はじめに
望月秀樹
大阪大学大学院医学系研究科神経内科学
本特集ははじめは臨床の最新トピックスに加え,基礎研究としてパーキンソン病遺伝性疾患の最新情報を加えてまとめようと企画した.しかし,実際に目次をつくってみたところ遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子が年々多くなったこともあり,膨大な量になってしまった.これでは一冊に収まりきらないので今回は臨床パートを外し,基礎編として遺伝性パーキンソン病の基礎研究を中心に,日本のみならず海外で活躍されている先生を含め,その道のエキスパートにご執筆をお願いした.ここ数年のパーキンソン病基礎研究の進歩は目覚ましく,特筆するものがある.たとえばα-synucleinの構造に関してtetramerで安定するという,いままでとはまったく違う概念が報告された.α-synucleinの考え方が大きく変わる可能性があり,その真偽に関して世界中で議論となっている.また,parkinに関しては結晶構造解析が報告され,そこから多くの知見が発見されるなど,ホットトピックスが満載である.そのために,この2つの遺伝子に関しては複数の先生に執筆をお願いした.そのほかに新規関連・原因遺伝子の発見など含め,PARK1からPARK18(表1)までの最新情報を本特集に組み込んでいただいており,臨床医,研究者ともに読み応えのある内容である.
パーキンソン病の先端医療に関しては,遺伝子治療,再生医療などの最新の進歩も欠かせない.遺伝子治療に関しては脂質代謝異常症に対して遺伝子治療薬Glyberaが薬価収載されるなど,海外での進展がめざましい.パーキンソン病においても新規の遺伝子治療プロジェクトが海外では進んでおり,本特集でも紹介されている.iPS細胞研究の進歩も見逃せない.実際にどこまで研究が進んでいるのか,問題点はどのようなものか,本特集でも議論されている.遺伝性疾患からのあらたな知見は,パーキンソン病の病態解明・治療薬へと発展していくものと思われる.本特集を通読して,パーキンソン病の根本的な治療法が現れる時代はもう目の前であると確信した.
本特集がパーキンソン病に興味のある臨床医から研究者まで,幅広くお役に立つことを期待している.
特集号「遺伝子・再生医療研究から学ぶパーキンソン病」が,好評ゆえ別冊化されるというお話を伺った.改めて執筆者の先生方にお礼を述べたい.この間にDNAJC6がPARK19とされ,やはり若年発症で常染色体劣性遺伝形式の家系から原因遺伝子としてsyaptojanin 1(SYNJ1)がPARK20として2施設から報告1,2)されているため,表1を改変した.
文献
1)Krebs,C.E.et al.:The Sac1 domain of SYNJ1 identified mutated in a family with early-onset progressive Parkinsonism with generalized seizures.Hum.Mutat.,34:1200-1207,2013.
2)Quadri,M.et al.:Mutation in the SYNJ1 gene associated with autosomal recessive,early-onset Parkinsonism.Hum.Mutat.,34:1208-1215,2013.
望月秀樹
大阪大学大学院医学系研究科神経内科学
本特集ははじめは臨床の最新トピックスに加え,基礎研究としてパーキンソン病遺伝性疾患の最新情報を加えてまとめようと企画した.しかし,実際に目次をつくってみたところ遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子が年々多くなったこともあり,膨大な量になってしまった.これでは一冊に収まりきらないので今回は臨床パートを外し,基礎編として遺伝性パーキンソン病の基礎研究を中心に,日本のみならず海外で活躍されている先生を含め,その道のエキスパートにご執筆をお願いした.ここ数年のパーキンソン病基礎研究の進歩は目覚ましく,特筆するものがある.たとえばα-synucleinの構造に関してtetramerで安定するという,いままでとはまったく違う概念が報告された.α-synucleinの考え方が大きく変わる可能性があり,その真偽に関して世界中で議論となっている.また,parkinに関しては結晶構造解析が報告され,そこから多くの知見が発見されるなど,ホットトピックスが満載である.そのために,この2つの遺伝子に関しては複数の先生に執筆をお願いした.そのほかに新規関連・原因遺伝子の発見など含め,PARK1からPARK18(表1)までの最新情報を本特集に組み込んでいただいており,臨床医,研究者ともに読み応えのある内容である.
