序文
口腔という臓器は食物の入口であると同時に,空気の取り入れ口でもある.
かつて脊椎動物が進化の過程にあるとき,口腔は消化器と呼吸器の両方の働きをしていたと考えられている.まだ水棲動物であった時代には,口腔は餌をつかまえると同時に水を吸い込み,えらが溶けこんだ酸素を取り入れた.栄養と酸素という生命維持のため不可欠の要素の獲得に口腔が働いていたのである.つまりこの時代,口腔の衰えは,即,生物の死を意味していたのであり,脳や心臓なみに重要な臓器であったといえる.
しかししだいに進化が進むと消化器と呼吸器の役割分担がはっきりとしてきた.口腔は主として食物の取込みと消化のための咀嚼{そしゃく}活動のためにつかわれるようになる.進化の究極にある現在では口腔は胃や腸の消化活動を助けるための補助器官と考えられていて全身健康とのかかわりを知る人は少ない.しかし,はたしてそうだろうか.口腔はほんとうに食物を噛み砕くためだけの臓器なのだろうか.
口腔の機能のなかでもっとも見逃されがちな働きは感覚器としての働きである.かつて口腔は生物が最初に外界を認識する感覚器としての働きをもっていたという説がある.生物は,耳や目よりも,まず口腔内に異物を吸い込み,歯や舌で感じる味覚,蝕覚,温覚などを通して,そのものを認識したと考えられている.われわれは歯と歯の間に1本の髪の毛がはさまっているだけでもわかるほどの鋭敏な感覚をもっている.これほどに鋭敏な感覚が備わっているのはモグラのひげが感覚器として働くのと同じように,ヒトの歯がかつては感覚器として働いていた証拠であると考える人もいる.
口腔のもつこのような感覚器官としての働きが,歯の脱落などによる咀嚼機能の衰えとともに使われなくなり退化してしていくとすれば,これまでその鋭敏な刺激を受けていた脳や中枢神経になんらかの悪影響が現れることは十分推測できる.最近,痴呆症患者の増加に伴ってにわかに“口腔機能と脳の働き”に関心が払われるようになった理由はここにある.
口腔は著者ら医療関係者にとってもっとも盲点になりがちな臓器ではなかろうか.
もっとも観察しやすく,身近な臓器でありながら,もっとも関心の払われることの少ない臓器ではなかろうか.しかし口腔内にもさまざまな疾患が発生し,その病気が原因となって全身の健康が損われることがあるということをもっと知らねばならない.また全身の病気が深刻な段階になる前に,口腔に特徴的な症状が現れることもあり,その症状を見逃さず適切に対処することで,危険を回避することもできる.高齢患者が増加し,在宅介護医療の機会が増加するほど,全身症状をもっとも鮮明に映す鏡である口腔についての知識を深めることが重要になってくるだろう.
本書はこのような口腔と全身との関係をわかりやすく理解していただくために,4つの部分から構成している.第1章“誤診しやすい口腔の病気“では口腔内によくみられる病気のなかで,全身の健康に影響を与える重要な疾患が解説してある.たとえば,舌癌である.初期の舌癌は口内炎との鑑別が非常に難しく見逃されがちである.いったん見逃すと舌癌は進行が早く根治が難しい.早期発見がなによりも重要な病気であり,ここでは鑑別診断のコツをわかりやすく解説した.第2章“口腔と全身病”ではある種の全身病が引き起こす特有の口腔症状が解説されている.たとえば,歯磨きのたびに歯肉から出血し,なかなか止まらないときは血友病のような血液疾患が潜んでいることを思い出してほしい.重篤な血液病と歯周病を識別するだけで,危険な全身病を発見することができるだろう.
第3章“口腔における特殊治療”では口腔によくみられる特有の病気の原因と治療法を簡単に解説した.たとえば老人はよく顎がはずれる.何故だろうか.またはずれた顎はどうすればもとにもどるのだろうか.このような実践的ケースに対する解決法がこの章を通じて理解できるだろう.
最後に第4章“口腔科学の最前線”ではさまざまな口腔疾患を治療するためにいま,どのような研究がすすめられているのかをわかりやすく解説した.虫歯の遺伝子治療はどのように行われ,研究はどこまで進んでいるのか.21世紀には歯周病はワクチンで予防することができるようになるのだろうか.このような疑問にひとつひとつ答えが用意されている.
