序文《上巻》
電話もない,来客もない東京-大阪往復の新幹線車内は私にとって,かけがえのない休息の場である.いつも半分は居眠り,半分はなにかを考えている.そんなとき,私の脳裏をときとして去来する気がかりな懸案があった.それは私のライフワーク“口腔インプラント学”をいつかは成書にしたいという思い詰めであった.
古い話で記憶も定かではないが,確か1980年,夏ごろの話だったと思う.国際口腔インプラント学会が国立京都国際会館で開催されたとき,懇親会の席上で,もうボツボツ口腔インプラント学のテキストブックが出版されてもよい時機になったのではないかとの話題がでた.早いもので,あれからはや10年がたってしまった.
なにも発刊をしぶっていたわけではない.躊躇していた理由は口腔インプラント学のめまぐるしいまでの急速な発展のため,どうまとめたものだろうと考えあぐねているうちに10年がたってしまったということである.最近におけるインプラント関連商品の洪水のような氾濫は,口腔インプラント学の発展を巨大なエネルギーをもって加速させてきた.しかし,その反面,商業が学術に先行するという悪い残像をそれとなく投影してきた.そこには開発者や販売者の思惑もあって,我田引水的な発言や表現も多々見受けられた.このことがユーザーである多くの歯科医や一般人さえも,わけのわからぬ混乱に巻き込んできた感がしないでもない.そして正常な学問的発育を阻害し,その裏面に多くの歪みを生み出しはじめた.
まだまだ未成熟な学問ではあるが,ここらで成書としてまとめておくことは口腔インプラント学将来の発展のために大きな礎となるであろう.幸いにも医歯薬出版株式会社をはじめ多くの賛同者を得て,ここに出版を決意するに至った.編集者および執筆者は1972年に学会設立以来,永年にわたってインプラント学にとりくんでこられた中核的な基礎学者と臨床家が主である.上巻(基礎編/臨床編-総論)はともかくとして下巻(臨床編-各論)では論述に多少の偏見や独断がみられるが,よほど大きな矛盾のないかぎり執筆者独特の意見を尊重して添削は最小範囲にとどめた.もちろん,統一的な見解はできるだけ盛りこむよう努力を傾けた.しかしなお,本書の内容には多少の矛盾が存在することも否めない事実である.このことはむしろ,口腔インプラント学の若さとエネルギーを物語るもので,決して本書の権威性を傷つけるものではないと確信している.とくに,用語辞典の内容は現代口腔インプラント学の統一的な考え方を示唆するものとして,たいへん有意義なものとなっている.
最後に,本書が口腔インプラント学の教育において好個の参考書として大成することを期待してやまない.
なお,本書の監修にあたって,大田恵子氏のご協力に対して,心から謝意を表したい.
1991年7月1日 川原春幸
序文《下巻》
早いもので,インプラント学会が設立されてから今年で足かけ20年になる.年次総会も年を経るごとに盛大になってきている.最近における口腔インプラント学の発展は,基礎学的にも臨床的にも急速な進歩を遂げてきた.このことは,上巻(基礎編/臨床編-総論)の記述内容からも十分にうかがわれるところであって,口腔インプラント学もようやく学問的大系が樹立されはじめた感がする.また,用語辞典は学術用語の統一に曙光をもたらすものとして,上・下巻の内容をさらに格調高いものにしている.
本書の刊行は多くの生理学者,解剖学者,病理学者,補綴学者,口腔外科学者,理工学者そしてインプラント臨床医の永年にわたるインプラント学へのたゆまざる真摯な研究意欲によって大成されたもので,これまで比較的おろそかにされてきた口腔インプラント学のacademic groundを補強するに十分な内容を包含している.
上巻では口腔インプラントの基礎と臨床が総論的に記述されており,下巻では各種のインプラント製品が材質別,形態別,製品別に区分され,それぞれについて臨床応用を中心として詳細に記述されている.とくに,骨内インプラントについては,市販品の種類も多く,その全貌を落ちこぼれなく掲載することは至難の作業であった.しかし,厚生省許認可の有無にかかわらず,国内外を問わず代表的なものはほとんど網羅したつもりである.
各インプラント製品の開発思想や意見には,それぞれにユニークなものを見つけだすことができる.しかし,インプラントの研究グループには各流各派があって,同じインプラント製品に対する評価もそれぞれ異なっている場合が少なくない.そして,明確な理論的根拠のない賛否両論が存在することも,多くのインプラント臨床医のよく知るところである.
したがって,下巻における論述には執筆者により多少の矛盾があるかもしれないが,上巻(基礎編/臨床編-総論)を熟読し,再度,下巻(臨床編-各論)を読み返すとき,そこにおのずからインプラントに対する統一した見解を読者は発見することができるはずである.
いずれのインプラントにもそれなりの特長と欠点がある.それをよく理解し,適材を適所に正確な手技で活用するとき,現在,国内で市販されているインプラントのほとんどは成功する.失敗の多くは適応症の誤診と貧困な基礎知識,そして粗雑な臨床手技によるものである.本書を繰り返して通読し,口腔インプラント学に対するより広い知識と技術をもって,さらに成功率の高い人工歯根への道をともに歩もうではありませんか.
1991年7月1日 川原春幸
電話もない,来客もない東京-大阪往復の新幹線車内は私にとって,かけがえのない休息の場である.いつも半分は居眠り,半分はなにかを考えている.そんなとき,私の脳裏をときとして去来する気がかりな懸案があった.それは私のライフワーク“口腔インプラント学”をいつかは成書にしたいという思い詰めであった.
古い話で記憶も定かではないが,確か1980年,夏ごろの話だったと思う.国際口腔インプラント学会が国立京都国際会館で開催されたとき,懇親会の席上で,もうボツボツ口腔インプラント学のテキストブックが出版されてもよい時機になったのではないかとの話題がでた.早いもので,あれからはや10年がたってしまった.
なにも発刊をしぶっていたわけではない.躊躇していた理由は口腔インプラント学のめまぐるしいまでの急速な発展のため,どうまとめたものだろうと考えあぐねているうちに10年がたってしまったということである.最近におけるインプラント関連商品の洪水のような氾濫は,口腔インプラント学の発展を巨大なエネルギーをもって加速させてきた.しかし,その反面,商業が学術に先行するという悪い残像をそれとなく投影してきた.そこには開発者や販売者の思惑もあって,我田引水的な発言や表現も多々見受けられた.このことがユーザーである多くの歯科医や一般人さえも,わけのわからぬ混乱に巻き込んできた感がしないでもない.そして正常な学問的発育を阻害し,その裏面に多くの歪みを生み出しはじめた.
