第2版の序
この歯科衛生士概論は,歯科衛生士教育の初期にそのオリエンテーションとして役立つように,現場で汗をかいている人達が力を合わせてまとめたものである.そして,歯科衛生士をめぐる状況に変化が始まっている今日でも,本書は十分役に立つものと著者一同ひそかに誇りに思っていた.しかし,初版発行より8年が経過した現在,改めて内容をチェックしてみると,細かい点には手を加えたほうがよいと思われる個所が生じたので,今回小改訂を試みた.それぞれの経験を土台にしたおかげでより充実した内容になったと自負している.
改訂をしても,これから歯科衛生士の道に進もうとしている読者に本書の内容をよく分かってもらおうという著者一同の意向は少しも変わっていない.
本書が今度とも役立つことを心から願っている.
2001年2月 著者一同
第1版の序
歯科衛生士教育のなかに歯科衛生士概論という科目が正式に出てきたのは昭和58年(1983年)のことで,10年前のことである.
そのときにつくられた教科書は,その序文のなかでも述べているように,なるべく広く関係のありそうな資料は取り込んで,“実際に歯科衛生士教育の現場で用いてゆくには,少し過剰かと思うところまで立ち入っている”.
今回は,その後の10年の現場の教育経験を踏まえて,現状に沿うように整理した.
また,前のときには日本の新しい歯科衛生士教育のオリエンテーションを打ち立てるという思いが先にきて,少数の著者によってとにかく何かを形づくろうということであったが,今回の場合はむしろ,実際にいろいろな場面で歯科衛生士教育のオリエンテーションに携わっている多くの人びとの意見が取り入れられるようにしようということから,著者の数が増えている.
そして,全体の分量はむしろ少なくなっている.前のものでは直接には教育されることのない歯科衛生士の略史や外国の様子などが本文として入っていたが,今回はそれらを外してすっきりした形のものとしている.しかし,本当の意味のオリエンテーションのためには略史や外国の様子などについての情報がいるのではないかということから,今度のものでは“付章”として末尾に入れることとし,それも加筆して全体のなかに合うように工夫されている.
いずれにしても,歯科衛生士教育のごく初期の段階で実際にそのオリエンテーションとして有効に役立つものとしてまとめるように努力したつもりである.
なお,1章は勝山,2・3章および付1・2章は榊原,4章は藤井,5章は柳田,6章は江島,7章および資料2は金子,8章は西岡,9章は米沢がそれぞれ分担執筆した.
1993年2月 著者一同
この歯科衛生士概論は,歯科衛生士教育の初期にそのオリエンテーションとして役立つように,現場で汗をかいている人達が力を合わせてまとめたものである.そして,歯科衛生士をめぐる状況に変化が始まっている今日でも,本書は十分役に立つものと著者一同ひそかに誇りに思っていた.しかし,初版発行より8年が経過した現在,改めて内容をチェックしてみると,細かい点には手を加えたほうがよいと思われる個所が生じたので,今回小改訂を試みた.それぞれの経験を土台にしたおかげでより充実した内容になったと自負している.
改訂をしても,これから歯科衛生士の道に進もうとしている読者に本書の内容をよく分かってもらおうという著者一同の意向は少しも変わっていない.
本書が今度とも役立つことを心から願っている.
2001年2月 著者一同
第1版の序
歯科衛生士教育のなかに歯科衛生士概論という科目が正式に出てきたのは昭和58年(1983年)のことで,10年前のことである.
そのときにつくられた教科書は,その序文のなかでも述べているように,なるべく広く関係のありそうな資料は取り込んで,“実際に歯科衛生士教育の現場で用いてゆくには,少し過剰かと思うところまで立ち入っている”.
今回は,その後の10年の現場の教育経験を踏まえて,現状に沿うように整理した.
また,前のときには日本の新しい歯科衛生士教育のオリエンテーションを打ち立てるという思いが先にきて,少数の著者によってとにかく何かを形づくろうということであったが,今回の場合はむしろ,実際にいろいろな場面で歯科衛生士教育のオリエンテーションに携わっている多くの人びとの意見が取り入れられるようにしようということから,著者の数が増えている.
