序文
昭和52年に中村俊一名誉教授のあとを継いではや12年が経過した.この間,中村俊一教授の“総義歯学要説”を骨子としてまとめた“総義歯学―その基礎と臨床―”(医歯薬出版,1979年)を今日まで学生教育用の教科書として使用してきた.しかし,日進月歩は著しく,総義歯学についても非常に立派な書物が多数出版されるようになり,学生にとっても臨床家にとってもこの道の知識を得ることについては,少しの痛痒も感じない時代となった.一方,いわゆる歯科医師国家試験出題基準が示され,日本補綴歯科学会カリキュラム委員会検討のアンダーグラジュエイト教育基準に基づき,学生教育に必修の項目ができたため,従来の教科書ではいくつかの問題点が生じるようになってきた.
そこで,大阪歯科大学の出身で,総義歯学担当の教授としてご活躍の柳生嘉博(明海大学),藤井輝久(朝日大学),羽生哲也(福岡歯科大学),藤井弘之(長崎大学)の各教授の方がたとの会談をもったところ,権田悦通助教授(大阪歯科大学)の参加を願い,上記の内容を考慮した,ある程度ガイドラインに則った,しかも基礎を重視した歯科学生に必要な範囲の内容が簡潔に記述されている教科書の出版を企画することになった.
評判のよい書物は,内容的に新しい知識を盛り込むために詳しく記述されている.今回われわれは,学生の図書としてあまり高価にならないように,できる限りページ数を抑えながら,必要最小限の知識を平易に記述し,無歯顎者のための総義歯学というものが,全体として理解できるようにと考えた.したがって,概論部分に重点をおき,これと臨床術式を結びつけることに努めた.しかし,歯科医師にとって総義歯補綴に必要な基本的な項目については旧教科書の一部を残すこととした.
なお,書名については,総義歯とは治療の手段であり,総義歯そのものよりも総義歯を媒体にした臨床教育をするという姿勢を示したいという考え方から,“無歯顎患者のための歯科補綴学“としたらどうかとの意見もあったが,従来,使用してきた総義歯学という文字を残して“最新総義歯補綴学”とした.
ところで,最近発表された厚生省の昭和62年度歯科疾患実態調査の概要によれば,いわゆる老人といわれる65歳以上の人では無歯顎者は37.1%であり,そのうち有床義歯を装着したことのある経験者は81.6%となっている.また,そのなかで義歯を常時使用している人は91.7%で,義歯の使用感としては,問題がないと答えた人は27.4%にすぎない.われわれ歯科医師にとって実に寂しい数字である.
21世紀はまさに超高齢化社会到来といわれ,無歯顎者はさらに増加することが予測される.どうか総義歯補綴に関心をもち,技術を磨いて患者に満足してもらえるような義歯を作るよう努力していただきたい.
1989年3月 西浦 恂
昭和52年に中村俊一名誉教授のあとを継いではや12年が経過した.この間,中村俊一教授の“総義歯学要説”を骨子としてまとめた“総義歯学―その基礎と臨床―”(医歯薬出版,1979年)を今日まで学生教育用の教科書として使用してきた.しかし,日進月歩は著しく,総義歯学についても非常に立派な書物が多数出版されるようになり,学生にとっても臨床家にとってもこの道の知識を得ることについては,少しの痛痒も感じない時代となった.一方,いわゆる歯科医師国家試験出題基準が示され,日本補綴歯科学会カリキュラム委員会検討のアンダーグラジュエイト教育基準に基づき,学生教育に必修の項目ができたため,従来の教科書ではいくつかの問題点が生じるようになってきた.
そこで,大阪歯科大学の出身で,総義歯学担当の教授としてご活躍の柳生嘉博(明海大学),藤井輝久(朝日大学),羽生哲也(福岡歯科大学),藤井弘之(長崎大学)の各教授の方がたとの会談をもったところ,権田悦通助教授(大阪歯科大学)の参加を願い,上記の内容を考慮した,ある程度ガイドラインに則った,しかも基礎を重視した歯科学生に必要な範囲の内容が簡潔に記述されている教科書の出版を企画することになった.