まだまだ未成熟な学問ではあるが,ここらで成書としてまとめておくことは口腔インプラント学将来の発展のために大きな礎となるであろう.幸いにも医歯薬出版株式会社をはじめ多くの賛同者を得て,ここに出版を決意するに至った.編集者および執筆者は1972年に学会設立以来,永年にわたってインプラント学にとりくんでこられた中核的な基礎学者と臨床家が主である.上巻(基礎編/臨床編-総論)はともかくとして下巻(臨床編-各論)では論述に多少の偏見や独断がみられるが,よほど大きな矛盾のないかぎり執筆者独特の意見を尊重して添削は最小範囲にとどめた.もちろん,統一的な見解はできるだけ盛りこむよう努力を傾けた.しかしなお,本書の内容には多少の矛盾が存在することも否めない事実である.このことはむしろ,口腔インプラント学の若さとエネルギーを物語るもので,決して本書の権威性を傷つけるものではないと確信している.とくに,用語辞典の内容は現代口腔インプラント学の統一的な考え方を示唆するものとして,たいへん有意義なものとなっている.
最後に,本書が口腔インプラント学の教育において好個の参考書として大成することを期待してやまない.
なお,本書の監修にあたって,大田恵子氏のご協力に対して,心から謝意を表したい.
1991年7月1日 川原春幸
序文《下巻》
早いもので,インプラント学会が設立されてから今年で足かけ20年になる.年次総会も年を経るごとに盛大になってきている.最近における口腔インプラント学の発展は,基礎学的にも臨床的にも急速な進歩を遂げてきた.このことは,上巻(基礎編/臨床編-総論)の記述内容からも十分にうかがわれるところであって,口腔インプラント学もようやく学問的大系が樹立されはじめた感がする.また,用語辞典は学術用語の統一に曙光をもたらすものとして,上・下巻の内容をさらに格調高いものにしている.
本書の刊行は多くの生理学者,解剖学者,病理学者,補綴学者,口腔外科学者,理工学者そしてインプラント臨床医の永年にわたるインプラント学へのたゆまざる真摯な研究意欲によって大成されたもので,これまで比較的おろそかにされてきた口腔インプラント学のacademic groundを補強するに十分な内容を包含している.
上巻では口腔インプラントの基礎と臨床が総論的に記述されており,下巻では各種のインプラント製品が材質別,形態別,製品別に区分され,それぞれについて臨床応用を中心として詳細に記述されている.とくに,骨内インプラントについては,市販品の種類も多く,その全貌を落ちこぼれなく掲載することは至難の作業であった.しかし,厚生省許認可の有無にかかわらず,国内外を問わず代表的なものはほとんど網羅したつもりである.
各インプラント製品の開発思想や意見には,それぞれにユニークなものを見つけだすことができる.しかし,インプラントの研究グループには各流各派があって,同じインプラント製品に対する評価もそれぞれ異なっている場合が少なくない.そして,明確な理論的根拠のない賛否両論が存在することも,多くのインプラント臨床医のよく知るところである.
したがって,下巻における論述には執筆者により多少の矛盾があるかもしれないが,上巻(基礎編/臨床編-総論)を熟読し,再度,下巻(臨床編-各論)を読み返すとき,そこにおのずからインプラントに対する統一した見解を読者は発見することができるはずである.
いずれのインプラントにもそれなりの特長と欠点がある.それをよく理解し,適材を適所に正確な手技で活用するとき,現在,国内で市販されているインプラントのほとんどは成功する.失敗の多くは適応症の誤診と貧困な基礎知識,そして粗雑な臨床手技によるものである.本書を繰り返して通読し,口腔インプラント学に対するより広い知識と技術をもって,さらに成功率の高い人工歯根への道をともに歩もうではありませんか.
1991年7月1日 川原春幸
《上巻》
基礎編
1章 インプラントの歴史……川原春幸……3
1-1 骨内インプラントの歴史……4
1.スパイラルインプラントの歴史/4
2.スクリューインプラントの歴史/4
3.ブレードベントおよびアンカーの歴史/4
4.骨内ピンインプラントの歴史/6
5.多孔質インプラントの歴史/6
1-2 骨膜下インプラントの歴史……8
1-3 国際組織と歯科インプラント……9
1-4 アメリカにおける歯科インプラント……10
1-5 日本の現状……12
1-6 日本歯科医学会のガイドライン……12
2章 口腔インプラント学とは……川原春幸……17
2-1 定 義……17
2-2 インプラント学……17
2-3 人工歯根学は天然歯の機能を知る有力な手段……18
2-4 人工歯根学の教育システム……19
3章 顎骨の発育成長と基本的な変化……一條 尚……21
3-1 下顎骨の区分……22
3-2 胎生期における上下顎骨の原基形成と発育形成……23
3-3 生後の顎骨成長と基本的な変化……25
3-4 永久歯萌出後の変化……30
1.顎骨の基本的な変化/30
2.歯の喪失による変化/35
4章 骨形成とインプラント……43
4-1 歯根膜発生からみインプラント周囲組織……井上 孝,下野正基……43
1.歯周組織の発生/43
2.歯根膜の構成細胞と構造物/47
3.歯根膜の働き/48
4.インプラントの周囲組織/49
5.インプラントと歯根膜/50
4-2 骨形成因子について……吉川秀樹,高岡邦夫……53
1.骨形成因子の歴史的背景/53
2.骨形成因子による異所性骨形成現象/55
3.骨形成因子の生化学的特性/57
4.骨形成因子の生体材料への応用の可能性について/58
4-3 コラーゲン産生誘導と生体反応……片桐正隆……62
1.骨・軟骨形成誘導現象に関する文献的知見/63
2.独自に開発した移植用新素材の生物学的特性についての紹介/63
4-4 骨の機能と疲労破壊……笹田 直,森田眞史……75
1.海綿骨の形態と機能/75
2.骨体積変化のメカニズム/78
3.骨体積密度の経時的変化/79
4.荷重刺激と骨再形成能/81
5.骨の疲労寿命/81
6.In vivoでの骨疲労試験/82
5章 インプラントに必要な病理学……91
はじめに……石木哲夫……91
5-1 異物に対する原則的生体反応☆新素材の界面化学とその生体内処理機構……永井教之,中村伸也……93
1.インプラント材料の表面構造/93
2.生体防御機構の概要/95
3.非抗原性物質に対する生体の防御機構/96
5-2 インプラントに対する口腔粘膜と顎骨の反応……永井教之,川原田幸三……101
1.インプラントに対する口腔粘膜の反応/101
2.インプラント-骨の界面構造/103
3.オッセオアンキローシスの成立過程/107
4.ジルコニアインプラントの自然植立法とBMT2回法インプラントシステムの開発/109
5-3 口腔粘膜や顎骨の各種病変とインプラントの禁忌症……石木哲夫……112
1.口腔粘膜/112
2.顎骨/115
6章 インプラント材料の生物理工学……川原春幸……121
6-1 プラスチック材料……124
