やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第4版の序
 本書第1版が出版されたのが1993年であり,その8年後の2001年に第2版が,さらに9年後の2010年に第3版が出版された.すなわち,本書第1版が刊行されてから四半世紀が経ったことになる.
 25年以上も経てば,さすがに微生物学の領域では大きな変化があった.微生物の分類についても大きく変わってきた.たとえば真菌は今まで,植物の仲間とみなされていたが,実際は動物に近いことがわかってきた.さらに原虫類は動物の仲間と思われていたのに,動物とはまったく別のカテゴリーに入ることもわかった(5章 真菌学 参照).
 このような大きな変化だけではなく,実に多くの事項が新たに明らかにされてきたことから,これらを本書にも隈なく反映させる必要が生じてきた.
 また,本書の編著者も今回大きな変更があった.今回の改訂にあたって,編者として新たに市村 宏先生に加わっていただいた.さらに執筆陣も大幅な変更を行った.
 「1章 病原微生物学と院内感染」では岸下雅通先生,小迫芳正先生から市村 宏先生,石ア有澄美先生に,「3章 細菌学」では小迫芳正先生,岸下雅通先生から神谷 茂先生に,「5章 真菌学」では西山彌生先生から槇村浩一先生に,「6章 寄生虫学」では多田 功先生から小島夫美子先生に変更された.それに伴って,特に1,3,5章については大幅な更新がなされた.
 それ以外に,2章については自然免疫の追加や腫瘍免疫療法,特に免疫チェックポイント阻害薬など最近の話題になっている項目の説明が加えられた.4章については,最近の抗ウイルス薬についての追加と修正や麻疹,風疹の最近の流行などについて説明が加えられた.6章については最新のデータやトピックが盛り込んで記載された.
 今回の改訂により,急速に進化している微生物学について看護教科書として必要十分な内容が網羅されてきたことと思う.本書はこのような編著者らが意図したとおりになったものと確信してはいるが,これについては読者の皆様方の判断するところである.そのためにも皆様の本書に対する忌憚ないご意見を賜れば幸いである.
 本書刊行にあたり,ご尽力をいただいた医歯薬出版株式会社ほか関係各位に感謝いたします.
 2019年3月
 編者 今西二郎



第3版の序
 本書第1版が出版されたのが1993年であり,その8年後の2001年に第2版が世に出された.さらに,9年後の2010年に第3版を刊行することができた.すなわち,本書第1版が刊行されてから,20年弱が経とうとしているのである.
 この20年の間には,微生物学の領域で驚くほどの変化が見られた.すなわち,分子生物学の発展により,多くの微生物の遺伝子が明らかになり,その機能なども解明されてきたこと,PCR法など,微生物の遺伝子を迅速に,高い感度と特異度で診断できる方法が開発され,しかも日常的に用いられるようになったことがあげられる.また,感染症の治療においても,さまざまな抗生物質の開発はいうまでもなく,抗ウイルス薬は,当時は抗ヘルペス薬くらいしかなかったのに,今や,エイズ,インフルエンザ,B型肝炎,C型肝炎などに対するものが,すでに日常診療で用いられるようになってきている.
 また,免疫学の分野でも,大きな進歩をとげ,免疫学の根幹となる機構の概念も大きく変わってきている.
 このように,ここ10年,20年の間の変化は大きく,それに伴って,教科書の記述内容も大幅に改訂する必要が出てきた.そのようなことから,今回,第3版の改訂を行うことになったわけである.
 改訂の内容は,新しい微生物や感染症についての記述を加えたこと,第2章の免疫学を大幅に書き改めたこと,第4章のウイルス学についても,記述順を変更し,内容も大きく変えたことがあげられる.
 今回の改訂により,日進月歩の微生物学についての最新の内容が,うまく盛り込まれたことと自負している.しかし,本当に編者らの意図したとおりになっているかどうかは,読者である皆様方の判断に委ねることになる.本書に対する忌憚ないご意見を賜れば,幸いである.
 本書刊行にあたり,ご尽力を頂いた医歯薬出版株式会社の関係各位に感謝致します.