そして,全体の分量はむしろ少なくなっている.前のものでは直接には教育されることのない歯科衛生士の略史や外国の様子などが本文として入っていたが,今回はそれらを外してすっきりした形のものとしている.しかし,本当の意味のオリエンテーションのためには略史や外国の様子などについての情報がいるのではないかということから,今度のものでは“付章”として末尾に入れることとし,それも加筆して全体のなかに合うように工夫されている.
いずれにしても,歯科衛生士教育のごく初期の段階で実際にそのオリエンテーションとして有効に役立つものとしてまとめるように努力したつもりである.
なお,1章は勝山,2・3章および付1・2章は榊原,4章は藤井,5章は柳田,6章は江島,7章および資料2は金子,8章は西岡,9章は米沢がそれぞれ分担執筆した.
1993年2月 著者一同
1章 歯科衛生士とは/1
2章 歯・口の健康と疾病・異常/4
I 健康とは…4
II 歯・口の健康…5
III おもな歯・口の疾病・異常…5
3章 歯科医療と歯科保健/9
I 健康と健康障害への3つの対応…9
II 医療・歯科医療…10
III 歯科保健指導…11
IV 公衆歯科衛生…11
4章 歯科医療保健を支えるもの/12
I 歯科医療の三要素…13
1.歯科医学…13
2.歯科医術…13
3.医の倫理…13
II 歯科医療の目標…14
1.歯および口腔の諸疾患の治療と予防…14
2.口腔生理機能の回復と保全…14
3.審美性の回復と改善…16
4.今後の課題…16
III 歯科医療の内容…16
1.診査と診断…17
2.治療計画と患者への内容提示…17
3.施術…17
4.後療法および定期観察…18
IV 歯科医療の特異性…18
1.取り扱う対象が他では類のない歯の硬組織であること…18
2.きわめて多種類の人工材料を使いこなす必要があること…18
3.一般的にきわめて精度の高い施術,手技が要求される…19
4.つねに審美性の回復または改善を考えなければならないこと…19
5.歯周組織の常在菌感染への対応…19
6.複雑な口腔周辺組織への対応…19
V 歯科医療の分野…20
1.歯および歯周組織の保存療法…20
2.歯の欠損および咬合回復療法(補綴療法)…22
3.外科的療法…22
4.歯列矯正治療…22
5.小児歯科治療…23
5章 歯科医療保健にたずさわる人/24
I 医療保健関係者の免許制度…24
II 歯科医療保健に関係する職種…25
III 歯科医師,医師…25
IV 薬剤師…26
V 歯科衛生士…26
VI 歯科技工士…27
VII 看護婦,准看護婦…27
VIII 保健婦…28
IX 診療放射線技師…28
X 栄養士…28
XI 歯科助手…29
XII 事務員…29
6章 歯科衛生士の役割/30
I 歯科衛生士の業務…30
1.歯科予防処置…30
2.歯科診療補助…31
3.歯科保健指導…33
II 歯科衛生士の活動場面での役割…34
1.診療室での役割…35
2.地域歯科保健現場での役割…37
III 責任と活動…38
IV 米国の歯科衛生士の活動と倫理規定…39
7章 歯科衛生士業務の発展/40
I 歯科衛生士の誕生以前…40
II 歯科衛生士制度の誕生…41
III 歯科診療所への進出・歯科衛生士法改正…42
1.2年制教育への移行…43
2.ふたたび歯科衛生士法改正…43
IV 歯科衛生士業務に関連の深い法律…44
8章 歯科衛生士にとくに必要な心構えと知識・技能/45
I 歯科衛生士に期待されるもの…45
1.信頼関係の保持…45
2.包括的な知識…46
3.的確な技能…46
4.チームワーク…46
II 歯科衛生士に求められる心構え(歯科衛生士の倫理)…46
III 歯科衛生士に必要な知識…48
1.一般的な健康と疾病異常についての知識…48
2.医療・保健・福祉のしくみについての知識…49
3.歯・口の構造と機能についての知識…49
