やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 生老病死は人間の「生」の本質をとらえた,人間の一生の厳粛な事実である.人類史には人の苦痛を癒そうとする人間の知恵の蓄積があった.看護および医療は「癒しの術」として,病む人を対象とする技術を発展させてきた.看護職は,〈生命,生活,人生〉のすべてにわたる人間の「生」の総体に深くかかわり,物質的・生物的・人間的な意味をすべて包摂する〈健康〉という普遍的な人類的課題に貢献する専門職である.
 人の体は60兆個の細胞から構成されている.その60兆個の細胞が,それぞれ個々に与えられた役割を担い,かつ連携することで,心身の活動を可能としている.そして,その細胞にはプログラム化された細胞死がある.生を得て死ぬまで人間の一生は,生老病死という不可避的な事実のもとに成り立っている.いまここに在る人を対象とする看護は,その不可避的な事実を根底に置きながら,一人ひとりの人間と向き合う個別的・個性的な認識と実践である.
 本シリーズは,看護基礎教育での「慢性疾患看護」の講義と実習,基礎と応用,理論と実践とをつなぐテキストとして企画した.慢性疾患看護を,慢性的な機能障害をもつ人への看護として展開する.成人期から老年期の特徴にもとづいた看護と,疾病・障害に関する看護の基本を学び,生活に直接にかかわってくる疾患とそれによる機能障害への対応の基本がわかるよう構成している.慢性疾患とうまく付き合いながら生活し,老年期までその人なりの健康を維持して暮らす人は多い.発症が成人期であってもそれが老年期に続くという現状,臨床での高齢患者の増加(学生が実習で受け持つ患者も老年期の患者が多い)していることから,対象は,成人期にある患者に限らず,続いて訪れる老年期をも見据えてまとめた.人びとのライフサイクルの各期における社会的役割や人生課題,ならびにそれと健康生活のかかわり方を理解することを通して,個人の生き方に沿って生活を支えていく援助として表した.
 慢性疾患を有する人は,本来その人に備わっていた身体の機能が障害され,それが長期にわたり続くため,日常生活を維持するために,何らかの形でそれを補う必要がある.さらに,長期経過に伴い合併症や他の疾患も出現し,それが関連して身体の障害はさらに複雑になる.医療の発展により,多くの疾患は治療が可能となっているが,疾患を予防し,再発や増悪を防止することはさらに重要となっており,そこに患者のセルフケアが欠かせない.患者の生命を守り,日常生活を通して対象の健康レベルを向上させるのが看護の役割だとすると,身体の本来の機能とその人に生じている障害を理解することが,障害を補うには,あるいは障害の影響を最小限にするにはどうしたらよいかを検討するには不可欠となる.
 本書の序章は慢性疾患看護の概論として,慢性疾患をもつ患者の理解と看護の基本について理論的基盤を含めて解説した.また,シリーズ第2〜5巻に連動する身体機能障害と看護について解説した.1〜5章は,身体機能別の疾病論を概説し,代表的な疾患と治療を解説した.本書を通して,人びとの〈健康〉を包括的にとらえて展開する看護が浸透することを期待したい.
 最後に,本書の企画から発行まで,長期間にわたり辛抱強くご協力いただいた医歯薬出版の皆様に心より感謝したい.本書が慢性疾患看護の質をよりいっそう高めることに寄与できれば幸いである.
