はじめに
この本を手に取られた方のほとんどが, 「自分のスケーリングテクニックはこれで正しいのだろうか?」 「もっとテクニックを磨くために勉強したい!」 という向上心をもっていらっしゃると思います.そして同時に,テクニック習得の難しさを日々の臨床のなかで感じていることでしょう.著者も日本にいるころ,かなりインストルメンテーションのセミナーに足を運び,テクニックを学びましたが,アメリカに渡り入学した歯科衛生士学校では,テクニックその他を最初から学ぶことになりました.
もっとも,日本人とアメリカ人では顎の形,大きさ,歯列等,形態に差があるので,アメリカでのテクニックがすべて日本人に対して適当というわけではないことも事実です.
そういったことをふまえ,本書では著者が米国で4年間学んだ経験をもとに,マスターしておきたいスケーリングのテクニックをまとめました.スケーリングを効率よく行うためのプロービング,エキスプローリングテクニックおよび,その他の周辺知識もコンパクトに収載しています.写真等での説明も豊富にありますので,ぜひ実際に試してみてください.
内容は,序章スケーリングの概念の変化,1章プロービング,2章エキスプローリング,3章スケーラーについて,4章スケーラーの操作法,5章歯面研磨,6章疲れないスケーリングをするためのポジショニングの工夫,7章シャープニング,8章スケーリングの疲労に有効なストレッチ,9章歯科衛生士が知っておくべき3つのポイント,となっています.
医療の技術は日々進歩しています.歯科衛生士の関わる領域についても同様です.常に最新の情報を学ぶ一方で,基礎に立ち返る場面もあるかと思います.
この本が,みなさんの技術習得の一助となれば,たいへん幸いです.
2001年6月 加藤久子
スケーリングの概念の変化
ペリオドンタルデブライトメントって何ですか?
ペリオドンタルデブライトメントとは,歯冠・歯根の刺激物や病原性のバクテリアを除去し,歯肉炎や歯周炎の治療を行うことによって歯肉の維持と健康回復をはかることです.具体的には,歯周炎の原因である非付着性および付着性のプラークや歯石を除去する行為をいいます.この処置を行うことにより,歯肉縁下の細菌叢を変化させ,グラム陰性嫌気性桿菌の割合を減少させることができるので,歯周治療において大変重要です.
従来のルートプレーニングでは,非付着性および付着性プラークや歯石とともに,エンドトキシン(内毒素)が浸透しているとされたセメント質も除去してきました.そして根面が滑沢になるまでルートプレーニングを行ってきました.
それに対してペリオドンタルデブライトメントでは,歯冠部,歯根部,ポケット内の非付着性および付着性プラークや歯石を除去することにとどまり,セメント質は不必要に除去しません.
ペリオドンタルデブライトメントの直接的な処置内容は,次の3つになります.
(1)病原性プラークの除去(ディ・プラーキング)
(2)歯肉縁上の歯垢・歯石除去(スープラ・ジンジバル・デブライトメント)
(3)歯肉縁下の歯垢・歯石除去(サブ・ジンジバル・デブライトメント)
さらに(4)患者のホームケア,(5)抗生剤の投与も上記の処置に付随することです.また,2つにわけた場合は
a.クローズドデブライトメント(外科的処置を伴わないもの)
b.オープンデブライトメント(外科的処置を伴うもの)
という分類になります.
なぜ,今ペリオドンタルデブライトメントが必要とされているのですか?
従来,歯周疾患におかされた歯は,セメント質に10μm程度エンドトキシンが浸透するため,細菌による根面の汚染をなくすためには,ルートプレーニングによりセメント質を除去するべきだとされていました.JonesとO'learyの報告でもルートプレーニングにより根面を滑沢にすることでエンドトキシンは取り除かれるとしており,そのため,SRPによりいわゆる“ガラスのように根面を滑沢にする”ことが推奨されてきました.
