はじめに
関節リウマチ(以下リウマチ)は,多くの人が耳にし,その名前はよく知られている病気である.しかし,一方ではよくわかっていない面をもちあわせてもいる.これがリウマチである.リウマチのあることにより患者の多くは,痛みと苦しみ,関節の変形,破壊により日常生活に障害を生じる.
外来に訪れる患者の多くは,この痛みの訴え,将来への不安感,これらによる家族の危機状態などさまざまな悩みを抱えている.リウマチ外来の看護師は,看護相談室,診察室,検査室とそれぞれの場でのかかわりが,患者のQOLの向上に役立つことができればと願いながら患者と向き合っている.
看護師は外来における患者の情報から,リウマチのある患者が求められている外来とは「新しい出発への糧が得られるところ」ではなかろうかと考えている.すなわち,日々連続する苦痛や痛みのなかで「もう一度頑張ってみようと思える力が湧き,日常の生活へ再び立ちもどれる」,そのような生命力を鼓舞する場であろうと考える.
リウマチはまだ解明されない部分が多く,それゆえに,外来において患者と向き合う看護師の果たす役割は大きく,ときとして患者の人生の支え手となる.
そのような思いを込めて,テーマを「関節リウマチのある患者の看護相談室-新しい出発のために」と考えた.すなわち,看護師はこのような思いをもって患者と向き合ってほしいと考え,また,患者にとって外来が新しい出発への力が湧く場になれたらと願い,専門分野の医師・看護師の筆により本書を世に送ることとした.
第I章は,リウマチという病気が誤解されないためにリウマチについてわかっていること,わからないことを中心に述べる.第II章は,リウマチになぜリハビリテーションが必要かをテーマとし,病院における方法と日常生活の場での工夫について述べる.第III章は,快い生活を送るための生活の知恵の大集とした.大きな特徴は,1日,1年,10年のスパンでの生活の展望を追ってみたところにある.そして,リウマチのあることから逃げずに自立した生活を送ってほしいとの思いを込めた.第IV章は,社会資源を積極的に活用し,自ら豊かな生活設計を立てられることを意図して,社会的情報を豊富に記述した.第V章は,看護相談室における諸相とした.リウマチと対峙する患者,看護師の心の叫びから,明日の力が生まれることを期待する.第VI章は,リウマチのある患者の新しい出発のために必要な情報や看護師が考えるべきことを中心とし,新しい出発のために看護が果たすこと果たせることをテーマとした.
本書が,リウマチのある患者にとって,“生きよう”と思える源となれるように,また,看護師にとっては,外来の看護を再考する手がかりとして用いられることを願う.そして,編者・著者らの成長のために,折に触れてご意見をいただけるとありがたく思います.
最後に,この本の出版にあたりご尽力頂いた医歯薬出版編集部の皆様にこの場を借りて感謝申し上げます.
2003年11月吉日 編者ら
関節リウマチ(以下リウマチ)は,多くの人が耳にし,その名前はよく知られている病気である.しかし,一方ではよくわかっていない面をもちあわせてもいる.これがリウマチである.リウマチのあることにより患者の多くは,痛みと苦しみ,関節の変形,破壊により日常生活に障害を生じる.
外来に訪れる患者の多くは,この痛みの訴え,将来への不安感,これらによる家族の危機状態などさまざまな悩みを抱えている.リウマチ外来の看護師は,看護相談室,診察室,検査室とそれぞれの場でのかかわりが,患者のQOLの向上に役立つことができればと願いながら患者と向き合っている.
看護師は外来における患者の情報から,リウマチのある患者が求められている外来とは「新しい出発への糧が得られるところ」ではなかろうかと考えている.すなわち,日々連続する苦痛や痛みのなかで「もう一度頑張ってみようと思える力が湧き,日常の生活へ再び立ちもどれる」,そのような生命力を鼓舞する場であろうと考える.
リウマチはまだ解明されない部分が多く,それゆえに,外来において患者と向き合う看護師の果たす役割は大きく,ときとして患者の人生の支え手となる.
そのような思いを込めて,テーマを「関節リウマチのある患者の看護相談室-新しい出発のために」と考えた.すなわち,看護師はこのような思いをもって患者と向き合ってほしいと考え,また,患者にとって外来が新しい出発への力が湧く場になれたらと願い,専門分野の医師・看護師の筆により本書を世に送ることとした.
