序文
SDPシリーズ1「歯をまもる」では,1本1本の歯について,その歯髄を,その歯質を,そして歯そのものをどのように守るのか,各ステージにおける診断と処置と術後管理の実際が,検査や具体的術式とともに示された.本書は,これに続くSDPシリーズ2として,歯が抜歯のやむなきに至り,そこに生じた歯列の欠損をどのように修復するかをテーマとしている.生じてしまった歯列の綻びを,お互いの自助努力でカバーし,再び完全な歯列として回復することを目指す従来の方向性とともに,欠損は欠損として受け容れ,機能や口腔や患者さんの生活の視点から欠損をとらえる新しい方向性も示されている.そして,これら2つの方向性の共通項が「歯列をまもる」である.
このシリーズは,さらに欠損が進行した場合のSDPシリーズ3「多数歯欠損,無歯顎の機能を回復する」に続くはずである.この観点からは,少数歯欠損を対象とする本書は,1本の歯,少数歯の欠損,多数歯の欠損,無歯顎へと続く大きな流れのなかの一道程といえるかもしれない.しかし,歯科臨床を取り巻く多くの変化,とりわけ口腔清掃環境の改善,歯髄保存の可能性の拡大,歯科器材の質の向上は,少数歯欠損を単なる一道程でなく,歯列の最終ステージと位置づけることの妥当性を示しつつあるように思われる.
これを楽観的にすぎると思われる方も多いことであろう.6年ごとに全国的に実施されている歯科疾患実態調査(平成11年)では,80歳の方々の現有歯数は平均8.21本であり,平成元年から始まった8020運動の達成者はわずかに15.25%であるとしているからである.しかし,もう少し詳しく見ると,20歯以上保有している人の割合は,50〜54歳で84.3%,60〜64歳で64.9%,70〜74歳で31.9%で,6年前の同じ調査と比べると,それぞれ6.4%,24.0%,6.4%改善されている.特に,60〜64歳での改善が著しい.この大きな状況の変化は,上記の最終ステージとしての少数歯欠損の可能性を示唆するものであり,New Elderlyと呼ばれる新しい高齢者群の出現を予感させるものでもある.そこでは,クラウンやブリッジによる修復が大きな役割を演じることになるであろう.
本書には,これらを現実のものとするための多くの考え方,術式が紹介されている.すなわち,1章では,少数歯欠損をできるかぎり広い視野でとらえる必要性が,欠損していても放置して経過を観察すべき症例などを含めて詳細に解説されている.また2章では,修復処置に入る前に必要な術前の診査・診断・処置について,インフォームド・コンセントを含めて記載されている.さらに3章では,修復法を決定する際に考慮すべき事項が実例を交えて紹介されている.とりわけプロビジョナル・レストレーション利用の実際が有用であろう.4章では,クラウン・ブリッジの基本テクニックが,接着ブリッジやMTMを含めて取り上げてある.5章では,とびとびの欠損やガイド歯の欠損などの臨床的に困難な状況をどのように解決すべきかのガイドラインが示されている.6章では,欠損の新しい解決法であるインプラントと移植について,通常のクラウン・ブリッジ術式と対比しながら症例が紹介されている.最後に7章では,術後管理やトラブルへの対応や再修復の際の判断基準などが追究されている.
疫学的な臨床研究は,私たちが製作するクラウンやブリッジの平均寿命が必ずしも十分でないことを指摘している.生体に人工物を装着し,そこに命を吹き込むことがいかに困難な,そして意義深いことであるかを自覚して,慎重にことを進めるべきことが求められている.そのために,本書が少しでもお役に立つならば,編者として大きな喜びである.
2003年7月7日
福島俊士,安田 登,榎本一彦
SDPシリーズ1「歯をまもる」では,1本1本の歯について,その歯髄を,その歯質を,そして歯そのものをどのように守るのか,各ステージにおける診断と処置と術後管理の実際が,検査や具体的術式とともに示された.本書は,これに続くSDPシリーズ2として,歯が抜歯のやむなきに至り,そこに生じた歯列の欠損をどのように修復するかをテーマとしている.生じてしまった歯列の綻びを,お互いの自助努力でカバーし,再び完全な歯列として回復することを目指す従来の方向性とともに,欠損は欠損として受け容れ,機能や口腔や患者さんの生活の視点から欠損をとらえる新しい方向性も示されている.そして,これら2つの方向性の共通項が「歯列をまもる」である.