しかし,1982年,エンドトキシンはセメント質には浸透していないということがNakibの研究結果によりわかってきました19).Nakibは,6mm以上のアタッチメント喪失がある歯牙20歯と,矯正のために抜歯した歯牙12歯を用いて研究を行いました.この研究は,計32の歯牙を洗浄し,スケーリングを行った後にエンドトキシン溶液に浸して浸透程度を調べたものです.その結果,エンドトキシンはセメント質には浸透しておらず,付着しているだけであるという驚くべき実験結果が出ました.
また,Mooreの研究報告では,2人の男性の単根歯9歯を使用して実験を行いました18).この9歯は,(1)X線写真で30%以上の骨吸収が観察された,(2)実験前12カ月間は,スケーリング,ルートプレーニング,ポリッシングを行っていない,(3)実験前2年間は歯周外科治療を行っていない,(3)根面に齲蝕がないなどの条件を満たしたものです.
実験結果は,根面をやさしく軽く1分間水洗しただけで,39%のエンドトキシンが除去でき,ゆっくり回転するポリッシングブラシで1分間歯面研磨したところ,60%のエンドトキシンが除去できたと報告しています.99%のエンドトキシンが,やさしい,軽いポリッシングで除去できることがわかり,エンドトキシンは根面に付着しているだけで浸透はしていないことが証明されました.そして,ガラスのように滑沢になるまでルートプレーニングを行う必要がないことが考察されました.
これらのことから,米国ではかなり前から根面が滑沢になるまでインストゥルメンテーションを行う必要はないとされてきました.根面が滑沢になるまでルートプレーニングを行うことはオーバーインストゥルメントであり,その結果として歯周組織の損傷や知覚過敏また,歯髄炎を誘発することもわかりました.つまり,セメント質を不必要に除去する必要はないということです.
今まで,炎症を起こす物質を除去するためにルートプレーニングを行ってきましたが,この弊害が明らかになり,それに代わる処置として,現在では歯周組織の健康と回復を目的とする「ペリオドンタルデブライトメント」という考え方が浸透してきています.
そのなかで,以前はルートプレーニングとよばれた処置は,根面を滑沢にしない処置という意味を含めて“ルートサーフェイスデブライトメント”とよばれるようになりました.
以上のようにスケーリングの概念は変遷してきていますがこの本では,用語として浸透している「スケーリング」を統一的に使用することにします.
以前:ルートプレーニング(Root Planing)
エンドトキシンが根面セメント質まで浸透していると考えられていたため,根面がガラスのように滑沢になるまでルートプレーニングを行う.
↓
現在:ルートサーフェイスデブライトメント(Root surface debrighdement)
エンドトキシンは根面に付着しているだけなので,根面を滑沢にする必要はない.
セメント質を意識的に残すため,知覚過敏や歯髄炎を引き起こすことが少ないというメリットがある.
この本を手に取られた方のほとんどが, 「自分のスケーリングテクニックはこれで正しいのだろうか?」 「もっとテクニックを磨くために勉強したい!」 という向上心をもっていらっしゃると思います.そして同時に,テクニック習得の難しさを日々の臨床のなかで感じていることでしょう.著者も日本にいるころ,かなりインストルメンテーションのセミナーに足を運び,テクニックを学びましたが,アメリカに渡り入学した歯科衛生士学校では,テクニックその他を最初から学ぶことになりました.
もっとも,日本人とアメリカ人では顎の形,大きさ,歯列等,形態に差があるので,アメリカでのテクニックがすべて日本人に対して適当というわけではないことも事実です.
そういったことをふまえ,本書では著者が米国で4年間学んだ経験をもとに,マスターしておきたいスケーリングのテクニックをまとめました.スケーリングを効率よく行うためのプロービング,エキスプローリングテクニックおよび,その他の周辺知識もコンパクトに収載しています.写真等での説明も豊富にありますので,ぜひ実際に試してみてください.