第I章は,リウマチという病気が誤解されないためにリウマチについてわかっていること,わからないことを中心に述べる.第II章は,リウマチになぜリハビリテーションが必要かをテーマとし,病院における方法と日常生活の場での工夫について述べる.第III章は,快い生活を送るための生活の知恵の大集とした.大きな特徴は,1日,1年,10年のスパンでの生活の展望を追ってみたところにある.そして,リウマチのあることから逃げずに自立した生活を送ってほしいとの思いを込めた.第IV章は,社会資源を積極的に活用し,自ら豊かな生活設計を立てられることを意図して,社会的情報を豊富に記述した.第V章は,看護相談室における諸相とした.リウマチと対峙する患者,看護師の心の叫びから,明日の力が生まれることを期待する.第VI章は,リウマチのある患者の新しい出発のために必要な情報や看護師が考えるべきことを中心とし,新しい出発のために看護が果たすこと果たせることをテーマとした.
本書が,リウマチのある患者にとって,“生きよう”と思える源となれるように,また,看護師にとっては,外来の看護を再考する手がかりとして用いられることを願う.そして,編者・著者らの成長のために,折に触れてご意見をいただけるとありがたく思います.
最後に,この本の出版にあたりご尽力頂いた医歯薬出版編集部の皆様にこの場を借りて感謝申し上げます.
2003年11月吉日 編者ら
関節リウマチのある患者の看護相談室 もくじ
I リウマチってどんな病気……誤解されないために
I-1.リウマチの概念―歴史的変遷を踏まえて─1(馬原)
1)リウマチの語源
2)広義のリウマチと狭義のリウマチ
3)診断名の変更「慢性関節リウマチ」から「関節リウマチ」へ
4)リウマチ病の歴史
紀元前から存在していたリウマチ /関節リウマチは絵に描かれていた /少しずつわかってきたリウマチ性疾患 /日本でのリウマチ /アメリカ大陸先住民に存在していた関節リウマチ
5)関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)とは
経過 /関節リウマチの特殊型 /疫学
I-2.病因と病態の特徴 ―わかっていること,わからないこと─7(馬原)
1)病 因
遺伝的要因 /環境要因 /遺伝的要因と環境要因のかかわり
2)病 態
免疫異常 /関節の炎症と滑膜増殖 /軟骨・骨破壊
I-3.検査とアセスメント ―検査の限界,検査からわかること─13(寺井)
1)RA診療における検査の目的
2)RA診療における検査の種類
一般検査 /画像診断 /病理組織検査 /穿刺液検査 /その他の検査 /検査の時期・頻度
3)検査の意義
RA診断に必要な検査 /RA活動性評価のための検査 /臓器病変(関節外病変)の検索のための検査 /薬剤副作用のチェックに必要な検査 /予後の推定に役立つ検査
4)検査でわかること,わからないこと
コラムリューマチと関節リウマチ
I-4.リウマチの治療の特徴―完全な治療はあるのか─20(齋藤)
1)はじめに
2)早期診断の重要性
3)治療の目標とその原則
4)治療―薬物療法の実際
非ステロイド抗炎症薬(NSAID)/寛解導入抗リウマチ薬(疾患修飾性抗リウマチ薬;DMARD)23
5)治療上重要な患者・家族の理解:13カ条
6)おわりに
コラム 新しい関節リウマチの治療薬(寺井)
I-5.リウマチのある患者との出会いと経過
症例1)抗リウマチ薬を怖がる患者─30(‖高‖瀬)
症例2)初めてリウマチと診断された患者─36(木村)
症例3)リウマチの発症から15年の患者─41(木村)
II リウマチとリハビリテーション
II-1.なぜリハビリテーションが必要か─44(宇山)
1)リハビリテーションの概念が目指すもの
2)障害の三層と相互関係
機能障害からみたリハビリテーションの必要 /能力障害からみたリハビリテーションの必要 /社会的不利からみたリハビリテーションの必要
3)治療計画におけるリハビリテーションの必要
II-2.病院で行うリハビリテーション─48(宇山)
1)リハビリテーションにおける医療チーム
2)リハビリテーションを行ううえで注意するリウマチの特徴
3)リハビリテーションを行う際の評価
4)リハビリテーションの目的と種類
5)疼痛対策
6)物理療法
7)理学療法
関節可動域訓練 /筋力強化運動 /起立・歩行訓練
8)作業療法
作業療法的機能改善訓練 /ADL訓練
9)装具療法
10)リハビリテーションにおける看護師の役割
11)障害受容への看護
II-3.生活の場で工夫するリハビリテーション─58(浅沼)