 2020年1月 正木治恵
序章 慢性疾患看護とは
  1.慢性疾患と看護
   1)慢性的な経過をたどる健康問題
   2)慢性疾患とともに生きる人
   3)慢性疾患看護の定義
  2.慢性疾患をもつ人のセルフケア
   1)セルフケア
   2)慢性疾患の病みの軌跡とセルフケアの課題
   3)病みの軌跡の局面に応じた看護
    (1)前軌跡期
    (2)軌跡発症期
    (3)クライシス期
    (4)急性期
    (5)安定期
    (6)不安定期
    (7)下降期
    (8)臨死期
   4)セルフケア確立に向けた5つの課題
    (1)医学的・実践的知識の獲得
    (2)セルフモニタリングの習得
    (3)情緒の安定・自己受容
    (4)人生上の選択・意思決定
    (5)家庭・社会での新たな役割獲得
   5)慢性疾患をもつ人のセルフケア評価
  3.慢性疾患看護の援助技術
   1)慢性疾患看護の前提
   2)セルフケア確立に向けた看護援助
    (1)指導的アプローチ
    (2)学習援助的アプローチ
    (3)存在認知的アプローチ
    (4)相互応答的アプローチ
    (5)相互協力的アプローチ
   3)慢性疾患患者のエンドオブライフケア
  4.慢性疾患看護における移行支援とチーム医療/チームケア
   1)療養の場の移行支援
    (1)慢性疾患をもつ人にとっての療養の場の移行支援の必要性
    (2)療養の場の移行支援のためのアセスメント
   2)慢性疾患看護におけるチーム医療/チームケア
    (1)柔軟かつ継続的なチーム体制─その時の状態に応じた必要なケアが適切な場において適切な人によってケアが提供される
    (2)慢性疾患をもつ人をチームの一員としてとらえる
  5.身体機能の障害に応じた看護方法
   1)慢性疾患看護に身体の機能障害の理解が必要な理由
   2)機能障害を引き起こすものと看護の役割
   3)身体機能の障害と看護方法
第1章 細胞の世界からヒトの世界へ─ヒトの病気を理解するために
  1.ヒトの一生
  2.ヒトの寿命はどれくらいなのか?
  3.寿命を決める分裂回数はなぜ決まっているのか?
  4.人体を構成する細胞の数はどれくらいか?
  5.死の上に成立する生 アポトーシスの発見
  6.アポトーシスの生理的意義 死は正常細胞の機能である
  7.細胞の危機管理メカニズム 異常細胞の排除
  8.細胞周期に依存しないDNA修復機構と異常細胞の排除
  9.アポトーシスはさまざまな病気に関係している 病理的アポトーシス
  10.細胞からヒトへのメッセージ
第2章 身体防御/内部環境調節機能障害
  1.身体防御機能とはどういうことなのか?
   1)疼痛による身体防御機能
   2)高次脳機能による身体防御機能
   3)自律神経系による身体防御機能
    (1)交感神経の興奮状態とはどのようなものなのか?
    (2)副交感神経の刺激状態とはどのようなものなのか?
    (3)自律神経接合部で放出される神経伝達物質─ノルアドレナリンとアセチルコリン
   4)免疫機能による身体防御機能
    (1)外界との境界における物理化学的防御ライン
    (2)先天性(自然)免疫による防御ライン
    (3)後天性(獲得)免疫
  2.内部環境調節機能とはどういうことなのか?
   1)微小循環領域
    (1)内部環境を反映する具体的な場所
    (2)微小循環領域を支配する法則─スターリング原理
    (3)微小循環領域の恒常性の維持
   2)体液の性状の恒常性の維持
 各論1 全身性エリテマトーデス(SLE)
  1.全身性エリテマトーデス(SLE)とはどのような疾患なのか?
   1)抗核抗体とは
   2)SLEの発生機序
   3)SLEの病態生理
   4)SLEの臨床
  2.全身性エリテマトーデス(SLE)の診断と治療
   1)SLEの診断基準
   2)SLEの治療
    (1)副腎皮質ステロイド療法
    (2)ステロイドパルス療法
    (3)免疫抑制療法
   3)SLEの予後
 各論2 慢性腎臓病(CKD)を内部環境調節機能障害のモデルとして考察する
  1.慢性腎臓病(CKD)とはどのような疾患なのか
   1)CKDという名前と概念
   2)CKDの定義 患者も医者も理解しやすく使いやすい定義
  2.蛋白尿について
   1)正常尿にタンパク質は存在するのか?
   2)血漿タンパク質が尿中に漏れない機序
   3)異常な蛋白尿
    (1)オーバーフロー型蛋白尿
    (2)糸球体型蛋白尿(選択性および非選択性)
    (3)尿細管型蛋白尿
    (4)血行動態型蛋白尿
   4)蛋白尿の検査
  3.腎機能評価としての糸球体濾過量(GFR)
   1)臨床における糸球体濾過量(GFR)の測定法
   2)高齢者では加齢に伴うGFR低下への考慮が必要
  4.慢性腎臓病(CKD)の診断と治療
   1)CKDの重症度
    (1)CKDの原因
    (2)CKDの重症度分類(CGA分類)
   2)慢性腎不全ではどのような病態が出現するのか?