評判のよい書物は,内容的に新しい知識を盛り込むために詳しく記述されている.今回われわれは,学生の図書としてあまり高価にならないように,できる限りページ数を抑えながら,必要最小限の知識を平易に記述し,無歯顎者のための総義歯学というものが,全体として理解できるようにと考えた.したがって,概論部分に重点をおき,これと臨床術式を結びつけることに努めた.しかし,歯科医師にとって総義歯補綴に必要な基本的な項目については旧教科書の一部を残すこととした.
なお,書名については,総義歯とは治療の手段であり,総義歯そのものよりも総義歯を媒体にした臨床教育をするという姿勢を示したいという考え方から,“無歯顎患者のための歯科補綴学“としたらどうかとの意見もあったが,従来,使用してきた総義歯学という文字を残して“最新総義歯補綴学”とした.
ところで,最近発表された厚生省の昭和62年度歯科疾患実態調査の概要によれば,いわゆる老人といわれる65歳以上の人では無歯顎者は37.1%であり,そのうち有床義歯を装着したことのある経験者は81.6%となっている.また,そのなかで義歯を常時使用している人は91.7%で,義歯の使用感としては,問題がないと答えた人は27.4%にすぎない.われわれ歯科医師にとって実に寂しい数字である.
21世紀はまさに超高齢化社会到来といわれ,無歯顎者はさらに増加することが予測される.どうか総義歯補綴に関心をもち,技術を磨いて患者に満足してもらえるような義歯を作るよう努力していただきたい.
1989年3月 西浦 恂
I/総論
1章 無歯顎患者のための歯科補綴学/ 3
I 定義……3
II 位置づけ……4
1.補綴治療の種類/4
2.総義歯補綴治療の変遷(歴史)/5
III 総義歯補綴装置の構成と種類……6
1.構成/6
2.種類/7
IV インフォームドコンセント……7
2章 無歯顎の病態/ 9
I 歯の喪失に伴う顎口腔系の変化……9
1.形態的変化/9
2.機能的変化/14
II 歯の喪失に伴う顔貌の変化……15
III 歯の喪失に伴う全身症状への影響……16
IV 老化に伴う顎口腔系の変化……17
1.高齢者の一般的特徴/17
2.口腔の変化/18
3章 総義歯補綴の臨床的意義/ 20
I 顎口腔系の形態的回復と保全……20
II 顎口腔系の機能的回復と保全……22
1.咬合/22
2.咀嚼/22
3.発音/23
4.嚥下/23
III 審美性の回復と保全……23
IV 全身への影響……25
V 予防的意義……25
4章 総義歯補綴治療に必要な形態的事項/ 27
I 義歯床下組織……27
1.骨/27
2.顎粘膜/29
II 義歯周囲組織……34
1.咀嚼筋/34
2.表情筋/39
3.口唇,頬,舌,軟口蓋/41
4.口腔前庭部・口腔底と小帯/44
5.デンチャースペースとニュートラルゾーン/45
III 顎関節……45
1.骨部/46
2.関節円板/46
3.関節包/47
4.靭帯/47
5.顎関節の特徴/47
IV 審美的要件……48
1.顔貌/48
2.歯と歯列/48
3.その他の審美的要素/49
V 形態的事項の基準要素……49
1.基準点(面)と投影図/49
2.基準面/50
3.基準線/53
5章 総義歯補綴に必要な機能的事項/ 54
I 感覚……54
1.無歯顎者の口腔粘膜の感覚/54
2.無歯顎者の味覚/55
II 咀嚼……56
1.咀嚼周期/56
2.歯の欠損と咀嚼の能力/57
III 発音……58
1.発音の仕組み/59
2.母音/59
3.子音/60
4.発音の検査方法/61
5.補綴臨床への発音の応用/62
6.スピーチエイド/63
IV 唾液分泌……63
V 嚥下, 吐……64
1.嚥下/64
2.吐/65
VI 神経筋機構……65
6章 下顎運動と咬合器/ 67
I 下顎位……67
1.下顎安静位/67
2.咬頭嵌合位(中心咬合位)/67
3.下顎最後退位(終末蝶番位,中心位)/70
4.偏心位/70
5.その他の下顎位/72
II 下顎運動……72
1.下顎運動と顎筋の活動/72
2.下顎限界運動/73
3.滑走運動と習慣性開閉口運動/76
III 下顎運動要素とその動径……76
1.切歯路/77
2.顆路/77
IV 咬合……78
1.天然歯の咬合関係/78
2.補綴治療の咬合様式/80
3.総義歯補綴の咬合/81
V 咬合器……90
1.咬合器の種類/90
