やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

改訂の序

 「薬の作用・副作用と看護へのいかしかた」が発刊されて早いもので10年が経過しました.この間,幸いにも多くの看護婦諸姉に読まれ,看護業務の中の薬物療法に些かなりとも貢献できたとすれば本書発行の目的は達せられたと言えましょう.
 医学は日進月歩でこの10年間に薬物療法にも進歩が見られました.多くの新薬が開発され,また,長期間にわたる大規模臨床試験の結果が報告され,evidence-based medicine(EBM)を実践する上での根拠が得られました.病態生理学的研究の進歩は薬物療法に影響を与えてきました.そこで,この度各論を中心に内容を見直し,現代の進んだ医療における看護に役立つ内容が加筆されました.
 各論の基本的な目次立ては変わっていませんが,内容的には大きく改訂されたものがあります.例えば,高血圧ではこの間に,病態別の治療が一般的になり,この考え方が本書にも取り入れられています.この治療に対する考え方の変革は高血圧患者の看護にも影響を与えることになります.また,糖尿病では,診断基準と分類が変わり,新しい作用機序の薬物が臨床応用されるようになりました.これらは糖尿病患者の治療方針と看護に変革をもたらしました.
 「薬の作用を理解するために」と題した総論では新たに院内薬局の仕事と役割が加えられました.薬剤師が常駐していない医療機関では看護婦が薬剤師の役目まで果たすことも多く,これらの方々には役に立つことと思います.また,総論の終わりにも問題が掲載され,自己評価ができるようになりました.総論が充実していることが本書の特徴の一つですが,薬物療法のコンプライアンスやナーシングプロセスといった基本的事項と共に,薬理総論の内容が「薬はからだの中でどう効くか」というタイトルの下に従来どおり平易に解説されています.そして,「知っておきたい薬の知識」では一般の教科書には書かれていないけれども,日常診療では重要な内容がわかりやすく述べられています.
 看護学生には総論の通読を是非おすすめします.すでに卒業して看護婦として働いておられる方々も通読する時間がなければ,総論でも各論でも辞書代わりに使うことをおすすめします.是非ナースステーションには1冊揃え,薬物療法でわからないことがある度に必要箇所を読むことを習慣付けると,知らず知らずのうちに薬物療法の理解が深まると思います.本書が大いに利用され適切な薬物療法に少しでもお役にたてば幸いです.
 また,改訂にご協力頂いた執筆者ならびに医歯薬出版の方々のご尽力に厚く御礼申し上げます.
 2000年12年吉日 編者一同