このシリーズは,さらに欠損が進行した場合のSDPシリーズ3「多数歯欠損,無歯顎の機能を回復する」に続くはずである.この観点からは,少数歯欠損を対象とする本書は,1本の歯,少数歯の欠損,多数歯の欠損,無歯顎へと続く大きな流れのなかの一道程といえるかもしれない.しかし,歯科臨床を取り巻く多くの変化,とりわけ口腔清掃環境の改善,歯髄保存の可能性の拡大,歯科器材の質の向上は,少数歯欠損を単なる一道程でなく,歯列の最終ステージと位置づけることの妥当性を示しつつあるように思われる.
これを楽観的にすぎると思われる方も多いことであろう.6年ごとに全国的に実施されている歯科疾患実態調査(平成11年)では,80歳の方々の現有歯数は平均8.21本であり,平成元年から始まった8020運動の達成者はわずかに15.25%であるとしているからである.しかし,もう少し詳しく見ると,20歯以上保有している人の割合は,50〜54歳で84.3%,60〜64歳で64.9%,70〜74歳で31.9%で,6年前の同じ調査と比べると,それぞれ6.4%,24.0%,6.4%改善されている.特に,60〜64歳での改善が著しい.この大きな状況の変化は,上記の最終ステージとしての少数歯欠損の可能性を示唆するものであり,New Elderlyと呼ばれる新しい高齢者群の出現を予感させるものでもある.そこでは,クラウンやブリッジによる修復が大きな役割を演じることになるであろう.
本書には,これらを現実のものとするための多くの考え方,術式が紹介されている.すなわち,1章では,少数歯欠損をできるかぎり広い視野でとらえる必要性が,欠損していても放置して経過を観察すべき症例などを含めて詳細に解説されている.また2章では,修復処置に入る前に必要な術前の診査・診断・処置について,インフォームド・コンセントを含めて記載されている.さらに3章では,修復法を決定する際に考慮すべき事項が実例を交えて紹介されている.とりわけプロビジョナル・レストレーション利用の実際が有用であろう.4章では,クラウン・ブリッジの基本テクニックが,接着ブリッジやMTMを含めて取り上げてある.5章では,とびとびの欠損やガイド歯の欠損などの臨床的に困難な状況をどのように解決すべきかのガイドラインが示されている.6章では,欠損の新しい解決法であるインプラントと移植について,通常のクラウン・ブリッジ術式と対比しながら症例が紹介されている.最後に7章では,術後管理やトラブルへの対応や再修復の際の判断基準などが追究されている.
疫学的な臨床研究は,私たちが製作するクラウンやブリッジの平均寿命が必ずしも十分でないことを指摘している.生体に人工物を装着し,そこに命を吹き込むことがいかに困難な,そして意義深いことであるかを自覚して,慎重にことを進めるべきことが求められている.そのために,本書が少しでもお役に立つならば,編者として大きな喜びである.
2003年7月7日
福島俊士,安田 登,榎本一彦
1章 少数歯欠損歯列のとらえ方
1 歯の欠損―疾病,障害
1.「処置」にウエイトがかかりすぎた反省
2.患者が自分で健康を考える医療に/(安田 登)
2 欠損の原因となるもの
口腔内環境と疾病の傾向/(安田 登)
3 欠損による障害
1.障害の程度の把握
2.欠損による二次的障害,三次的障害
3.障害の回復への考え方/(安田 登)
4 放置した場合の問題点
1.歯列弓の変化
2.咬合平面の乱れ
3.顎位の変化
4.欠損の拡大
5.偏側咀嚼の影響/(榎本一彦)
5 処置介入への考え方
1.基本的治療と処置介入
2.年齢を考慮した考え
3.欠損部位による考え方/(榎本一彦)
4.患者さんの特性を考慮した処置
5.既存の補綴装置への配慮
6.悪習癖の疑いがある場合
7.処置によるデメリット/(福島俊士)
2章 少数歯欠損歯列における術前の診査・診断と処置
1 主訴を聞く―インフォームド・コンセント
1.主訴とはなりにくい少数歯欠損歯列
2.少数歯欠損歯列は抜歯後の後遺症
3.インフォームド・コンセントの難しさ
4.歯科医の技量,自己研鑽の必要性
おわりに/(佐々木 勉)
2 プラークコントロールの確立
