やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 “運動を勧めても,「やる気」になってもらえない”
 “健康教室への参加を勧めても,参加者が集まらない”
 健康教育スタッフの皆さんは,日々頭を悩まされているのではないかと思います.
 不特定多数の方を対象にした健康教育で,対象者に行動変容してもらうのは,簡単ではありません.
 しかし,行動変容を促す健康教育において,効果を上げるために役立つと思われる,ポイントというものはあります.
 そこで本書では,健康教育の効果を高める上で役立つ考えや工夫について,32個のコラムにまとめました.
 これらの考えや工夫を,皆さんの日々の健康教育に活かしていただくことで,対象者の行動変容に少しでもつながることを願っております.
 行動変容を促す健康教育において,対象者の「やる気」を引き出す「健康教育力」を高めるために,ぜひ本書をご活用いただければ幸いです.
 2011年1月
 松本千明
パート1 健康教育の基本的な考え方
 1.「対象者の心理」に働きかける
 2.対象者のことがどれだけ分かっているか
 3.「環境」にも働きかける
 4.健康行動理論を活用する
 5.「モニタリング」の重要性
 6.評価の結果を活かす
 7.健康教育の倫理
パート2 マーケティングの考え方を活用する
 8.健康教育では,「行動」を売っている
 9.基本は「ニーズ」
 10.「対象者志向」が大事
 11.ターゲットを絞る
 12.「対象者調査」の重要性
 13.「結果」は「行動変容」で判定される
 14.「交換」
 15.「競争相手」に勝つために
 16.対象者に「満足」してもらう
 17.対象者の「迷い」をなくす
パート3 健康教育のブランド化
 18.「ブランド」と「ブランド化」
 19.「ブランド・アイデンティティ」
 20.「一貫したイメージ」で統一する
 21.「ネーミング」が大事
 22.よい「キャッチコピー」とは?
パート4 メッセージの伝え方
 23.マテリアルは「第一印象」が大事
 24.誰に対して何を訴えるか
 25.「具体的なイメージ」を抱いてもらう
 26.「感情面のメリット」も伝える
 27.「一面的メッセージ」と「二面的メッセージ」
パート5 その他
 28.「口コミ」の活用
 29.「よいチーム」を作るには?
 30.「1次ターゲット」と「2次ターゲット」
 31.フォーカス・グループは何回行えばよいか
 32.フォーカス・グループの司会の技術
パート6 まとめ

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