序言

 日進月歩の医療のなかでも,とくに進歩の著しい領域は薬物療法です.感染症に対する抗生物質の登場に始まり,あらゆる疾患において薬物療法の重みは,今やはかり知れないものがあります.看護の基本は,患者の置かれている状態をいかにより良いものにするかに求められます.各種の薬物療法にさいしても,これが患者に真の利益を生むためには正しい薬物療法への援助が欠かせません.
 古く,患者は与えられた薬を黙ってのんでいればよいと考えられ,それが実施されてきました.しかし,今日の医療ではなぜ薬が必要なのか,これを十二分に理解してもらうことが必要です.そのなかで薬の効能,効果,副作用,そしてもっとも適切な服薬法が指導されねばなりません.これには処方する医師が主役であるのは当然ですが,同時に調剤をする薬剤師も専門の立場から,いわゆる服薬指導をする責任を負っています.この間にあってナースは,看護の立場から投薬される患者の病態把握はむろんのこと,用いられる薬物についてもこれを正しく理解し,その薬物が処方された意図を十二分に認識し,患者が安心かつ安全に,また前向きに薬物療法を受けられるように援助しなければなりません.
 この本は以上のような状況を踏まえて,ナースの日常業務のなかで,服薬指導効果をより高めてもらううえでの有用な情報が,わかりやすく,かつ実際的に書かれています.はじめに「薬物療法におけるコンプライアンス」から「知っておきたい薬の知識」まで,薬の作用を理解するうえで欠かせない基本知識が簡潔にまとめられています.このなかで,薬物療法を必要とする患者の看護にさいして,基本行動をナーシングプロセスで,どう捉えるかが詳述されています.ともすれば機械的に行われがちな与薬を正しいナーシングプロセスのなかで,どう位置づけ,どのように行動し,いかに評価するかを,しっかりと捉えられることを望みます.
 以上の総論に加えて本書では,日常遭遇することの多い疾患を中心に「循環器・呼吸器疾患と薬」をはじめとして,腎疾患,消化器疾患,代謝・内分泌疾患,脳・神経系疾患,感染症,自己免疫疾患・膠原病,そして癌の8大項目について,それぞれの疾患のナーシングポイントと治療の実際が示されています.たとえば,代謝・内分泌疾患で取り上げられている糖尿病の場合,これにはどのような病態があるのか,そして病態に対応した治療法の選択と,なぜそのような治療が行われねばならないのかの根拠がわかりやすく述べられています.これを理解したうえでナースがどのような役割を演じればよいのか,経口血糖降下薬の場合,インスリン注射療法の場合,低血糖対策とその教育が解説されています.そして最後に,糖尿病を理解するための問題が付され,これによって糖尿病における薬物療法のポイントがさらに正しく把握できるよう配慮されているのは大いに役立つ構成です.
 多くの慢性疾患における薬物療法は,たいへん長期に及びます.これを正しく服薬するかしないかは,病気の予後を大きく左右するであろうことは想像にかたくありません.適切な服薬指導におけるナースの役割は,たいへん大きいといわねばなりません.本書が,この点で多いに役立つ内容となっていることは喜ばしいかぎりです.編者ならびに執筆者各位の御尽力に心から敬意を表するとともに,ぜひ多くの方々が本書を活用され,薬物療法のメリットを高めていただくことを願ってやみません.
 1992年7月吉日 東京慈恵会医科大学 池田義雄
A.薬の作用を理解するために

 1 薬物療法におけるコンプライアンス
   セルフケアの位置づけとその重要性 コンプライアンスに対するナースの役割 ノンコンプライアンスが発生する原因 ノンコンプライアンスによる問題点とその対応策 ノンコンプライアンスの服薬指導 医療スタッフとの情報交換

 2 薬物療法におけるナーシングプロセス
   ナーシングプロセスとは
  アセスメント
   ナーシングプロセスは情報収集から始まる 薬物が本当に必要な状態であるのか(薬物療法の適応) 薬物療法が危険な状態ではないか(禁忌) 実際の症例では
  看護診断
   看護診断とは 症例の看護診断はどのように
  計 画
   目標の設定 具体策の実施
  評 価
   目標が達成されたかどうかを知るには 評価を次のナーシングプロセスにいかすには
  外来通院へ向けての看護計画
   外来通院時の看護目標の設定 具体策の実施 ナースと薬剤師との関わり 病棟での薬剤師の役割