内容は,序章スケーリングの概念の変化,1章プロービング,2章エキスプローリング,3章スケーラーについて,4章スケーラーの操作法,5章歯面研磨,6章疲れないスケーリングをするためのポジショニングの工夫,7章シャープニング,8章スケーリングの疲労に有効なストレッチ,9章歯科衛生士が知っておくべき3つのポイント,となっています.
医療の技術は日々進歩しています.歯科衛生士の関わる領域についても同様です.常に最新の情報を学ぶ一方で,基礎に立ち返る場面もあるかと思います.
この本が,みなさんの技術習得の一助となれば,たいへん幸いです.
2001年6月 加藤久子
スケーリングの概念の変化
ペリオドンタルデブライトメントって何ですか?
ペリオドンタルデブライトメントとは,歯冠・歯根の刺激物や病原性のバクテリアを除去し,歯肉炎や歯周炎の治療を行うことによって歯肉の維持と健康回復をはかることです.具体的には,歯周炎の原因である非付着性および付着性のプラークや歯石を除去する行為をいいます.この処置を行うことにより,歯肉縁下の細菌叢を変化させ,グラム陰性嫌気性桿菌の割合を減少させることができるので,歯周治療において大変重要です.
従来のルートプレーニングでは,非付着性および付着性プラークや歯石とともに,エンドトキシン(内毒素)が浸透しているとされたセメント質も除去してきました.そして根面が滑沢になるまでルートプレーニングを行ってきました.
それに対してペリオドンタルデブライトメントでは,歯冠部,歯根部,ポケット内の非付着性および付着性プラークや歯石を除去することにとどまり,セメント質は不必要に除去しません.
ペリオドンタルデブライトメントの直接的な処置内容は,次の3つになります.
(1)病原性プラークの除去(ディ・プラーキング)
(2)歯肉縁上の歯垢・歯石除去(スープラ・ジンジバル・デブライトメント)
(3)歯肉縁下の歯垢・歯石除去(サブ・ジンジバル・デブライトメント)
さらに(4)患者のホームケア,(5)抗生剤の投与も上記の処置に付随することです.また,2つにわけた場合は
a.クローズドデブライトメント(外科的処置を伴わないもの)
b.オープンデブライトメント(外科的処置を伴うもの)
という分類になります.
なぜ,今ペリオドンタルデブライトメントが必要とされているのですか?
従来,歯周疾患におかされた歯は,セメント質に10μm程度エンドトキシンが浸透するため,細菌による根面の汚染をなくすためには,ルートプレーニングによりセメント質を除去するべきだとされていました.JonesとO'learyの報告でもルートプレーニングにより根面を滑沢にすることでエンドトキシンは取り除かれるとしており,そのため,SRPによりいわゆる“ガラスのように根面を滑沢にする”ことが推奨されてきました.
しかし,1982年,エンドトキシンはセメント質には浸透していないということがNakibの研究結果によりわかってきました19).Nakibは,6mm以上のアタッチメント喪失がある歯牙20歯と,矯正のために抜歯した歯牙12歯を用いて研究を行いました.この研究は,計32の歯牙を洗浄し,スケーリングを行った後にエンドトキシン溶液に浸して浸透程度を調べたものです.その結果,エンドトキシンはセメント質には浸透しておらず,付着しているだけであるという驚くべき実験結果が出ました.
また,Mooreの研究報告では,2人の男性の単根歯9歯を使用して実験を行いました18).この9歯は,(1)X線写真で30%以上の骨吸収が観察された,(2)実験前12カ月間は,スケーリング,ルートプレーニング,ポリッシングを行っていない,(3)実験前2年間は歯周外科治療を行っていない,(3)根面に齲蝕がないなどの条件を満たしたものです.
実験結果は,根面をやさしく軽く1分間水洗しただけで,39%のエンドトキシンが除去でき,ゆっくり回転するポリッシングブラシで1分間歯面研磨したところ,60%のエンドトキシンが除去できたと報告しています.99%のエンドトキシンが,やさしい,軽いポリッシングで除去できることがわかり,エンドトキシンは根面に付着しているだけで浸透はしていないことが証明されました.そして,ガラスのように滑沢になるまでルートプレーニングを行う必要がないことが考察されました.