パーキンソン病の先端医療に関しては,遺伝子治療,再生医療などの最新の進歩も欠かせない.遺伝子治療に関しては脂質代謝異常症に対して遺伝子治療薬Glyberaが薬価収載されるなど,海外での進展がめざましい.パーキンソン病においても新規の遺伝子治療プロジェクトが海外では進んでおり,本特集でも紹介されている.iPS細胞研究の進歩も見逃せない.実際にどこまで研究が進んでいるのか,問題点はどのようなものか,本特集でも議論されている.遺伝性疾患からのあらたな知見は,パーキンソン病の病態解明・治療薬へと発展していくものと思われる.本特集を通読して,パーキンソン病の根本的な治療法が現れる時代はもう目の前であると確信した.
本特集がパーキンソン病に興味のある臨床医から研究者まで,幅広くお役に立つことを期待している.
特集号「遺伝子・再生医療研究から学ぶパーキンソン病」が,好評ゆえ別冊化されるというお話を伺った.改めて執筆者の先生方にお礼を述べたい.この間にDNAJC6がPARK19とされ,やはり若年発症で常染色体劣性遺伝形式の家系から原因遺伝子としてsyaptojanin 1(SYNJ1)がPARK20として2施設から報告1,2)されているため,表1を改変した.
文献
1)Krebs,C.E.et al.:The Sac1 domain of SYNJ1 identified mutated in a family with early-onset progressive Parkinsonism with generalized seizures.Hum.Mutat.,34:1200-1207,2013.
2)Quadri,M.et al.:Mutation in the SYNJ1 gene associated with autosomal recessive,early-onset Parkinsonism.Hum.Mutat.,34:1208-1215,2013.
はじめに(望月秀樹)
PARK遺伝子研究の現状
【α-synuclein(PARK)】
1.α-synuclein(PARK)の機能・構造・線維形成(八木寿梓・後藤祐児)
・α-synucleinの特徴 ・α-synucleinの正常・異常構造(線維)
・α-synucleinの正常・異常機能 ・α-synucleinの線維形成機構
2.αシヌクレインの生理作用(関山一成・他)
・いま,なぜαシヌクレインの生理作用なのか
・αシヌクレインの生理作用
・βシヌクレインの生理作用
・γシヌクレインは生活習慣病とPDのメディエーターとなるか
・進化の神はミスセンス型シヌクレインがお好き!?