 2010年2月
 編者 今西二郎



第2版の序
 本書は1993年に初版を発行して以降,第1版第10刷時の「新感染症法」関連の見直しに至るまで,できるだけ新しい情報を取り込みむことを心がけながら増刷を重ねてきた.
 幸い各方面でご活用いただき,感謝の念とともに大きな責任も感じていたところ,この度,各領域において適任の共著者を得て,新しい研究成果に裏打ちされた内容を盛り込んだ改訂版発行という念願を実現できる運びとなった.
 全体の大きな章立ては従来の構成にそって,院内感染・起因微生物・感染症を三本柱とし微生物学の基本原則をわかりやすく解説したスタイルは踏襲しながら,微生物学の基礎的知識に加え,現時点で臨床的問題となっている主要な微生物に起因する疾患とその対策など,専門的領域についても最新の情報を盛り込んだ.
 近年の医療の高度化に伴う易感染性患者の増加は感染症の発生率を高めており,これに対する医療対策も近年飛躍的に進歩している一方では,ずさんな衛生管理が招いた食中毒例や感染事故にも事欠かないという現実があり,院内感染など病院内の重大な問題もいまだに解決されたとはいえない状況である.
 このようなときにあって,感染管理の基礎はあくまでも臨床微生物学であり,その知識に基づいた看護技術を駆使することによって,感染予防とよりよい感染看護が可能となることを再認識する必要を痛感している.
 21世紀には医療はさらに高度化され,細胞分子レベルの研究や臓器移植技術にともなう高度医療機器や薬剤の開発が進められていくなかで,患者さん一人ひとりに身近に接し,その訴えを聞くことのできる看護者が,専門的知識を身につけ,責任ある看護を実行できるということは,安全な患者看護に計り知れない効果をもたらすものと確信している.
 本書で多くの学生が臨床微生物学の基礎的知識を修得し,さらに臨床看護者となっても不可欠な知識を確認する手引きとして繰り返し活用していただければ幸いである.
 2001年1月
 著者一同



序文
 医療におけるナースの役割の多様化の中で,真に実力のあるナースの育成が求められている.とくに院内感染をめぐる諸問題は,患者のquality of lifeという観点からも,医療への信頼を高めるためにも,医療スタッフが力を合わせて取り組まねばならない基本的な問題である.
 看護学生のための「微生物学」のテキストを編集するにあたって,執筆者は看護にとって必要な「微生物学」とは何かを真剣に討論し,たくさんの情報の中から何が必要かを選択した.これまでのテキストは,ともすると医学生のための「微生物学」の内容をひきうつしたものが多く,看護教育における「微生物学」として何が求められているかという検討に欠ける点があったように思われる.
 実際の看護教育では,いわゆる専門基礎の分野は多様のニーズに対応するためであろうか,少ない時間にかかわらず項目の増加の傾向が目立ち,詰め込み教育や丸暗記教育に陥り,その結果,比較・連係・組み合わせによる思考や論理的思考,まとめの力を養うに至っていないという状況にある.
 一方,臨床看護は患者との1対1のケアを原点としており,それにはまず,患者一人ひとりの体の中に起きているできごとを大筋で誤りなくとらえることが一つの柱として必要である.そのうえではじめて,全人的総合看護や社会保健活動が展開されるのではないかと思われる.
 医療スタッフの一員としてナースが力を発揮していくためにも,医療の第一線で看護に求められているものは何かを認識し,看護教育のはじめから科学的思考力や応用力を養って,アセスメントや看護診断の力を身につけることが大切である.
 本書は医学生のテキストをそのまま簡略にするようなやり方をいっさい避けて,各分野の専門の先生方に,ナースに求められている内容を,ナースの実際の仕事に役立つ形で詳しく記述していただいた.
 <本書の特徴>
 1)微生物学に興味がわき,学んで楽しいテキストとなることを目指した.
 2)項目の網羅主義を改め,看護の実情に合う内容を精選した.
 3)看護の現場とのかかわり,結び付きがわかる書き方,構成を工夫し,基礎と臨床応用(院内感染など)に関して,学生がその関連づけを考え,理解できるよう努めた.
