序
長年の懸案事項であった「歯科技工士国家試験」の全国統一化は,平成27 年4 月1 日に法制化され,平成27 年5 月19 日付けで厚生労働大臣が指定する歯科医療振興財団に試験実施業務及び登録申請業務の執行が委託された.いよいよ平成28 年の国家試験から全国統一試験として実施される予定である.これまで厚生労働大臣の委託で実施されてきた歯科技工士資格試験では,出題内容,出題数,出題方法,難易度などが都道府県によって大きく異なり,本来の国家試験としての体をなしていなかったが,全国統一化によって大幅な改善が行われる.歯科技工士として国家資格を取得する極めて重要な資格試験の全国統一化は,単に他の医療関係職種と同等になるだけでなく,教育のスタンダード化が図れ,教育レベルを向上させることにもつながる.
しかし,長年これまでの資格試験の出題方法に慣れてきた歯科技工士養成機関の教員にとって,この大きな変革は重大な問題である.歯科技工士を目指す学生が不安なく受験できるためには,まず教員の意識改革と作問に対する十分な理解が必要となる.全技協では,これまでに国家試験の基盤である「客観的多肢選択試験問題」の作問方法について教員研修会を実施してきた.さらに,専任教員には各都道府県で過去に出題された問題を「客観的4 肢択一問題」に修正する作業を行い,全国の歯科技工士養成機関からは5,000 題近い問題が集められたが,全技協のブラッシュアップ委員会で精査したところ多くの問題が却下され,修正後回収された問題を再度ブラッシュアップした結果,最終的に確保された問題は1,800 題程度となった.全国の養成機関の専任教員の作問に対する真摯な取り組みに対して敬意と感謝を申し上げるが,国家試験対応の作問に対してはまだまだ十分な理解を得なければならない.試験問題の作問にあたっては,出題基準(平成24 年版)に基づき,種々のルールを順守しなければならない.さらに,昨年全技協で発刊した教育内容モデルコアカリキュラムや歯科技工士教本も十分に参考し,良問作成に取り組まなければならない.学説試験は教育評価として「知識」について問うものであり,単なる記憶力だけを評価するものではなく,思考性や問題解決能力も問われなければならない.
本書は,全国の歯科技工士養成機関の専任教員から回収し,ブラッシュアップを重ねた問題を編集したものであるが,まだまだ手探りで,十分な問題集には至っていない.しかし,近々に迫った全国統一国家試験に臨むにあたり,初版としての価値は十分にあり,教員や受験する学生諸君にとっては唯一の国家試験対策問題集として大いにご活用をいただきたい.そしてさらに良質な問題作成に努め,毎年更新していく所存である.
本書編集においては,歯科医師国家試験にもご造詣の深い日本歯科大学東京短期大学学長 小口春久先生のご指導,アドバイスを賜りましたことに深甚なる謝意を申し上げます.また,全国の歯科技工士養成機関の専任教員ならびにブラッシュアップの作業に努めていただきました委員の先生方に感謝申し上げます.
最後に,本書を適切に利用されることによって歯科技工士国家試験が円滑に実施され,受験生諸氏の不安が少しでも和らぐことを祈念申し上げます.
がんばれ!受験生…
平成27 年9 月
全国歯科技工士教育協議会 会長
大阪歯科大学 教授
末瀬一彦
長年の懸案事項であった「歯科技工士国家試験」の全国統一化は,平成27 年4 月1 日に法制化され,平成27 年5 月19 日付けで厚生労働大臣が指定する歯科医療振興財団に試験実施業務及び登録申請業務の執行が委託された.いよいよ平成28 年の国家試験から全国統一試験として実施される予定である.これまで厚生労働大臣の委託で実施されてきた歯科技工士資格試験では,出題内容,出題数,出題方法,難易度などが都道府県によって大きく異なり,本来の国家試験としての体をなしていなかったが,全国統一化によって大幅な改善が行われる.歯科技工士として国家資格を取得する極めて重要な資格試験の全国統一化は,単に他の医療関係職種と同等になるだけでなく,教育のスタンダード化が図れ,教育レベルを向上させることにもつながる.
しかし,長年これまでの資格試験の出題方法に慣れてきた歯科技工士養成機関の教員にとって,この大きな変革は重大な問題である.歯科技工士を目指す学生が不安なく受験できるためには,まず教員の意識改革と作問に対する十分な理解が必要となる.全技協では,これまでに国家試験の基盤である「客観的多肢選択試験問題」の作問方法について教員研修会を実施してきた.さらに,専任教員には各都道府県で過去に出題された問題を「客観的4 肢択一問題」に修正する作業を行い,全国の歯科技工士養成機関からは5,000 題近い問題が集められたが,全技協のブラッシュアップ委員会で精査したところ多くの問題が却下され,修正後回収された問題を再度ブラッシュアップした結果,最終的に確保された問題は1,800 題程度となった.全国の養成機関の専任教員の作問に対する真摯な取り組みに対して敬意と感謝を申し上げるが,国家試験対応の作問に対してはまだまだ十分な理解を得なければならない.試験問題の作問にあたっては,出題基準(平成24 年版)に基づき,種々のルールを順守しなければならない.さらに,昨年全技協で発刊した教育内容モデルコアカリキュラムや歯科技工士教本も十分に参考し,良問作成に取り組まなければならない.学説試験は教育評価として「知識」について問うものであり,単なる記憶力だけを評価するものではなく,思考性や問題解決能力も問われなければならない.