1.少数歯欠損歯列との出会いとその意味
2.治療の進め方と欠損歯列
3.モチベーションの実際
4.プラークコントロール確立の困難性
(佐々木 勉)
3 少数歯欠損の診断と前処置
1.歯周組織
2.残存歯/(佐々木 勉)
3.顎堤
4.欠損形態
5.偏側咀嚼への影響/(石橋寛二,古川良俊)
6.咬合の診査法,下顎位の診査/(石橋寛二,鈴木卓哉)
7.咬合異常の診断と処置/(石橋寛二,藤澤政紀)
3章 修復法決定の要因となるもの
1 口腔内の状況
1.口腔清掃状態
2.支台歯が有髄か無髄か
3.欠損部位
4.欠損の大きさ
5.欠損の分布状態
6.歯周組織の状態
7.顎堤の形態/(中村善治,福島俊士)
2 ブリッジの形態と修復材料
1.部分被覆支台と全部被覆支台
2.固定性からみたブリッジの分類
3.支台装置および材料の種類
4.ポンティックの形態と材料
(今井敬晴,福島俊士)
3 プロビジョナル・レストレーションの有効な利用
1.修復方法が直ちに決まらないケース
2.力のコントロール(機能力の分析)
3.清掃性への配慮(歯周組織との調和)
4.社会心理学的要求(特に審美的要求)/(谷田部 優)
4 パーシャル・デンチャーが選択されるとき
1.昔と今
2.鋳造冠以前(1965年以前)の冠・ブリッジ・小義歯の経過
3.鋳造冠時代になってからの冠・ブリッジ・小義歯の経過
4.今のところ,生涯1回の修復ではすまない
5.その経験は再製作を予定した修復処置をめざす
6.社会も歯科医療も加齢変化を診査に加えざるをえなくなってきている
7.現在の対応を考える
8.少数歯欠損修復の方法と経過の予測
9.よい顎堤を次の修復のために残すには
10.口腔機能は歯列を中心に機能している――その機能を維持するために修復処置が行われる
11.よい口腔機能を生涯維持するためには,少数歯欠損のときからよい顎堤をめざして小義歯の積極的利用を/(染谷成一郎)
4章 クラウン・ブリッジの技術
(1) クラウン・ブリッジの製作
1 前歯部の審美的クラウン・ブリッジの製作
はじめに
1.前歯部における歯周組織マネージメント
2.歯肉縁下の歯周組織構造
3.生物学的幅径
4.プロビジョナル・レストレーション
5.支台歯形成
6.歯肉圧排
7.シェード・テイキング
おわりに/(田中秀樹)
2 臼歯部
1.全体的な口腔内の状態
2.治療計画
3.経過および処置内容
おわりに/(白石和仁)
3 歯科技工士との連携
1.咬合に関しての共通認識
2.めざすべき補綴イメージの確認
3.お互いの守備範囲/(榎本一彦)
(2) 接着ブリッジ
1.接着ブリッジの歴史
2.接着ブリッジの信頼性
3.接着ブリッジの適応症
4.接着ブリッジの設計要件
5.貴金属接着用プライマー
6.接着性レジンセメントの選択
7.接着ブリッジの臨床例
おわりに/(中村光夫,松村英雄)
(3) MTMの臨床テクニック
1.MTMを始めるにあたって
2.MTMの適応症
3.臨床例
(福本恵吾)
5章 比較的困難な症例をどう解決するか
1 隣り合った複数の欠損(とびとびの欠損)
1.処置するにあたり注意すべきこと
2.症例/(藤村三良)
2 ガイド歯の欠損
はじめに
症例/(大坪青史)
3 支台歯の平行性がとりにくい症例
1.形成の原則
2.平行性がとりにくいことにより生じる問題点
3.平行性がとりにくい状態とは
4.補綴での解決方法
5.MTMによる解決方法
6.その他の解決方法/(河津千尋)
4 76欠損に 543支台のコーヌス義歯で対応した症例の術後経過と反省
1.補綴に至るまでの経緯
2.術後経過
3.反省と考察
(北浦利明)
5 咬合の再建を必要とするケース
症例
まとめ/(小林茂之)
6 ブリッジの限界とパーシャル・デンチャー
はじめに
1.症例の概要
2.インプラントの選択肢
3.症例の経過
4.症例を振り返って/(斎藤純一)
6章 少数歯欠損歯列におけるインプラントと移植
1 インプラント
はじめに
1.インプラント治療の特徴
2.インプラント治療における診査・診断
3.インプラント治療の臨床例
4.メインテナンス
おわりに/(横山隆道)