 4)多くのわかりやすい図や表を工夫した.
 5)ナースのメモ,参考欄(青枠)を設け,看護の現場で役に立つ知識のほか,歴史的事情や実験例を適宜に入れて,学説のつくられる背景を論理的に考える資料とした.
 6)各章ごとに,学んだことを確認する問題をつけた.
 7)索引には微生物学の重要用語のほか疾患名を多く入れ,ナースになじみのある疾患名から病原菌との関係を学べるように配慮した.
 8)特論として「ナースのためのエイズの知識」を付した.
 執筆者一同は,看護教育の中で模索してきた考えをふまえて「微生物学」を本書の形に具体化してみたが,目的には達していない点も多々あると思う.ご指導,ご意見を心よりお願いするとともに,本書が多くの先生方に活用され,また本書で学んだ学生の皆様が医療スタッフとともに活躍される日を執筆者一同願ってやまない.
 1993年2月
 編者
第1章 病原微生物学と院内感染
 (石ア有澄美・市村 宏)
 1 感染と感染症
  感染とは
 2 病原微生物と常在菌叢
  病原微生物と非病原微生物 常在菌叢
 3 感染様式,感染経路と微生物進入口
  感染様式 感染症の種類 感染経路と侵入門戸
 4 感染症サーベイランス:感染症予防対策のための情報システム
 5 抗菌化学療法と耐性菌
 6 院内感染
  院内感染の種類 院内感染サーベイランス
 7 滅菌と消毒
  消毒レベルは,医療行為のレベルに応じて判断 滅菌・消毒方法
 8 感染性廃棄物
  感染性廃棄物とは
第2章 感染と免疫
 (今西二郎)
 1 免疫とは
  免疫の定義,種類
 2 抗原と抗体
  抗原 抗原決定基 抗体 免疫グロブリンG 免疫グロブリンM
  免疫グロブリンA 免疫グロブリンE 免疫グロブリンD
 3 免疫担当細胞と免疫応答機構
  1 免疫担当細胞
   マクロファージ CD分類 T細胞と感作リンパ球 細胞傷害性T細胞
   ヘルパーT細胞 Bリンパ球 T細胞抗原レセプター B細胞抗原レセプター
   非T非Bリンパ球 好中球 好塩基球(肥満細胞) 好酸球
  2 免疫応答機構
   抗体産生機構 既往症反応
 4 抗原抗体反応
  沈降反応 凝集反応 クームス試験 ABO式血液型 Rh式血液型
  中和反応 血清療法
 5 補体とアレルギー
  1 補体
   古典的経路 代替経路 レクチン経路 補体結合反応
  2 アレルギー
   I型アレルギー 抗アレルギー薬 アトピー I型アレルギーによる疾患
   I型アレルギーの診断 II型アレルギー III型アレルギー IV型アレルギー
 6 サイトカイン
 7 自然免疫
   トール様レセプター 自然免疫を担う細胞 自然免疫に関与する物質
   自然免疫応答と獲得免疫の相互作用
 8 移植,感染,腫瘍免疫
  1 移植免疫と主要組織適合性抗原
   移植の種類 組織適合性抗原 HLA GVH反応
  2 感染免疫
   感染防御抗原・感染防御抗体 ワクチン
  3 腫瘍免疫
   免疫療法
 9 免疫の異常
  1 自己免疫病
   全身性エリテマトーデスと新生児ループス症候群 関節リウマチ 膠原病
   橋本病 バセドウ病 悪性貧血 糖尿病 重症筋無力症 ベーチェット病
  2 免疫不全
   先天性免疫不全症 後天性免疫不全症候群
 10 成長,発達,老化と免疫
  老化と免疫 妊娠と免疫 原発性習慣性流産
 11 免疫抑制薬および免疫抑制
第3章 細菌学
 (神谷 茂)
 1 細菌学総論
  1 形態,性状,構造,分類
   形態 性状 構造 分類
  2 環境と細菌
   環境条件 嫌気性・好気性 増殖曲線
  3 化学療法
   β-ラクタム系 アミノグリコシド(アミノ配糖体)系 テトラサイクリン系
   マクロライド系 キノロン系 そのほかの抗菌薬 抗結核薬
  4 予防
   ワクチン 血清療法
 2 細菌学各論
  1 グラム陽性球菌
   1)ブドウ球菌(スタフィロコッカス属)
   2)レンサ球菌(ストレプトコッカス属)
   〈病原性を示す菌種〉
    (1)化膿レンサ球菌(A群レンサ球菌)
    (2)ストレプトコッカス・アガラクティアエ(B群レンサ球菌)