これらのことから,米国ではかなり前から根面が滑沢になるまでインストゥルメンテーションを行う必要はないとされてきました.根面が滑沢になるまでルートプレーニングを行うことはオーバーインストゥルメントであり,その結果として歯周組織の損傷や知覚過敏また,歯髄炎を誘発することもわかりました.つまり,セメント質を不必要に除去する必要はないということです.
今まで,炎症を起こす物質を除去するためにルートプレーニングを行ってきましたが,この弊害が明らかになり,それに代わる処置として,現在では歯周組織の健康と回復を目的とする「ペリオドンタルデブライトメント」という考え方が浸透してきています.
そのなかで,以前はルートプレーニングとよばれた処置は,根面を滑沢にしない処置という意味を含めて“ルートサーフェイスデブライトメント”とよばれるようになりました.
以上のようにスケーリングの概念は変遷してきていますがこの本では,用語として浸透している「スケーリング」を統一的に使用することにします.
以前:ルートプレーニング(Root Planing)
エンドトキシンが根面セメント質まで浸透していると考えられていたため,根面がガラスのように滑沢になるまでルートプレーニングを行う.
↓
現在:ルートサーフェイスデブライトメント(Root surface debrighdement)
エンドトキシンは根面に付着しているだけなので,根面を滑沢にする必要はない.
セメント質を意識的に残すため,知覚過敏や歯髄炎を引き起こすことが少ないというメリットがある.
序章 スケーリングの概念の変化
◇ペリオドンタルデブライトメントって何ですか?
◇なぜ,今ペリオドンタルデブライトメントが必要とされているのですか?
1章 プロービング
■プロービングの基礎知識
◇なぜプロービングを行うか
◇プロービングからつかまなくてはならないことは?
1.プロービング時のチェックポイント
2.プロービングの時期
◇プローブの特徴
1.プローブの種類
2.プローブの選び方――細いものが望ましい
■正確なプロービング値を得るために
◇歯根の形を知っておく
1.正常な歯根の形
2.歯根の形の異常
◇プロービングの実際
1.プローブの操作方法
2.プロービングの測定値に影響を与える因子
3.インプラントのプロービング
4.部位と固定点の取り方の例
■プロービングによる歯周評価
◇まず歯と歯周組織の関係を知っておく
1.健康な歯肉と病的な歯肉を見わけよう
2.特に気をつけたい歯肉の形態異常
◇歯周評価のポイント
1.付着歯肉の幅について
2.根分岐部の診査について
3.動揺度について
4.咬合検査について
■X線写真で確認すること
◇X線写真からどのようなことがわかるのか
1.歯ごとにみる,徴候ごとにみる
2.何をよみとるのか
3.よみとる訓練
4.X線写真の失敗例
2章 エキスプローリング
■エキスプローリング
◇なぜエキスプローリングなのか?
◇歯石はどこに形成される?
