やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社


 全国歯科技工士教育協議会(以下,全技協)の事業の一環として本書『歯科技工士国家試験問題・解答集』を刊行して,本年で36年目を迎えることになりました.本書を刊行するにあたり,これまで問題書収集作業や解答の作成などに毎年ご協力を賜りました全技協加盟校の関係各位に深く感謝申し上げます.平成26年版もみなさま方の絶大なるご支援,ご協力によりまして,全国の都道府県の出題問題をすべて収集することができました.
 平成26年6月の国会審議におきまして「歯科技工士法の改正案」が可決成立し,厚生労働大臣は,厚生労働省令で定めるところにより,その指定する者(「指定試験機関」という)に,試験に関する事務を行わせることができることになりました.すなわち,平成28年からの歯科技工士国家試験は,本来のあるべき姿である「全国統一試験」として実施されます.まさに,歯科技工士教育に携わってこられました関係各位の着実な努力が実り,歴史的な変革が行われることになりました.同時に,教育内容の大綱化や単位制の導入など,歯科技工士教育の改革も行われ,これからは全国レベルで歯科技工士教育のスタンダードが決まることになります.全技協でも早速「歯科技工士教育モデルコアカリキュラム」の策定に取り組んでいるところです.これまで都道府県で実施されていた国家試験の出題様式は○×式,多肢選択式,穴埋め式など多岐にわたっていましたが,全国統一化される国家試験では,知識レベルの客観的評価法として最も一般的に行われています多肢択一式,歯科技工士国家試験では4肢択一式のMCQが取り入れられるようです.また,教育内容の大綱化に伴って出題基準も大幅に変更される予定ですが,これはすべての歯科技工士学校が教育の大綱化が実施されてからになるので,大綱化を踏まえた国家試験は全国統一試験実施の時期よりは多少遅れる見込みです.いずれにしても,これからは本書も全国統一化される国家試験を鑑みた問題集に路線変更していかなければなりません.全国統一試験が実施されても当分の間は過去の問題が少ないため,全技協の専任教員におかれましては,客観式問題の作成に取り組んでいただき,想起,解釈,問題解決型などの多種にわたる問題作成能力を身につけていかなければなりません.問題作成にあたっては,これまで刊行してまいりました本書に出題された過去の問題を参考にすることもおおいに役立つものと思われます.
 平成27年に実施されます歯科技工士国家試験は,いよいよ都道府県で行われる最後の試験となります.平成26年に都道府県で実施された試験問題を十分に検討,分析されるために,本書をご活用いただきたいと存じます.
 本書の発刊にあたり,ご尽力を賜りました各地区の国家試験問題世話役校,全技協加盟校各位,都道府県衛生部担当者そして医歯薬出版株式会社関係各位に深甚なる感謝の意を表します.
 平成26年9月10日 全国歯科技工士教育協議会
 会長 末瀬一彦
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