2.咬合器への模型装着法/98
3.咬合器の調節様式/100
7章 総義歯の構成要素/ 101
I 人工歯……101
1.材質/101
2.形態/102
II 義歯床……102
1.材質/103
2.形態/103
8章 総義歯の支持・維持・安定/ 105
I 支持……105
1.支持組織/105
2.支持の均一化の必要性/106
II 維持……106
1.物理的要件/106
2.解剖的要件/108
III 安定……109
1.形態的要件/109
2.咬合の要件/110
II/各論
9章 診査および診断/ 113
I 診査……113
1.一般的事項の調査/113
2.主訴/113
3.既往歴/113
4.現症/113
II 治療計画(診断)……124
III 術前の患者への説明……124
1.義歯に対する異物感および慣れ/125
2.機能回復の可能性とその限界/125
3.補綴装置に対する保証/125
10章 前処理/ 126
I 外科的処置……126
1.骨組織/126
2.軟組織/126
3.その他/128
II 補綴的処置……128
1.粘膜調整/128
2.顎位の調整,修正/129
III 薬物的処置……129
1.義歯性口内炎/129
2.褥瘡性潰瘍/130
3.吐/130
4.全身疾患との関係/131
11章 印象採得と模型/ 132
I 印象採得の目的……132
II 無歯顎の印象の概略……132
III 無歯顎の印象域……133
IV 印象法の種類……134
1.目的別分類/134
2.機能別分類/134
3.印象圧別分類/134
4.印象材の組み合わせ別分類/135
V 無歯顎印象用の印象材とその特性……135
1.印象材の分類/135
2.各種印象材の特性/136
VI 印象用トレー……137
1.トレーの構造/138
2.トレーの種類/138
VII 印象の前準備……140
1.一般的な印象採得の前準備/140
2.吐反射の強い患者の対策/141
VIII 概形印象と研究模型……141
1.既製トレーの選択と修正/141
2.概形印象採得の術式/142
3.研究模型の製作と模型の診査/145
IX 個人トレーの設計と製作……145
1.トレー外形線の記入/145
2.リリーフ/145
3.スペーサー/146
4.個人トレーの製作法/147
X 完成印象……148
1.辺縁形成/148
2.完成印象の術式/152
XI 作業模型……156
1.模型の製作/157
2.設計と作業模型の修正/159
12章 顎間関係の決定と記録(咬合採得)/ 163
I 顎間関係の決定と記録(咬合採得)の目的……163
II 咬合床……164
1.咬合床の基本構造と具備条件/164
2.咬合床の製作/165
III 咬合床の口腔内試適と仮想咬合平面の設定……166
1.上顎前歯部咬合堤の位置/168
2.仮想咬合平面の設定(上顎臼歯部の高さの調節)/169
3.下顎咬合床の試適と調整/169
IV 上下的顎間関係(咬合高径,垂直的顎間関係)の決定……170
1.動作学的な知見(生理学的根拠)に基づく方法/170
2.解剖学的な計測値を重視する方法/173
V 水平的顎間関係(前後的・左右的顎間関係)の決定……174
1.器具を用いない方法(簡便法)/174
2.器具を用いる方法/177
VI 咬合堤の修正と咬合床の固定……180
1.水平的誤差の修正/180
2.審美的観察による修正/180
3.上下顎咬合床の固定/181
VII 標準線(標示線)……181
1.正中線/182
2.上唇線と下唇線/182
3.口角線または鼻翼幅線/182
4.口唇接合線/183
13章 咬合器の使用法/ 184
I 咬合器への模型装着……184
1.平均値咬合器への模型装着/1842.半調節性咬合器への模型装着/186
II 咬合器の調節……190
1.顆路傾斜度の測定方法/191
2.顆路調節の実際/192
3.切歯路の調節/194
14章 人工歯/ 196
I 人工歯の種類……196
1.材料による分類/196
2.形態による分類/198
II 人工歯の選択……200
1.前歯部人工歯の選択/200
2.臼歯部人工歯の選択/203
15章 人工歯排列と歯肉形成/ 206
I 前歯部人工歯排列……206
1.前歯部の基本的な排列法/206
2.審美的排列/208
3.発音機能との調和/211