    (3)ストレプトコッカス・ニューモニアエ(肺炎球菌)
   3)腸球菌(エンテロコッカス属)
  2 グラム陰性球菌
   1)ナイセリア属
    (1)淋菌(ナイセリア・ゴノレエ)
    (2)髄膜炎菌(ナイセリア・メニンジティディス)
  3 グラム陽性桿菌
   1)バシラス属
    (1)セレウス菌(バシラス・セレウス)
    (2)炭疽菌(バシラス・アンスラシス)
   2)クロストリジウム属
    (1)破傷風菌(クロストリジウム・テタニ)
    (2)ボツリヌス菌(クロストリジウム・ボツリヌム)
    (3)ディフィシル菌(クロストリジウム・ディフィシル)
    (4)ウェルシュ菌(クロストリジウム・パーフリンゲンス)
   3)コリネバクテリウム属
    (1)ジフテリア菌(コリネバクテリウム・ジフテリアエ)
   4)リステリア属
    (1)リステリア・モノサイトゲネス
   5)放線菌類
    (1)アクチノマイセス属
    (2)ノカルディア属
   6)マイコバクテリウム属
    (1)結核菌群(マイコバクテリウム・ツベルクローシス・コンプレックス)
    (2)非結核性抗酸菌
    (3)らい菌(マイコバクテリウム・レプラレ)
  4 グラム陰性桿菌
   1)腸内細菌科
    (1)エシェリキア属
    (2)赤痢菌属
    (3)サルモネラ属
    (4)エルシニア属
     a)エルシニア・エンテロコリティカ
     b)偽結核菌
     c)ペスト菌
    (5)プロテウス属
    (6)セラチア属
    (7)クレブシエラ属
   2)ビブリオ属
    (1)コレラ菌(ビブリオ・コレラエ)
    (2)腸炎ビブリオ(ビブリオ・パラヘモリティカス)
   3)エロモナス属
   4)プレジオモナス属
   5)ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌
    a)緑膿菌
    b)アシネトバクター属
    c)アクロモバクター属
    d)クリセオバクテリウム属
    e)ステノトロフォモナス属
   6)ヘモフィルス属
    (1)インフルエンザ菌(ヘモフィルス・インフルエンゼ)
   7)パスツレラ属
    (1)パスツレラ・ムルトシダ
   8)フランシセラ属
    (1)野兎病菌(フランシセラ・ツラレンシス亜種ツラレンシス)
   9)ボルデテラ属
    (1)百日咳菌(ボルデテラ・パツーシス)
   10)ブルセラ属
   11)レジオネラ属
   12)カンピロバクター属
   13)ヘリコバクター属
    (1)ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)
    (2)シネディ菌(ヘリコバクター・シネディ)
  5 マイコプラズマ属
   一般性状・分布 病原性 ヒトの疾患 治療
  6 スピロヘータ科
   1)トレポネーマ属
    (1)梅毒トレポネーマ(トレポネーマ・パリダム)
     梅毒の臨床症状 先天性梅毒 生物学的偽陽性反応 治療
   2)ボレリア属
    (1)回帰熱ボレリア(ボレリア・レカレンティス)
    (2)ライム病ボレリア(ボレリア・ブルグドルフェリ)
  7 レプトスピラ科
   1)黄疸出血性レプトスピラ(ワイル病)
   2)秋疫(あきやみ)レプトスピラ
   3)イヌ・レプトスピラ
  8 リケッチア科
   1)発疹チフスリケッチア(リケッチア・プロワゼキィ)
   2)発疹熱リケッチア(リケッチア・ティフィ)
   3)ツツガムシ病リケッチア(オリエンチア・ツツガムシ)
  9 クラミジア属
   1)トラコーマ・クラミジア(クラミジア・トラコマティス)
   2)オウム病クラミジア(クラミジア・シッタシ)
   3)肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニアエ)
第4章 ウイルス学
 (森内浩幸・森内昌子)
 1 ウイルス学総論
  1 ウイルスとは何か?