このように本書では全章を通じて全身の健康に果たす口腔の役割と口腔からみた全身疾患の知識がわかりやすく解説されている.本書がすべての医療関係者にとって口腔を診断し治療するうえでの役に立つメモとして利用されることを願っている.
今回の企画に参加し執筆していただいた先生方はいずれもその分野で多くの業績をもつ一流の専門家である.最新の知見と豊富な臨床経験が含まれていて,かならずや読者に満足していただけるものと信じている.
名古屋大学大学院医学研究科 頭頚部・感覚器外科学講座 上田 実
口腔という臓器は食物の入口であると同時に,空気の取り入れ口でもある.
かつて脊椎動物が進化の過程にあるとき,口腔は消化器と呼吸器の両方の働きをしていたと考えられている.まだ水棲動物であった時代には,口腔は餌をつかまえると同時に水を吸い込み,えらが溶けこんだ酸素を取り入れた.栄養と酸素という生命維持のため不可欠の要素の獲得に口腔が働いていたのである.つまりこの時代,口腔の衰えは,即,生物の死を意味していたのであり,脳や心臓なみに重要な臓器であったといえる.
しかししだいに進化が進むと消化器と呼吸器の役割分担がはっきりとしてきた.口腔は主として食物の取込みと消化のための咀嚼{そしゃく}活動のためにつかわれるようになる.進化の究極にある現在では口腔は胃や腸の消化活動を助けるための補助器官と考えられていて全身健康とのかかわりを知る人は少ない.しかし,はたしてそうだろうか.口腔はほんとうに食物を噛み砕くためだけの臓器なのだろうか.
口腔の機能のなかでもっとも見逃されがちな働きは感覚器としての働きである.かつて口腔は生物が最初に外界を認識する感覚器としての働きをもっていたという説がある.生物は,耳や目よりも,まず口腔内に異物を吸い込み,歯や舌で感じる味覚,蝕覚,温覚などを通して,そのものを認識したと考えられている.われわれは歯と歯の間に1本の髪の毛がはさまっているだけでもわかるほどの鋭敏な感覚をもっている.これほどに鋭敏な感覚が備わっているのはモグラのひげが感覚器として働くのと同じように,ヒトの歯がかつては感覚器として働いていた証拠であると考える人もいる.
口腔のもつこのような感覚器官としての働きが,歯の脱落などによる咀嚼機能の衰えとともに使われなくなり退化してしていくとすれば,これまでその鋭敏な刺激を受けていた脳や中枢神経になんらかの悪影響が現れることは十分推測できる.最近,痴呆症患者の増加に伴ってにわかに“口腔機能と脳の働き”に関心が払われるようになった理由はここにある.
口腔は著者ら医療関係者にとってもっとも盲点になりがちな臓器ではなかろうか.
もっとも観察しやすく,身近な臓器でありながら,もっとも関心の払われることの少ない臓器ではなかろうか.しかし口腔内にもさまざまな疾患が発生し,その病気が原因となって全身の健康が損われることがあるということをもっと知らねばならない.また全身の病気が深刻な段階になる前に,口腔に特徴的な症状が現れることもあり,その症状を見逃さず適切に対処することで,危険を回避することもできる.高齢患者が増加し,在宅介護医療の機会が増加するほど,全身症状をもっとも鮮明に映す鏡である口腔についての知識を深めることが重要になってくるだろう.
本書はこのような口腔と全身との関係をわかりやすく理解していただくために,4つの部分から構成している.第1章“誤診しやすい口腔の病気“では口腔内によくみられる病気のなかで,全身の健康に影響を与える重要な疾患が解説してある.たとえば,舌癌である.初期の舌癌は口内炎との鑑別が非常に難しく見逃されがちである.いったん見逃すと舌癌は進行が早く根治が難しい.早期発見がなによりも重要な病気であり,ここでは鑑別診断のコツをわかりやすく解説した.第2章“口腔と全身病”ではある種の全身病が引き起こす特有の口腔症状が解説されている.たとえば,歯磨きのたびに歯肉から出血し,なかなか止まらないときは血友病のような血液疾患が潜んでいることを思い出してほしい.重篤な血液病と歯周病を識別するだけで,危険な全身病を発見することができるだろう.