3.α-synuclein(PARK)機能における翻訳後修飾の役割―リン酸化研究の現状(荒若繁樹・加藤丈夫)
・Lewy小体に蓄積するα-synucleinの翻訳後修飾 ・治療標的としてのSer129リン酸化
・α-synucleinのSer129リン酸化
4.Park/Park4:病理(村山繁雄・他)
・Park1 ・Park4
【Parkin(PARK2)】
5.ユビキチン連結酵素Parkinがミトコンドリアの異常によって活性化される仕組み(松田憲之)
・ユビキチン連結酵素E3とは何か ・Parkinの活性化とPINK1の関係
・Parkinの酵素学的な性質 ・別冊化に際しての追記
・ParkinのE3活性を生化学的に再検討する
・どのようにして活性中心であるCys431が制御されているのか
6.パーキン関連蛋白(三ツ井貴夫)
・パーキンのユビキチンリガーゼ(E3)の特徴
・パーキン・ユビキチンリガーゼ(E3)に対する基質
・パーキンのユビキチンリガーゼ(E3)以外の機能
・おわりに―パーキンの機能に関する今後の課題
【UCHL-1(PARK5),GIGYF2(PARK11)】
7.UCH-L1(PARK5),GIGYF2(PARK11)の研究の現状(和田圭司・株田智弘)
・UCH-L1(PARK5) ・GIGYF2(PARK11)
【PINK1(PARK6)】
8.PINK1蛋白とミトコンドリア(北田 徹)
・ミトコンドリアの寿命と中枢神経 ・モデル動物
・PINK1の細胞生物学 ・PINK1の病理
【DJ-1(PARK7)】
9.DJ-1(PARK7)の研究の現状とその機能―酸化ストレスに対する防御とミトコンドリア機能の維持(山口浩雄)
・PARK7locusおよび,それとlinkageを示す家系の特徴
・PDと酸化ストレス
・DJ-1は酸化ストレスから細胞を防御する
・DJ-1はミトコンドリア機能を維持する
・その他のDJ-1の機能
・DJ-1はROSを除去し,ミトコンドリア機能を保持する
【LRRK2(PARK8)】
10.LRRK2(PARK8):研究の現状(太田悦朗・小幡文弥)
・パーキンソン病の原因遺伝子LRRK2 ・LRRK2の過剰発現細胞と遺伝子改変動物
・LRRK2の基質分子と相互作用分子 ・免疫系におけるLRRK2の役割
・LRRK2のキナーゼ活性による病態への関与 ・変異LRRK2をもつ患者のiPS細胞(LRRK2-iPS)
【ATP132A(PARK9)】
11.PARK9(ATP13A2)の病態とリソソーム機能障害(佐藤栄人・服部信孝)
・PARK9の家系と臨床象 ・ATP13A2ノックダウンメダカの解析と病態
・ATP13A2遺伝子変異と機能解析
【HTRA2(PARK13)】
12.HtrA2とパーキンソン病(河本恭裕)
・HtrA2の構造 ・パーキンソン病患者における
・HtrA2とアポトーシスによる細胞死HtrA2のミスセンス変異
・HtrA2のloss-of-functionと神経変性 ・HtrA2とα-synuclein陽性封入体
・HtrA2のリン酸化とPINK1およびCdk5 ・HtrA2の基質としてのParkinとUCH-L1
【PLA2G6(PARK14)】
13.PLA2G6(PARK14)遺伝子欠損に伴う軸索変性の病態(隅寿 恵・他)
・PLA2G6遺伝子産物
・ホスホリパーゼA2の機能と局在
・細胞膜のリモデリングとiPLA2β
・PLA2G6遺伝子変異に伴う神経変性疾患(INAD,NBIA2)
・成人発症のジストニアパーキンソニズム(PARK14)
・PLA2G6遺伝子改変モデルにおける神経変性
・PLA2G6遺伝子欠損による軸索変性と異常ミトコンドリア
・PLA2G6遺伝子欠損による軸索末端の変性とリン脂質の異常蓄積
・PLA2G6遺伝子異常と臨床症状の差
【FBXO7(PARK15),EIF4G1(PARK18)】