1)運動療法
リウマチの状態を知り,体調に合わせて行う /適度な運動を毎日継続する
2)家庭でできる物理療法
温熱療法 /寒冷療法
3)生活全体の見直し(関節保護を中心に)─
関節保護動作 /無駄なエネルギーの節約 /生活様式や習慣の見直し /住宅の改造 /自助具,便利グッズの使用
II-4.事例にみるリハビリテーションの例
症例1)通院服薬患者のリハビリテーション─69(浅沼)
症例2)通院開始間もない患者のリハビリテーション─72(馬原)
症例3)手術を受ける患者のリハビリテーション─75(‖高‖瀬)
III 快い生活を送るための生活の知恵
III-1.リウマチのある患者と向き合う心がまえ─81(杉本)
1)自分の病気について正しい知識をもつ.自分の病気の状態を知る
病気について正しい知識をもつ /自分の病気の状態を知る
2)日常生活上,病気に対してよいこと・悪いことを知り,適切に行動でき,前向きに暮らしていく
よいこと /悪いこと /関節症状が比較的軽く,コントロールができ,日常生活に困難がないとき /関節症状が強く,痛みがあり,日常生活に不自由のあるとき
3)医療機関や周囲の社会と良好な関係を保つ
4)リウマチのある患者の心の問題
III-2.自分に合った病院とは─88(杉本)
1)患者が信頼できる医師,医療スタッフがいる
2)関節リウマチの専門医がいる.患者の満足のいく治療が行われる
3)立地条件や経済的背景などが,患者にとって負担が少ない
4)患者が病院と上手に付き合っていくための心がまえ
5)病院以外の治療やケアについて
III-3.衣・食・住の心がまえ─93(杉本)
1)衣服について
2)食事について
3)住居について
4)患者のさまざまな事情と看護師の役割
III-4.女性のライフサイクルとリウマチ─99(近藤)
1)結婚にかかわる問題
2)妊娠・出産できるかの目安
妊娠・出産の時期 /リウマチ治療の薬剤が胎児に与える影響 /抗体検査による妊娠・出産に伴うリスクの回避
3)妊娠中の生活上の留意点と出産へのそなえ
4)育児をめぐる問題
5)リウマチのある患者と仕事
6)人生を楽しく
III-5.リウマチと1日の生活─105(小林)
●起床 /整容 /食事 /排泄 /家事 /仕事 /薬の服用 /外出 /日中 /睡眠
●看護の対応 /リウマチと1日の生活
III-6.リウマチと1年の生活―四季折々の付き合い方─115(小林・名西)
●梅雨 /夏季 /冬季 /大掃除 /正月の準備 /引っ越し /冠婚葬祭 /農家 /こどもの長期休み /こどもの行事
●看護の対応 /リウマチと1年の生活
III-7.リウマチと10年の生活─122(名西)
1)ライフステージからみる問題
●子どもの結婚 /親の介護 /配偶者の定年
2)合併症について
●関節の変化 /呼吸器症状 /感染症 /消化性潰瘍 /貧血 /骨粗鬆症 /シェーグレン症候群
IV リウマチの医療と福祉─135(小竹・矢野)
IV-1.さまざまな社会資源の活用
1)身体障害者手帳
障害の種別 /障害程度の等級について /身体障害者手帳の手続き /身体障害者手帳で利用できる福祉制度 /再申請
●事例1 /事例2
2)介護保険制度
介護サービスの内容 /介護サービスを受けるには /リウマチ患者にとっての介護保険制度
3)障害年金
障害年金を受給するには /障害等級について /障害年金の手続き /障害認定日 /障害手当金 /まとめ
4)難病患者等居宅生活支援事業
5)医療費控除
6)高額医療費制度
7)特定疾患医療制度
8)福祉制度と看護師のかかわり
IV-2.リウマチのある患者の実態─153(小竹)
1)性別・年齢
2)家族構成
3)現在の生活状況
4)職 業
5)医療費
6)福祉制度・福祉サービス
IV-3.リウマチのある患者の仲間と出会えるか(小竹・矢野)
1)交流の実態
2)交流の手段
3)出会いの場
V 看護相談室の諸相
V-1.リウマチのある患者と向き合うために何が必要か─161(足立)
1)リウマチ専門外来における看護師の役割
自己管理に向けた支援 /家庭や地域社会で生活しているリウマチ患者の自立・自律に対する援助 /生活サポート
2)看護相談室
「看護相談室」の必要性 /相談室における相談内容
3)専門外来の看護師の役割を果たすために
V-2.リウマチのある患者と向き合った日々からの学び ―外来での出会いから─167(尾岸・足立)
1)患者の生活のよき理解者として
●事例1 /事例2 /事例3 /事例4 /事例5
2)家族が患者を援助できるように支える