II 臼歯部人工歯排列……212
1.臼歯部人工歯排列の原則/212
2.臼歯部の排列法/215
3.歯肉形成/221
16章 蝋義歯の試適/ 224
I 適合性の点検……224
II 咬合関係の点検……225
1.人工歯の排列位置の点検/225
2.垂直的顎間関係(咬合高径)の点検/225
3.咬頭嵌合位の点検/225
4.咬合平衡の点検/226
III 審美性の点検……226
IV 発音機能の点検……227
1.発音試験/227
2.発音法による前歯の位置確認/227
3.パラトグラム法による口蓋形態の点検/227
V 咬合器再装着の準備……228
1.Tenchの歯型法/229
2.スプリットキャスト法/229
17章 蝋義歯の埋没とレジン重合/ 230
I 使用器具……230
1.フラスク/230
2.フラスクプレス/231
3.レジン混和器/232
II 埋没……232
1.フラスク下部への埋没/233
2.フラスク上部への埋没/233
III 流蝋……233
IV レジン填入……234
V レジン重合……234
VI 義歯の取り出し……236
18章 研磨と削合/ 237
I 研磨……237
1.研磨用器材/237
2.研磨手順/238
II 咬合器再装着……239
1.Tenchの歯型法/239
2.スプリットキャスト法/239
3.フェイスボウトランスファー法/240
III 削合……240
1.咬合小面の配置とその意義/241
2.選択削合/243
3.自動削合/244
4.削合面の仕上げ/245
19章 義歯装着と術後管理/ 246
I 義歯装着時の調整……246
1.義歯床の調整/247
2.咬合関係の調整/249
3.審美的な調整/250
II 義歯装着時の患者指導……250
1.疼痛の発生と対応/250
2.不快感/251
3.発音障害/2514.義歯装着直後の摂食法/251
5.義歯装着による機能回復の限界/252
6.口腔内および義歯の清掃/252
III 装着後の義歯の調整……253
1.疼痛/253
2.維持・安定の不良/253
3.咀嚼時の障害/254
4.発音障害/254
IV リコール……255
V 改床法……255
1.床裏装法/256
2.床交換法/258
VI 修理法……258
1.義歯破折の原因/258
2.義歯修理の術式/259
20章 その他の無歯顎補綴法/ 261
I 金属床総義歯補綴……261
1.定義と必要性/261
2.材料と加工法/261
3.利点と欠点/262
4.総義歯金属床部分の設計/2635.金属床総義歯の製作法/264
II 即時総義歯補綴……265
1.定義と必要性/265
2.利点と欠点/266
3.製作法/266
III オーバーデンチャー補綴……268
IV インプラント応用の総義歯補綴……269
1.デンタルインプラントの分類/269
2.インプラント補綴装置/270
V 顎補綴装置……271
索引……275
1章 無歯顎患者のための歯科補綴学/ 3
I 定義……3
II 位置づけ……4
1.補綴治療の種類/4
2.総義歯補綴治療の変遷(歴史)/5
III 総義歯補綴装置の構成と種類……6
1.構成/6
2.種類/7
IV インフォームドコンセント……7
2章 無歯顎の病態/ 9
I 歯の喪失に伴う顎口腔系の変化……9
1.形態的変化/9
2.機能的変化/14
II 歯の喪失に伴う顔貌の変化……15
III 歯の喪失に伴う全身症状への影響……16
IV 老化に伴う顎口腔系の変化……17
1.高齢者の一般的特徴/17
2.口腔の変化/18
3章 総義歯補綴の臨床的意義/ 20
I 顎口腔系の形態的回復と保全……20
II 顎口腔系の機能的回復と保全……22
1.咬合/22
2.咀嚼/22
3.発音/23
4.嚥下/23
III 審美性の回復と保全……23
IV 全身への影響……25
V 予防的意義……25
4章 総義歯補綴治療に必要な形態的事項/ 27
I 義歯床下組織……27
1.骨/27
2.顎粘膜/29
II 義歯周囲組織……34
1.咀嚼筋/34
2.表情筋/39
3.口唇,頬,舌,軟口蓋/41
4.口腔前庭部・口腔底と小帯/44
5.デンチャースペースとニュートラルゾーン/45
III 顎関節……45
1.骨部/46
2.関節円板/46
3.関節包/47
4.靭帯/47
5.顎関節の特徴/47