14.FBXO7(PARK15),EIF4G1(PARK18)―パーキンソン病に関連したFBXO7遺伝子とEIF4G1遺伝子における研究の最新知見(藤岡伸助・Zbigniew K.Wszolek)
・FBXO/PARK15 ・EIF4G/PARK18
【RAB7L1(PARK16)】
15.ゲノムワイド関連解析からの知見とさらなる孤発性パーキンソン病遺伝子の発見へ向けて―PARK16,BST1,α-synuclein,LRRK2,Tau(佐竹 渉・戸田達史)
・多因子疾患としての孤発性パーキンソン病
・パーキンソン病のゲノムワイド関連解析(GWAS)
・日本人GWASで発見された孤発性PD遺伝子
・日本で発見の孤発性PD遺伝子は白人でも再現された確実な孤発性PD遺伝子である
・孤発性PD遺伝子Tauの東アジア人・白人間の相違
・孤発性PD遺伝子とMendel遺伝性PD遺伝子の共通性
・PARK16遺伝子RAB7L1はLRRK2・VPS35とともにレトロマー・細胞内輸送の病態に関与
・孤発性PDの遺伝背景
・さらなる孤発性PD遺伝子の発見へ向けたアプローチ
【VPS35(PARK17)】
16.VPS35(PARK17)(三浦永美子・他)
・VPS35遺伝子とレトロマー ・病因論
・VPS35遺伝子変異と臨床像
【DNAJC6(PARK19)】
17.DNAJC6(PARK19)(長谷川隆文)
・パーキンソン病家系の臨床的特徴 ・DNAJC6遺伝子の特徴と機能
・疾患候補遺伝子の同定 ・発症機序
その他の遺伝子研究
18.パーキンソン病におけるグルコセレブロシダーゼ遺伝子の関与(三井 純)
・遺伝学的知見の蓄積 ・細胞モデル,動物モデルにおける知見
19.DCTN/Perry症候群(坪井義夫・三嶋崇靖)
・Perry症候群とダイナクチン
・Perry症候群の病理所見―新しいTDP-43-proteinopathy
・DCTN1遺伝子と2つの疾患:家族性運動ニューロン疾患(HMN7B)とPerry症候群
・ダイナクチンの機能とPerry症候群にみられる変異
再生医療・遺伝子治療
20.パーキンソン病の再生医療―ドパミン神経前駆細胞移植の臨床応用実現に向けての取組み(元野 誠・高橋 淳)
・細胞移植治療の経緯 ・疾患iPS細胞は細胞移植用として利用できるか
・ドナー細胞を求めて ・家族性パーキンソン病患者に対する再生医療
・人工多能性幹細胞の誕生 ・ES/iPS細胞を臨床応用するために
・細胞移植治療に向けての取組み
21.遺伝性パーキンソン病におけるiPS細胞研究―PARK2患者由来iPS細胞研究の実例を中心に(今泉陽一・岡野栄之)
・遺伝性パーキンソン病研究の現状 ・他の遺伝性PDiPS細胞研究の現状
・PARK2iPS細胞研究の流れ
22.孤発性パーキンソン病におけるiPS細胞研究(小芝 泰・橋良輔)
・細胞移植治療 ・病態解明のための疾患再現モデル
・自家移植か同種移植か ・孤発例iPS細胞モデルによる疾患再現の可能性
・移植細胞における神経変性の可能性 ・孤発性パーキンソン病の遺伝的背景
23.パーキンソン病の遺伝子治療(村松慎一)
・ウイルスベクター ・GABA合成酵素
・ドパミン合成系酵素 ・今後の動向
・神経栄養因子
サイドメモ
C末端切断の役割
セプチン
アポトーシス阻害蛋白質(IAP)
PDZドメイン
ゴーシェ病
深部脳刺激療法(DBS)
ヒト白血球型抗原(HLA)
AADC欠損症の遺伝子治療
PARK遺伝子研究の現状
【α-synuclein(PARK)】
1.α-synuclein(PARK)の機能・構造・線維形成(八木寿梓・後藤祐児)
・α-synucleinの特徴 ・α-synucleinの正常・異常構造(線維)
・α-synucleinの正常・異常機能 ・α-synucleinの線維形成機構
2.αシヌクレインの生理作用(関山一成・他)
・いま,なぜαシヌクレインの生理作用なのか
・αシヌクレインの生理作用
・βシヌクレインの生理作用
・γシヌクレインは生活習慣病とPDのメディエーターとなるか
・進化の神はミスセンス型シヌクレインがお好き!?
