やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 院長が理念を作り,そのうえでチーム一丸となって変革に乗り出そうとしているみなさん.
 いかがお過ごしですか.
 『チームで取り組む歯科医院の活性化』を読まれたあなたは,少しばかりのショックとヒラメキを感じられたことでしょう.理念の神秘,使命の重み,人が覚悟したときの変化.歯科医院という組織が,どのようなプロセスを踏んで,進化していくのかを紹介しました.その基本を守りながら,私達の歯科医院を活性化していきましょう.
 組織作りは,決して一日ではできません.
 チームの中で,同じ理念を持ち,情報を共有し,日々のそれぞれが努力しているからこそ,その成果が見えたとき,互いに幸せを感じ,働く意欲が出てきます.
 「歯科医院の活性化 仕事の視える化シリーズ」は,変革の流れに合わせて,読みながらでも進めていけるように構成されています.
 パート1では,みんなで情報を共有するための「マニュアル作り」を,
 パート2では,今では一般社会の常識であり,日本企業の組織文化として確立されていった「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」の歯科バージョンを,
 パート3では,人を財産として育てるための「人財育成」を,
 パート4では,言えそうで言えない「仕事を行ううえでの社会人・医療人としての常識」を,ご提案していきます.
 「本を読んだからと言って,簡単にできますか」
 そうですね.
 簡単ではないけれども,今は全員で一つになって目標を定めて取り組むことです.
 必ず,チーム一丸で歯科医療サービスを提供できる歯科医院に成長します.
 さて,今回は,第一段.
 まずは,理念に合わせて,それぞれの仕事のやり方を「視える化」するためのマニュアル作りからです.
 たかがマニュアル.されどマニュアル.
 作るためには,何度もミーティングを重ね,改善を繰り返し,改善することが当然の体制にしていきます.
 マニュアル作成に合わせ,作業が進んでいくと「5S」という意識が出てきます.整理・整頓・清掃・清潔・躾です.この作業を合わせもってマニュアルは完成していくことでしょう.
 その変化も紹介しながら,話を進めて参りましょう.
 それでは,一ページ目からじっくりと….
 『チームで取り組む歯科医院の活性化 歯科医院で起こる変革のドラマ』の本を,すでに読んだ
 はい→スムーズに理解できるはずです
 いいえ→ぜひに,その本から読まれてください.
第1章 「仕事を視える化」する
 仕事を「視える状態」にする
  こんなことが起こる
   「仕事が視えない歯科医院」
 仕事の「視える化」とは一体何か
  こんなことが起こる
   「メモを貼っても仕事は視えず」
  こんなことが起こる
   「スタッフがバラバラの歯科医院」
 歯科医院での業務の全体像を理解する
第2章 マニュアル作成の意味〜個人の知識を組織の知識に変えていく!〜
 暗黙の知識を「形式知」にする
 暗黙知と形式知
  (1)まずは共同化
  (2)次に表出化
  (3)そして連結化へ
  (4)さらに内面化へ
 マニュアル作成は理念と一致しているか
第3章 マニュアルの必要性
 不安から脱却しよう
  こんなことが起こる
  「優秀な人ほど,長くはいない」
第4章 さあ,マニュアルを作ろう
 いつからマニュアル作りは行えるのか
 誰が作るのか
 プロジェクトリーダーの重要性
 どのような流れで作っていくのか
  (1)第一段階は,情報の共有です
  (2)第二段階は,前準備です
  (3)第三段階は,作成のための確認です
  (4)第四段階は,作業開始です
  (5)第五段階は,確認です
  (6)第六段階は,マニュアルの整備です
  (7)第七段階は,マニュアルの活用です
  (8)第八段階は,定期的見直しです
  (9)第九段階は,さらなる活用(独自性)です
  こんなことが起こる
   「スタッフが辞めて,一人になってしまった…」
 仕事を語り合う体制作り
  こんなことが起こる
   「計画通りに進めればヨシ!」
 声をかける配慮
  こんなことが起こる
   「新人の確かな目」
 訂正されても,不快な気持ちにならない環境を作る
第5章 チョッとしたマニュアル作りのコツ
 グズグズ言うなら,まず作ろう
  こんなことが起こる
   「小さなことにも基準がある」
 絶対必要なものだと覚悟する
 そこまで書くのかという意識統一
 具体的な記入の提案!
  (1)まず,診療室の見取り図を書く
  (2)小さな日常業務でもマニュアルに
  (3)歯科診療補助マニュアルの書き方
  (4)歯科衛生士業務マニュアルの書き方
  (5)受付業務マニュアルの書き方
  (6)物品マニュアルの書き方
第6章 マニュアルは改善されるたびに進化する
 マニュアルの進化
 改善は止まることがない
  こんなことが起こる
   「マニュアルは必ず古くなる」
 どんなときに業務が変わるのかを意識しておく
  こんなことが起こる
   「問題は改善の芽」
  こんなことが起こる
   「困ったときにはマニュアルを見直す」
  こんなことが起こる
   「組織の常識を作っていく」
第7章 マニュアルはマネしてもダメ
 なぜ見学を受け入れたほうがよいのか「経営学の歴史は語る」
  (1)人は認められると成長する
  こんなことが起こる
   「マニュアルを作る目的」
 自己チェック
 文献
 記入用紙