序
2017年7月に厚生労働省保険局医療課から公表された診療報酬の疑義解釈資料より,疾患別リハビリテーション料に「シーティング」が入り算定が可能になりました.このことは,医療から在宅支援までのシーティングのサービスが可能になったということです.
この度,日本国内においてシーティングの領域全体が網羅された本書が発刊されたことは大変タイムリーなことだと思います.
シーティング技術は欧米では一般化している国が多く,リハビリテーションの基礎技術としての位置づけにあります.また,シーティング技術は障害のある人の支援技術Assistive Technologyの一領域にあり,重度障害があっても車椅子や電動車椅子の選定・適合を行い,さらにコンピューター技術などを活用し,自立的な生活を構築することです.
国内では,1989年に座位保持装置(Seating System)が補装具制度に加わり,福祉用具としての対応が進み,今では生活支援を目的に重度障害のある子供たちや脊髄損傷者などを主な対象者として車椅子と合わせた対応がされています.しかしながら,生活支援の用具ということで医療の中での対応は限られているのが現状でした.これからはシーティング技術のある人材が医療から福祉の中でチームを作りシーティングのサービスを行うことになります.たとえば,2018年の医療法・介護保険法の改正では,回復期リハビリテーションにおいても初期から在宅復帰を目標に,歩行自立が難しい人でも移動を車椅子にて行い,地域のケアマネジャーが退院前より関わることで住環境と介護支援の受け入れ態勢を整えるなど対応が進み始めています.
そのためにはチームアプローチが重要で,チームや多職種連携では同じ言葉でのやりとりが必要となります.本書で使われている専門用語や解説は,世界共通のシーティングで扱われる用語が中心になっています.また,本書の執筆陣は,大学の研究者から医療機関のリハビリテーションの専門職,リハビリテーションセンター,介護保険の介護老人保健施設・特別養護老人ホーム,訪問リハビリテーションに関わる実践的なメンバーになっています.
医療から地域の中で働く,医療関係職種,介護保険の関連職種の皆様が,多職種連携において,チームアプローチの実践場面で,本書が使われることになれば幸いです.
2020年2月
木之瀬隆,森田智之
2017年7月に厚生労働省保険局医療課から公表された診療報酬の疑義解釈資料より,疾患別リハビリテーション料に「シーティング」が入り算定が可能になりました.このことは,医療から在宅支援までのシーティングのサービスが可能になったということです.
この度,日本国内においてシーティングの領域全体が網羅された本書が発刊されたことは大変タイムリーなことだと思います.
シーティング技術は欧米では一般化している国が多く,リハビリテーションの基礎技術としての位置づけにあります.また,シーティング技術は障害のある人の支援技術Assistive Technologyの一領域にあり,重度障害があっても車椅子や電動車椅子の選定・適合を行い,さらにコンピューター技術などを活用し,自立的な生活を構築することです.
国内では,1989年に座位保持装置(Seating System)が補装具制度に加わり,福祉用具としての対応が進み,今では生活支援を目的に重度障害のある子供たちや脊髄損傷者などを主な対象者として車椅子と合わせた対応がされています.しかしながら,生活支援の用具ということで医療の中での対応は限られているのが現状でした.これからはシーティング技術のある人材が医療から福祉の中でチームを作りシーティングのサービスを行うことになります.たとえば,2018年の医療法・介護保険法の改正では,回復期リハビリテーションにおいても初期から在宅復帰を目標に,歩行自立が難しい人でも移動を車椅子にて行い,地域のケアマネジャーが退院前より関わることで住環境と介護支援の受け入れ態勢を整えるなど対応が進み始めています.
そのためにはチームアプローチが重要で,チームや多職種連携では同じ言葉でのやりとりが必要となります.本書で使われている専門用語や解説は,世界共通のシーティングで扱われる用語が中心になっています.また,本書の執筆陣は,大学の研究者から医療機関のリハビリテーションの専門職,リハビリテーションセンター,介護保険の介護老人保健施設・特別養護老人ホーム,訪問リハビリテーションに関わる実践的なメンバーになっています.
医療から地域の中で働く,医療関係職種,介護保険の関連職種の皆様が,多職種連携において,チームアプローチの実践場面で,本書が使われることになれば幸いです.