第3章“口腔における特殊治療”では口腔によくみられる特有の病気の原因と治療法を簡単に解説した.たとえば老人はよく顎がはずれる.何故だろうか.またはずれた顎はどうすればもとにもどるのだろうか.このような実践的ケースに対する解決法がこの章を通じて理解できるだろう.
最後に第4章“口腔科学の最前線”ではさまざまな口腔疾患を治療するためにいま,どのような研究がすすめられているのかをわかりやすく解説した.虫歯の遺伝子治療はどのように行われ,研究はどこまで進んでいるのか.21世紀には歯周病はワクチンで予防することができるようになるのだろうか.このような疑問にひとつひとつ答えが用意されている.
このように本書では全章を通じて全身の健康に果たす口腔の役割と口腔からみた全身疾患の知識がわかりやすく解説されている.本書がすべての医療関係者にとって口腔を診断し治療するうえでの役に立つメモとして利用されることを願っている.
今回の企画に参加し執筆していただいた先生方はいずれもその分野で多くの業績をもつ一流の専門家である.最新の知見と豊富な臨床経験が含まれていて,かならずや読者に満足していただけるものと信じている.
名古屋大学大学院医学研究科 頭頚部・感覚器外科学講座 上田 実
第1章 誤診しやすい口腔の病気
1.顔面頚部の化膿性皮膚炎と外歯瘻……横井基夫
■症例の呈示
■臨床像
■治療法
■診断上の要点
2.口内炎とBehcet症候群……各務秀明
■口内炎とは
■アフタおよびアフタ様病変
■再発性アフタ性口内炎
■Behcet症候群(病)
■アフタの鑑別診断
3.口内炎と口腔癌……林康司
■口腔癌早期発見の重要性
■口腔の前癌病変
■口腔癌との鑑別疾患
4.知覚異常と下顎癌…藤内祝
■顎骨中心性癌
■転移性下顎癌
5.口臭と心身症……林常敏
■口臭の定義
■口臭の定義,鑑別診断
■自臭症
6.歯肉出血と血液疾患……宇佐美雄司
■歯肉出血の原因
■歯肉出血をきたす血液疾患
第2章 口腔と全身病
7.歯の喪失はAlzheimer病の危険因子か……重冨俊雄
■歯の喪失と学習記憶
■歯の喪失は痴呆を促進する?
8.噛み合わせの異常は肩こり,腰痛の原因か……畠賢一郎・上田実
■上下顎の咬合と顎運動
■ヒトの脊柱の特殊性と弱点
■咬合が全身に及ぼす影響
■咬合異常のとらえ方
9.睡眠時無呼吸症候群のマウスピース療法……江崎和久・亀山忠光
■mandibular advancing positioner(MAP)
■作製手順
■治療効果
■治療効果と下顎前方移動量との関係
■下顎前方移動量の目安
10. 高血圧症患者にみられる歯肉増殖症――カルシウム拮抗薬の副作用……服部浩朋・瀬上夏樹
■高血圧症の現状
■高血圧症の治療
■カルシウム拮抗薬
■薬物性歯肉増殖症
■カルシウム拮抗薬により発症したと考えられる薬物性歯肉増殖症症例
11.不明熱は口腔をチェック……新美敦
■不明熱の原因を探る
■歯を原因とした感染
■歯性感染は全身へ影響する
■歯性感染を原因とした不明熱
12.高齢者の誤嚥性肺炎と口腔ケア…… 保徳
■誤嚥性肺炎の疫学と原因
■誤嚥性肺炎の起炎菌
■誤嚥性肺炎の予防
■口腔内細菌の特徴
■口腔ケアの必要性
■口腔ケアの実際
13.糖尿病患者は歯肉炎に注意……野阪泰弘
■糖尿病患者の易感染性
■口腔感染症の成り立ち
■部位別のおもな分離菌
■口腔感染症の特徴
■症例
■糖尿病患者の口腔感染症に対する対策