   ウイルスの構造 ウイルスの増殖 ウイルスの特徴
  2 ウイルスの生活様式は?
   ウイルスの伝播様式 ウイルスの感染形態
  3 ウイルスはどのようにしてヒトに病気を引き起こすのか?
   発病機構
  4 ヒトはウイルスからどのようにして身を守っているのか?
   自然免疫(内因性免疫)と獲得免疫(特異的免疫)
   ウイルス感染はさまざまな段階で防御されている ウイルス感染はなぜ時に重症化するのか
  5 ウイルス感染からさらに逃れるためにはどうすればいいのか?
   能動免疫 受動免疫
  6 ウイルス感染はどう診断するのか?
   疫学的および臨床的診断 血清学的診断 ウイルス分離
   抗原検出 核酸検出
  7 ウイルス病はどう治療するのか?
   抗ヘルペスウイルス薬 抗レトロウイルス薬
   抗インフルエンザウイルス薬 抗B型または抗C型肝炎ウイルス薬
 2 ウイルス学各論
  (1)ウイルス学的分類
   1 DNAウイルス
    (1)ポックスウイルス
    (2)ヘルペスウイルス
    (3)アデノウイルス
    (4)ポリオーマウイルス
    (5)パピローマウイルス
    (6)パルボウイルス
    (7)ヘパドナウイルス
   2 RNAウイルス
    (1)レトロウイルス
    (2)レオウイルス
    (3)フィロウイルス
    (4)ラブドウイルス
    (5)パラミクソウイルス
    (6)オルソミクソウイルス
    (7)ピコルナウイルス
    (8)カリシウイルス
    (9)コロナウイルス
    (10)フラビウイルス
    (11)トガウイルス
    (12)プリオン
  (2) 症候学的または感染経路の観点からの分類
   1 呼吸器感染を起こすウイルス
   2 消化器感染を起こすウイルス
   3 急性発疹性発熱性感染を起こすウイルス
   4 中枢神経系に感染する,または障害を及ぼすウイルス
   5 肝炎を起こすウイルス
    (1)A型肝炎ウイルス(HAV)
    (2)B型肝炎ウイルス(HBV)
    (3)C型肝炎ウイルス(HCV)
    (4)D型肝炎ウイルス
    (5)E型肝炎ウイルス
   6 媒介動物を介して感染するウイルス
    (1)蚊が媒介するウイルス
    (2)ダニが媒介するウイルス
    (3)動物咬傷により感染するウイルス
    (4)人獣共通感染する新興感染症ウイルス
   7 性感染を起こすウイルス
    (1)性器病変を起こすウイルス
    (2)性行為を介して感染するが,性器病変ではなく全身性疾患を引き起こすウイルス
   8 垂直(母子)感染を起こすウイルス
    (1)出生前感染
    (2)周産期感染
    (3)出生後感染
   9 血液を介して感染するウイルス
   10 日和見感染を起こすウイルス
    (1)サイトメガロウイルス
    (2)EBウイルス
    (3)水痘帯状疱疹ウイルス
    (4)単純ヘルペスウイルス
    (5)JCウイルス
第5章 真菌学
 (槇村浩一)
 1 真菌学総論
  1 真菌とは何か
   真菌の生物学的特徴 生命進化からみた真菌 形態学 生殖
  2 真菌の分類
  3 ヒトの生活と真菌
   環境真菌 有用真菌 有害真菌
  4 真菌症と原因真菌
   感染症起因真菌 アレルギー起因真菌 中毒起因真菌
  5 真菌感染症の分類
   表在性真菌症 深部表在性真菌症 深在性真菌症
  6 真菌感染症の疫学
   表在性真菌症の疫学 深在性真菌症の疫学