   3)CKDの管理と治療
第3章 呼吸/循環機能障害
  1.呼吸と循環システムを構成する要素 心臓,血管,そして肺
  2.循環機能と心臓
   1)心臓・血管・血液
    (1)心臓について
    (2)血管について
    (3)血液について
   2)血液循環という視点で心血管系をみる
    (1)血液分布からみた血液循環
    (2)脈拍と血圧からみた血液循環
  3.呼吸機能と肺
   1)肺という特別な臓器
   2)空気輸送とガス交換
    (1)空気輸送系とガス交換系
    (2)気道は23分岐して肺胞に到達する
   3)気道(空気輸送系)とガス交換系の内面を覆う上皮細胞
    (1)粘膜線毛輸送系 ─粘液線毛エスカレータ
    (2)細気管支の主役細胞 ─クララ細胞
    (3)ガス交換系の上皮細胞
 各論1 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を慢性呼吸機能障害のモデルとして考察する
  1.慢性閉塞性肺疾患(COPD)とはどのような疾患なのか?
   1)COPDの歴史と定義の変遷
   2)今日におけるCOPDの定義 慢性気管支炎と肺気腫と“非可逆的”が消えた?
   3)GOLD 2006年の大改訂 予防と治療の可能性と全身疾患の視点
   4)日本のCOPD診断と治療のためのガイドライン
  2.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の疫学
  3.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の危険因子
   1)最重要外因性危険因子としてのタバコ煙
   2)最重要外因性危険因子としてのα1-アンチトリプシン欠損症
  4.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病理学的所見 肺の形態はどのように変容するのか?
   1)肺病変の出現部位
    (1)中枢気道病変
    (2)末梢気道病変
    (3)肺胞領域病変
    (4)肺血管病変
   2)細胞レベルでみる炎症反応
  5.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病因
    (1)酸化ストレス
    (2)プロテアーゼ・アンチプロテアーゼ不均衡
    (3)炎症性メディエーター
    (4)アポトーシス
  6.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態生理
   1)気流閉塞と動的肺過膨張
   2)ガス交換障害
   3)気道粘液の産生増加
   4)肺高血圧症
  7.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の臨床所見
   1)慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状
    (1)呼吸困難
    (2)慢性の咳と喀痰
    (3)喘鳴
    (4)消耗・体重減少・食思不振
   2)COPDの身体所見について
    (1)樽状胸郭
    (2)頻呼吸と口すぼめ呼吸
    (3)呼吸運動と胸郭運動異常
    (4)チアノーゼ
    (5)ばち指
    (6)触診と聴診所見
  8.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の検査
   1)画像診断
    (1)胸部単純X線写真
    (2)胸部CT
   2)呼吸機能検査
    (1)気流閉塞の評価(スパイロメトリーと肺気量分画)
    (2)ガス交換障害の評価─肺拡散能(DLCO)
   3)動脈血ガス分析とパルスオキシメーターについて
    (1)動脈血ガス分析
    (2)パルスオキシメーターによる酸素飽和度の測定
  9.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断
   1)診断基準
   2)閉塞性換気障害による病期分類
    (1)COPDの病期分類
    (2)慢性呼吸不全
  10.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の併存症と合併症
   1)併存症 全身病としての側面
   2)肺合併症
    (1)気管支喘息
    (2)肺がん
    (3)気腫合併肺線維症
  11.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療 薬物療法
   1)安定期の薬物治療
    (1)気管支拡張薬
    (2)ステロイド(グルココルチコイド)
    (3)長時間作用性β2刺激薬/吸入ステロイド薬配合薬(LABA/ICS配合薬)
    (4)喀痰調整薬
    (5)抗菌薬
   2)増悪期の薬物治療
 各論2 慢性心不全(CHF)を慢性循環障害のモデルとして考察する
  1.慢性心不全を定義する
   1)慢性心不全治療ガイドラインによる定義
   2)慢性心不全とうっ血
  2.慢性心不全の疫学
   1)米国で70年近く継続している大規模疫学研究
   2)国内における大規模疫学研究
  3.心臓のポンプ機能は何によって決まるのか?