4.歯・口の疾病異常の知識…50
5.歯科臨床の知識…50
6.歯科予防処置の知識…50
7.歯科診療補助の知識…51
8.歯科保健指導の知識…51
IV 歯科衛生士に必要な技能…51
1.歯科予防処置の技能…51
2.歯科診療補助の技能…52
3.歯科保健指導の技能…52
V 歯科衛生士に求められる協調性――チームワーク…53
9章 歯科衛生士の業務の展開/55
I 歯科衛生士の仕事の場…55
1.歯科診療所…55
2.病院…55
3.保健所,市町村保健センター…56
4.心身障害者歯科センター…56
II 仕事での心構え…57
1.身だしなみ…57
2.態度とことばづかい…57
III 職業人としての心構え…58
1.時間厳守…58
2.公私の区別をはっきりする…58
3.行動と反省…59
4.自己の健康管理…59
5.秘密の厳守…59
6.職務上の限界と自覚…59
IV 人との応対…59
1.患者の心理…59
2.患者応接法…60
V 観察と記録…61
1.観察記録の重要性…61
2.対象把握の方法…61
3.業務記録…61
4.記録の保管…66
VI 清掃と保全…66
1.清掃…66
2.器械・器具の管理…66
3.材料・薬品の保管・管理…66
4.準備と後かたづけ…67
VII 安全保持…67
1.感染の防止…67
2.偶発事故の防止…68
3.X線の防御…69
付1章 歯科衛生史の略史/70
I はじめに…70
II 歯科医療制度の確立と人手…71
III 歯科医療・歯科保健の高揚…73
IV アメリカにおける歯科衛生士の誕生…74
V 新潟県歯科医師会の歯科衛生手規定とライオン児童歯科院の口腔衛生婦養成…77
VI 保健所歯科の創設と歯科衛生士法の制度…82
VII 歯科診療所への進出と歯科衛生士法の改正…85
VIII 経済高度成長時期の歯科医療…85
IX 歯科界の新しい展開と歯科衛生士…87
付2章 外国の歯科医療・保健補助員/88
I はじめに…88
II アメリカにおける歯科衛生士…89
III その他の国の歯科衛生士…91
IV ニュージーランドの学校歯科看護婦…92
V オーストラリアの歯科治療士…93
VI アジア諸国の歯科治療士…94
VII 歯科助手の状況…94
資料
1.歯科衛生士法…95
2.付表 歯科衛生士養成機関の状況…103
参考図書…105
さくいん…107
2章 歯・口の健康と疾病・異常/4
I 健康とは…4
II 歯・口の健康…5
III おもな歯・口の疾病・異常…5
3章 歯科医療と歯科保健/9
I 健康と健康障害への3つの対応…9
II 医療・歯科医療…10
III 歯科保健指導…11
IV 公衆歯科衛生…11
4章 歯科医療保健を支えるもの/12
I 歯科医療の三要素…13
1.歯科医学…13
2.歯科医術…13
3.医の倫理…13
II 歯科医療の目標…14
1.歯および口腔の諸疾患の治療と予防…14
2.口腔生理機能の回復と保全…14
3.審美性の回復と改善…16
4.今後の課題…16
III 歯科医療の内容…16
1.診査と診断…17
2.治療計画と患者への内容提示…17
3.施術…17
4.後療法および定期観察…18
IV 歯科医療の特異性…18
1.取り扱う対象が他では類のない歯の硬組織であること…18
2.きわめて多種類の人工材料を使いこなす必要があること…18
3.一般的にきわめて精度の高い施術,手技が要求される…19
4.つねに審美性の回復または改善を考えなければならないこと…19
5.歯周組織の常在菌感染への対応…19
6.複雑な口腔周辺組織への対応…19
V 歯科医療の分野…20
1.歯および歯周組織の保存療法…20
2.歯の欠損および咬合回復療法(補綴療法)…22
3.外科的療法…22
4.歯列矯正治療…22
5.小児歯科治療…23
5章 歯科医療保健にたずさわる人/24