 3 薬はからだの中でどう効くか
  薬の吸収・代謝・排泄
   看護へのいかしかた
  吸 収
   消化管からの吸収 消化管吸収に対する影響
  分 布
  代 謝
   腸肝循環と代謝 初回通過効果 薬物代謝に対する影響
  排 泄
   尿中排泄 年齢と排泄 腎障害と排泄
  薬の副作用の考え方
   看護へのいかしかた 新薬と副作用 薬の副作用 副作用のメカニズム 副作用への対応 副作用モニター制度
  老人の薬物治療
   看護へのいかしかた 薬用量設定の原則 老人の薬物体内動態に関する考え方 老人への与薬の注意点
  小児の薬物療法
   看護へのいかしかた 小児における薬物吸収 薬物の体内分布 薬物代謝の発達 腎臓からの排泄 薬物動態の年齢依存性
  女性・妊娠・授乳婦の薬物療法
   看護へのいかしかた
  女性の薬物療法
   女性の特徴と薬物投与 母性機能に影響を及ぼす薬物
  妊娠と薬剤
   妊婦への薬物投与と胎児への影響
  授乳婦と薬剤
   母乳に影響を及ぼす薬物
  医薬品の用量を理解するために
   看護へのいかしかた
  用量の違いによる薬物量の表現
   常用量とは 用量-反応曲線とは 最小有効量とは 中毒量とは 致死量とは 安全域とは
  小児薬用量の決め方
  老人薬用量の決め方
  血中薬物濃度の測定はなぜ行われるか
   看護へのいかしかた 薬物治療の指標としての血中薬物濃度 血中薬物濃度への影響因子 血中薬物濃度測定の臨床適応 血液及び体液中薬物濃度と服薬状況 血液以外の薬物濃度
  多剤併用と医薬品の相互作用
   看護へのいかしかた 相互作用の基本 薬物の吸収における相互作用 薬物の分布面にみる相互作用 代謝面からみた相互作用 腎排泄における相互作用

4 知っておきたい薬の知識
  薬剤の鑑別はどのように
   看護へのいかしかた
  薬剤名が不明な薬の鑑別
   薬剤識別コード 薬剤鑑別の問題点
  薬剤の識別手段
   看護へのいかしかた 成分,組成及び用法などが異なる医薬品 剤形または含量が異なる医薬品
  添付文書の見方とその利用
   看護へのいかしかた
  添付文書の記載項目
   規制区別を示す用語 その他の基本用語
  「使用上の注意」の利用法
   医師から患者に伝えるべき注意点 薬剤師がナースから患者に伝えた注意点
  医薬品の期限と保存
   看護へのいかしかた 医薬品の有効期間 医薬品の使用期限 保存条件による影響とその取り扱い
  投与方法と薬の効き目
   看護へのいかしかた
  薬の投与方法
   経口による投与 注射による投与 坐剤による投与 吸入による投与 舌下による投与
  剤形による薬効の差異
  容器に吸着する薬と薬効への影響
   看護へのいかしかた
  容器や輸液セットに吸着する薬剤
   硝酸化合物製剤 インスリン製剤 ジアゼパム その他の薬剤
  薬物の蛋白結合と薬理作用への影響
   看護へのいかしかた 薬物の蛋白結合能 多剤併用による蛋白結合の競合 蛋白結合と薬物の臓器への移行 病態時の蛋白結合 蛋白結合と尿中排泄
  麻薬及び向精神薬の取り扱い
   看護へのいかしかた 麻薬を取り扱う場合のおもな注意点 向精神薬を取り扱ううえでの注意点
  新薬のみかたと安全性
   看護へのいかしかた 医薬品の開発状況 新薬の問題点 安全性のチェックはどのように
  治療薬の取り扱いと安全性の確保
   看護へのいかしかた 新薬開発の臨床治験の意義 ヘルシンキ宣言とは 治験薬の安全性確認試験
  薬と食事
   看護へのいかしかた 鉄剤をお茶で服用してよいか 薬剤の吸収と食事 薬物の排泄と食事
  医薬品に使われる添加物
   看護へのいかしかた 添加物とは何か 添加物はなぜ用いられるのか 錠剤の添加物 添加物の安全性をチェックする
  薬物その他による急性中毒への対応
   看護へのいかしかた 中毒情報センターの役割
  急性中毒の診断
  急性中毒の処置手順
   応急処置 毒物の除去及び吸収阻止 吸収された毒物の排除
  消毒薬の基礎知識
   看護へのいかしかた 消毒薬の効果期限 消毒薬の効果に影響を与える因子 消毒薬を使用するときの注意点 MRSAの消毒法
  漢方薬治療の基礎知識
   看護へのいかしかた 漢方薬は安全か 漢方薬と民間薬の違い 現代医学と漢方医学の違い 漢方製剤の剤形による特徴
  処方箋の記載事項で知っておくと便利な知識
   看護へのいかしかた 処方箋で汎用される略語 服用回数だけの指示の場合,一般的な服用時間
  院内薬局(薬剤部)の仕事と役割
   看護へのいかしかた 病院・診療所薬剤師の業務
  第4章を理解するための問題