   1)心筋細胞
   2)心筋と骨格筋の比較
   3)横紋の理由と筋収縮機構
   4)心臓収縮を決める3つの要因 心筋の機能を理解する
  4.正常心と不全心の差を理解する
  5.心不全の原因
  6.心不全の病理 発生を理解する
  7.心不全の臨床症状
  8.心不全の診断のための検査
   1)ルーチンの血液尿検査
   2)心電図
   3)胸部レ線(X線)
   4)左心室機能評価
   5)バイオマーカー
  9.心不全のステージ分類と薬物治療
    (1)ACE阻害薬(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)
    (2)ARB(アンギオテンシンII受容体拮抗薬)
    (3)ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA),抗アルドステロン薬
    (4)β遮断薬(β受容体ブロッカー)
    (5)利尿薬
    (6)ジギタリス
第4章 消化・吸収/栄養代謝機能障害
  1.口渇と空腹のメカニズム
   1)口渇
    (1)血液脳関門
    (2)脳室周囲器官
   2)空腹
  2.消化管 口腔から肛門管に至る長い旅
   1)口腔
    (1)唾液腺
    (2)唾液
   2)咽頭
    (1)嚥下運動
    (2)嚥下障害
   3)食道
   4)胃
    (1)胃の化学的消化作用
    (2)胃液の各成分を分泌する細胞
   5)十二指腸 膵液と胆汁の受け取り場所
    (1)膵液
    (2)胆汁
   6)小腸 空腸と回腸
    (1)小腸粘膜
    (2)炭水化物・タンパク質・脂肪消化吸収の最終段階
   7)大腸と直腸
    (1)大腸
    (2)直腸
  3.肝臓のことを知る
   1)肝臓の特徴
   2)腺としての肝臓
    (1)肝臓の外分泌機能
    (2)肝臓の内分泌機能
    (3)肝細胞の構造と分泌機能
   3)肝臓の機能
    (1)代謝
    (2)解毒
    (3)血漿タンパク質合成
    (4)胆汁の産生と排泄
 各論1 炎症性腸疾患を慢性消化吸収障害のモデルとして考察する
  1.炎症性腸疾患とはどのような疾患なのか?
  2.潰瘍性大腸炎とクローン病の歴史
  3.潰瘍性大腸炎とクローン病の疫学
  4.潰瘍性大腸炎とクローン病の病理
   1)両者でみられる腸の炎症性病変はどのように広がっているのか?
    (1)潰瘍性大腸炎の炎症
    (2)クローン病の炎症
   2)腸管のどこに炎症が発生するのか?
   3)両者の病理組織所見の違い
    (1)潰瘍性大腸炎の病理組織所見
    (2)クローン病の病理組織所見
  5.潰瘍性大腸炎とクローン病の臨床所見
   1)潰瘍性大腸炎の臨床所見
   2)クローン病の臨床所見
    (1)回腸大腸炎
    (2)空腸回腸炎
    (3)大腸炎と肛門周囲病変
    (4)胃十二指腸病変
   3)腸管外合併症について
    (1)皮膚症状
    (2)リウマチ様症状
    (3)眼症状
    (4)肝胆道系症状
    (5)尿路系症状
    (6)代謝系骨症状
    (7)血栓塞栓症
   4)炎症性腸疾患の臨床検査
    (1)血清マーカー
    (2)大腸内視鏡検査
  6.潰瘍性大腸炎とクローン病の鑑別
   1)感染性疾患と非感染性疾患
   2)潰瘍性大腸炎とクローン病の鑑別困難例の存在
  7.炎症性腸疾患の治療
   1)薬物療法
    (1)5-ASA(5-アミノサリチル酸)
    (2)ステロイド薬(グルココルチコイド)
    (3)免疫調節薬
    (4)TNFα阻害薬
    (5)抗菌薬
   2)外科手術適応
 各論2 肝硬変を慢性栄養代謝障害のモデルとして考察する
  1.肝硬変とはどのような疾患なのか?
  2.肝硬変の病理組織学的所見
   1)線維化の進行
   2)しっかりと線維化が完成した肝硬変とはどのような組織像なのか?