3)患者自身のセルフケアを支える
VI 新しい出発のために
VI-1.新しい出発のために看護が果たすこと果たせること─178(尾岸)
1)診察時・検査時・処置時における,主に看護師への相談内容
2)看護相談室における看護師長への相談内容
VI-2.治験のはなし(近藤)
1)新しい薬ができるまで
2)治験とは
3)日本での治験
4)治験実施のためのルール
5)インフォームド・コンセント
6)治験に参加するメリットとデメリット
7)プラセボについて
二重盲検試験とは
8)治験コーディネーターの役割
9)リウマチ患者における治験
10)おわりに
(表紙イラスト/高橋三千男,装丁・本文イラスト/渡辺博之,本文デザイン/吉林 優)
I リウマチってどんな病気……誤解されないために
I-1.リウマチの概念―歴史的変遷を踏まえて─1(馬原)
1)リウマチの語源
2)広義のリウマチと狭義のリウマチ
3)診断名の変更「慢性関節リウマチ」から「関節リウマチ」へ
4)リウマチ病の歴史
紀元前から存在していたリウマチ /関節リウマチは絵に描かれていた /少しずつわかってきたリウマチ性疾患 /日本でのリウマチ /アメリカ大陸先住民に存在していた関節リウマチ
5)関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)とは
経過 /関節リウマチの特殊型 /疫学
I-2.病因と病態の特徴 ―わかっていること,わからないこと─7(馬原)
1)病 因
遺伝的要因 /環境要因 /遺伝的要因と環境要因のかかわり
2)病 態
免疫異常 /関節の炎症と滑膜増殖 /軟骨・骨破壊
I-3.検査とアセスメント ―検査の限界,検査からわかること─13(寺井)
1)RA診療における検査の目的
2)RA診療における検査の種類
一般検査 /画像診断 /病理組織検査 /穿刺液検査 /その他の検査 /検査の時期・頻度
3)検査の意義
RA診断に必要な検査 /RA活動性評価のための検査 /臓器病変(関節外病変)の検索のための検査 /薬剤副作用のチェックに必要な検査 /予後の推定に役立つ検査
4)検査でわかること,わからないこと
コラムリューマチと関節リウマチ
I-4.リウマチの治療の特徴―完全な治療はあるのか─20(齋藤)
1)はじめに
2)早期診断の重要性
3)治療の目標とその原則
4)治療―薬物療法の実際
非ステロイド抗炎症薬(NSAID)/寛解導入抗リウマチ薬(疾患修飾性抗リウマチ薬;DMARD)23
5)治療上重要な患者・家族の理解:13カ条
6)おわりに
コラム 新しい関節リウマチの治療薬(寺井)
I-5.リウマチのある患者との出会いと経過
症例1)抗リウマチ薬を怖がる患者─30(‖高‖瀬)
症例2)初めてリウマチと診断された患者─36(木村)
症例3)リウマチの発症から15年の患者─41(木村)
II リウマチとリハビリテーション
II-1.なぜリハビリテーションが必要か─44(宇山)
1)リハビリテーションの概念が目指すもの
2)障害の三層と相互関係
機能障害からみたリハビリテーションの必要 /能力障害からみたリハビリテーションの必要 /社会的不利からみたリハビリテーションの必要
3)治療計画におけるリハビリテーションの必要
II-2.病院で行うリハビリテーション─48(宇山)
1)リハビリテーションにおける医療チーム
2)リハビリテーションを行ううえで注意するリウマチの特徴
3)リハビリテーションを行う際の評価
4)リハビリテーションの目的と種類
5)疼痛対策
6)物理療法
7)理学療法
関節可動域訓練 /筋力強化運動 /起立・歩行訓練
8)作業療法
作業療法的機能改善訓練 /ADL訓練
9)装具療法
10)リハビリテーションにおける看護師の役割
11)障害受容への看護
II-3.生活の場で工夫するリハビリテーション─58(浅沼)
1)運動療法
リウマチの状態を知り,体調に合わせて行う /適度な運動を毎日継続する
2)家庭でできる物理療法
温熱療法 /寒冷療法
3)生活全体の見直し(関節保護を中心に)─
関節保護動作 /無駄なエネルギーの節約 /生活様式や習慣の見直し /住宅の改造 /自助具,便利グッズの使用
II-4.事例にみるリハビリテーションの例
症例1)通院服薬患者のリハビリテーション─69(浅沼)
症例2)通院開始間もない患者のリハビリテーション─72(馬原)
症例3)手術を受ける患者のリハビリテーション─75(‖高‖瀬)
III 快い生活を送るための生活の知恵
III-1.リウマチのある患者と向き合う心がまえ─81(杉本)