  7 真菌感染症の診断
   臨床的診断法 顕微鏡的診断法 血清学的診断法
   微生物学的診断法 遺伝子診断法
  8 真菌感染症の治療
   薬物療法 外科的療法 温熱療法 免疫療法
 2 真菌学各論
  1 単細胞発育を示す子嚢菌門の真菌
   (1)カンジダ属とカンジダ症
   (2)ニューモシスチス・イロベチイとニューモシスチス肺炎
  2 糸状発育を示す子嚢菌門の真菌
   (1)アスペルギルス属とアスペルギルス症
   (2)白癬菌と白癬
   (3)コクシジオイデスなど輸入真菌症原因菌と輸入真菌症
   (4)フサリウム属とフサリウム症
   (5)スポロトリックス属とスポロトリコーシス
   (6)黒色真菌と黒色真菌症
  3 単細胞発育を示す担子菌門の真菌
   (1)クリプトコックス属とクリプトコックス症
   (2)トリコスポロン属とトリコスポロン症
   (3)マラセチア属とマラセチア症
   (4)ムーコル門の真菌とムーコル症
   (5)トリモチカビ門の真菌とエントモフトラ症
   (6)ミクロスポリディア門の真菌とミクロスポリディア症
第6章 寄生虫学
 (小島夫美子)
 1 寄生虫学総論
  1 世界の寄生虫病の現状
   先進国で注意を要する寄生虫病
  2 寄生と寄生虫
   寄生虫の分類 生活史と宿主 感染の様式 生殖の様式
   宿主-寄生虫関係host-parasite relationship
  3 寄生虫による病害・症候
   血液にみられる症候 呼吸器症候 肝脾の症候 消化器症候
   中枢神経症状 発熱 眼症状 心臓障害 皮膚・筋肉の症候
   リンパ系の障害 泌尿生殖器の症候
  4 寄生虫感染の背景
   風土の条件 伝播昆虫・中間宿主の条件 人間の条件
  5 寄生虫病の診断・検査
  6 寄生虫病対策
   個人レベルの対策 地域・地球レベルでの対策
 2 寄生虫学各論
  1 原虫類
   1)腸管寄生性原虫類
    (1)赤痢アメーバ
    (2)ランブル鞭毛虫
    (3)戦争イソスポラ
    (4)小形クリプトスポリジウム
   2)血液・組織寄生性原虫類
    (1)トリパノソーマ
    (2)リーシュマニア
    (3)トキソプラズマ・ゴンディ
    (4)マラリア原虫
   3)泌尿生殖器寄生性原虫
    (1)膣トリコモナス
  2 条虫類
   1)腸管寄生性条虫類
    (1)日本海裂頭条虫
    (2)無鉤条虫
    (3)有鉤条虫
    (4)瓜実条虫
   2)幼条虫症を起こす条虫類
    (1)マンソン孤虫症
    (2)有鉤?虫症
    (3)包虫症(エキノコックス症)
  3 吸虫類
   1)腸管寄生性吸虫類
    (1)横川吸虫
    (2)有害異形吸虫
    (3)肥大吸虫
   2)血管寄生性吸虫類
    (1)日本住血吸虫
    (2)マンソン住血吸虫
    (3)ビルハルツ住血吸虫
    (4)住血吸虫性皮膚炎
   3)組織寄生性吸虫類
    (1)肝蛭
    (2)肝虫
    (3)肺吸虫
  4 線虫類
   1)腸管寄生性線虫類
    (1)回虫
    (2)鉤虫
    (3)アニサキス
    (4)蟯虫
    (5)糞線虫
   2)組織寄生性線虫類
    (1)糸状虫(フィラリア)類
    (2)顎口虫
    (3)広東住血線虫
    (4)旋毛虫

 付表1 感染症法の分類,対象疾患と病原微生物
 付表2 主な新興感染症と起因病原体
 付表3 主な再興感染症と起因病原体