  3.肝硬変の評価 代償性肝硬変と非代償性肝硬変
   1)門脈圧亢進(症)
    (1)胃食道静脈瘤(破裂)
    (2)脾腫(脾機能亢進)
    (3)腹水
   2)肝腎症候群(HRS)
   3)肝性脳症
   4)栄養不良
   5)凝固機能異常
   6)骨疾患
   7)血液異常
  4.肝硬変の重症度分類 Child-Pugh分類
  5.肝硬変でみられる血液検査所見
  6.肝硬変の治療
   1)肝細胞がんの治療
    (1)B型肝炎ウイルス
    (2)C型肝炎ウイルス
   2)門脈圧亢進の治療
    (1)βブロッカー(プロプラノロール)
    (2)食道静脈瘤の治療
    (3)胃静脈瘤の治療
   3)腹水の治療
    (1)食塩制限と利尿薬
    (2)難治性腹水(利尿薬で制御できない肝硬変腹水)
    (3)特発性細菌性腹膜炎(SBP)
   4)肝性脳症
    (1)分岐鎖アミノ酸含有点滴(BCAA輸液)
    (2)合成二糖類経口投与
    (3)難吸収性抗生物質投与
第5章 脳・神経/感覚・運動機能障害
 各論1 筋萎縮性側索硬化症(ALS)を慢性脳神経障害のモデルとして考察する
  1.筋萎縮性側索硬化症(ALS)とはどのような疾患なのか?
   1)神経細胞(ニューロン)の基本的な形態
    (1)樹状突起
    (2)軸索
    (3)ミエリン鞘
    (4)シナプス
   2)骨格筋を支配する運動ニューロン
    (1)上位運動ニューロン
    (2)下位運動ニューロン
  2.筋萎縮性側索硬化症(ALS)の疫学的な側面
  3.筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病因と病態
   1)遺伝子異常仮説
   2)興奮性細胞死仮説(グルタミン酸仮説)
   3)RNA調節機構異常仮説
  4.筋萎縮性側索硬化症(ALS)の臨床
   1)上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの障害
   2)筋萎縮性側索硬化症(ALS)の典型的な臨床像
    (1)典型的なALSの筋力低下・筋萎縮のパターン─古典的なALSの中核症状
    (2)有名な4大陰性兆候
  5.筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断ALSは症候群である
   1)細胞体の変性
   2)筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断基準
    (1)症候群としての筋萎縮性側索硬化症(ALS)
    (2)診断基準
    (3)電気生理学的検査
  6.鑑別を必要とする二次性運動ニューロン病の分類
  7.筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療
   1)リルテックによる治療
    (1)リルテックの効能または効果
    (2)リルテックの適応基準
    (3)リルテックの副作用
   2)新たな治療薬
 各論2 関節リウマチ(RA)を慢性運動障害のモデルとして考察する
  1.関節リウマチ(RA)とはどのような疾患なのか?
   1)関節リウマチは“高度な手足の関節変形”として語られてきた
   2)手指骨の解剖を押さえておこう
   3)慢性関節リウマチから関節リウマチへ 日本における疾患名変更の歴史
   4)関節リウマチの定義
  2.関節リウマチ(RA)の疫学
   1)遺伝的側面 HLA遺伝子
   2)関節リウマチの環境リスク因子
  3.関節リウマチ(RA)の病理と病態生理
  4.関節リウマチ(RA)の臨床
   1)関節の臨床
   2)関節外の臨床
  5.関節リウマチ(RA)の診断
   1)関節リウマチの臨床検査
    (1)リウマトイド因子
    (2)抗CCP抗体
    (3)MMP-3(マトリックスメタロプロテイナーゼ-3)
    (4)赤血球・白血球・血小板
    (5)血沈(ESR)とCRP
   2)関節リウマチの画像検査
   3)関節リウマチの診断基準の変遷
  6.関節リウマチの治療
   1)第1ライン 対症療法(局所炎症と疼痛コントロール)
   2)第2ライン 低用量ステロイド療法
   3)第3ライン 抗リウマチ薬の導入
    (1)メトトレキサートの概要
    (2)メトトレキサートの副作用・禁忌事項
   4)第4ライン 生物学的製剤の導入
    (1)生物学的製剤とは
    (2)TNF阻害薬
   5)関節リウマチ薬物治療には,いったいどれくらいの費用がかかるのか?
    (1)薬剤費と経済格差
    (2)バイオシミラー(バイオ後続品)の登場
   6)関節リウマチに治癒はあるのか?