1.プラスチック材料の生化学的適合性/124
2.プラスチック材料の組織接着性/126
3.プラスチック材料の生物力学的安全性/127
4.プラスチックインプラントの現状/129
6-2 金属材料……131
1.純金属の細胞毒性/131
2.生体内での腐食はイオン化傾向と一致しない/133
3.キレート化による金属の腐食/134
4.金属アレルギーと発癌/138
5.金属の溶出と組織反応/141
6.合金の細胞毒性とSn,Crの制毒効果/143
7.生体修復用合金/143
6-3 セラミック材料……162
1.セラミックの特徴/162
2.厳しい生体内環境とセラミック/162
3.成形性と安定性/163
4.バイオセラミックの分類とその特徴/164
5.セラミックと組織接着性/171
7章 材料-組織界面……川原春幸……187
7-1 生物学的封鎖……187
7-2 生物学的動的界面……191
1.無荷重下でのインプラント-骨組織界面/191
2.咬合荷重下での生体力学的調和/193
3.初期固定の重要性/196
4.生物学的動的平衡/197
8章 インプラントにおける咬合の力学と生理学……201
はじめに……三谷春保……201
8-1 衝撃力に対するインプラントの力学的応答……三谷春保……203
1.測定方法について/203
2.天然歯の力学的応答/204
3.骨内インプラントの力学的応答/208
8-2 インプラント支持の有限要素法による解析……末次恒夫,松下恭之……212
1.有限要素法とは/212
2.各種インプラントの応力解析/213
3.インプラント周囲構造の応力解析/219
8-3 インプラント歯における咬合力(咀嚼力)緩衝作用……覚道幸男,杉村忠敬……223
1.インプラントによる咬合力の伝達様式と咬合時に下顎骨表面に生じるひずみ量との関係/224
2.咬合力の緩衝作用と主ひずみの方向との関係/226
3.海綿骨によるインプラント咬合力の緩衝作用/226
4.インプラントの形態と咬合時の下顎骨表面に生じる変形パターンとの関係/227
5.下顎管に及ぼすインプラント嵌植の影響/228
8-4 インプラント義歯による咀嚼運動の特徴……虫本栄子……229
1.インプラント義歯装着者の咀嚼の生理/229
2.インプラント義歯の咬合接触関係/236
3.インプラント義歯による咀嚼運動の制御について/238
8-5 インプラント上部構造での緩圧効果……三谷春保……239
1.インプラントブリッジにみられる機能的特徴の意味するもの/239
2.力学的ショックアブソーバーの必要性/240
3.上部構造緩圧の実験的試み/240
4.インプラント体緩圧の意義と動向について/246
臨床編-総論
はじめに……三谷春保……253
1章 診 断……255
はじめに……柴田寛一……255
1-1 全身的診断……佐藤一郎……256
1.診察のプロセス/257
2.臨床検査/258
3.全身的要注意疾患/262
1-2 局所的診断……兼松宣武……266
1.欠損部顎堤の診査/266
2.残存歯の診査/269
3.咬合状態の診査/270
4.軟組織の診査/272
5.異常習癖の診査/272
1-3 適応症……兼松宣武……273
1.全身的適応/273
2.精神的条件/273
3.局所的適応/274
4.術式,材料の適応/274
1-4 禁忌症……兼松宣武……276
1.全身的禁忌症/276
2.局所的禁忌症/278
3.インプラント施術に際しての適用基準/279
2章 X線診断(読影法も含む)……283
はじめに……古本啓一……283
2-1 X線写真の必要性……古本啓一……284
1.インプラントに必要なX線写真とは/284
2.インプラントの適合性をみるための読影/286
3.経過観察とX線診査の必要性/287
2-2 合目的なX線写真を撮影するには……西連寺永康,篠田宏司……289
1.顎骨の一般的な診査☆パノラマX線写真/289
2.インプラント施術部位の診査☆セファログラムの応用/290
3.骨構造の精査/291
4.隣在組織構造の確認☆特殊な撮影法の応用/292
5.術後の追跡,経過観察/296
2-3 X線解剖学で注意するべき部位……大里重雄……297
1.上顎骨/298
2.下顎骨/301
2-4 インプラントに適した骨量,骨質のX線による推定……古本啓一……306
1.顎骨内部の骨構造のX線像/306
2.顎骨の骨質と骨量のX線像/309
3.骨量の測定/311
4.術後の骨構造の経過観察/312
2-5 X線でわからないこと……古本啓一……314
1.骨形成能の有無/314
2.骨栄養状態の程度/315
3.骨の組織化学的成分の違い/315
2-6 口腔インプラントにおけるCT応用の意義……白川正順,古本啓一……316
1.CTとはなにか/316
2.症例/317
3.考察/320
2-7 経過観察とX線像……西連寺永康,吉峰一夫……322
1.咀嚼圧の荷重下におけるサルの短期および長期追跡例のX線像ならびに組織像/322
2.臨床症例の長期追跡例のX線像と生検所見/325
3.長期間インプラント周囲組織に慢性炎症のあった症例のX線像と生検所見/327
4.各種骨結合インプラントのX線像/328
5.骨膜下インプラントのX線像/328
3章 治療計画……335
はじめに……田端恒雄……335
3-1 症例とインプラントの選択……柳澤定勝……336
1.選択するインプラント/336
2.インプラントサイトの位置と形状/336
3.骨質と骨梁密度の局在性/338
4.available boneと骨内インプラントの選択/341
5.インプラント選択の実例/344
3-2 義歯(上部構造)の設計基準設計の手順……田端恒雄……351
1.咬合平面の設定/351
2.研究用模型による検討/352
3.模型のフェイスボウマウンティング/354
4.移行義歯による上部構造の検討/357
4章 手術の基本術式……西嶋克巳,山根稔夫……359
4-1 術前の問題点ならびに注意すべき点……359
1.診査/359
2.消毒/364
3.前投薬と局所麻酔/365
4.歯科インプラントの禁忌/368
4-2 術中の問題点ならびに注意すべき点……369
1.器具の破折と迷入/369
2.出血/369
3.穿孔,外傷について/371
4.気腫/371
5.切開と剥離/372
6.縫合/372
7.術中の全身状態の急変/372
4-3 術後の問題点ならびに注意すべき点……377
1.全身状態の把握/377
2.投薬と感染/377
3.術後麻酔/377
5章 上部構造……379
5-1 咬合および圧負担と設計……関根 弘……379
1.上部構造の形態/379
2.咬合接触/381
5-2 術式と構造との関係……関根 弘,小宮山彌太郎……384
1.固定性か可撤性か/384
2.隣在歯との連結/387
5-3 プラークコントロールと設計……関根 弘,小宮山彌太郎……389
1.軟組織貫通部位のインプラント材質と形態/389