2 移植
1.少数歯欠損における自家歯牙移植
2.術式について/(新井俊樹)
7章 少数歯欠損歯列修復のメインテナンス
1 メインテナンスの意義・定期検診システムの構築
1.メインテナンスの意義
2.定期検診システムの構築/(眞田浩一)
2 何を診るのか
1.定期検診時の診査
2.欠損補綴方法とメインテナンスにおける留意点/(眞田浩一)
3 トラブルへの対応(予測と見つけ方)
1.プラークコントロール
2.フォース・コントロール
3.症例
4.トラブルとその原因/(菅野博康)
4 再修復の判断
(菅野博康)
索引
discussion 少数歯欠損にどのように対応するか
<ディスカッサー>河津千尋 小林茂之 斎藤純一 藤村三良
<コメンテーター>榎本一彦 安田 登 福島俊士(司会)
Section1 処置介入をするかしないか
−歯科医の思いと患者の思いをめぐって−
ディスカッションのねらい 一次的障害,二次的障害に対する歯科医と患者の思い 処置介入をするかしないか
Section2 処置のあれこれ
6,7欠損と短縮歯列 接着ブリッジ,保持力のバランス 4番,6番欠損,キー・アンド・キーウェイ とびとび欠損,キー・アンド・キーウェイ キー・アンド・キーウェイの注意点 MTM
Section3 少数歯欠損から周囲をうかがう
ワン・ピースの大型修復物か,分けるか プロビジョナル,仮着の意味 ブリッジかパーシャル・デンチャーか 移植,インプラント 歯列を守る
1 歯の欠損―疾病,障害
1.「処置」にウエイトがかかりすぎた反省
2.患者が自分で健康を考える医療に/(安田 登)
2 欠損の原因となるもの
口腔内環境と疾病の傾向/(安田 登)
3 欠損による障害
1.障害の程度の把握
2.欠損による二次的障害,三次的障害
3.障害の回復への考え方/(安田 登)
4 放置した場合の問題点
1.歯列弓の変化
2.咬合平面の乱れ
3.顎位の変化
4.欠損の拡大
5.偏側咀嚼の影響/(榎本一彦)
5 処置介入への考え方
1.基本的治療と処置介入
2.年齢を考慮した考え
3.欠損部位による考え方/(榎本一彦)
4.患者さんの特性を考慮した処置
5.既存の補綴装置への配慮
6.悪習癖の疑いがある場合
7.処置によるデメリット/(福島俊士)
2章 少数歯欠損歯列における術前の診査・診断と処置
1 主訴を聞く―インフォームド・コンセント
1.主訴とはなりにくい少数歯欠損歯列
2.少数歯欠損歯列は抜歯後の後遺症
3.インフォームド・コンセントの難しさ
4.歯科医の技量,自己研鑽の必要性
おわりに/(佐々木 勉)
2 プラークコントロールの確立
1.少数歯欠損歯列との出会いとその意味
2.治療の進め方と欠損歯列
3.モチベーションの実際
4.プラークコントロール確立の困難性
(佐々木 勉)
3 少数歯欠損の診断と前処置
1.歯周組織
2.残存歯/(佐々木 勉)
3.顎堤
4.欠損形態
5.偏側咀嚼への影響/(石橋寛二,古川良俊)
6.咬合の診査法,下顎位の診査/(石橋寛二,鈴木卓哉)
7.咬合異常の診断と処置/(石橋寛二,藤澤政紀)
3章 修復法決定の要因となるもの
1 口腔内の状況
1.口腔清掃状態
2.支台歯が有髄か無髄か
3.欠損部位
4.欠損の大きさ
5.欠損の分布状態
6.歯周組織の状態
7.顎堤の形態/(中村善治,福島俊士)
2 ブリッジの形態と修復材料
1.部分被覆支台と全部被覆支台
2.固定性からみたブリッジの分類
3.支台装置および材料の種類
4.ポンティックの形態と材料
(今井敬晴,福島俊士)
3 プロビジョナル・レストレーションの有効な利用
1.修復方法が直ちに決まらないケース
2.力のコントロール(機能力の分析)
3.清掃性への配慮(歯周組織との調和)
4.社会心理学的要求(特に審美的要求)/(谷田部 優)
4 パーシャル・デンチャーが選択されるとき
1.昔と今
2.鋳造冠以前(1965年以前)の冠・ブリッジ・小義歯の経過
3.鋳造冠時代になってからの冠・ブリッジ・小義歯の経過
4.今のところ,生涯1回の修復ではすまない
5.その経験は再製作を予定した修復処置をめざす