3.α-synuclein(PARK)機能における翻訳後修飾の役割―リン酸化研究の現状(荒若繁樹・加藤丈夫)
・Lewy小体に蓄積するα-synucleinの翻訳後修飾 ・治療標的としてのSer129リン酸化
・α-synucleinのSer129リン酸化
4.Park/Park4:病理(村山繁雄・他)
・Park1 ・Park4
【Parkin(PARK2)】
5.ユビキチン連結酵素Parkinがミトコンドリアの異常によって活性化される仕組み(松田憲之)
・ユビキチン連結酵素E3とは何か ・Parkinの活性化とPINK1の関係
・Parkinの酵素学的な性質 ・別冊化に際しての追記
・ParkinのE3活性を生化学的に再検討する
・どのようにして活性中心であるCys431が制御されているのか
6.パーキン関連蛋白(三ツ井貴夫)
・パーキンのユビキチンリガーゼ(E3)の特徴
・パーキン・ユビキチンリガーゼ(E3)に対する基質
・パーキンのユビキチンリガーゼ(E3)以外の機能
・おわりに―パーキンの機能に関する今後の課題
【UCHL-1(PARK5),GIGYF2(PARK11)】
7.UCH-L1(PARK5),GIGYF2(PARK11)の研究の現状(和田圭司・株田智弘)
・UCH-L1(PARK5) ・GIGYF2(PARK11)
【PINK1(PARK6)】
8.PINK1蛋白とミトコンドリア(北田 徹)
・ミトコンドリアの寿命と中枢神経 ・モデル動物
・PINK1の細胞生物学 ・PINK1の病理
【DJ-1(PARK7)】
9.DJ-1(PARK7)の研究の現状とその機能―酸化ストレスに対する防御とミトコンドリア機能の維持(山口浩雄)
・PARK7locusおよび,それとlinkageを示す家系の特徴
・PDと酸化ストレス
・DJ-1は酸化ストレスから細胞を防御する
・DJ-1はミトコンドリア機能を維持する
・その他のDJ-1の機能
・DJ-1はROSを除去し,ミトコンドリア機能を保持する
【LRRK2(PARK8)】
10.LRRK2(PARK8):研究の現状(太田悦朗・小幡文弥)
・パーキンソン病の原因遺伝子LRRK2 ・LRRK2の過剰発現細胞と遺伝子改変動物
・LRRK2の基質分子と相互作用分子 ・免疫系におけるLRRK2の役割
・LRRK2のキナーゼ活性による病態への関与 ・変異LRRK2をもつ患者のiPS細胞(LRRK2-iPS)
【ATP132A(PARK9)】
11.PARK9(ATP13A2)の病態とリソソーム機能障害(佐藤栄人・服部信孝)
・PARK9の家系と臨床象 ・ATP13A2ノックダウンメダカの解析と病態
・ATP13A2遺伝子変異と機能解析
【HTRA2(PARK13)】
12.HtrA2とパーキンソン病(河本恭裕)
・HtrA2の構造 ・パーキンソン病患者における
・HtrA2とアポトーシスによる細胞死HtrA2のミスセンス変異
・HtrA2のloss-of-functionと神経変性 ・HtrA2とα-synuclein陽性封入体
・HtrA2のリン酸化とPINK1およびCdk5 ・HtrA2の基質としてのParkinとUCH-L1
【PLA2G6(PARK14)】
13.PLA2G6(PARK14)遺伝子欠損に伴う軸索変性の病態(隅寿 恵・他)
・PLA2G6遺伝子産物
・ホスホリパーゼA2の機能と局在
・細胞膜のリモデリングとiPLA2β
・PLA2G6遺伝子変異に伴う神経変性疾患(INAD,NBIA2)
・成人発症のジストニアパーキンソニズム(PARK14)
・PLA2G6遺伝子改変モデルにおける神経変性
・PLA2G6遺伝子欠損による軸索変性と異常ミトコンドリア