1)自分の病気について正しい知識をもつ.自分の病気の状態を知る
病気について正しい知識をもつ /自分の病気の状態を知る
2)日常生活上,病気に対してよいこと・悪いことを知り,適切に行動でき,前向きに暮らしていく
よいこと /悪いこと /関節症状が比較的軽く,コントロールができ,日常生活に困難がないとき /関節症状が強く,痛みがあり,日常生活に不自由のあるとき
3)医療機関や周囲の社会と良好な関係を保つ
4)リウマチのある患者の心の問題
III-2.自分に合った病院とは─88(杉本)
1)患者が信頼できる医師,医療スタッフがいる
2)関節リウマチの専門医がいる.患者の満足のいく治療が行われる
3)立地条件や経済的背景などが,患者にとって負担が少ない
4)患者が病院と上手に付き合っていくための心がまえ
5)病院以外の治療やケアについて
III-3.衣・食・住の心がまえ─93(杉本)
1)衣服について
2)食事について
3)住居について
4)患者のさまざまな事情と看護師の役割
III-4.女性のライフサイクルとリウマチ─99(近藤)
1)結婚にかかわる問題
2)妊娠・出産できるかの目安
妊娠・出産の時期 /リウマチ治療の薬剤が胎児に与える影響 /抗体検査による妊娠・出産に伴うリスクの回避
3)妊娠中の生活上の留意点と出産へのそなえ
4)育児をめぐる問題
5)リウマチのある患者と仕事
6)人生を楽しく
III-5.リウマチと1日の生活─105(小林)
●起床 /整容 /食事 /排泄 /家事 /仕事 /薬の服用 /外出 /日中 /睡眠
●看護の対応 /リウマチと1日の生活
III-6.リウマチと1年の生活―四季折々の付き合い方─115(小林・名西)
●梅雨 /夏季 /冬季 /大掃除 /正月の準備 /引っ越し /冠婚葬祭 /農家 /こどもの長期休み /こどもの行事
●看護の対応 /リウマチと1年の生活
III-7.リウマチと10年の生活─122(名西)
1)ライフステージからみる問題
●子どもの結婚 /親の介護 /配偶者の定年
2)合併症について
●関節の変化 /呼吸器症状 /感染症 /消化性潰瘍 /貧血 /骨粗鬆症 /シェーグレン症候群
IV リウマチの医療と福祉─135(小竹・矢野)
IV-1.さまざまな社会資源の活用
1)身体障害者手帳
障害の種別 /障害程度の等級について /身体障害者手帳の手続き /身体障害者手帳で利用できる福祉制度 /再申請
●事例1 /事例2
2)介護保険制度
介護サービスの内容 /介護サービスを受けるには /リウマチ患者にとっての介護保険制度
3)障害年金
障害年金を受給するには /障害等級について /障害年金の手続き /障害認定日 /障害手当金 /まとめ
4)難病患者等居宅生活支援事業
5)医療費控除
6)高額医療費制度
7)特定疾患医療制度
8)福祉制度と看護師のかかわり
IV-2.リウマチのある患者の実態─153(小竹)
1)性別・年齢
2)家族構成
3)現在の生活状況
4)職 業
5)医療費
6)福祉制度・福祉サービス
IV-3.リウマチのある患者の仲間と出会えるか(小竹・矢野)
1)交流の実態
2)交流の手段
3)出会いの場
V 看護相談室の諸相
V-1.リウマチのある患者と向き合うために何が必要か─161(足立)
1)リウマチ専門外来における看護師の役割
自己管理に向けた支援 /家庭や地域社会で生活しているリウマチ患者の自立・自律に対する援助 /生活サポート
2)看護相談室
「看護相談室」の必要性 /相談室における相談内容
3)専門外来の看護師の役割を果たすために
V-2.リウマチのある患者と向き合った日々からの学び ―外来での出会いから─167(尾岸・足立)
1)患者の生活のよき理解者として
●事例1 /事例2 /事例3 /事例4 /事例5
2)家族が患者を援助できるように支える
3)患者自身のセルフケアを支える
VI 新しい出発のために
VI-1.新しい出発のために看護が果たすこと果たせること─178(尾岸)
1)診察時・検査時・処置時における,主に看護師への相談内容
2)看護相談室における看護師長への相談内容
VI-2.治験のはなし(近藤)
1)新しい薬ができるまで
2)治験とは
3)日本での治験
4)治験実施のためのルール
5)インフォームド・コンセント
6)治験に参加するメリットとデメリット
7)プラセボについて
二重盲検試験とは
8)治験コーディネーターの役割
9)リウマチ患者における治験
10)おわりに
(表紙イラスト/高橋三千男,装丁・本文イラスト/渡辺博之,本文デザイン/吉林 優)