序
日本歯科放射線学会編集の口腔X線診断図譜が発行されて,はや14年を経過した.本書は第16回日本歯科放射線学会(昭和50年:島野会長)において,全国各歯科大学ならびに歯学部の放射線科の協力により集められたX線写真展示がきっかけとなり誕生したもので,好評を得ており,多数の読者に恵まれている.しかし,この間における放射線分野の技術の進展は目覚ましく,CT,MRI,超音波画像およびCR画像など,当時われわれには垂涎の的であったものが,歯科領域にも導入され,自前で利用できるようになり,新しい診断知見が広がってきている.学会内部でも,このような新しい分野を包含した本書の改訂が望まれるようになった.その後,第30回および第33回歯科放射線学会において,同じような写真展示が行われ,貴重な資料が全国から収集され,教育資料としてティーチングファイルにまとめられた.これを機会に本書の改訂が第34回総会で認められ,早速その作業に入った.
改訂の作業にあたっては,新しい診断画像を大幅に盛り込み,また,放射線診断を進める過程を考慮した章別の内容とした.
すなわち,一般臨床の場においては,患者の主訴,病歴および現症などから,撮影の目的,部位,方法などが決定され,そして得られた画像情報を分析して放射線診断が成立する.むろん,その背景には歯科学全般にわたっての知識の集積と理解が必要であることはいうまでもない.このことは,学生にあっては高学年生,そして一般臨床家を対象に構成が企画されたということである.いずれにしても,その媒体は写真であり,診断の基本は多くの症例についての画像に接することである.臨床家の眼を通して,頭脳にインプットされた種々の画像は,日常臨床における個々の診断をいっそう確実にするものである.
X線診断という言葉も,放射線診断,さらには画像診断と変遷しており,内容の全面的なやりなおしもあり,書名も“口腔画像診断アトラス”と変更し,新版として世に問うこととした.アルバムでもみるつもりで折にふれ,■いていただければ幸いである.
1994年6月 野井倉武憲 和田卓郎
日本歯科放射線学会編集の口腔X線診断図譜が発行されて,はや14年を経過した.本書は第16回日本歯科放射線学会(昭和50年:島野会長)において,全国各歯科大学ならびに歯学部の放射線科の協力により集められたX線写真展示がきっかけとなり誕生したもので,好評を得ており,多数の読者に恵まれている.しかし,この間における放射線分野の技術の進展は目覚ましく,CT,MRI,超音波画像およびCR画像など,当時われわれには垂涎の的であったものが,歯科領域にも導入され,自前で利用できるようになり,新しい診断知見が広がってきている.学会内部でも,このような新しい分野を包含した本書の改訂が望まれるようになった.その後,第30回および第33回歯科放射線学会において,同じような写真展示が行われ,貴重な資料が全国から収集され,教育資料としてティーチングファイルにまとめられた.これを機会に本書の改訂が第34回総会で認められ,早速その作業に入った.
改訂の作業にあたっては,新しい診断画像を大幅に盛り込み,また,放射線診断を進める過程を考慮した章別の内容とした.
すなわち,一般臨床の場においては,患者の主訴,病歴および現症などから,撮影の目的,部位,方法などが決定され,そして得られた画像情報を分析して放射線診断が成立する.むろん,その背景には歯科学全般にわたっての知識の集積と理解が必要であることはいうまでもない.このことは,学生にあっては高学年生,そして一般臨床家を対象に構成が企画されたということである.いずれにしても,その媒体は写真であり,診断の基本は多くの症例についての画像に接することである.臨床家の眼を通して,頭脳にインプットされた種々の画像は,日常臨床における個々の診断をいっそう確実にするものである.
X線診断という言葉も,放射線診断,さらには画像診断と変遷しており,内容の全面的なやりなおしもあり,書名も“口腔画像診断アトラス”と変更し,新版として世に問うこととした.アルバムでもみるつもりで折にふれ,■いていただければ幸いである.