B.疾患の薬の作用・副作用
〈呼吸器・循環器疾患と薬〉

1 高血圧
  ナーシングポイント
  高血圧の治療
   高血圧とは
  血圧測定法
   血圧測定時の注意 随時血圧(外来血圧) 家庭血圧 自由行動下血圧
  高血圧の診断・予後と治療の目的
   治療を開始する血圧値 どこまで下げるか目標となる血圧値 非薬物治療薬 ナースの役割
  高血圧の薬物治療
  高血圧の薬物治療
   カルシウム拮抗薬 アンジオテンシン変換酵素阻害薬 アンジオテンシンII(AII)受容体拮抗薬 利尿薬 β遮断薬 α1遮断薬 その他の降圧薬
  併用療法
  治療抵抗性高血圧
   ナースの役割
  第1章を理解するための問題

2 狭心症・心筋梗塞
  ナーシングポイント
  狭心症の薬物療法
   狭心症とは
  各種の狭心症の治療法の選択
   硝酸薬 β遮断薬 カルシウム(Ca)拮抗薬 その他の抗狭心症薬
  心筋梗塞の薬物療法
   心筋梗塞とは
  心筋梗塞の治療法の選択
   血栓溶解薬 抗凝結薬 抗血小板薬 ナースの役割
  第2章を理解するための問題

3 不整脈
  ナーシングポイント
  不整脈の薬物療法
   不整脈とは
  不整脈の種類
   頻脈性不整脈 徐脈性不整脈
  各種不整脈治療法の選択
   ナースの役割 抗不整脈薬についての基礎知識 薬効評価
  不整脈の発作停止から急性期への治療
   静注用抗不整脈薬 ナースの役割
  発作予防
   ナースの役割
  第3章を理解するための問題

4 動脈硬化
  ナーシングポイント
  動脈硬化を理解するために
   動脈硬化とは 動脈硬化の分類 動脈硬化を促進させる因子
  動脈硬化の薬物療法
   動脈硬化の治療方法 薬物療法の開始基準
  抗高脂血症薬(抗脂血症薬)の種類
   低比重リポ蛋白(LDL)の処理を促進させる薬物 コレステロール吸収抑制のための薬剤 おもに超低比重リポ蛋白(VLDL)の合成を抑制する薬剤 おもにVLDLの処理を亢進させる薬剤 その他の薬剤 ナースの役割
  第4章を理解するための問題

5 気管支炎・気管支喘息
  ナーシングポイント
  気管支炎・気管支喘息の病態
   気道閉鎖の機序 病態別治療薬
  気管支炎・気管支喘息の薬物療法
  鎮咳薬
   麻酔系鎮咳薬 非麻酔系鎮咳薬
  去痰薬
   システイン系薬剤 酸素系去痰薬 粘膜調整・修復薬 ナースの役割
  気管支拡張薬
   キサンチン系薬剤 β受容体刺激薬 ナースの役割 抗コリン薬
  副腎皮質ステロイド薬
  第5章を理解するための問題

6 結核
  ナーシングポイント
  結核症を理解するために
   結核症とは
  結核症の分類
   初期結核症(一次結核症) 慢性結核症(二次結核症)
  結核症の病態
   肺結核の空洞形成 肺結核の症状
  肺結核の検査
   ツベルクリン反応 胸部X線検査 結核菌検査
  結核の化学療法
  化学療法の進め方
   初回治療における標準的な化学療法 再治療 治療効果の判定
  抗結核薬の種類と副作用
   イソニアジド(INH) リファンピシン(RFP) エタンブトール(EB) 硫酸ストレプトマイシン(SM),カナマイシン(KM),エンビオマイシン(EVM) ピラジナミド ナースの役割
  第6章を理解するための問題