1.どこに形成されるか
2.歯石の特徴
◇エキスプローラーで歯石探知のエキスパートに
1.歯石探知はプローブでなくエキスプローラーで
2.エキスプローリングにおける触感
3.エキスプローラーの種類
4.エキスプローラーを的確に操作するために
3章 スケーラーについて
■スケーリングを成功させるために
◇ポジショニングの工夫
◇スケーラーについて
◇器具の選択の例
■シックルスケーラー
◇使用目的
◇特徴
◇種類
■キュレットスケーラー
◇使用目的
◇特徴
1.ユニバーサルタイプの特徴
2.グレーシータイプの特徴
◇種類
■改良型のスケーラー
◇使用目的
◇人気のあるスケーラー
1.ミニファイブ,アフターファイブ
2.グレーシーカーベット
3.グレーシーキュレット15-16,17-18
4.インプラント用プラスチック製スケーラー
5.Thin Tip■
6.モーススケーラー
7.臼歯用のシックルスケーラー
8.シュワルツペリオトリバー
◇ハンドルの太さとシャンク,刃部の違い
◇カッティングエッジの見わけ方
4章 スケーラーの操作法
■スケーラーの持ち方について
◇正しく器具を持つことの利点
◇執筆状変法把持法(モディファイドペングラスプ法)
■固定点の取り方
◇口腔内固定法
◇口腔外固定法
◇補強固定法
■把持〜挿入
◇挿入方法
◇ストローク1-垂直方向のストローク
◇ストローク2-斜め方向のストローク
◇ストローク3-水平方向のストローク
◇歯面に対する刃部のあて方
■手の動かし方の基本
◇手首の前腕運動
1.手首の前腕運動(おもに臼歯部)
2.屈伸運動
■基本の動作―(ex.下顎前歯部舌側)
◇適したスケーラーとレストの取り方
◇手の動かし方―まずスケーリング
◇エキスプローラーで残存歯石の確認
■部位別スケーリング―困難な部位の克服
◇2根の歯のスケーリング-上顎(ex.上顎第一小臼歯)
1.適したスケーラーとレストの取り方
2.くぼみに沿った状態とは
3.スケーリングの順番
◇3根の歯のスケーリング(ex.上顎第一大臼歯)
1.適したスケーラー
2.歯根の形を頭にいれる
3.スケーリングの順番
◇2根の歯のスケーリング-下顎(ex.下顎第二大臼歯)
1.適したスケーラー
2.スケーリングの順番
◇根分岐部のスケーリング(ex.上顎第一大臼歯)
1.適したスケーラー
2.根分岐部の位置と形態の理解
3.スケーリングの順番
5章 歯面研磨
■歯面研磨
◇歯面研磨の目的は?
◇色素沈着物について
1.内在性色素沈着物
2.外来性色素沈着物
◇歯面研磨が歯に与える影響
◇歯面研磨の禁忌
◇歯面研磨剤
◇歯面研磨の正しい行い方
1.モーターエンジンによる歯面研磨
2.エアブレイシブ
6章 疲れないスケーリングをするためのポジショニングの工夫
■術者のポジショニング
◇スケーリング中に首や肩が痛めないために
◇基本姿勢(中立のポジション)
1.チェアに座るときの注意
2.バイオメカニックス・アプローチ
◇バイオメカニックス理論に基づいた実際例
1.チェアについて
2.服装
コラム:胸郭出口症候群(TOS)
■患者のポジショニング
◇バイオメカニックス理論に基づいた実際例
◇緊急時の対処法
■患者と術者の理想的なポジション関係
◇なぜ両者の関係が大切か
◇バイオメカニックス理論に基づいた実際例
1.術者立位
2.術者と患者の距離
3.レストの取り方
7章 シャープニング
■シャープニング
◇切れないスケーラーを使うとどうなるか
◇いつシャープニングをするか
◇スケーラーの原形を知っておく
◇シャープニングのポイント
◇シャープニングのテクニック
1.器具の持ち方
2.シャープニングの手順
◇鋭さを評価する
◇エキスプローラー・超音波スケーラーのシャープニング
◇シャープニングの難しさ
◇砥石と潤滑剤
◇スケーラーの材質
8章 スケーリングの疲労に有効なストレッチ
■スケーリングの疲労に有効なストレッチ
◇ストレッチをする前に
1.ポイント
2.注意事項
◇診療室で行えるストレッチ
◇手と指のウォームアップエクササイズ
コラム:CTS(手根管〔圧迫〕症候群)
9章 歯科衛生士が知っておくべき3つのポイント
■X線写真撮影
◇X線写真について歯科衛生士が知っておくべきことは?
