理を中心としたかかわり
4.治療への取り組みと限界
5.地域歯科医療支援歯科医療機関との連携
II 障害者施設における歯科保健
1.障害者施設とは
2.施設と利用者
3.施設入所者の歯科医療
4.運営と今後の課題
III センター方式の障害者歯科
1.地域医療としての障害者歯科
2.センターにおける障害者歯科
3.センター方式の得失
4.チームアプローチ
IV 病院における障害者歯科
1.病院歯科あるいは歯科口腔外科(病院歯科)の役割
2.病院における障害者歯科
3.地域における病院歯科の機能と位置づけ
4.医学的管理下にある障害者
V 在宅障害者訪問歯科診療
1.訪問診療の対象となる障害者
2.訪問診療の意義
3.訪問診療のアフターケア
4.訪問診療とチームワーク
7章 障害者歯科の教育と研修
I 歯科医師の教育・研修システムと障害者歯科における役割
1.障害者歯科の教育
2.卒直後臨床研修
3.歯科医師の生涯研修制度と障害者歯科
4.障害者歯科学の専門研究
II 歯科衛生士の障害者歯科教育と研修
1.歯科衛生士の卒前教育
2.歯科衛生士の卒後教育と研修
III メディカルスタッフの教育・研修システムと障害者歯科における役割
IV 教育職の教育・研修システムと障害者歯科における役割
付表1
付表2
文献
索引
1章 障害者歯科とは
I 障害者歯科学の定義
II 障害の概念
1.障害とは
2.障害の三つのレベル
III 障害の分類と病気との関係
1.障害の分類
2.病気と障害
IV 障害者歯科学の特質
V 障害者歯科の対象と場
2章 障害者の社会的問題と環境
I ノーマライゼーションの考え方
II バリアフリーの社会づくり
1.バリアフリーとは
2.隔離と集中化から統合と脱集中化へ
III 障害者に対する理解
1.共感的理解
2.医療的・心理的理解
3.社会的理解
IV 障害の受容と適応,障害者の家庭と社会化の問題
1.障害の受容と適応
2.障害者の家庭の問題
3.障害者の社会化の問題
3章 障害者のQOLと障害者歯科の関連職種
I 障害者のQOLと歯科保健
1.クオリティ・オブ・ライフ(quality of life:QOL)とは
2.QOLと歯科保健,医療
II 障害者歯科と関連の職種
4章 障害者の歴史と現況
I 障害者に関する歴史
II 障害者に対する教育,医療,福祉の制度と現況
III 障害者の生活空間
5章 障害者歯科の歴史
I 外国における障害者歯科の歴史
II 日本における障害者歯科の歴史
II編 障害者歯科各論
1章 視覚障害
I 視覚障害とは
II 視覚障害の影響
III 視覚障害の原因
IV 視覚障害の頻度と分類
V 視覚障害者の症状や行動
VI 視覚障害者の口腔内所見
VII 歯科診療時の注意点
2章 聴覚障害
I 聴覚障害の定義・疫学
II 分類・病因
III 口腔症状
IV 歯科における対応
3章 肢体不自由
I 肢体不自由の定義
II 肢体不自由の症状,分類
III 肢体不自由の疫学
IV 肢体不自由者の歯科的問題
V 肢体不自由各論
1.脳性麻痺/37
2.筋ジストロフィー/43
3.脊髄損傷/49
4.慢性間節リウマチ/54
5.骨系統疾患および二分脊椎/57
4章 精神遅滞
I 精神機能の基礎知識
1.知能と知能検査
2.認知と記憶
3.情緒
4.運動の発達
II 精神遅滞(精神発達遅滞)64
1.精神遅滞の定義
2.精神遅滞の頻度(疫学)と原因
3.精神遅滞の症状
4.精神遅滞への対応
5.発達特性と歯科における対応