〈腎疾患と薬〉
7 糸球体腎炎
  ナーシングポイント
  糸球体腎炎の薬物療法
   糸球体腎炎とは
  各種糸球体腎炎の病態
   急性糸球体腎炎 慢性糸球体腎炎
  糸球体腎炎の治療法の選択・決定の根拠
   急性糸球体腎炎の治療 慢性糸球体腎炎の治療 ナースの役割
  糸球体腎炎に使われる薬
   抗血小板薬 抗凝固薬 漢方薬 アンジオテンシン転換酵素阻害薬およびアンジオテンシンII受容体拮抗薬
  第7章を理解するための問題

8 ネフローゼ症候群
  ナーシングポイント
  ネフローゼ症候群の薬物療法
   ネフローゼ症候群とは
  ネフローゼ症候群の病態
  ネフローゼ症候群の治療法の選択・決定の根拠
   一般治療,食事療法 免疫疾患の治療 非免疫疾患の治療 ナースの役割
  ネフローゼ症候群に使われる薬
   副腎皮質ステロイド 免疫抑制薬 抗血小板薬,抗凝固薬,漢方薬
  第8章を理解するための問題

9 腎不全
  ナーシングポイント
  腎不全の薬物療法
   腎不全とは
  腎不全の病態
   急性腎不全 慢性腎不全
  腎不全の治療法の選択・決定の根拠
   急性腎不全の治療 慢性腎不全の治療 ナースの役割
  腎不全に使われる薬
   クレメジン
  第9章を理解するための問題

〈消化器疾患と薬〉
10 胃炎
  ナーシングポイント
  胃炎を理解するために
   胃炎とは
  各種胃炎の病態
   急性胃炎 慢性胃炎 ヘリコバクター・ピロリによる胃粘膜障害
  胃炎の薬物療法
   急性胃炎の薬物療法 慢性胃炎の薬物療法
  代表的胃炎治療薬の作用と副作用
   制酸薬 抗コリン薬 ナースの役割
  第10章を理解するための問題

11 胃・十二指腸潰瘍
  ナーシングポイント
  胃・十二指腸潰瘍の薬物療法
  胃・十二指腸潰瘍の病態
  各種抗潰瘍薬の選択
   ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー) プロトンポンプ阻害薬 制酸薬,抗コリン薬 ムスカリン受容体拮抗薬 防御因子増強薬 ナースの役割
  出血性潰瘍に対する処置
   ナースの役割
  第11章を理解するための問題

12 肝炎・肝硬変
  ナーシングポイント
  肝炎の薬物療法
  各種肝炎の病態と治療
   急性肝炎 ナースの役割 慢性肝炎 ナースの役割
  肝炎治療薬の作用と副作用
   肝庇護薬 副腎皮質合成ステロイド薬 インターフェロン(IFN)
  肝硬変の薬物療法
   肝硬変とは ナースの役割
  肝硬変治療薬の作用と副作用
   利尿薬 血漿蛋白製剤 ラクツロース 分枝鎖アミノ酸製剤
  第12章を理解するための問題

13 膵炎
  ナーシングポイント
  急性膵炎の薬物療法
   急性膵炎とは 急性膵炎重傷度判定基準と重症度スコア
  急性膵炎の治療法
   ナースの役割 鎮痛薬及び鎮痙薬 蛋白分解酵素阻害薬
  慢性膵炎の薬物療法
   慢性膵炎とは
  慢性膵炎の治療法
   食事療法 消化酵素薬 膵性糖尿病の特徴と管理 ナースの役割
  第13章を理解するための問題

〈代謝・内分泌疾患と薬〉
14 糖尿病
  ナーシングポイント
  糖尿病の薬物療法
   糖尿病とは
  各種糖尿病の病態
   1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病) 2型糖尿病(非インスリン依存型糖尿病) その他のタイプの糖尿病
  各種糖尿病の治療法の選択・決定の根拠
   ナースの役割 経口血糖降下薬 インスリン療法 低血糖対策 ナースの役割 低血糖専門書の利用
  第14章を理解するための問題