2020年2月
木之瀬隆,森田智之
A.総論
1 シーティング技術と福祉用具総論(木之瀬 隆)
1─シーティングとは
a.人の生活は座位姿勢が基本
b.アシスティブ・テクノロジーとシーティング技術
c.シーティングの目的と評価の流れ
B.基礎知識
2 座位の運動学と生理学(木之瀬 隆)
1─姿勢
a.基本立位姿勢
b.基本座位姿勢
c.支持基底面
2─全身の骨格
3─全身の筋
a.身体の前面の筋
b.身体の後面の筋
4─体表解剖と触察
5─頭頸部・体幹の運動
a.脊柱の運動
b.頭頸部の筋と運動
c.胸郭の動きと呼吸運動
d.腰部・背部の運動
6─下肢の運動
a.骨盤の構成
b.骨盤と股関節の運動
c.股関節の筋と運動方向
d.膝関節と足関節の運動
7─座位に必要な生理学
a.神経系の役割
b.呼吸・循環器系の役割
c.消化器系の役割
3 バイオメカニクス(biomechanics)(藤田大介)
a.バイオメカニクスについて
b.シーティングとバイオメカニクス
c.力
d.加速度
e.作用反作用
f.てこ
g.モーメント
h.圧力
i.摩擦力と剪断力
j.重心と支持基底面
4 身体機能の評価(亀ヶ谷忠彦)
1─身体寸法
a.座位殿幅
b.座底長
c.座位下腿長
d.座位肘頭高
e.座位腋下高
2─関節可動域
a.股関節
b.膝関節
c.足関節
d.骨盤・脊柱
3─座位姿勢計測
a.ISO16840-1に準拠した座位姿勢計測
b.デジタル式座位姿勢計測器を用いた計測法
c.座位姿勢計測ソフトウェアを用いた計測法
5 座位能力の評価(森田智之)
1─座位能力評価
a.簡易座位能力分類
b.Hoffer座位能力分類(JSSC版)
2─マット評価
a.プラットフォーム上で背臥位での評価
b.プラットフォーム上で端座位での評価
6 車椅子とクッション(木之瀬 隆)
1─手動車椅子の分類
2─電動車椅子の分類
3─車椅子と電動車椅子の各部名称
4─車椅子各部の機能と基準寸法
a.折りたたみ機構
b.姿勢変換機構
c.その他の構造
5─製作方法による分類
6─車椅子クッション
7 座位保持装置(岩ア 洋)
1─はじめに
2─座位保持装置の基本的事項
a.目的
b.期待できる効果
3─座位保持装置の構成
a.座位保持装置の構成
b.身体部位区分
c.製作要素
d.支持部の連結
e.構造フレーム
f.付属品
g.調整機構
h.完成用部品とは
4─処方と製作方法
a.処方・製作過程
b.評価
c.処方の実際
5─調整
8 移乗技術と移乗補助用具(木之瀬 隆)
1─移乗の考え方
2─移乗方法の種類
a.立位移乗
b.座位移乗
c.リフトによる持ち上げ移乗
3─まとめ
9 車椅子の操作(木之瀬 隆)
1─車椅子の走行性
a.車輪への荷重の関係
b.ホイール・ベースの距離
c.重心位置の釣り合いとウイリー
d.駆動輪のキャンバ角
e.キャスタ角
2─車椅子の操作方法
a.駆動方法
b.上肢駆動
c.片手片脚走行を含む下肢駆動
10 車椅子シーティングのアセスメントとリスクマネジメント(木之瀬 隆)
1─車椅子シーティングのアセスメント
a.簡易座位能力分類の使い方
b.シーティングのゴール
c.車椅子シーティングのチェックアウト
2─車椅子関係のリスクマネジメント
a.リスクマネジメントの関係法規
b.車椅子使用上のリスクマネジメント
c.車椅子のメンテナンス
C.目的に応じたシーティング
11 褥瘡予防とシーティング
1─褥瘡の基礎知識(田中秀子,飯坂真司)
a.褥瘡とは
b.褥瘡のリスクアセスメント
c.褥瘡の予防・治療
d.褥瘡ケアの実際
2─シーティングによる褥瘡予防(森田智之)
a.車椅子上座位での褥瘡好発部位
b.車椅子上座位での褥瘡予防のポイント
