やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第4版の序
 本書は,第1版(佐藤昭夫・監修,2005年)発刊以来,生理学の基礎的知識を身につけるための問題集として,理学療法士・作業療法士,看護師,はり師きゅう師など主として医療系の国家資格取得を目指す学生に好評を得てきた.第4版では,各種医療系国家試験(次頁参照)において過去25年(1993年〜2018年)の間に出題された生理学の問題を調査・分析し,基本的問題および直近6年間の出題問題を重点的にとりあげた.近年の理学療法士・作業療法士などの国家試験では,4ないし5つの選択肢から1つを選ぶ形式(四肢択一,五肢択一)に加え,5つの選択肢から2つを選ぶ形式(五肢択二)も多々見られる.本書では,これらに対応するために必要な基本的問題を1問ずつ独立させ,○×で答える形式にした.問題の理解を深めるため,1問毎に解説した.各国家試験で過去に出題された問題に国家試験分野を明示した.いずれも基本的問題であるため,まずは本書全体を通して学習することが望まれる.過去の国家試験問題は良く考えられているが,なかには国家試験における生理学の基本的問題の範囲を超えた問題が見られた.そのような問題は難問として付記した.
 本書作成にあたり,過去25年間の各国家試験問題を整理して,分野ごとの出題率をまとめた.参考までに次頁の表に示す.各々の国家試験の受験生は出題傾向を把握する参考にしてもらいたい.本書を用いて学習することにより,国家試験合格に必要とされる生理学の基礎的知識を身につけることが可能と考えている.
 本問題集の作成に当たり,常に励ましと惜しみない協力をいただいた医歯薬出版株式会社の近藤信幸氏に心から感謝の意を表する.
 平成30年6月
 編集者および執筆者一同
 序
 本書の使い方
第1章 生命とは
 1.生理学の特徴
 2.細胞膜
 3.核
 4.細胞小器官
 5.物質代謝
 6.体液
 7.物質の移動
  【難問】
第2章 血液
 1.血液の組成と量
 2.赤血球
 3.白血球
 4.血小板
 5.血漿
 6.血液凝固
 7.血液型
 8.生体の防御機構
  【難問】
第3章 循環
 1.心臓血管系
 2.心筋の基本的性質
 3.刺激伝導系
 4.心周期
 5.心拍数・心拍出量
 6.心電図
 7.心筋の電気現象
 8.心臓の神経支配
 9.血管系
 10.血圧
 11.循環調節
 12.特殊な部位の循環
 13.運動時の循環調節
 14.リンパ系
  【難問】
第4章 呼吸
 1.外呼吸と内呼吸
 2.呼吸器系の構造と機能
 3.呼吸運動
 4.肺機能
 5.ガス交換とガスの運搬
 6.呼吸運動の調節
 7.運動時の呼吸調節
  【難問】
第5章 消化と吸収
 1.咀嚼・嚥下
 2.唾液
 3.胃運動
 4.胃液
 5.小腸運動
 6.膵液
 7.胆汁
 8.腸液
 9.小腸での吸収
 10.大腸・排便
 11.消化管ホルモン
 12.肝臓
  【難問】
第6章 栄養と代謝
 1.栄養素とエネルギー代謝
 2.糖質
 3.脂質(脂肪)
 4.蛋白質
 5.ビタミン・無機質
  【難問】
第7章 体温
 1.体温の部位差と変動
 2.産熱(熱産生)
 3.放熱(熱放散)
 4.体温の調節
  【難問】
第8章 排泄
 1.腎臓の働き
 2.腎循環
 3.糸球体におけるろ過
 4.尿細管における再吸収と分泌
 5.尿の組成
 6.腎臓による体液の調節
 7.蓄尿・排尿
  【難問】
第9章 内分泌
 1.ホルモンの一般的特徴
 2.視床下部
 3.下垂体
 4.甲状腺・副甲状腺
 5.膵臓
 6.副腎髄質
 7.副腎皮質
 8.性腺
  【難問】
第10章 生殖
 1.生殖細胞
 2.生殖―男性
 3.生殖―女性
 4.成長・老化
  【難問】
第11章 神経
 1.神経系の一般
 2.ニューロン
 3.神経線維の興奮と伝導
 4.興奮の伝達
 5.脳神経・脊髄神経
 6.中枢神経
 7.反射
 8.脳波・睡眠
 9.脳脊髄液
 10.自律神経系
  【難問】
第12章 筋
 1.骨格筋と筋線維
 2.筋の微細構造と筋収縮の仕組み
 3.等張性・等尺性収縮
 4.単収縮・強縮
 5.筋のエネルギー代謝
 6.心筋・平滑筋
  【難問】
第13章 運動
 1.運動単位
 2.神経筋接合部
 3.筋紡錘・腱受容器
 4.筋緊張
 5.脊髄レベルでの運動調節
 6.脳による運動調節
 7.錐体路系・錐体外路系
 8.発声
 9.骨・関節
  【難問】
第14章 感覚
 1.感覚の一般
 2.体性感覚―皮膚感覚
 3.体性感覚―深部感覚
 4.内臓感覚
 5.痛覚
 6.味覚
 7.嗅覚
 8.聴覚
 9.平衡感覚
 10.視覚
  【難問】

 索引