2.上部構造製作上の留意点/392
5-4 審美性,発音および感覚への対処……高橋俊之,羽賀通夫……394
1.審美性について/395
2.発音および感覚/398
5-5 術後変化への対応……関根 弘,小宮山彌太郎……399
1.構成要素あるいは支持組織をめぐる変化/399
2.歯牙欠如範囲の拡大/401
6章 偶発症と処置……403
6-1 全身的偶発症と処置……磯貝昌彦……403
1.手術中に伴う全身的偶発症/403
2.術後に起こる全身的偶発症/409
3.内科的疾患併発による不快事項/410
6-2 局所的偶発症と処置……小嶋榮一……411
1.インプラントの偶発症とは/411
2.歯内骨内インプラントの偶発症/411
3.上顎洞とインプラントの偶発症/412
4.試適用ガイドが迷入した例/414
5.切歯管とインプラント/416
6.下顎管およびオトガイ孔とインプラント/416
7.ブレードインプラントの破折症例/417
8.顔面に紫斑を呈した症例/419
9.チャンネル形成とバーの破折症例/420
10.血腫と局所の栄養障害を伴った症例/421
7章 失敗と紛糾への対応……岩崎庄市……425
7-1 歯科用インプラントの環境……425
7-2 失敗しないための要因……426
1.適応症/426
2.素材と種類の選択/427
3.術式/427
7-3 歯科用インプラント成功の基準……428
7-4 歯科用インプラントの合併症と失敗……429
7-5 インプラント施術に対する患者の理解と協力……431
7-6 トラブル発生への対処……432
7-7 医療事故紛争の予防について……433
1.診察に際しては,歯科医師としての一般的客観的注意義務を尽くすこと/434
2.医師と患者との人間関係を密接にすること/434
3.後医は前医の批判を慎むこと/434
4.診察態度,事故後の態度は厳正にすること/434
8章 術後の管理(アフターケア)……懸田利孝……437
8-1 嵌植直後からの初期管理……437
8-2 術後3〜6カ月の中期管理……438
8-3 術後6カ月以降の安定期管理……439
索引/巻末
《下巻》
臨床編-各論
1章 骨膜下インプラント(骨内骨膜下を含む)……443
はじめに……柴田寛一……443
1-1 骨膜下法の種類……懸田利孝……445
1.標準型/447
2.下顎枝延長型/448
3.三脚型/448
4.前方限局型/449
5.下部構造の分割型/450
1-2 局所適応症と禁忌症……星野清興……451
1-3 骨印象……458
1.インプラント専用骨面印象材……川原春幸,西村 守/458
2.下顎無歯顎の骨面印象手術……懸田利孝,大内 晟/463
3.上顎骨膜下インプラントの印象法……乙部朱門,井汲憲治/472
1-4 骨膜下インプラントのラボワーク……玉置敏夫,三宅宗次,相浦洲吉……481
1.骨膜下インプラントの構成/481
2.骨膜下インプラント製作のための必要条件/483
3.骨膜下インプラントの標準的製作順序/483
4.骨膜下インプラント製作の要点/485
1-5 インサートテクニック……松澤耕介……502
1.術前準備/502
2.使用器具/503
3.消毒/503
4.麻酔/504
5.1st stage/504
6.2nd stage/507
1-6 骨膜下インプラントにおける上部構造……佐藤甫幸……511
1.上部構造の考え方/511
2.上部構造の検討/513
1-7 骨膜下インプラントの症例……懸田利孝……520
症例1 下顎無歯顎骨膜下嵌植義歯……懸田利孝/521
症例2 下顎無歯顎骨膜下嵌植義歯……大内 晟/523
症例3 上下顎無歯顎に骨膜下嵌植法を行ってフルブリッジとした症例……岩永勝彦/526
症例4 下部構造にJames,R.による後方拡大設計を応用した骨膜下法の症例……大内 晟/530
1-8 アフターケア……懸田利孝……533
1.骨面印象採得手術後の管理/533
2.嵌植直後の初期管理/533
3.術後の中期管理/534
4.安定期の管理/534
1-9 骨膜下インプラントにおける偶発症……湯浅保宏……535
1.広範囲の骨膜剥離による偶発症/535
2.術後の偶発症/536
3.骨面印象材による偶発症/537
4.統括/539
1-10 病理組織学的所見……鈴木鍾美,梅原正年……541
1.下顎の片側性骨膜下インプラント周囲の病理組織学的所見/542
2.上顎骨の両側性骨膜下インプラント周囲の病理組織学的所見/546
2章 骨内インプラント……551
はじめに……小宮山彌太郎,関根 弘……551
2-A スクリュー型とスパイラル型インプラント……懸田利孝……553
2-A-1 バイオセラムサファイアインプラント☆スクリュー型……山上哲賢,江原雄二……558
1.バイオセラムサファイアインプラントの材料特性/559
2.適応症の診断のポイント/559
3.スクリュー型/563
2-A-2 アパタイトインプラント……田端恒雄……584
1.ハイドロキシアパタイトセラミックの特性/584
2.アパタイトインプラントの特長/587
3.アパタイトインプラントの臨床術式/591
4.アパタイトインプラントの臨床成績/593
2-A-3 バイオグラスインプラント……伊藤学而,亀谷哲也……595
1.バイオグラスインプラントの位置づけ/595
2.SO型人工歯根と埋植術式/597
3.SO型人工歯根の特徴と適応/598
4.臨床応用例/599
2-A-4 オッセオインテグレーテッドインプラント……小宮山彌太郎,関根 弘……602
1.オッセオインテグレーション/602
2.オッセオインテグレーテッドインプラント/604
2-A-5 シェルシェブインプラント……玉置敏夫,小笠原久明……618
1.シェルシェブインプラントの種類/618
2.インプラントの選択基準/620
3.症例/621
2-A-6 CBSインプラント……村井俊郎……624
1.CBSインプラントの考え方/625
2.CBSインプラントの材質的特長/625
3.CBSインプラントの臨床的特長/626
4.CBSインプラントにおける補綴分類/626
5.CBSインプラントの手術器具/627
6.CBSインプラントの手術術式/628
7.CBSインプラントの症例/631
2-B ピンインプラント☆シャーロンピンについて……三嶋 顕,永山正人……637
1.ピンインプラントについて/637
2.Scialomのトリポッドピンインプラント/638
3.症例/644
2-C プレートとブレード(アンカーT+Uを含む)……652
2-C-1 バイオセラムサファイアインプラント☆プレート型……山上哲賢,西尾洋一……652
1.材質的特性/652
2.生物学的特性/652
3.バイオセラムプレート型のデザイン特性/653
4.バイオセラムプレート型の種類/654
5.専用器具/656
6.バイオセラムプレート型の適応症/658
7.臨床術式/659
8.バイオセラムインプラントの取り扱い上の注意点/661