6.社会も歯科医療も加齢変化を診査に加えざるをえなくなってきている
7.現在の対応を考える
8.少数歯欠損修復の方法と経過の予測
9.よい顎堤を次の修復のために残すには
10.口腔機能は歯列を中心に機能している――その機能を維持するために修復処置が行われる
11.よい口腔機能を生涯維持するためには,少数歯欠損のときからよい顎堤をめざして小義歯の積極的利用を/(染谷成一郎)
4章 クラウン・ブリッジの技術
(1) クラウン・ブリッジの製作
1 前歯部の審美的クラウン・ブリッジの製作
はじめに
1.前歯部における歯周組織マネージメント
2.歯肉縁下の歯周組織構造
3.生物学的幅径
4.プロビジョナル・レストレーション
5.支台歯形成
6.歯肉圧排
7.シェード・テイキング
おわりに/(田中秀樹)
2 臼歯部
1.全体的な口腔内の状態
2.治療計画
3.経過および処置内容
おわりに/(白石和仁)
3 歯科技工士との連携
1.咬合に関しての共通認識
2.めざすべき補綴イメージの確認
3.お互いの守備範囲/(榎本一彦)
(2) 接着ブリッジ
1.接着ブリッジの歴史
2.接着ブリッジの信頼性
3.接着ブリッジの適応症
4.接着ブリッジの設計要件
5.貴金属接着用プライマー
6.接着性レジンセメントの選択
7.接着ブリッジの臨床例
おわりに/(中村光夫,松村英雄)
(3) MTMの臨床テクニック
1.MTMを始めるにあたって
2.MTMの適応症
3.臨床例
(福本恵吾)
5章 比較的困難な症例をどう解決するか
1 隣り合った複数の欠損(とびとびの欠損)
1.処置するにあたり注意すべきこと
2.症例/(藤村三良)
2 ガイド歯の欠損
はじめに
症例/(大坪青史)
3 支台歯の平行性がとりにくい症例
1.形成の原則
2.平行性がとりにくいことにより生じる問題点
3.平行性がとりにくい状態とは
4.補綴での解決方法
5.MTMによる解決方法
6.その他の解決方法/(河津千尋)
4 76欠損に 543支台のコーヌス義歯で対応した症例の術後経過と反省
1.補綴に至るまでの経緯
2.術後経過
3.反省と考察
(北浦利明)
5 咬合の再建を必要とするケース
症例
まとめ/(小林茂之)
6 ブリッジの限界とパーシャル・デンチャー
はじめに
1.症例の概要
2.インプラントの選択肢
3.症例の経過
4.症例を振り返って/(斎藤純一)
6章 少数歯欠損歯列におけるインプラントと移植
1 インプラント
はじめに
1.インプラント治療の特徴
2.インプラント治療における診査・診断
3.インプラント治療の臨床例
4.メインテナンス
おわりに/(横山隆道)
2 移植
1.少数歯欠損における自家歯牙移植
2.術式について/(新井俊樹)
7章 少数歯欠損歯列修復のメインテナンス
1 メインテナンスの意義・定期検診システムの構築
1.メインテナンスの意義
2.定期検診システムの構築/(眞田浩一)
2 何を診るのか
1.定期検診時の診査
2.欠損補綴方法とメインテナンスにおける留意点/(眞田浩一)
3 トラブルへの対応(予測と見つけ方)
1.プラークコントロール
2.フォース・コントロール
3.症例
4.トラブルとその原因/(菅野博康)
4 再修復の判断
(菅野博康)
索引
discussion 少数歯欠損にどのように対応するか
<ディスカッサー>河津千尋 小林茂之 斎藤純一 藤村三良
<コメンテーター>榎本一彦 安田 登 福島俊士(司会)
Section1 処置介入をするかしないか
−歯科医の思いと患者の思いをめぐって−
ディスカッションのねらい 一次的障害,二次的障害に対する歯科医と患者の思い 処置介入をするかしないか
Section2 処置のあれこれ
6,7欠損と短縮歯列 接着ブリッジ,保持力のバランス 4番,6番欠損,キー・アンド・キーウェイ とびとび欠損,キー・アンド・キーウェイ キー・アンド・キーウェイの注意点 MTM
Section3 少数歯欠損から周囲をうかがう
ワン・ピースの大型修復物か,分けるか プロビジョナル,仮着の意味 ブリッジかパーシャル・デンチャーか 移植,インプラント 歯列を守る