12 栄養と食事の姿勢
1─栄養に関して理解すべきこと(飯坂真司)
a.栄養障害とは
b.栄養スクリーニングとアセスメント
c.栄養計画
d.栄養ルート
2─摂食嚥下障害に関して理解すべき姿勢のこと(小泉千秋)
a.摂食嚥下機能と姿勢の関係
b.摂食嚥下における頭頸部機能とは
c.食事姿勢と動作
d.食事姿勢評価のポイント
e.摂食嚥下障害に対する食事姿勢の対応ポイント
f.おわりに
3─摂食嚥下障害へのシーティングの実践(土中伸樹)
a.摂食嚥下障害の姿勢調整
b.症例提示:回復期リハビリテーション病棟での摂食嚥下のシーティング
D.疾患に応じたシーティング
13 脳血管障害(亀ヶ谷忠彦)
1─脳血管障害の特徴とシーティングの介入
2─脳血管障害の車椅子利用者にみられる不良座位姿勢
a.仙骨座り
b.斜め座り
3─脳血管障害の車椅子利用者の車椅子駆動
4─脳血管障害の病期とシーティング
a.急性期のシーティング
b.回復期のシーティング
c.維持期のシーティング
5─脳血管障害の車椅子利用者に対するシーティングの事例
a.事例1 車椅子駆動時の座位姿勢が改善した症例
b.事例2 ティルト・リクライニング式車椅子の導入によって座位姿勢が改善した症例
14 脊髄損傷(那須田依子)
1─脊髄損傷者の車椅子
a.移乗
b.姿勢変換
c.下肢操作
2─車椅子を製作するための評価の基本
a.身体を評価する.
b.座クッションを評価,決定する.
c.適合する車椅子の理論値を算出する.
d.必要な車椅子寸法・仕様を仮定し,それに近い試乗車を用意する.
e.用意した試乗車の寸法や仕様を確認し,d.で仮定した物との違いを把握する.
f.試乗車との適合を評価する.
g.最適な寸法,仕様を決定する.
3─シーティングで目指す姿勢と機能訓練の必要性
a.仙骨座り,円背の姿勢
b.下肢の屈筋痙縮が強く殿部が前へ引き出てしまうケース
4─車椅子製作の評価から完成までの実例
a.入院初期
b.評価
c.試乗車を用いた必要な車椅子寸法や仕様の検討
d.車椅子製作
5─車椅子不適合によって起こる問題
a.症例1:痙縮,痛み
b.症例2:動作困難
c.症例3:成長,ライフステージの変化
6─座クッションの選び方と褥瘡予防
a.圧力分散性能
b.安定性
c.材質
d.調整,管理
e.価格,制度
7─電動車椅子の選択
15 発達障害(脳性麻痺)
1─小児期〜18歳の発達障害(花町芽生)
a.脳性麻痺の定義
b.脳性麻痺をもつ子どものシーティングとエビデンス
c.脳性麻痺の分類
d.なぜCP児にシーティングを提供するのか
e.いつからどのような福祉機器が必要か
2─成人を含む発達障害(岩ア 洋)
a.成人脳性麻痺の環境
b.座位保持装置の目的
c.座位姿勢を崩す要因となる原始反射
d.ティルトについて
e.推奨するティルトの使用方法
f.脳性麻痺者の座位保持装置における最近の動向(モールド,モジュール,ハイブリッド)
g.症例
16 神経難病(筋萎縮性側索硬化症,筋ジストロフィー),パーキンソン病など(河合俊宏)
1─筋萎縮性側索硬化症
a.総論
b.独歩からの移行
c.車椅子
d.電動車椅子
e.人工呼吸器装着
f.症例
g.課題
2─筋ジストロフィー症
a.デュシェンヌ型筋ジストロフィー
b.症例
c.課題
3─パーキンソン病
a.車椅子での移動
b.摂食のための道具としての車椅子
c.症例
d.課題
17 高齢者と認知症(木之瀬 隆)
1─はじめに
2─認知症
3─認知症のシーティング
a.Hoffer座位能力分類(JSSC版)1レベル(立ち上がる機能や介助歩行が可能)
b.Hoffer座位能力分類(JSSC版)2レベル(歩行困難で立ち上がりに介助が必要)