9.バイオセラム15年間の臨床統計分析/662
10.症例/667
2-C-2 ブレードベントインプラント……榎本紘昭……672
1.ブレードインプラントの特徴と有用性/673
2.適応症/675
3.臨床術式/675
4.症例/681
2-C-3 スミシコンインプラント(HAP・アルミナ・プラズマコーティッド・チタニウム製)……末次恒夫,森本啓三……685
1.スミシコンの特徴/685
2.スミシコンの臨床手順/689
3.経過観察/691
4.臨床成績/691
2-C-4 マルチブレードインプラント……山根稔夫……694
2-C-5 ダブルブレード法……懸田利孝……701
1.分類/701
2.力学的考察/702
3.臨床的特徴/704
4.1回法か2回法か/705
2-C-6 形状記憶合金インプラント……福与碩夫……707
1.Ni-Ti形状記憶合金/707
2.形状記憶インプラント/708
2-C-7 多重毛管インプラント(PCI)……川原春幸,三村義昭……716
1.設計/716
2.表面処理と細胞接着性/718
3.動物実験/719
4.臨床術式/725
5.臨床評価/727
2-C-8 アンカーインプラント……川原春幸,小林 信……730
1.分類/730
2.アンカーVSブレード/731
3.アンカーインプラントの利点と欠点/732
4.挿入術式/732
5.術後合併症/732
6.上部構造の装着/733
2-D 筒状有穴インプラントと三次元インプラント……川原春幸……734
1.筒状有穴インプラント/734
2.三次元インプラント/735
2-D-1 ITIインプラント……河原邑安,川原春幸……738
1.素材と設計/738
2.プラズマ溶射の意義/739
3.設計上の特長/740
4.2回法と1回法/742
5.潜入型と非潜入型/743
6.基本術式/743
7.臨床/744
2-D-2 コアベントインプラント……川原春幸……753
1.設計の歴史的背景/753
2.材質,デザイン,術式/754
3.上部構造専用部品/756
4.Br nemarkシステムとの比較/757
2-D-3 三次元インプラント……川原春幸……761
1.緻密骨下インプラント/761
2.T3Dインプラント/763
3.Mixed Tインプラント/766
4.緻密骨貫通三次元インプラント/770
2-E 多孔質インプラント……川原春幸……773
1.単独植立人工歯根と多孔質インプラント/773
2.多孔質材料/775
3.コアレス,フレームレス多孔質インプラント/777
4.多孔質インプラントの現状/778
5.多孔質内への組織侵入機構/782
2-E-1 多孔質セラミックインプラント……川原春幸……787
1.多孔質セラミックの必要条件/788
2.多孔質セラミックの設計/791
2-E-2 アルミナ多孔質人工歯根……川原春幸……793
1.バイオセラムポーラスインプラント/793
2-E-3 Zr-Ti多孔質インプラント……三浦維四,奥野 攻……800
1.多孔質金属と骨の結合/800
2.各種の金属製多孔質インプラント/801
2-F レイマスインプラント……乙部朱門,鈴木理浩……804
1.レイマスインプラントの歴史/804
2.各種レイマスインプラントについて/805
3.レイマスブレード/813
3章 歯内骨内ピンスタビライザー……817
はじめに……淺井康宏……817
3-1 歯内骨内インプラントの基本と臨床……淺井康宏,中川寛一……818
1.歯内骨内インプラントの概要/818
2.歯内骨内インプラントに関する病理学的所見/821
3.歯内骨内インプラント施術時の注意事項/825
4.歯内骨内インプラント手術術式の要点/827
5.歯内骨内インプラントの応用例/829
6.歯内骨内インプラントを含む歯に対する補綴処置の要点/838
7.歯内骨内インプラント実施時の偶発症とその処置/839
3-2 Co-Cr-Mo合金歯内骨内ピンスタビライザー……川原春幸,竹内秀行……842
1.分類と効果/842
2.術式/843
3.ピンスタビライザーの効用/848
4章 粘膜挿入インプラント(ムコザールインプラント)……根本 亘……851
1.ボタンインプラント/851
2.ボタンインサート/852
3.ビッグボタンインプラント/855
5章 骨補填材……863
はじめに……田端恒雄……863
5-1 アパタイト多孔体ブロック……大西正俊……868
1.アパタイトとは/868
2.生体適合性についての基礎的研究/869
3.臨床応用症例/871
4.多孔体の有用性と問題点/875
5.今後の展望/878
5-2 合成ヒドロキシアパタイト(ボーンタイト・顆粒体)……柳澤定勝……879
1.新しい治療法の発想とその背景/879
2.HAPの形態と生物学的および機械的性質/880
3.顆粒体とその周囲組織および機械的挙動/885
4.造成した歯槽堤の形態維持/888
5.臨床例/890
6.安全性と合併症/901
6章 歯牙移植……緒方哲郎,山内寿夫……903
1.歯牙移植の分類/904
2.各種臨床例/904
7章 インプラントによる審美歯科学的意義……寺川國秀……919
1.“New age dentistryにおける"インプラントを含むcomprehensive careとsequential treatmentおよび審美的総義歯について/919
2.症例/923
索引/巻末
基礎編
1章 インプラントの歴史……川原春幸……3
1-1 骨内インプラントの歴史……4
1.スパイラルインプラントの歴史/4
2.スクリューインプラントの歴史/4
3.ブレードベントおよびアンカーの歴史/4
4.骨内ピンインプラントの歴史/6
5.多孔質インプラントの歴史/6
1-2 骨膜下インプラントの歴史……8
1-3 国際組織と歯科インプラント……9
1-4 アメリカにおける歯科インプラント……10
1-5 日本の現状……12
1-6 日本歯科医学会のガイドライン……12
2章 口腔インプラント学とは……川原春幸……17
2-1 定 義……17
2-2 インプラント学……17
2-3 人工歯根学は天然歯の機能を知る有力な手段……18
2-4 人工歯根学の教育システム……19
3章 顎骨の発育成長と基本的な変化……一條 尚……21
3-1 下顎骨の区分……22
3-2 胎生期における上下顎骨の原基形成と発育形成……23
3-3 生後の顎骨成長と基本的な変化……25
3-4 永久歯萌出後の変化……30
1.顎骨の基本的な変化/30
2.歯の喪失による変化/35
4章 骨形成とインプラント……43
4-1 歯根膜発生からみインプラント周囲組織……井上 孝,下野正基……43
1.歯周組織の発生/43
2.歯根膜の構成細胞と構造物/47
3.歯根膜の働き/48
4.インプラントの周囲組織/49
5.インプラントと歯根膜/50
4-2 骨形成因子について……吉川秀樹,高岡邦夫……53
1.骨形成因子の歴史的背景/53