III 精神遅滞を伴うおもな障害とその歯科的特性
1.染色体異常(配偶子病)
2.遺伝子病(遺伝)
3.頭形の異常
5章 てんかん
I てんかんの定義
II てんかんの疫学と原因シ9
1.てんかんの疫学
2.てんかんの原因
III てんかん発作の分類
1.全般てんかん(原発性および続発性)
2.部分てんかん
3.反射てんかん
IV 抗てんかん薬
V 口腔症状と歯科疾患
1.外傷
2.歯肉肥大
VI 歯科における対応と診療
1.問診とマネージメント
2.歯科治療中の発作への対処
3.てんかん重積症
4.薬物性の歯肉肥大
5.薬物間の相互作用
6章 音声言語障害
I 音声言語機能とは
1.音声言語機能にかかわる言葉
2.音声言語機能の調節
3.音声言語の構成
II 音声言語障害とは
1.音声言語障害の定義
2.音声言語障害の原因と分類
III 歯科における音声言語障害の診療
1.歯科口腔疾患と音声言語障害
2.評価法
3.歯科的対応
7章 摂食・嚥下障害
I 障害者歯科医療と摂食・嚥下障害
1.摂食・嚥下障害の定義
2.摂食・嚥下障害にかかわる解剖・生理
II 摂食・嚥下障害の分類
1.小児の摂食 嚥下障害
2.成人の摂食 嚥下障害
3.高齢者の摂食 嚥下障害
III 摂食・嚥下障害に対する評価法
IV 摂食・嚥下障害への対応
1.発達障害児に対する訓練指導
2.成人・高齢者に対する指導訓練
8章 行動および情緒の障害
I 情緒の発達
II 社会性の発達
III 広汎性発達障害
1.広汎性発達障害の概念と定義
2.自閉症および類似疾患
IV 微細脳機能障害
V 情緒障害
VI 小児精神分裂病
VII 歯科と関連する精神医学
1.障害者歯科の対象としての精神障害者
2.精神科症候学
3.精神療法
4.精神疾患各論
5.精神疾患と歯科治療
9章 重症心身障害
I 重症心身障害とは
II 臨床症状と合併症 1.臨床症状
2.重症心身障害児の全身状態
III 口腔症状
1.口腔衛生状態
2.う蝕
3.歯周疾患
4.歯列・咬合
5.歯の形態異常
6.歯や骨の外傷
7.口腔の形態異常
8.粘膜疾患
9.機能異常
IV 歯科からの対応
1.歯科治療
2.予防処置と歯科保健指導
3.摂食機能療法
10章 内部障害
I 内部障害の定義
II 内部障害の病態と歯科的問題点
1.心臓機能障害
2.呼吸機能障害
3.腎臓機能障害
4.膀胱または直腸機能障害
5.小腸機能障害
6.ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
11章 脳血管障害後遺症
I 脳卒中の分類と発生原因
1.出血性脳血管障害
2.閉塞性脳血管障害
II 全身的症状
1.運動障害
2.知覚障害
3.高次脳機能障害
4.運動失調
5.意識障害
6.排尿障害
7.痴呆
8.摂食・嚥下障害
III 口腔症状と歯科治療上の注意点
1.う蝕
2.歯周疾患
3.義歯関連問題
4.その他の症状
III編 障害者歯科治療
1章 障害者歯科における診療記録と環境設定
I 診療に必要な情報収集と評価
1.問診
2.現症-全身的所見
3.現症-口腔所見
II 記録の管理
III 障害者歯科の設計(バリアフリーをめざして)154
1.アクセシビリティー
2.設計に必要な数字
3.人にやさしい歯科診療所の具体例
IV 障害者歯科に必要なスタッフ
2章 障害者歯科における歯科保健指導
I 障害者と歯科保健指導の諸問題
1.障害者の心理と行動と保健
2.障害者への指導と効果
3.障害者の生活環境と歯科保健