c.Hoffer座位能力分類(JSSC版)3レベル(座位が取れない)円背
4─身体拘束予防のシーティング
a.身体拘束禁止の対象と車椅子対応
b.車椅子上での身体拘束の課題
5─廃用症候群の拘縮予防
a.拘縮の発生と基本の対応
b.片麻痺者の拘縮予防のポジショニング
c.臥位のポジショニングクッションからシーティングへ
E.社会環境のなかのシーティング
18 医療機関におけるシーティングの展開
1─ケアミックス病院のシーティング・チーム(山田麻和)
a.対象となるクライエント
b.当院のシーティング・チームの紹介
c.事例紹介
d.おわりに
2─回復期リハビリテーションにおけるシーティング・チーム(竹内章朗)
a.回復期リハビリテーション病棟でシーティングを実施する目的
b.回復期リハビリテーション病棟でシーティングを実施した理由
c.車椅子・クッションのレンタルシステム導入
d.シーティング・チームの活動内容
e.事例紹介
f.まとめ
19 施設におけるシーティングの展開
1─介護老人保健施設のシーティング(東 毅)
a.介護老人保健施設の役割
b.介護老人保健施設の実際のシーティングについて
c.現状の課題
d.まとめ
2─特別養護老人ホームのシーティング(美谷島直行)
a.特養施設における連携の重要性
b.特養におけるシーティングの実践事例
c.特別養護老人ホームの今後について
20 在宅におけるシーティングの展開
1─在宅高齢者のシーティング(古田大樹)
a.検討時期
b.移乗方法
c.介護力への配慮
d.住環境への適合
e.他のサービス事業者との調整
f.クッション等の適切な使用
g.症例紹介
2─障害者総合支援法(杉山真理)
a.在宅におけるシーティングの特徴(障害者の場合)
b.事例紹介
c.更生相談所との連携
巻末付録
シーティングに関連する制度(木之瀬 隆)
1─疾患別リハビリテーションのシーティング
2─補装具
a.補装具の種目
b.特定疾病
3─介護保険の福祉用具
1 シーティング技術と福祉用具総論(木之瀬 隆)
1─シーティングとは
a.人の生活は座位姿勢が基本
b.アシスティブ・テクノロジーとシーティング技術
c.シーティングの目的と評価の流れ
B.基礎知識
2 座位の運動学と生理学(木之瀬 隆)
1─姿勢
a.基本立位姿勢
b.基本座位姿勢
c.支持基底面
2─全身の骨格
3─全身の筋
a.身体の前面の筋
b.身体の後面の筋
4─体表解剖と触察
5─頭頸部・体幹の運動
a.脊柱の運動
b.頭頸部の筋と運動
c.胸郭の動きと呼吸運動
d.腰部・背部の運動
6─下肢の運動
a.骨盤の構成
b.骨盤と股関節の運動
c.股関節の筋と運動方向
d.膝関節と足関節の運動
7─座位に必要な生理学
a.神経系の役割
b.呼吸・循環器系の役割
c.消化器系の役割
3 バイオメカニクス(biomechanics)(藤田大介)
a.バイオメカニクスについて
b.シーティングとバイオメカニクス
c.力
d.加速度
e.作用反作用
f.てこ
g.モーメント
h.圧力
i.摩擦力と剪断力
j.重心と支持基底面
4 身体機能の評価(亀ヶ谷忠彦)
1─身体寸法
a.座位殿幅
b.座底長
c.座位下腿長
d.座位肘頭高
e.座位腋下高
2─関節可動域
a.股関節
b.膝関節
c.足関節
d.骨盤・脊柱
3─座位姿勢計測
a.ISO16840-1に準拠した座位姿勢計測
b.デジタル式座位姿勢計測器を用いた計測法
c.座位姿勢計測ソフトウェアを用いた計測法
5 座位能力の評価(森田智之)
1─座位能力評価
a.簡易座位能力分類
b.Hoffer座位能力分類(JSSC版)
2─マット評価
a.プラットフォーム上で背臥位での評価