2.骨形成因子による異所性骨形成現象/55
3.骨形成因子の生化学的特性/57
4.骨形成因子の生体材料への応用の可能性について/58
4-3 コラーゲン産生誘導と生体反応……片桐正隆……62
1.骨・軟骨形成誘導現象に関する文献的知見/63
2.独自に開発した移植用新素材の生物学的特性についての紹介/63
4-4 骨の機能と疲労破壊……笹田 直,森田眞史……75
1.海綿骨の形態と機能/75
2.骨体積変化のメカニズム/78
3.骨体積密度の経時的変化/79
4.荷重刺激と骨再形成能/81
5.骨の疲労寿命/81
6.In vivoでの骨疲労試験/82
5章 インプラントに必要な病理学……91
はじめに……石木哲夫……91
5-1 異物に対する原則的生体反応☆新素材の界面化学とその生体内処理機構……永井教之,中村伸也……93
1.インプラント材料の表面構造/93
2.生体防御機構の概要/95
3.非抗原性物質に対する生体の防御機構/96
5-2 インプラントに対する口腔粘膜と顎骨の反応……永井教之,川原田幸三……101
1.インプラントに対する口腔粘膜の反応/101
2.インプラント-骨の界面構造/103
3.オッセオアンキローシスの成立過程/107
4.ジルコニアインプラントの自然植立法とBMT2回法インプラントシステムの開発/109
5-3 口腔粘膜や顎骨の各種病変とインプラントの禁忌症……石木哲夫……112
1.口腔粘膜/112
2.顎骨/115
6章 インプラント材料の生物理工学……川原春幸……121
6-1 プラスチック材料……124
1.プラスチック材料の生化学的適合性/124
2.プラスチック材料の組織接着性/126
3.プラスチック材料の生物力学的安全性/127
4.プラスチックインプラントの現状/129
6-2 金属材料……131
1.純金属の細胞毒性/131
2.生体内での腐食はイオン化傾向と一致しない/133
3.キレート化による金属の腐食/134
4.金属アレルギーと発癌/138
5.金属の溶出と組織反応/141
6.合金の細胞毒性とSn,Crの制毒効果/143
7.生体修復用合金/143
6-3 セラミック材料……162
1.セラミックの特徴/162
2.厳しい生体内環境とセラミック/162
3.成形性と安定性/163
4.バイオセラミックの分類とその特徴/164
5.セラミックと組織接着性/171
7章 材料-組織界面……川原春幸……187
7-1 生物学的封鎖……187
7-2 生物学的動的界面……191
1.無荷重下でのインプラント-骨組織界面/191
2.咬合荷重下での生体力学的調和/193
3.初期固定の重要性/196
4.生物学的動的平衡/197
8章 インプラントにおける咬合の力学と生理学……201
はじめに……三谷春保……201
8-1 衝撃力に対するインプラントの力学的応答……三谷春保……203
1.測定方法について/203
2.天然歯の力学的応答/204
3.骨内インプラントの力学的応答/208
8-2 インプラント支持の有限要素法による解析……末次恒夫,松下恭之……212
1.有限要素法とは/212
2.各種インプラントの応力解析/213
3.インプラント周囲構造の応力解析/219
8-3 インプラント歯における咬合力(咀嚼力)緩衝作用……覚道幸男,杉村忠敬……223
1.インプラントによる咬合力の伝達様式と咬合時に下顎骨表面に生じるひずみ量との関係/224
2.咬合力の緩衝作用と主ひずみの方向との関係/226
3.海綿骨によるインプラント咬合力の緩衝作用/226
4.インプラントの形態と咬合時の下顎骨表面に生じる変形パターンとの関係/227
5.下顎管に及ぼすインプラント嵌植の影響/228
8-4 インプラント義歯による咀嚼運動の特徴……虫本栄子……229
1.インプラント義歯装着者の咀嚼の生理/229
2.インプラント義歯の咬合接触関係/236
3.インプラント義歯による咀嚼運動の制御について/238
8-5 インプラント上部構造での緩圧効果……三谷春保……239
1.インプラントブリッジにみられる機能的特徴の意味するもの/239
2.力学的ショックアブソーバーの必要性/240
3.上部構造緩圧の実験的試み/240
4.インプラント体緩圧の意義と動向について/246
臨床編-総論
はじめに……三谷春保……253
1章 診 断……255
はじめに……柴田寛一……255
1-1 全身的診断……佐藤一郎……256
1.診察のプロセス/257
2.臨床検査/258
3.全身的要注意疾患/262
1-2 局所的診断……兼松宣武……266
1.欠損部顎堤の診査/266
2.残存歯の診査/269
3.咬合状態の診査/270
4.軟組織の診査/272
5.異常習癖の診査/272
1-3 適応症……兼松宣武……273
1.全身的適応/273
2.精神的条件/273
3.局所的適応/274
4.術式,材料の適応/274
1-4 禁忌症……兼松宣武……276
1.全身的禁忌症/276
2.局所的禁忌症/278
3.インプラント施術に際しての適用基準/279
2章 X線診断(読影法も含む)……283
はじめに……古本啓一……283
2-1 X線写真の必要性……古本啓一……284
1.インプラントに必要なX線写真とは/284
2.インプラントの適合性をみるための読影/286
3.経過観察とX線診査の必要性/287
2-2 合目的なX線写真を撮影するには……西連寺永康,篠田宏司……289
1.顎骨の一般的な診査☆パノラマX線写真/289
2.インプラント施術部位の診査☆セファログラムの応用/290
3.骨構造の精査/291
4.隣在組織構造の確認☆特殊な撮影法の応用/292
5.術後の追跡,経過観察/296
2-3 X線解剖学で注意するべき部位……大里重雄……297
1.上顎骨/298
2.下顎骨/301
2-4 インプラントに適した骨量,骨質のX線による推定……古本啓一……306
1.顎骨内部の骨構造のX線像/306
2.顎骨の骨質と骨量のX線像/309
3.骨量の測定/311
4.術後の骨構造の経過観察/312
2-5 X線でわからないこと……古本啓一……314
1.骨形成能の有無/314
2.骨栄養状態の程度/315
3.骨の組織化学的成分の違い/315
2-6 口腔インプラントにおけるCT応用の意義……白川正順,古本啓一……316
1.CTとはなにか/316
2.症例/317
3.考察/320
2-7 経過観察とX線像……西連寺永康,吉峰一夫……322
1.咀嚼圧の荷重下におけるサルの短期および長期追跡例のX線像ならびに組織像/322
2.臨床症例の長期追跡例のX線像と生検所見/325
3.長期間インプラント周囲組織に慢性炎症のあった症例のX線像と生検所見/327
4.各種骨結合インプラントのX線像/328
5.骨膜下インプラントのX線像/328
3章 治療計画……335
はじめに……田端恒雄……335
3-1 症例とインプラントの選択……柳澤定勝……336
1.選択するインプラント/336