1994年6月 野井倉武憲 和田卓郎
第I章
1 歯の病変野井倉武憲,岡野友宏……1
1.歯質の実質欠損……2
1)■/2
2)歯の損傷/5
2.歯の形態の異常……6
1)大きさおよび形の異常/6
2)歯冠の異常/8
3)歯根の異常/8
3.エナメル質の異常……12
4.象牙質(歯髄腔)の異常……14
5.歯数の異常……18
1)歯数の減少/18
2)歯数の増加/18
6.萌出,位置の異常……22
2 顎骨の病変(1) 和田卓郎……25
1.歯根周囲に比較的限局した病変……26
1)限局性の骨破壊像/26
2)小円形,類円形の透過像/27
3)骨折線/30
4)類円形の不透過像/30
2.歯槽部に限局した病変……33
3 顎骨の病変(2) 古跡養之眞……37
1.歯根周囲以外の単胞性あるいは多胞性病変……38
1)単胞性,多胞性のX線透過像/38
2)病変内の構築構造あるいは石灰化像/48
3)びまん性の骨破壊像/54
4)骨折線(単純,複雑,粉砕)/62
2.単発性あるいは多発性のX線不透過性病変……68
3.顎骨全体の硬化性病変……73
4 上顎洞の病変前多一雄……75
1.概説……76
2.不透過性の病変……76
1)洞内陰影増強/76
2)塊状,不定形/83
3.透過性の病変……84
1)単胞性,多胞性像/84
2)洞底線の断裂,■孔/86
3)びまん性の骨破壊像/87
5 顎関節の病変上村修三郎,小林馨……95
1.画像理解のための顎関節の解剖学的構造の概略……96
2.顎関節の疾患分類と画像診断……96
3.顎関節疾患の概説……99
1)奇形,発育異常/99
2)外傷性病変/103
3)感染症/108
4)関節リウマチと類似疾患/108
5)腫瘍/108
6)代謝性疾患/111
7)顎関節強直症/112
8)顎関節症/113
6 ■液腺の病変神田重信,湯淺賢治……123
1.■液腺疾患に対する画像診断の進め方……124
1)各種画像診断法とその特徴/124
2)Decision treeの考え方/126
2.奇形,発育異常……127
1)■液腺無形成/127
2)異所性・291E液腺/127
3)静止性骨空洞/127
3.■液腺炎……128
1)慢性・■液腺炎/128
2)特異性・■液腺炎/129
3)特殊な・■液腺炎/130
4.閉塞性病変・■石症……130
5.■液腺症……132
6.■液腺腫瘍……133
1)良性腫瘍/134
2)悪性腫瘍/136
7.傍■液腺腫瘍……137
8.その他……138
7 軟組織の病変岸幹二……139
1.軟組織疾患の概説……140
2.不定形の不透過像……141
3.円形,楕円形の不透過像……142
1)散在性の円形,楕円形の不透過像/142
2)大きな楕円形の不透過像/143
3)多数の円形,楕円形のドーナツ様不透過像/143
4.散在性の石灰化物……144
1)散在性の不定形の不透過像/144
2)散在性の小さな円形,楕円形の不透過像/145
・和文索引……146
・欧文索引……149
1 歯の病変野井倉武憲,岡野友宏……1
1.歯質の実質欠損……2
1)■/2
2)歯の損傷/5
2.歯の形態の異常……6
1)大きさおよび形の異常/6
2)歯冠の異常/8
3)歯根の異常/8
3.エナメル質の異常……12
4.象牙質(歯髄腔)の異常……14
5.歯数の異常……18
1)歯数の減少/18
2)歯数の増加/18
6.萌出,位置の異常……22
2 顎骨の病変(1) 和田卓郎……25
1.歯根周囲に比較的限局した病変……26
1)限局性の骨破壊像/26
2)小円形,類円形の透過像/27
3)骨折線/30
4)類円形の不透過像/30
2.歯槽部に限局した病変……33
3 顎骨の病変(2) 古跡養之眞……37
1.歯根周囲以外の単胞性あるいは多胞性病変……38
1)単胞性,多胞性のX線透過像/38
2)病変内の構築構造あるいは石灰化像/48
3)びまん性の骨破壊像/54
4)骨折線(単純,複雑,粉砕)/62
2.単発性あるいは多発性のX線不透過性病変……68
3.顎骨全体の硬化性病変……73
4 上顎洞の病変前多一雄……75
1.概説……76
2.不透過性の病変……76
1)洞内陰影増強/76
2)塊状,不定形/83
3.透過性の病変……84
1)単胞性,多胞性像/84
2)洞底線の断裂,■孔/86
3)びまん性の骨破壊像/87
5 顎関節の病変上村修三郎,小林馨……95
1.画像理解のための顎関節の解剖学的構造の概略……96
2.顎関節の疾患分類と画像診断……96
3.顎関節疾患の概説……99
1)奇形,発育異常/99
2)外傷性病変/103
3)感染症/108
4)関節リウマチと類似疾患/108
5)腫瘍/108
6)代謝性疾患/111
7)顎関節強直症/112
8)顎関節症/113
6 ■液腺の病変神田重信,湯淺賢治……123
1.■液腺疾患に対する画像診断の進め方……124
1)各種画像診断法とその特徴/124
2)Decision treeの考え方/126
2.奇形,発育異常……127
1)■液腺無形成/127
2)異所性・291E液腺/127
3)静止性骨空洞/127
3.■液腺炎……128
1)慢性・■液腺炎/128
2)特異性・■液腺炎/129
3)特殊な・■液腺炎/130
4.閉塞性病変・■石症……130
5.■液腺症……132
6.■液腺腫瘍……133
1)良性腫瘍/134
2)悪性腫瘍/136
7.傍■液腺腫瘍……137
8.その他……138
7 軟組織の病変岸幹二……139
1.軟組織疾患の概説……140
2.不定形の不透過像……141
3.円形,楕円形の不透過像……142
1)散在性の円形,楕円形の不透過像/142
2)大きな楕円形の不透過像/143
3)多数の円形,楕円形のドーナツ様不透過像/143
4.散在性の石灰化物……144
1)散在性の不定形の不透過像/144
2)散在性の小さな円形,楕円形の不透過像/145
・和文索引……146
・欧文索引……149