第3章 口腔における特殊治療
14.唇顎口蓋裂のチーム診療……澤木佳弘
■口唇裂口蓋裂児の抱える問題
■集学的治療の必要
■適切な時期の適切な対応
■あらたな治療法の導入
15.舌小帯の異常と言語障害……糟谷政代
■舌小帯異常
■舌小帯異常の定義と呼称
■舌小帯の異常の出現頻度
■舌小帯異常の障害
■舌小帯異常の程度の分類
■舌小帯の治療
■構音障害
■舌運動機能の判定方法・訓練方法
■診断・治療方針
16.顎の形を自在につくる顎骨延長法……澤木佳弘
■骨よ,自分で伸びなさい
■顎の再建は顎の骨で
■治療の目標は何なのか
■どのような症例に用いるのか
■今後の可能性
17.あごがはずれた――顎関節脱臼……兼子隆次
■顎関節脱臼とは
■症状と一般的傾向
■“あごがはずれた”と感じさせているものはなにか
■脱臼とまぎらわしい“オープンロック”
■脱臼を引き起こす原因
■顎関節脱臼の処置
18.顎顔面領域におけるスポーツ外傷……山田健久
■スポーツによる外傷
■歯牙の変異,脱臼
■治療――再植の実際
■経過と予後
■顎骨骨折
■診断
■治療――整復と固定
■経過と予後
19.急増する顎関節症……水谷英樹
■顎関節症
■女性に多い顎関節症
■なぜ顎関節症は女性に多いか
第4章 口腔科学の最前線
20.第3の歯――デンタルインプラント……新美敦
■人間はなぜ歯を失うか
■失った歯をどうやって補ってきたか
■オッセオインテグレーションの概念
■デンタルインプラントに求められるもの
■デンタルインプラントの材質と形態
■インプラント埋入手術の実際
■デンタルインプラントにより咬むということ
■広がるデンタルインプラントの応用範囲
21.口腔粘膜細胞の新たな可能性――培養口腔粘膜上皮移植……畠賢一郎・上田実
■培養表皮移植とは
■口腔粘膜は最良の培養皮膚の材料である
■口腔粘膜細胞の移植後の挙動
■培養粘膜上皮の臨床応用
■培養粘膜上皮の将来展望
22.口腔癌の温熱療法――インプラントヒーティングシステム……藤内祝
■磁場誘導組織内加温法(Implant Heating System:IHS)
■IHSを使った術前温熱化学療法
■IHSを用いた温熱化学療法
索引
■サイドメモ
歯瘻
病名
口腔癌早期発見のポイント
心身症と神経症の区別
歯周組織の構造的特殊性
中枢アセチルコリン神経系
セファログラム(側方頭部X線企画写真)分析
歯周治療のステップ
根尖病変の原因
口腔ケア用品
智歯周囲炎
脱臼歯の放置時間と保存方法
顎関節症
インプラント義歯装着患者の反射機構および口腔感覚
1.顔面頚部の化膿性皮膚炎と外歯瘻……横井基夫
■症例の呈示
■臨床像
■治療法
■診断上の要点
2.口内炎とBehcet症候群……各務秀明
■口内炎とは
■アフタおよびアフタ様病変
■再発性アフタ性口内炎
■Behcet症候群(病)
■アフタの鑑別診断
3.口内炎と口腔癌……林康司
■口腔癌早期発見の重要性
■口腔の前癌病変
■口腔癌との鑑別疾患
4.知覚異常と下顎癌…藤内祝
■顎骨中心性癌
■転移性下顎癌
5.口臭と心身症……林常敏
■口臭の定義
■口臭の定義,鑑別診断
■自臭症
6.歯肉出血と血液疾患……宇佐美雄司
■歯肉出血の原因
■歯肉出血をきたす血液疾患
第2章 口腔と全身病
7.歯の喪失はAlzheimer病の危険因子か……重冨俊雄
■歯の喪失と学習記憶
■歯の喪失は痴呆を促進する?