b.プラットフォーム上で端座位での評価
6 車椅子とクッション(木之瀬 隆)
1─手動車椅子の分類
2─電動車椅子の分類
3─車椅子と電動車椅子の各部名称
4─車椅子各部の機能と基準寸法
a.折りたたみ機構
b.姿勢変換機構
c.その他の構造
5─製作方法による分類
6─車椅子クッション
7 座位保持装置(岩ア 洋)
1─はじめに
2─座位保持装置の基本的事項
a.目的
b.期待できる効果
3─座位保持装置の構成
a.座位保持装置の構成
b.身体部位区分
c.製作要素
d.支持部の連結
e.構造フレーム
f.付属品
g.調整機構
h.完成用部品とは
4─処方と製作方法
a.処方・製作過程
b.評価
c.処方の実際
5─調整
8 移乗技術と移乗補助用具(木之瀬 隆)
1─移乗の考え方
2─移乗方法の種類
a.立位移乗
b.座位移乗
c.リフトによる持ち上げ移乗
3─まとめ
9 車椅子の操作(木之瀬 隆)
1─車椅子の走行性
a.車輪への荷重の関係
b.ホイール・ベースの距離
c.重心位置の釣り合いとウイリー
d.駆動輪のキャンバ角
e.キャスタ角
2─車椅子の操作方法
a.駆動方法
b.上肢駆動
c.片手片脚走行を含む下肢駆動
10 車椅子シーティングのアセスメントとリスクマネジメント(木之瀬 隆)
1─車椅子シーティングのアセスメント
a.簡易座位能力分類の使い方
b.シーティングのゴール
c.車椅子シーティングのチェックアウト
2─車椅子関係のリスクマネジメント
a.リスクマネジメントの関係法規
b.車椅子使用上のリスクマネジメント
c.車椅子のメンテナンス
C.目的に応じたシーティング
11 褥瘡予防とシーティング
1─褥瘡の基礎知識(田中秀子,飯坂真司)
a.褥瘡とは
b.褥瘡のリスクアセスメント
c.褥瘡の予防・治療
d.褥瘡ケアの実際
2─シーティングによる褥瘡予防(森田智之)
a.車椅子上座位での褥瘡好発部位
b.車椅子上座位での褥瘡予防のポイント
12 栄養と食事の姿勢
1─栄養に関して理解すべきこと(飯坂真司)
a.栄養障害とは
b.栄養スクリーニングとアセスメント
c.栄養計画
d.栄養ルート
2─摂食嚥下障害に関して理解すべき姿勢のこと(小泉千秋)
a.摂食嚥下機能と姿勢の関係
b.摂食嚥下における頭頸部機能とは
c.食事姿勢と動作
d.食事姿勢評価のポイント
e.摂食嚥下障害に対する食事姿勢の対応ポイント
f.おわりに
3─摂食嚥下障害へのシーティングの実践(土中伸樹)
a.摂食嚥下障害の姿勢調整
b.症例提示:回復期リハビリテーション病棟での摂食嚥下のシーティング
D.疾患に応じたシーティング
13 脳血管障害(亀ヶ谷忠彦)
1─脳血管障害の特徴とシーティングの介入
2─脳血管障害の車椅子利用者にみられる不良座位姿勢
a.仙骨座り
b.斜め座り
3─脳血管障害の車椅子利用者の車椅子駆動
4─脳血管障害の病期とシーティング
a.急性期のシーティング
b.回復期のシーティング
c.維持期のシーティング
5─脳血管障害の車椅子利用者に対するシーティングの事例
a.事例1 車椅子駆動時の座位姿勢が改善した症例
b.事例2 ティルト・リクライニング式車椅子の導入によって座位姿勢が改善した症例
14 脊髄損傷(那須田依子)
1─脊髄損傷者の車椅子
a.移乗
b.姿勢変換
c.下肢操作
2─車椅子を製作するための評価の基本
a.身体を評価する.
b.座クッションを評価,決定する.
c.適合する車椅子の理論値を算出する.
d.必要な車椅子寸法・仕様を仮定し,それに近い試乗車を用意する.
e.用意した試乗車の寸法や仕様を確認し,d.で仮定した物との違いを把握する.
f.試乗車との適合を評価する.
g.最適な寸法,仕様を決定する.