2.インプラントサイトの位置と形状/336
3.骨質と骨梁密度の局在性/338
4.available boneと骨内インプラントの選択/341
5.インプラント選択の実例/344
3-2 義歯(上部構造)の設計基準設計の手順……田端恒雄……351
1.咬合平面の設定/351
2.研究用模型による検討/352
3.模型のフェイスボウマウンティング/354
4.移行義歯による上部構造の検討/357
4章 手術の基本術式……西嶋克巳,山根稔夫……359
4-1 術前の問題点ならびに注意すべき点……359
1.診査/359
2.消毒/364
3.前投薬と局所麻酔/365
4.歯科インプラントの禁忌/368
4-2 術中の問題点ならびに注意すべき点……369
1.器具の破折と迷入/369
2.出血/369
3.穿孔,外傷について/371
4.気腫/371
5.切開と剥離/372
6.縫合/372
7.術中の全身状態の急変/372
4-3 術後の問題点ならびに注意すべき点……377
1.全身状態の把握/377
2.投薬と感染/377
3.術後麻酔/377
5章 上部構造……379
5-1 咬合および圧負担と設計……関根 弘……379
1.上部構造の形態/379
2.咬合接触/381
5-2 術式と構造との関係……関根 弘,小宮山彌太郎……384
1.固定性か可撤性か/384
2.隣在歯との連結/387
5-3 プラークコントロールと設計……関根 弘,小宮山彌太郎……389
1.軟組織貫通部位のインプラント材質と形態/389
2.上部構造製作上の留意点/392
5-4 審美性,発音および感覚への対処……高橋俊之,羽賀通夫……394
1.審美性について/395
2.発音および感覚/398
5-5 術後変化への対応……関根 弘,小宮山彌太郎……399
1.構成要素あるいは支持組織をめぐる変化/399
2.歯牙欠如範囲の拡大/401
6章 偶発症と処置……403
6-1 全身的偶発症と処置……磯貝昌彦……403
1.手術中に伴う全身的偶発症/403
2.術後に起こる全身的偶発症/409
3.内科的疾患併発による不快事項/410
6-2 局所的偶発症と処置……小嶋榮一……411
1.インプラントの偶発症とは/411
2.歯内骨内インプラントの偶発症/411
3.上顎洞とインプラントの偶発症/412
4.試適用ガイドが迷入した例/414
5.切歯管とインプラント/416
6.下顎管およびオトガイ孔とインプラント/416
7.ブレードインプラントの破折症例/417
8.顔面に紫斑を呈した症例/419
9.チャンネル形成とバーの破折症例/420
10.血腫と局所の栄養障害を伴った症例/421
7章 失敗と紛糾への対応……岩崎庄市……425
7-1 歯科用インプラントの環境……425
7-2 失敗しないための要因……426
1.適応症/426
2.素材と種類の選択/427
3.術式/427
7-3 歯科用インプラント成功の基準……428
7-4 歯科用インプラントの合併症と失敗……429
7-5 インプラント施術に対する患者の理解と協力……431
7-6 トラブル発生への対処……432
7-7 医療事故紛争の予防について……433
1.診察に際しては,歯科医師としての一般的客観的注意義務を尽くすこと/434
2.医師と患者との人間関係を密接にすること/434
3.後医は前医の批判を慎むこと/434
4.診察態度,事故後の態度は厳正にすること/434
8章 術後の管理(アフターケア)……懸田利孝……437
8-1 嵌植直後からの初期管理……437
8-2 術後3〜6カ月の中期管理……438
8-3 術後6カ月以降の安定期管理……439
索引/巻末
《下巻》
臨床編-各論
1章 骨膜下インプラント(骨内骨膜下を含む)……443
はじめに……柴田寛一……443
1-1 骨膜下法の種類……懸田利孝……445
1.標準型/447
2.下顎枝延長型/448
3.三脚型/448
4.前方限局型/449
5.下部構造の分割型/450
1-2 局所適応症と禁忌症……星野清興……451
1-3 骨印象……458
1.インプラント専用骨面印象材……川原春幸,西村 守/458
2.下顎無歯顎の骨面印象手術……懸田利孝,大内 晟/463
3.上顎骨膜下インプラントの印象法……乙部朱門,井汲憲治/472
1-4 骨膜下インプラントのラボワーク……玉置敏夫,三宅宗次,相浦洲吉……481
1.骨膜下インプラントの構成/481
2.骨膜下インプラント製作のための必要条件/483
3.骨膜下インプラントの標準的製作順序/483
4.骨膜下インプラント製作の要点/485
1-5 インサートテクニック……松澤耕介……502
1.術前準備/502
2.使用器具/503
3.消毒/503
4.麻酔/504
5.1st stage/504
6.2nd stage/507
1-6 骨膜下インプラントにおける上部構造……佐藤甫幸……511
1.上部構造の考え方/511
2.上部構造の検討/513
1-7 骨膜下インプラントの症例……懸田利孝……520
症例1 下顎無歯顎骨膜下嵌植義歯……懸田利孝/521
症例2 下顎無歯顎骨膜下嵌植義歯……大内 晟/523
症例3 上下顎無歯顎に骨膜下嵌植法を行ってフルブリッジとした症例……岩永勝彦/526
症例4 下部構造にJames,R.による後方拡大設計を応用した骨膜下法の症例……大内 晟/530
1-8 アフターケア……懸田利孝……533
1.骨面印象採得手術後の管理/533
2.嵌植直後の初期管理/533
3.術後の中期管理/534
4.安定期の管理/534
1-9 骨膜下インプラントにおける偶発症……湯浅保宏……535
1.広範囲の骨膜剥離による偶発症/535
2.術後の偶発症/536
3.骨面印象材による偶発症/537
4.統括/539
1-10 病理組織学的所見……鈴木鍾美,梅原正年……541
1.下顎の片側性骨膜下インプラント周囲の病理組織学的所見/542
2.上顎骨の両側性骨膜下インプラント周囲の病理組織学的所見/546
2章 骨内インプラント……551
はじめに……小宮山彌太郎,関根 弘……551
2-A スクリュー型とスパイラル型インプラント……懸田利孝……553
2-A-1 バイオセラムサファイアインプラント☆スクリュー型……山上哲賢,江原雄二……558
1.バイオセラムサファイアインプラントの材料特性/559
2.適応症の診断のポイント/559
3.スクリュー型/563
2-A-2 アパタイトインプラント……田端恒雄……584
1.ハイドロキシアパタイトセラミックの特性/584
2.アパタイトインプラントの特長/587
3.アパタイトインプラントの臨床術式/591
4.アパタイトインプラントの臨床成績/593
2-A-3 バイオグラスインプラント……伊藤学而,亀谷哲也……595
1.バイオグラスインプラントの位置づけ/595
2.SO型人工歯根と埋植術式/597
3.SO型人工歯根の特徴と適応/598