8.噛み合わせの異常は肩こり,腰痛の原因か……畠賢一郎・上田実
■上下顎の咬合と顎運動
■ヒトの脊柱の特殊性と弱点
■咬合が全身に及ぼす影響
■咬合異常のとらえ方
9.睡眠時無呼吸症候群のマウスピース療法……江崎和久・亀山忠光
■mandibular advancing positioner(MAP)
■作製手順
■治療効果
■治療効果と下顎前方移動量との関係
■下顎前方移動量の目安
10. 高血圧症患者にみられる歯肉増殖症――カルシウム拮抗薬の副作用……服部浩朋・瀬上夏樹
■高血圧症の現状
■高血圧症の治療
■カルシウム拮抗薬
■薬物性歯肉増殖症
■カルシウム拮抗薬により発症したと考えられる薬物性歯肉増殖症症例
11.不明熱は口腔をチェック……新美敦
■不明熱の原因を探る
■歯を原因とした感染
■歯性感染は全身へ影響する
■歯性感染を原因とした不明熱
12.高齢者の誤嚥性肺炎と口腔ケア…… 保徳
■誤嚥性肺炎の疫学と原因
■誤嚥性肺炎の起炎菌
■誤嚥性肺炎の予防
■口腔内細菌の特徴
■口腔ケアの必要性
■口腔ケアの実際
13.糖尿病患者は歯肉炎に注意……野阪泰弘
■糖尿病患者の易感染性
■口腔感染症の成り立ち
■部位別のおもな分離菌
■口腔感染症の特徴
■症例
■糖尿病患者の口腔感染症に対する対策
第3章 口腔における特殊治療
14.唇顎口蓋裂のチーム診療……澤木佳弘
■口唇裂口蓋裂児の抱える問題
■集学的治療の必要
■適切な時期の適切な対応
■あらたな治療法の導入
15.舌小帯の異常と言語障害……糟谷政代
■舌小帯異常
■舌小帯異常の定義と呼称
■舌小帯の異常の出現頻度
■舌小帯異常の障害
■舌小帯異常の程度の分類
■舌小帯の治療
■構音障害
■舌運動機能の判定方法・訓練方法
■診断・治療方針
16.顎の形を自在につくる顎骨延長法……澤木佳弘
■骨よ,自分で伸びなさい
■顎の再建は顎の骨で
■治療の目標は何なのか
■どのような症例に用いるのか
■今後の可能性
17.あごがはずれた――顎関節脱臼……兼子隆次
■顎関節脱臼とは
■症状と一般的傾向
■“あごがはずれた”と感じさせているものはなにか
■脱臼とまぎらわしい“オープンロック”
■脱臼を引き起こす原因
■顎関節脱臼の処置
18.顎顔面領域におけるスポーツ外傷……山田健久
■スポーツによる外傷
■歯牙の変異,脱臼
■治療――再植の実際
■経過と予後
■顎骨骨折
■診断
■治療――整復と固定
■経過と予後
19.急増する顎関節症……水谷英樹
■顎関節症
■女性に多い顎関節症
■なぜ顎関節症は女性に多いか
第4章 口腔科学の最前線
20.第3の歯――デンタルインプラント……新美敦
■人間はなぜ歯を失うか
■失った歯をどうやって補ってきたか
■オッセオインテグレーションの概念
■デンタルインプラントに求められるもの
■デンタルインプラントの材質と形態
■インプラント埋入手術の実際
■デンタルインプラントにより咬むということ
■広がるデンタルインプラントの応用範囲
21.口腔粘膜細胞の新たな可能性――培養口腔粘膜上皮移植……畠賢一郎・上田実
■培養表皮移植とは
■口腔粘膜は最良の培養皮膚の材料である
■口腔粘膜細胞の移植後の挙動
■培養粘膜上皮の臨床応用
■培養粘膜上皮の将来展望
22.口腔癌の温熱療法――インプラントヒーティングシステム……藤内祝
■磁場誘導組織内加温法(Implant Heating System:IHS)
■IHSを使った術前温熱化学療法
■IHSを用いた温熱化学療法
索引
■サイドメモ
歯瘻
病名
口腔癌早期発見のポイント
心身症と神経症の区別
歯周組織の構造的特殊性
中枢アセチルコリン神経系
セファログラム(側方頭部X線企画写真)分析
歯周治療のステップ
根尖病変の原因
口腔ケア用品
智歯周囲炎
脱臼歯の放置時間と保存方法
顎関節症
インプラント義歯装着患者の反射機構および口腔感覚