15 痛風
  ナーシングポイント
  痛風の薬物療法
   痛風とは 高尿酸血症の分類
  痛風の治療方針
   急性関節炎(痛風発作)の治療 高尿酸血症に対する治療
  高尿酸血症治療薬
   尿酸降下薬の選択 尿酸排泄促進薬 尿酸生産抑制薬 ナースの役割
  第15章を理解するための問題
16 甲状腺疾患
  ナーシングポイント
  甲状腺疾患を理解するために
   甲状腺ホルモンとは
  甲状腺の病気
   甲状腺検査 甲状腺機能亢進症の特徴 甲状腺機能低下症の特徴
  甲状腺疾患の治療
  バセドウ病の治療
   アイソトープ治療 手術 薬による治療
  無痛性甲状腺炎の治療
  亜急性甲状腺炎の治療
  橋本病の治療
  特発性甲状腺機能低下症の治療
  バセドウ病のアイソトープ治療,手術後の甲状腺機能低下症の治療
   ナースの役割
  第16章を理解するための問題

〈脳・神経系疾患と薬〉
17 脳血管障害
  ナーシングポイント
  脳血管障害を理解するために
   脳血管障害とは 脳血管障害の分類
  脳梗塞の薬物療法
  脳梗塞の分類
   アテローム性硬化症による脳血栓症 心原性脳梗塞症(脳塞栓) ラクナ梗塞
  脳梗塞急性期の薬物療法
   治療の基本 血圧降下薬 抗脳浮腫薬 ナースの役割 血液希釈療法 血栓溶解薬 ナースの役割 抗凝固薬 抗血小板薬
  脳出血の薬物療法
  脳出血急性期の薬物療法
  血圧降下薬
   抗脳浮腫薬
  脳卒中急性期の一般的管理
   安静度 呼吸管理 輸液 栄養 ナースの役割 尿・便の管理
  脳卒中急性期の合併症の管理
   肺炎 尿路感染 痙攣 消化管出血 高血糖 心不全・不整脈 ナースの役割
  脳卒中慢性期の薬物療法
  血圧の管理
  脳循環改善薬・脳代謝賦活薬
   脳循環改善薬 脳代謝賦活薬 抗血小板薬 抗痙縮薬 病型からみた慢性期脳梗塞患者の再発予防の治療
  第17章を理解するための問題

18 パーキンソン病
  ナーシングポイント
  パーキンソン病とパーキンソン症候群
  パーキンソン病とパーキンソン症候群の違い
   パーキンソン病の病態生理
  症候性パーキンソニズム
   血管障害性パーキンソニズム 正常圧水頭症 薬剤性パーキンソニズム 他の変性疾患に伴うパーキンソンニズム
  パーキンソン病の薬物療法
   パーキンソン病の治療
  抗パーキンソン病薬の選択
   抗コリン薬 塩酸アマンタジン レボドパ(L-Dopa) ブロモクリプチン その他の補助薬 新しいパーキンソン病の治療薬
  パーキンソン病治療の進め方
   ナースの役割
  第18章を理解するための問題

19 頭痛
  ナーシングポイント
  頭痛を理解するために
   頭痛とは
  頭痛の分類
   片頭痛 筋収縮性頭痛 その他の頭痛
  頭痛の薬物療法
  血管性頭痛の治療
   発作止め(エルゴタミン製剤) 発作予防のための薬剤 その他の治療 新しい治療薬
  筋収縮性頭痛の治療
   薬物療法 物理療法
  その他の頭痛の治療
   ナースの役割
  第19章を理解するための問題