4.臨床応用例/599
2-A-4 オッセオインテグレーテッドインプラント……小宮山彌太郎,関根 弘……602
1.オッセオインテグレーション/602
2.オッセオインテグレーテッドインプラント/604
2-A-5 シェルシェブインプラント……玉置敏夫,小笠原久明……618
1.シェルシェブインプラントの種類/618
2.インプラントの選択基準/620
3.症例/621
2-A-6 CBSインプラント……村井俊郎……624
1.CBSインプラントの考え方/625
2.CBSインプラントの材質的特長/625
3.CBSインプラントの臨床的特長/626
4.CBSインプラントにおける補綴分類/626
5.CBSインプラントの手術器具/627
6.CBSインプラントの手術術式/628
7.CBSインプラントの症例/631
2-B ピンインプラント☆シャーロンピンについて……三嶋 顕,永山正人……637
1.ピンインプラントについて/637
2.Scialomのトリポッドピンインプラント/638
3.症例/644
2-C プレートとブレード(アンカーT+Uを含む)……652
2-C-1 バイオセラムサファイアインプラント☆プレート型……山上哲賢,西尾洋一……652
1.材質的特性/652
2.生物学的特性/652
3.バイオセラムプレート型のデザイン特性/653
4.バイオセラムプレート型の種類/654
5.専用器具/656
6.バイオセラムプレート型の適応症/658
7.臨床術式/659
8.バイオセラムインプラントの取り扱い上の注意点/661
9.バイオセラム15年間の臨床統計分析/662
10.症例/667
2-C-2 ブレードベントインプラント……榎本紘昭……672
1.ブレードインプラントの特徴と有用性/673
2.適応症/675
3.臨床術式/675
4.症例/681
2-C-3 スミシコンインプラント(HAP・アルミナ・プラズマコーティッド・チタニウム製)……末次恒夫,森本啓三……685
1.スミシコンの特徴/685
2.スミシコンの臨床手順/689
3.経過観察/691
4.臨床成績/691
2-C-4 マルチブレードインプラント……山根稔夫……694
2-C-5 ダブルブレード法……懸田利孝……701
1.分類/701
2.力学的考察/702
3.臨床的特徴/704
4.1回法か2回法か/705
2-C-6 形状記憶合金インプラント……福与碩夫……707
1.Ni-Ti形状記憶合金/707
2.形状記憶インプラント/708
2-C-7 多重毛管インプラント(PCI)……川原春幸,三村義昭……716
1.設計/716
2.表面処理と細胞接着性/718
3.動物実験/719
4.臨床術式/725
5.臨床評価/727
2-C-8 アンカーインプラント……川原春幸,小林 信……730
1.分類/730
2.アンカーVSブレード/731
3.アンカーインプラントの利点と欠点/732
4.挿入術式/732
5.術後合併症/732
6.上部構造の装着/733
2-D 筒状有穴インプラントと三次元インプラント……川原春幸……734
1.筒状有穴インプラント/734
2.三次元インプラント/735
2-D-1 ITIインプラント……河原邑安,川原春幸……738
1.素材と設計/738
2.プラズマ溶射の意義/739
3.設計上の特長/740
4.2回法と1回法/742
5.潜入型と非潜入型/743
6.基本術式/743
7.臨床/744
2-D-2 コアベントインプラント……川原春幸……753
1.設計の歴史的背景/753
2.材質,デザイン,術式/754
3.上部構造専用部品/756
4.Br nemarkシステムとの比較/757
2-D-3 三次元インプラント……川原春幸……761
1.緻密骨下インプラント/761
2.T3Dインプラント/763
3.Mixed Tインプラント/766
4.緻密骨貫通三次元インプラント/770
2-E 多孔質インプラント……川原春幸……773
1.単独植立人工歯根と多孔質インプラント/773
2.多孔質材料/775
3.コアレス,フレームレス多孔質インプラント/777
4.多孔質インプラントの現状/778
5.多孔質内への組織侵入機構/782
2-E-1 多孔質セラミックインプラント……川原春幸……787
1.多孔質セラミックの必要条件/788
2.多孔質セラミックの設計/791
2-E-2 アルミナ多孔質人工歯根……川原春幸……793
1.バイオセラムポーラスインプラント/793
2-E-3 Zr-Ti多孔質インプラント……三浦維四,奥野 攻……800
1.多孔質金属と骨の結合/800
2.各種の金属製多孔質インプラント/801
2-F レイマスインプラント……乙部朱門,鈴木理浩……804
1.レイマスインプラントの歴史/804
2.各種レイマスインプラントについて/805
3.レイマスブレード/813
3章 歯内骨内ピンスタビライザー……817
はじめに……淺井康宏……817
3-1 歯内骨内インプラントの基本と臨床……淺井康宏,中川寛一……818
1.歯内骨内インプラントの概要/818
2.歯内骨内インプラントに関する病理学的所見/821
3.歯内骨内インプラント施術時の注意事項/825
4.歯内骨内インプラント手術術式の要点/827
5.歯内骨内インプラントの応用例/829
6.歯内骨内インプラントを含む歯に対する補綴処置の要点/838
7.歯内骨内インプラント実施時の偶発症とその処置/839
3-2 Co-Cr-Mo合金歯内骨内ピンスタビライザー……川原春幸,竹内秀行……842
1.分類と効果/842
2.術式/843
3.ピンスタビライザーの効用/848
4章 粘膜挿入インプラント(ムコザールインプラント)……根本 亘……851
1.ボタンインプラント/851
2.ボタンインサート/852
3.ビッグボタンインプラント/855
5章 骨補填材……863
はじめに……田端恒雄……863
5-1 アパタイト多孔体ブロック……大西正俊……868
1.アパタイトとは/868
2.生体適合性についての基礎的研究/869
3.臨床応用症例/871
4.多孔体の有用性と問題点/875
5.今後の展望/878
5-2 合成ヒドロキシアパタイト(ボーンタイト・顆粒体)……柳澤定勝……879
1.新しい治療法の発想とその背景/879
2.HAPの形態と生物学的および機械的性質/880
3.顆粒体とその周囲組織および機械的挙動/885
4.造成した歯槽堤の形態維持/888
5.臨床例/890
6.安全性と合併症/901
6章 歯牙移植……緒方哲郎,山内寿夫……903
1.歯牙移植の分類/904
2.各種臨床例/904
7章 インプラントによる審美歯科学的意義……寺川國秀……919
1.“New age dentistryにおける"インプラントを含むcomprehensive careとsequential treatmentおよび審美的総義歯について/919
2.症例/923
索引/巻末