序
ラテラルかバーチカルか,という議論がかつてあった.どちらが良い根管充填法か結論を見ないまま,新しい器材が導入され,さらに新しい考え方が提案されている.古い方法は引き継ぐものが減り,廃れていく.歯科治療も流行とは無縁ではない.シーラーは使う分量が少なくて商売にならない,といわれている割には,新しい野心的な材料が発表されている.20年も経つと愛用している器材はマーケットから姿を消し,見慣れない器材ばかりとなる.
最近では,わが国での薬事承認の有無にかかわらず,バイオセラミック系材料が注目されている.どういう材料があり,どう使えば良いのだろう? かつてはMTAを使用した臨床例は日本の学術誌では掲載不可であったが,使用の流れは止められず,条件付きで認められるようになった.一方で,側方加圧充填は基本的術式としてなくなることはないように思える.簡便な方法だが治療効果が低いとして否定的な扱いだったシングルポイント法が復活している.以前の方法とどう違うのか.一世を風靡したSystem BとObtura IIはなくなり,後継機はどのような商品となっているのだろう.また,根管充填というと,根尖付近ばかり注目されるが,歯冠側はどこまで詰めれば良いのか.
新規器材の開発は一段落することはないと思うが,ここでいったん根管充填についてまとめておくことは,次のステップに向かううえでも価値あることだと思う.ラテラルとバーチカルだけではない,最新の根管充填について知見を深め,各歯科医師が自分なりに知識を整理して,取捨選択できるようになることを期待する.
吉岡隆知 Takatomo Yoshioka
ラテラルかバーチカルか,という議論がかつてあった.どちらが良い根管充填法か結論を見ないまま,新しい器材が導入され,さらに新しい考え方が提案されている.古い方法は引き継ぐものが減り,廃れていく.歯科治療も流行とは無縁ではない.シーラーは使う分量が少なくて商売にならない,といわれている割には,新しい野心的な材料が発表されている.20年も経つと愛用している器材はマーケットから姿を消し,見慣れない器材ばかりとなる.
最近では,わが国での薬事承認の有無にかかわらず,バイオセラミック系材料が注目されている.どういう材料があり,どう使えば良いのだろう? かつてはMTAを使用した臨床例は日本の学術誌では掲載不可であったが,使用の流れは止められず,条件付きで認められるようになった.一方で,側方加圧充填は基本的術式としてなくなることはないように思える.簡便な方法だが治療効果が低いとして否定的な扱いだったシングルポイント法が復活している.以前の方法とどう違うのか.一世を風靡したSystem BとObtura IIはなくなり,後継機はどのような商品となっているのだろう.また,根管充填というと,根尖付近ばかり注目されるが,歯冠側はどこまで詰めれば良いのか.
新規器材の開発は一段落することはないと思うが,ここでいったん根管充填についてまとめておくことは,次のステップに向かううえでも価値あることだと思う.ラテラルとバーチカルだけではない,最新の根管充填について知見を深め,各歯科医師が自分なりに知識を整理して,取捨選択できるようになることを期待する.
吉岡隆知 Takatomo Yoshioka
序(吉岡隆知)
編著者一覧
CHAPTER 1 シーラーの役割・選択
(吉岡俊彦)
CHAPTER 2 側方加圧充填
良い根管充填を可能とするマスターポイント,アクセサリーポイントの選び方(八幡祥生)
CHAPTER 3 CWCT
(橋本健太郎・興地隆史)
CHAPTER 4 シングルポイント法
(辺見浩一)
CHAPTER 5 MTAの根管充填
MTAキャリアの使い方(山内隆守)
CHAPTER 6 根管充填の歯冠側における終了位置とガッタパーチャポイントの取り扱い
(戸部拓馬)
索引
編著者一覧
CHAPTER 1 シーラーの役割・選択
(吉岡俊彦)
CHAPTER 2 側方加圧充填
良い根管充填を可能とするマスターポイント,アクセサリーポイントの選び方(八幡祥生)
CHAPTER 3 CWCT
(橋本健太郎・興地隆史)
CHAPTER 4 シングルポイント法
(辺見浩一)
CHAPTER 5 MTAの根管充填
MTAキャリアの使い方(山内隆守)
CHAPTER 6 根管充填の歯冠側における終了位置とガッタパーチャポイントの取り扱い
(戸部拓馬)
索引