I 医療保健関係者の免許制度…24
II 歯科医療保健に関係する職種…25
III 歯科医師,医師…25
IV 薬剤師…26
V 歯科衛生士…26
VI 歯科技工士…27
VII 看護婦,准看護婦…27
VIII 保健婦…28
IX 診療放射線技師…28
X 栄養士…28
XI 歯科助手…29
XII 事務員…29
6章 歯科衛生士の役割/30
I 歯科衛生士の業務…30
1.歯科予防処置…30
2.歯科診療補助…31
3.歯科保健指導…33
II 歯科衛生士の活動場面での役割…34
1.診療室での役割…35
2.地域歯科保健現場での役割…37
III 責任と活動…38
IV 米国の歯科衛生士の活動と倫理規定…39
7章 歯科衛生士業務の発展/40
I 歯科衛生士の誕生以前…40
II 歯科衛生士制度の誕生…41
III 歯科診療所への進出・歯科衛生士法改正…42
1.2年制教育への移行…43
2.ふたたび歯科衛生士法改正…43
IV 歯科衛生士業務に関連の深い法律…44
8章 歯科衛生士にとくに必要な心構えと知識・技能/45
I 歯科衛生士に期待されるもの…45
1.信頼関係の保持…45
2.包括的な知識…46
3.的確な技能…46
4.チームワーク…46
II 歯科衛生士に求められる心構え(歯科衛生士の倫理)…46
III 歯科衛生士に必要な知識…48
1.一般的な健康と疾病異常についての知識…48
2.医療・保健・福祉のしくみについての知識…49
3.歯・口の構造と機能についての知識…49
4.歯・口の疾病異常の知識…50
5.歯科臨床の知識…50
6.歯科予防処置の知識…50
7.歯科診療補助の知識…51
8.歯科保健指導の知識…51
IV 歯科衛生士に必要な技能…51
1.歯科予防処置の技能…51
2.歯科診療補助の技能…52
3.歯科保健指導の技能…52
V 歯科衛生士に求められる協調性――チームワーク…53
9章 歯科衛生士の業務の展開/55
I 歯科衛生士の仕事の場…55
1.歯科診療所…55
2.病院…55
3.保健所,市町村保健センター…56
4.心身障害者歯科センター…56
II 仕事での心構え…57
1.身だしなみ…57
2.態度とことばづかい…57
III 職業人としての心構え…58
1.時間厳守…58
2.公私の区別をはっきりする…58
3.行動と反省…59
4.自己の健康管理…59
5.秘密の厳守…59
6.職務上の限界と自覚…59
IV 人との応対…59
1.患者の心理…59
2.患者応接法…60
V 観察と記録…61
1.観察記録の重要性…61
2.対象把握の方法…61
3.業務記録…61
4.記録の保管…66
VI 清掃と保全…66
1.清掃…66
2.器械・器具の管理…66
3.材料・薬品の保管・管理…66
4.準備と後かたづけ…67
VII 安全保持…67
1.感染の防止…67
2.偶発事故の防止…68
3.X線の防御…69
付1章 歯科衛生史の略史/70
I はじめに…70
II 歯科医療制度の確立と人手…71
III 歯科医療・歯科保健の高揚…73
IV アメリカにおける歯科衛生士の誕生…74
V 新潟県歯科医師会の歯科衛生手規定とライオン児童歯科院の口腔衛生婦養成…77
VI 保健所歯科の創設と歯科衛生士法の制度…82
VII 歯科診療所への進出と歯科衛生士法の改正…85
VIII 経済高度成長時期の歯科医療…85
IX 歯科界の新しい展開と歯科衛生士…87
付2章 外国の歯科医療・保健補助員/88
I はじめに…88
II アメリカにおける歯科衛生士…89
III その他の国の歯科衛生士…91
IV ニュージーランドの学校歯科看護婦…92
V オーストラリアの歯科治療士…93
VI アジア諸国の歯科治療士…94
VII 歯科助手の状況…94
資料
1.歯科衛生士法…95
2.付表 歯科衛生士養成機関の状況…103
参考図書…105
さくいん…107