本書は,全国の歯科技工士養成機関の専任教員から回収し,ブラッシュアップを重ねた問題を編集したものであるが,まだまだ手探りで,十分な問題集には至っていない.しかし,近々に迫った全国統一国家試験に臨むにあたり,初版としての価値は十分にあり,教員や受験する学生諸君にとっては唯一の国家試験対策問題集として大いにご活用をいただきたい.そしてさらに良質な問題作成に努め,毎年更新していく所存である.
本書編集においては,歯科医師国家試験にもご造詣の深い日本歯科大学東京短期大学学長 小口春久先生のご指導,アドバイスを賜りましたことに深甚なる謝意を申し上げます.また,全国の歯科技工士養成機関の専任教員ならびにブラッシュアップの作業に努めていただきました委員の先生方に感謝申し上げます.
最後に,本書を適切に利用されることによって歯科技工士国家試験が円滑に実施され,受験生諸氏の不安が少しでも和らぐことを祈念申し上げます.
がんばれ!受験生…
平成27 年9 月
全国歯科技工士教育協議会 会長
大阪歯科大学 教授
末瀬一彦
歯科理工学
1.歯科材料の性質
2.印象材
3.石 膏
4.ワックス
5.レジン成形
6.セラミック成形
7.金属成形
8.切削・研削・研磨
歯の解剖学
1.歯の概説
2.永久歯の形態
3.歯の発生
4.歯と歯周組織
5.歯の異常
6.歯列と咬合
7.頭蓋の骨
8.口腔周囲の筋
9.口 腔
顎口腔機能学
1.顎口腔系の概説
2.顎口腔系の形態
3.下顎運動
4.下顎位
5.歯の接触様式
6.咬合器
有床義歯技工学
1.有床義歯技工に関する生体の基礎知識
2.全部床義歯の特性
3.全部床義歯の印象採得に伴う技工操作
4.全部床義歯の咬合採得に伴う技工操作
5.全部床義歯の人工歯排列と歯肉形成
6.全部床義歯の蝋義歯埋没とレジン重合
7.全部床義歯の咬合器再装着および削合,研磨
8.部分床義歯の特性
9.部分床義歯の構成要素
10.部分床義歯の印象採得に伴う技工操作
11.部分床義歯の咬合採得に伴う技工操作
12.クラスプ
13.アタッチメント
14.テレスコープ義歯
15.バ ー
16.部分床義歯の人工歯排列と歯肉形成
17.部分床義歯の蝋義歯の埋没とレジン重合
18.修 理
19.リベースとリライン
20.オーバーデンチャー
21.金属床義歯
歯冠修復技工学
1.歯冠修復技工学概要
2.クラウンの概要と種類
3.ブリッジの概要と種類
4.クラウン・ブリッジの具備条件
5.クラウン・ブリッジの技工操作
6.ブリッジ
7.インプラント(人工歯根)
矯正歯科技工学
1.矯正歯科治療の概説
2.矯正歯科技工用器械・材料
3.矯正歯科技工の基本的実技
4.矯正用模型の製作
5.矯正装置の必要条件と分類
6.矯正装置の種類と製作
7.保定装置
小児歯科技工学
1.歯・顎・顔面の成長発育
2.小児の歯冠修復
3.保隙装置
4.スペースリゲーナー
5.口腔習癖除去装置
6.咬合誘導装置に用いる維持装置
関係法規
1.衛生行政
2.歯科技工士法
3.歯科医療関係法規
1.歯科材料の性質
2.印象材
3.石 膏
4.ワックス
5.レジン成形
6.セラミック成形
7.金属成形
8.切削・研削・研磨
歯の解剖学
1.歯の概説
2.永久歯の形態
3.歯の発生
4.歯と歯周組織
5.歯の異常
6.歯列と咬合
7.頭蓋の骨
8.口腔周囲の筋
9.口 腔
顎口腔機能学
1.顎口腔系の概説
2.顎口腔系の形態
3.下顎運動
4.下顎位
5.歯の接触様式
6.咬合器
有床義歯技工学
1.有床義歯技工に関する生体の基礎知識
2.全部床義歯の特性
3.全部床義歯の印象採得に伴う技工操作
4.全部床義歯の咬合採得に伴う技工操作
5.全部床義歯の人工歯排列と歯肉形成
6.全部床義歯の蝋義歯埋没とレジン重合
7.全部床義歯の咬合器再装着および削合,研磨
8.部分床義歯の特性
9.部分床義歯の構成要素
10.部分床義歯の印象採得に伴う技工操作
11.部分床義歯の咬合採得に伴う技工操作
12.クラスプ
13.アタッチメント
14.テレスコープ義歯
15.バ ー
16.部分床義歯の人工歯排列と歯肉形成
17.部分床義歯の蝋義歯の埋没とレジン重合
18.修 理
19.リベースとリライン
20.オーバーデンチャー
21.金属床義歯
歯冠修復技工学
1.歯冠修復技工学概要
2.クラウンの概要と種類
3.ブリッジの概要と種類
4.クラウン・ブリッジの具備条件
5.クラウン・ブリッジの技工操作
6.ブリッジ
7.インプラント(人工歯根)
矯正歯科技工学
1.矯正歯科治療の概説
2.矯正歯科技工用器械・材料
3.矯正歯科技工の基本的実技
4.矯正用模型の製作
5.矯正装置の必要条件と分類
6.矯正装置の種類と製作
7.保定装置
小児歯科技工学
1.歯・顎・顔面の成長発育
2.小児の歯冠修復
3.保隙装置
4.スペースリゲーナー
5.口腔習癖除去装置
6.咬合誘導装置に用いる維持装置
関係法規
1.衛生行政
2.歯科技工士法
3.歯科医療関係法規