IV 審美的要件……48
1.顔貌/48
2.歯と歯列/48
3.その他の審美的要素/49
V 形態的事項の基準要素……49
1.基準点(面)と投影図/49
2.基準面/50
3.基準線/53
5章 総義歯補綴に必要な機能的事項/ 54
I 感覚……54
1.無歯顎者の口腔粘膜の感覚/54
2.無歯顎者の味覚/55
II 咀嚼……56
1.咀嚼周期/56
2.歯の欠損と咀嚼の能力/57
III 発音……58
1.発音の仕組み/59
2.母音/59
3.子音/60
4.発音の検査方法/61
5.補綴臨床への発音の応用/62
6.スピーチエイド/63
IV 唾液分泌……63
V 嚥下, 吐……64
1.嚥下/64
2.吐/65
VI 神経筋機構……65
6章 下顎運動と咬合器/ 67
I 下顎位……67
1.下顎安静位/67
2.咬頭嵌合位(中心咬合位)/67
3.下顎最後退位(終末蝶番位,中心位)/70
4.偏心位/70
5.その他の下顎位/72
II 下顎運動……72
1.下顎運動と顎筋の活動/72
2.下顎限界運動/73
3.滑走運動と習慣性開閉口運動/76
III 下顎運動要素とその動径……76
1.切歯路/77
2.顆路/77
IV 咬合……78
1.天然歯の咬合関係/78
2.補綴治療の咬合様式/80
3.総義歯補綴の咬合/81
V 咬合器……90
1.咬合器の種類/90
2.咬合器への模型装着法/98
3.咬合器の調節様式/100
7章 総義歯の構成要素/ 101
I 人工歯……101
1.材質/101
2.形態/102
II 義歯床……102
1.材質/103
2.形態/103
8章 総義歯の支持・維持・安定/ 105
I 支持……105
1.支持組織/105
2.支持の均一化の必要性/106
II 維持……106
1.物理的要件/106
2.解剖的要件/108
III 安定……109
1.形態的要件/109
2.咬合の要件/110
II/各論
9章 診査および診断/ 113
I 診査……113
1.一般的事項の調査/113
2.主訴/113
3.既往歴/113
4.現症/113
II 治療計画(診断)……124
III 術前の患者への説明……124
1.義歯に対する異物感および慣れ/125
2.機能回復の可能性とその限界/125
3.補綴装置に対する保証/125
10章 前処理/ 126
I 外科的処置……126
1.骨組織/126
2.軟組織/126
3.その他/128
II 補綴的処置……128
1.粘膜調整/128
2.顎位の調整,修正/129
III 薬物的処置……129
1.義歯性口内炎/129
2.褥瘡性潰瘍/130
3.吐/130
4.全身疾患との関係/131
11章 印象採得と模型/ 132
I 印象採得の目的……132
II 無歯顎の印象の概略……132
III 無歯顎の印象域……133
IV 印象法の種類……134
1.目的別分類/134
2.機能別分類/134
3.印象圧別分類/134
4.印象材の組み合わせ別分類/135
V 無歯顎印象用の印象材とその特性……135
1.印象材の分類/135
2.各種印象材の特性/136
VI 印象用トレー……137
1.トレーの構造/138
2.トレーの種類/138
VII 印象の前準備……140
1.一般的な印象採得の前準備/140
2.吐反射の強い患者の対策/141
VIII 概形印象と研究模型……141
1.既製トレーの選択と修正/141
2.概形印象採得の術式/142
3.研究模型の製作と模型の診査/145
IX 個人トレーの設計と製作……145
1.トレー外形線の記入/145
2.リリーフ/145
3.スペーサー/146
4.個人トレーの製作法/147
X 完成印象……148
1.辺縁形成/148
2.完成印象の術式/152
XI 作業模型……156
1.模型の製作/157
2.設計と作業模型の修正/159
12章 顎間関係の決定と記録(咬合採得)/ 163
I 顎間関係の決定と記録(咬合採得)の目的……163
II 咬合床……164
1.咬合床の基本構造と具備条件/164
2.咬合床の製作/165
III 咬合床の口腔内試適と仮想咬合平面の設定……166
1.上顎前歯部咬合堤の位置/168
2.仮想咬合平面の設定(上顎臼歯部の高さの調節)/169
3.下顎咬合床の試適と調整/169