4.障害者の機能と能力の評価
5.障害児と障害者では指導目標が違う
II 障害者への歯科保健指導の実際
1.問題点の抽出
2.指導目標を立てる
3.障害者のプラークコントロール
4.歯磨きの指導
5.指導効果の評価と管理計画
6.障害者自身への指導とチームワーク
7.保護者や施設の介助者への指導
3章障害者歯科における定期口腔健診
I はじめに
II 定期口腔健診の意義
III 定期口腔健診の方法
1.定期健診の順序
2.定期健診における評価法
IV 定期診査の時期と間隔
V 予防法の提示
VI おわりに
4章 障害者歯科における行動調整
I 行動調整の基本
1.行動調整が必要な障害者に対する基本的考え方
2.行動科学としての考え方
3.患者の予防時の配慮
4.患者の治療室への誘導法
5.治療の説明方法
6.治療中の患者の行動の予測
7.障害者歯科における疼痛管理
8.開口保持とラバーダム
II 行動調整の実際
1.薬物を用いない行動調整
2.薬物による行動調整
5章 障害者の歯科治療
I 歯冠修復
1 歯冠修復の目的 2治療計画 3治療の実際
II 歯髄処置
1 障害者歯科における歯髄診断
III 補綴処置
1 欠損補綴
1.障害者歯科における欠損補綴の意義と目的
2.固定性架工義歯(ブリッジ)
3.有床義歯
2 唇顎口蓋裂患者の補綴
1.唇顎口蓋裂治療の流れ
2.歯科補綴処置開始時の口腔内の問題点
3.補綴方法の選択
4.補綴治療の実際
5.補綴治療前後の予防的配慮
IV 口腔外科処置
1 はじめに
2 口腔外科処置における基本的な注意事項
3 抜歯
4 炎症の外科的処置
5 外傷の外科的処置
6 口腔外科処置に伴う投薬
V 歯周治療
1 歯肉炎
2 歯周炎
3 歯周疾患の治療
4 歯周疾患に対する抗生物質の併用療法
5 全身疾患に伴う歯周疾患
6 薬物性歯肉肥大
VI 矯正歯科治療
1 障害者における矯正歯科治療の意義
2 障害者の矯正歯科治療の目的
3 障害者の歯列不正・不正咬合の原因
4 障害者の矯正治療における注意点
6章 地域における障害者歯科
I かかりつけ歯科医の障害者歯科
1.かかりつけ歯科医の障害者への役割
2.障害者への理解とかかわり
3.歯科保健管理を中心としたかかわり
4.治療への取り組みと限界
5.地域歯科医療支援歯科医療機関との連携
II 障害者施設における歯科保健
1.障害者施設とは
2.施設と利用者
3.施設入所者の歯科医療
4.運営と今後の課題
III センター方式の障害者歯科
1.地域医療としての障害者歯科
2.センターにおける障害者歯科
3.センター方式の得失
4.チームアプローチ
IV 病院における障害者歯科
1.病院歯科あるいは歯科口腔外科(病院歯科)の役割
2.病院における障害者歯科
3.地域における病院歯科の機能と位置づけ
4.医学的管理下にある障害者
V 在宅障害者訪問歯科診療
1.訪問診療の対象となる障害者
2.訪問診療の意義
3.訪問診療のアフターケア
4.訪問診療とチームワーク
7章 障害者歯科の教育と研修
I 歯科医師の教育・研修システムと障害者歯科における役割
1.障害者歯科の教育
2.卒直後臨床研修
3.歯科医師の生涯研修制度と障害者歯科
4.障害者歯科学の専門研究
II 歯科衛生士の障害者歯科教育と研修
1.歯科衛生士の卒前教育
2.歯科衛生士の卒後教育と研修
III メディカルスタッフの教育・研修システムと障害者歯科における役割
IV 教育職の教育・研修システムと障害者歯科における役割
付表1
付表2
文献
索引