3─シーティングで目指す姿勢と機能訓練の必要性
a.仙骨座り,円背の姿勢
b.下肢の屈筋痙縮が強く殿部が前へ引き出てしまうケース
4─車椅子製作の評価から完成までの実例
a.入院初期
b.評価
c.試乗車を用いた必要な車椅子寸法や仕様の検討
d.車椅子製作
5─車椅子不適合によって起こる問題
a.症例1:痙縮,痛み
b.症例2:動作困難
c.症例3:成長,ライフステージの変化
6─座クッションの選び方と褥瘡予防
a.圧力分散性能
b.安定性
c.材質
d.調整,管理
e.価格,制度
7─電動車椅子の選択
15 発達障害(脳性麻痺)
1─小児期〜18歳の発達障害(花町芽生)
a.脳性麻痺の定義
b.脳性麻痺をもつ子どものシーティングとエビデンス
c.脳性麻痺の分類
d.なぜCP児にシーティングを提供するのか
e.いつからどのような福祉機器が必要か
2─成人を含む発達障害(岩ア 洋)
a.成人脳性麻痺の環境
b.座位保持装置の目的
c.座位姿勢を崩す要因となる原始反射
d.ティルトについて
e.推奨するティルトの使用方法
f.脳性麻痺者の座位保持装置における最近の動向(モールド,モジュール,ハイブリッド)
g.症例
16 神経難病(筋萎縮性側索硬化症,筋ジストロフィー),パーキンソン病など(河合俊宏)
1─筋萎縮性側索硬化症
a.総論
b.独歩からの移行
c.車椅子
d.電動車椅子
e.人工呼吸器装着
f.症例
g.課題
2─筋ジストロフィー症
a.デュシェンヌ型筋ジストロフィー
b.症例
c.課題
3─パーキンソン病
a.車椅子での移動
b.摂食のための道具としての車椅子
c.症例
d.課題
17 高齢者と認知症(木之瀬 隆)
1─はじめに
2─認知症
3─認知症のシーティング
a.Hoffer座位能力分類(JSSC版)1レベル(立ち上がる機能や介助歩行が可能)
b.Hoffer座位能力分類(JSSC版)2レベル(歩行困難で立ち上がりに介助が必要)
c.Hoffer座位能力分類(JSSC版)3レベル(座位が取れない)円背
4─身体拘束予防のシーティング
a.身体拘束禁止の対象と車椅子対応
b.車椅子上での身体拘束の課題
5─廃用症候群の拘縮予防
a.拘縮の発生と基本の対応
b.片麻痺者の拘縮予防のポジショニング
c.臥位のポジショニングクッションからシーティングへ
E.社会環境のなかのシーティング
18 医療機関におけるシーティングの展開
1─ケアミックス病院のシーティング・チーム(山田麻和)
a.対象となるクライエント
b.当院のシーティング・チームの紹介
c.事例紹介
d.おわりに
2─回復期リハビリテーションにおけるシーティング・チーム(竹内章朗)
a.回復期リハビリテーション病棟でシーティングを実施する目的
b.回復期リハビリテーション病棟でシーティングを実施した理由
c.車椅子・クッションのレンタルシステム導入
d.シーティング・チームの活動内容
e.事例紹介
f.まとめ
19 施設におけるシーティングの展開
1─介護老人保健施設のシーティング(東 毅)
a.介護老人保健施設の役割
b.介護老人保健施設の実際のシーティングについて
c.現状の課題
d.まとめ
2─特別養護老人ホームのシーティング(美谷島直行)
a.特養施設における連携の重要性
b.特養におけるシーティングの実践事例
c.特別養護老人ホームの今後について
20 在宅におけるシーティングの展開
1─在宅高齢者のシーティング(古田大樹)
a.検討時期
b.移乗方法
c.介護力への配慮
d.住環境への適合
e.他のサービス事業者との調整
f.クッション等の適切な使用
g.症例紹介
2─障害者総合支援法(杉山真理)
a.在宅におけるシーティングの特徴(障害者の場合)
b.事例紹介
c.更生相談所との連携
巻末付録
シーティングに関連する制度(木之瀬 隆)
1─疾患別リハビリテーションのシーティング
2─補装具
a.補装具の種目
b.特定疾病
3─介護保険の福祉用具