1.フィルムセッティング
2.照射
3.現像
4.放射線防護
■感染予防(インフェクションコントロール)
◇感染予防とは
◇患者から患者への感染を防ぐ
◇術者を守る感染予防
1.体の中からの防護
2.体の外からの防護
◇スタッフを守る感染予防
◇器具の滅菌
■インフォームド・コンセント
◇インフォームド・コンセントとは
◇インフォームド・コンセントの要件
◇クリニックにおける実際例―米国では
参考文献
索引
かとうひさこの一口話
(1) テンプスタッフ(派遣歯科衛生士業)で働いて(1)-1日に10人,初めての患者に対応するヒケツ-
(2) 有病者への対応
(3) あなたのPHI値はいくつ?
(4) 「どうして執筆状変法」なの?
(5) 歯科医師との連携の難しさ
(6) テンプスタッフ(派遣歯科衛生士業)で働いて(2)-良かったこと悪かったこと-
(7) 舌ピアス
(8) インフォームド・コンセント
◇ペリオドンタルデブライトメントって何ですか?
◇なぜ,今ペリオドンタルデブライトメントが必要とされているのですか?
1章 プロービング
■プロービングの基礎知識
◇なぜプロービングを行うか
◇プロービングからつかまなくてはならないことは?
1.プロービング時のチェックポイント
2.プロービングの時期
◇プローブの特徴
1.プローブの種類
2.プローブの選び方――細いものが望ましい
■正確なプロービング値を得るために
◇歯根の形を知っておく
1.正常な歯根の形
2.歯根の形の異常
◇プロービングの実際
1.プローブの操作方法
2.プロービングの測定値に影響を与える因子
3.インプラントのプロービング
4.部位と固定点の取り方の例
■プロービングによる歯周評価
◇まず歯と歯周組織の関係を知っておく
1.健康な歯肉と病的な歯肉を見わけよう
2.特に気をつけたい歯肉の形態異常
◇歯周評価のポイント
1.付着歯肉の幅について
2.根分岐部の診査について
3.動揺度について
4.咬合検査について
■X線写真で確認すること
◇X線写真からどのようなことがわかるのか
1.歯ごとにみる,徴候ごとにみる
2.何をよみとるのか
3.よみとる訓練
4.X線写真の失敗例
2章 エキスプローリング
■エキスプローリング
◇なぜエキスプローリングなのか?
◇歯石はどこに形成される?
1.どこに形成されるか
2.歯石の特徴
◇エキスプローラーで歯石探知のエキスパートに
1.歯石探知はプローブでなくエキスプローラーで
2.エキスプローリングにおける触感
3.エキスプローラーの種類
4.エキスプローラーを的確に操作するために
3章 スケーラーについて
■スケーリングを成功させるために
◇ポジショニングの工夫
◇スケーラーについて
◇器具の選択の例
■シックルスケーラー
◇使用目的
◇特徴
◇種類
■キュレットスケーラー
◇使用目的
◇特徴
1.ユニバーサルタイプの特徴
2.グレーシータイプの特徴
◇種類
■改良型のスケーラー
◇使用目的
◇人気のあるスケーラー
1.ミニファイブ,アフターファイブ
2.グレーシーカーベット
3.グレーシーキュレット15-16,17-18
4.インプラント用プラスチック製スケーラー
5.Thin Tip■
6.モーススケーラー
7.臼歯用のシックルスケーラー
8.シュワルツペリオトリバー
◇ハンドルの太さとシャンク,刃部の違い
◇カッティングエッジの見わけ方
4章 スケーラーの操作法
■スケーラーの持ち方について
◇正しく器具を持つことの利点
◇執筆状変法把持法(モディファイドペングラスプ法)
■固定点の取り方
◇口腔内固定法
◇口腔外固定法
◇補強固定法
■把持〜挿入
◇挿入方法
◇ストローク1-垂直方向のストローク
◇ストローク2-斜め方向のストローク
◇ストローク3-水平方向のストローク
◇歯面に対する刃部のあて方
■手の動かし方の基本
◇手首の前腕運動
1.手首の前腕運動(おもに臼歯部)
2.屈伸運動
■基本の動作―(ex.下顎前歯部舌側)
◇適したスケーラーとレストの取り方
◇手の動かし方―まずスケーリング
◇エキスプローラーで残存歯石の確認
■部位別スケーリング―困難な部位の克服
◇2根の歯のスケーリング-上顎(ex.上顎第一小臼歯)
1.適したスケーラーとレストの取り方
2.くぼみに沿った状態とは
3.スケーリングの順番
◇3根の歯のスケーリング(ex.上顎第一大臼歯)
1.適したスケーラー
2.歯根の形を頭にいれる
3.スケーリングの順番
◇2根の歯のスケーリング-下顎(ex.下顎第二大臼歯)
1.適したスケーラー
2.スケーリングの順番
◇根分岐部のスケーリング(ex.上顎第一大臼歯)
1.適したスケーラー
2.根分岐部の位置と形態の理解
3.スケーリングの順番
5章 歯面研磨
■歯面研磨
◇歯面研磨の目的は?