20 精神分裂病
  ナーシングポイント
  精神分裂病を理解するために
   精神分裂病(分裂病)とは 分裂病の特徴 分裂病の出現頻度と成因 分裂病の症状
  分裂病の病型と治療
   破瓜型 緊張型 妄想型 分裂病の治療
  分裂病の薬物療法
   抗精神病薬 精神分裂病に用いられるその他の薬 ナースの役割
  第20章を理解するための問題

21 躁うつ病
  ナーシングポイント
  躁うつ病の薬物療法
   躁うつ病とは
  躁うつ病の臨床症状と原因
   臨床症状 ナースの役割 病因
  躁うつ病の治療法
   抗躁薬 抗うつ薬
  第21章を理解するための問題

22 てんかん
  ナーシングポイント
  てんかんの薬物療法
   てんかんとは
  てんかんの各種発作型分類
   部分発作 全般発作
  てんかん治療法の選択
   病歴の聴取と発作の観察 てんかんの類型及び発作型の決定 ナースの役割
  各種抗てんかん薬の特徴
   バルビツール酸系 ヒダントイン系 低級脂肪酸系 イミノスチルベン系 その他の薬物 ナースの役割
  てんかん発作型に適合した治療薬の選択
   血中濃度モニタリング 血中濃度に及ぼす諸因子 ナースの役割
  第22章を理解するための問題

〈感染症と薬〉
23 かぜ症候群
  ナーシングポイント
  かぜ症候群の薬物療法
   かぜ症候群とは 治療の基本方針
  薬物による対症療法と薬剤の副作用
   発熱,咽頭痛,筋肉痛に対して 鼻汁分泌が多い場合 咽頭痛が多い場合 鼻閉がひどい場合 発作,鼻汁分泌,咳がある場合 かぜの初期で,まだ体力がある場合 ナースの役割
  第23章を理解するための問題

24 細菌感染症
  ナーシングポイント
  感染症と抗生物質
   抗菌化学療法の発達と耐性菌の出現
  抗生物質の分類
   細菌の細胞壁の合成阻害 細胞質膜の障害 核酸の合成阻害 蛋白の合成阻害
  抗生物質選択の基本方針
   細菌学的統計による原因菌の推定
  抗生物質治療効果の判定と副作用の発見
   抗生物質治療効果の判定 抗生物質の副作用 ナースの役割
  第24章を理解するための問題

25 慢性関節リウマチ
  ナーシングポイント
  慢性関節リウマチ(RA)を理解するために
   RAの特徴 RAの療法
  慢性関節リウマチの薬物療法
   抗炎症薬 抗リウマチ薬 ナースの役割
  第25章を理解するための問題

26 全身性エリテマトーデス
  ナーシングポイント
  全身性エリテマトーデスの薬物療法
   全身性エリテマトーデス(SLE)とは
  SLEの病態
  SLEの治療法の選択・決定
   ナースの役割 ステロイド薬 免疫抑制薬
  第26章を理解するための問題

〈癌の化学療法と薬〉
27 癌の化学療法
  ナーシングポイント
  癌に対する種々の治療法
   外科的治療法 放射線療法 化学療法 ホルモン療法 免疫療法
  癌の化学療法
  抗癌薬の分類とその特徴
   アルキル化剤 代謝拮抗薬 抗癌性抗生物質 植物由来の抗癌剤
  癌化学療法のおもな対象疾患
   治癒可能な癌 比較的効果のある癌 あまり効果のない癌
  抗癌剤の副作用とその対応
   血液障害 消化器障害 心毒性 肺毒性 腎毒性 肝毒性 精神神経障害 皮膚毒性
  第27章を理解するための問題

28 癌の疼痛治療
  ナーシングポイント
  癌疼痛治療の看護へのいかしかた
   薬物療法とケア 副作用とケア
  WHO癌疼痛治療法
  疼痛治療薬の投与量と剤形
   非オピオイド剤 弱作用麻薬性鎮痛剤 強作用麻薬性鎮痛剤 鎮痛薬補助剤 ナースの役割
  第28章を理解するための問題

 おわりに
 医薬品名索引
 項目索引