IV 上下的顎間関係(咬合高径,垂直的顎間関係)の決定……170
1.動作学的な知見(生理学的根拠)に基づく方法/170
2.解剖学的な計測値を重視する方法/173
V 水平的顎間関係(前後的・左右的顎間関係)の決定……174
1.器具を用いない方法(簡便法)/174
2.器具を用いる方法/177
VI 咬合堤の修正と咬合床の固定……180
1.水平的誤差の修正/180
2.審美的観察による修正/180
3.上下顎咬合床の固定/181
VII 標準線(標示線)……181
1.正中線/182
2.上唇線と下唇線/182
3.口角線または鼻翼幅線/182
4.口唇接合線/183
13章 咬合器の使用法/ 184
I 咬合器への模型装着……184
1.平均値咬合器への模型装着/1842.半調節性咬合器への模型装着/186
II 咬合器の調節……190
1.顆路傾斜度の測定方法/191
2.顆路調節の実際/192
3.切歯路の調節/194
14章 人工歯/ 196
I 人工歯の種類……196
1.材料による分類/196
2.形態による分類/198
II 人工歯の選択……200
1.前歯部人工歯の選択/200
2.臼歯部人工歯の選択/203
15章 人工歯排列と歯肉形成/ 206
I 前歯部人工歯排列……206
1.前歯部の基本的な排列法/206
2.審美的排列/208
3.発音機能との調和/211
II 臼歯部人工歯排列……212
1.臼歯部人工歯排列の原則/212
2.臼歯部の排列法/215
3.歯肉形成/221
16章 蝋義歯の試適/ 224
I 適合性の点検……224
II 咬合関係の点検……225
1.人工歯の排列位置の点検/225
2.垂直的顎間関係(咬合高径)の点検/225
3.咬頭嵌合位の点検/225
4.咬合平衡の点検/226
III 審美性の点検……226
IV 発音機能の点検……227
1.発音試験/227
2.発音法による前歯の位置確認/227
3.パラトグラム法による口蓋形態の点検/227
V 咬合器再装着の準備……228
1.Tenchの歯型法/229
2.スプリットキャスト法/229
17章 蝋義歯の埋没とレジン重合/ 230
I 使用器具……230
1.フラスク/230
2.フラスクプレス/231
3.レジン混和器/232
II 埋没……232
1.フラスク下部への埋没/233
2.フラスク上部への埋没/233
III 流蝋……233
IV レジン填入……234
V レジン重合……234
VI 義歯の取り出し……236
18章 研磨と削合/ 237
I 研磨……237
1.研磨用器材/237
2.研磨手順/238
II 咬合器再装着……239
1.Tenchの歯型法/239
2.スプリットキャスト法/239
3.フェイスボウトランスファー法/240
III 削合……240
1.咬合小面の配置とその意義/241
2.選択削合/243
3.自動削合/244
4.削合面の仕上げ/245
19章 義歯装着と術後管理/ 246
I 義歯装着時の調整……246
1.義歯床の調整/247
2.咬合関係の調整/249
3.審美的な調整/250
II 義歯装着時の患者指導……250
1.疼痛の発生と対応/250
2.不快感/251
3.発音障害/2514.義歯装着直後の摂食法/251
5.義歯装着による機能回復の限界/252
6.口腔内および義歯の清掃/252
III 装着後の義歯の調整……253
1.疼痛/253
2.維持・安定の不良/253
3.咀嚼時の障害/254
4.発音障害/254
IV リコール……255
V 改床法……255
1.床裏装法/256
2.床交換法/258
VI 修理法……258
1.義歯破折の原因/258
2.義歯修理の術式/259
20章 その他の無歯顎補綴法/ 261
I 金属床総義歯補綴……261
1.定義と必要性/261
2.材料と加工法/261
3.利点と欠点/262
4.総義歯金属床部分の設計/2635.金属床総義歯の製作法/264
II 即時総義歯補綴……265
1.定義と必要性/265
2.利点と欠点/266
3.製作法/266
III オーバーデンチャー補綴……268
IV インプラント応用の総義歯補綴……269
1.デンタルインプラントの分類/269
2.インプラント補綴装置/270
V 顎補綴装置……271
索引……275