・PLA2G6遺伝子欠損による軸索末端の変性とリン脂質の異常蓄積
・PLA2G6遺伝子異常と臨床症状の差
【FBXO7(PARK15),EIF4G1(PARK18)】
14.FBXO7(PARK15),EIF4G1(PARK18)―パーキンソン病に関連したFBXO7遺伝子とEIF4G1遺伝子における研究の最新知見(藤岡伸助・Zbigniew K.Wszolek)
・FBXO/PARK15 ・EIF4G/PARK18
【RAB7L1(PARK16)】
15.ゲノムワイド関連解析からの知見とさらなる孤発性パーキンソン病遺伝子の発見へ向けて―PARK16,BST1,α-synuclein,LRRK2,Tau(佐竹 渉・戸田達史)
・多因子疾患としての孤発性パーキンソン病
・パーキンソン病のゲノムワイド関連解析(GWAS)
・日本人GWASで発見された孤発性PD遺伝子
・日本で発見の孤発性PD遺伝子は白人でも再現された確実な孤発性PD遺伝子である
・孤発性PD遺伝子Tauの東アジア人・白人間の相違
・孤発性PD遺伝子とMendel遺伝性PD遺伝子の共通性
・PARK16遺伝子RAB7L1はLRRK2・VPS35とともにレトロマー・細胞内輸送の病態に関与
・孤発性PDの遺伝背景
・さらなる孤発性PD遺伝子の発見へ向けたアプローチ
【VPS35(PARK17)】
16.VPS35(PARK17)(三浦永美子・他)
・VPS35遺伝子とレトロマー ・病因論
・VPS35遺伝子変異と臨床像
【DNAJC6(PARK19)】
17.DNAJC6(PARK19)(長谷川隆文)
・パーキンソン病家系の臨床的特徴 ・DNAJC6遺伝子の特徴と機能
・疾患候補遺伝子の同定 ・発症機序
その他の遺伝子研究
18.パーキンソン病におけるグルコセレブロシダーゼ遺伝子の関与(三井 純)
・遺伝学的知見の蓄積 ・細胞モデル,動物モデルにおける知見
19.DCTN/Perry症候群(坪井義夫・三嶋崇靖)
・Perry症候群とダイナクチン
・Perry症候群の病理所見―新しいTDP-43-proteinopathy
・DCTN1遺伝子と2つの疾患:家族性運動ニューロン疾患(HMN7B)とPerry症候群
・ダイナクチンの機能とPerry症候群にみられる変異
再生医療・遺伝子治療
20.パーキンソン病の再生医療―ドパミン神経前駆細胞移植の臨床応用実現に向けての取組み(元野 誠・高橋 淳)
・細胞移植治療の経緯 ・疾患iPS細胞は細胞移植用として利用できるか
・ドナー細胞を求めて ・家族性パーキンソン病患者に対する再生医療
・人工多能性幹細胞の誕生 ・ES/iPS細胞を臨床応用するために
・細胞移植治療に向けての取組み
21.遺伝性パーキンソン病におけるiPS細胞研究―PARK2患者由来iPS細胞研究の実例を中心に(今泉陽一・岡野栄之)
・遺伝性パーキンソン病研究の現状 ・他の遺伝性PDiPS細胞研究の現状
・PARK2iPS細胞研究の流れ
22.孤発性パーキンソン病におけるiPS細胞研究(小芝 泰・橋良輔)
・細胞移植治療 ・病態解明のための疾患再現モデル
・自家移植か同種移植か ・孤発例iPS細胞モデルによる疾患再現の可能性
・移植細胞における神経変性の可能性 ・孤発性パーキンソン病の遺伝的背景
23.パーキンソン病の遺伝子治療(村松慎一)
・ウイルスベクター ・GABA合成酵素
・ドパミン合成系酵素 ・今後の動向
・神経栄養因子
サイドメモ
C末端切断の役割
セプチン
アポトーシス阻害蛋白質(IAP)
PDZドメイン
ゴーシェ病
深部脳刺激療法(DBS)
ヒト白血球型抗原(HLA)
AADC欠損症の遺伝子治療