◇色素沈着物について
1.内在性色素沈着物
2.外来性色素沈着物
◇歯面研磨が歯に与える影響
◇歯面研磨の禁忌
◇歯面研磨剤
◇歯面研磨の正しい行い方
1.モーターエンジンによる歯面研磨
2.エアブレイシブ
6章 疲れないスケーリングをするためのポジショニングの工夫
■術者のポジショニング
◇スケーリング中に首や肩が痛めないために
◇基本姿勢(中立のポジション)
1.チェアに座るときの注意
2.バイオメカニックス・アプローチ
◇バイオメカニックス理論に基づいた実際例
1.チェアについて
2.服装
コラム:胸郭出口症候群(TOS)
■患者のポジショニング
◇バイオメカニックス理論に基づいた実際例
◇緊急時の対処法
■患者と術者の理想的なポジション関係
◇なぜ両者の関係が大切か
◇バイオメカニックス理論に基づいた実際例
1.術者立位
2.術者と患者の距離
3.レストの取り方
7章 シャープニング
■シャープニング
◇切れないスケーラーを使うとどうなるか
◇いつシャープニングをするか
◇スケーラーの原形を知っておく
◇シャープニングのポイント
◇シャープニングのテクニック
1.器具の持ち方
2.シャープニングの手順
◇鋭さを評価する
◇エキスプローラー・超音波スケーラーのシャープニング
◇シャープニングの難しさ
◇砥石と潤滑剤
◇スケーラーの材質
8章 スケーリングの疲労に有効なストレッチ
■スケーリングの疲労に有効なストレッチ
◇ストレッチをする前に
1.ポイント
2.注意事項
◇診療室で行えるストレッチ
◇手と指のウォームアップエクササイズ
コラム:CTS(手根管〔圧迫〕症候群)
9章 歯科衛生士が知っておくべき3つのポイント
■X線写真撮影
◇X線写真について歯科衛生士が知っておくべきことは?
1.フィルムセッティング
2.照射
3.現像
4.放射線防護
■感染予防(インフェクションコントロール)
◇感染予防とは
◇患者から患者への感染を防ぐ
◇術者を守る感染予防
1.体の中からの防護
2.体の外からの防護
◇スタッフを守る感染予防
◇器具の滅菌
■インフォームド・コンセント
◇インフォームド・コンセントとは
◇インフォームド・コンセントの要件
◇クリニックにおける実際例―米国では
参考文献
索引
かとうひさこの一口話
(1) テンプスタッフ(派遣歯科衛生士業)で働いて(1)-1日に10人,初めての患者に対応するヒケツ-
(2) 有病者への対応
(3) あなたのPHI値はいくつ?
(4) 「どうして執筆状変法」なの?
(5) 歯科医師との連携の難しさ
(6) テンプスタッフ(派遣歯科衛生士業)で働いて(2)-良かったこと悪かったこと-
(7) 舌ピアス
(8) インフォームド・コンセント