第2版の序
2002年に臨床検査技師国家試験出題基準が定められ,それに基づいて『臨床検査学講座/検査機器総論』を上梓したのは2005年の3月であった.それから4年あまり経過し,その間,誤植や誤りなどを訂正し,書き改めてきた.
その後,2009年5月に厚生労働省医政局医事課より『平成23年版臨床検査技師国家試験出題基準』が公表となった.「検査機器総論」は,そのうち「X章 医用工学概論」の「検査総合管理学」に含まれている.幸いにして,ほとんどの項目は第1版の内容で網羅されており,国家試験に対応した項目を備えていたが,一部不足しているものがあった.
そこで,今回新しく『臨床検査学講座/検査機器総論(第2版)』を発行する運びとなった.
本書によって教育を受けた臨床検査技師が大きく社会に貢献されることを願ってやまない.
2010年初春
著者を代表して 三村邦裕
第1版の序
今日の臨床検査の飛躍的な発展は,さまざまな分析機器の進歩によるものといっても過言ではない.現在,医療施設における臨床検査部門は迅速化,省力化などとが相まって,自動化やコンピュータ化が進み,検査室はさながら製造工場のラインのごとくみえる.そのなかで臨床検査技師は,ただボタンを押し,機器が動いているのを確認するだけでよいのだろうか.機器の操作法だけでなく,絶えず正確な値が出ているか,機器は正常に働いているか,試薬は適切かなどを判断し,機器の保守管理ができなくてはならない.そのためには,検査に必要な基本的な機器や装置に関する知識の習得は欠くことのできないものである.
平成12年に改正された臨床検査技師学校養成所指定規則では,専門分野のなかで「検査総合管理学」を7単位以上履修しなければならなくなった.その教育目標は,医療機関などにおける医学検査の意義を理解し,総合精度管理および機器・情報・運営・安全に関する管理法を習得することとなっており,臨床検査機器の知識や技術の教育に重点が置かれた.また,平成14年に定められた臨床検査技師国家試験出題基準においても,検査機器総論は科目立てされ,国家試験にも出題されている.このように臨床検査技師は,検査結果の解析と評価についての知識を得ておくとともに,生体情報を分析,測定する検査機器に関する原理や構造などを十分に理解しておく必要がある.
本書は,臨床検査技師養成所指導要領にある教育上必要な機械器具と国家試験出題基準の小項目に記されている機器についてすべてを網羅している.特徴としては,全体を検査機器学総説,共通機械器具の原理・構造,各専門機器(系統別機器)に分け,それぞれについて目的・用途,種類,原理,構造,使用上の留意点などについて解説を行った.また図表を多く取り入れることにより理解の助けとした.
この科目の習熟のためには,理科系の基礎知識が必要になる.特に理解できない専門用語などが出てきたときには,本講座の「物理学」,「化学」,「数学」などを参考にしてほしい.
本書が臨床検査技師を目指す学生の教科書として,また検査室における臨床検査技師の参考書として有益な書となることを願っている.今回『新編臨床検査講座/検査機器総論』の全面改訂を行ったが,さらに本書がよいものとなるためには,読者諸氏からのご意見,ご指摘が必要である.どうか多くのご叱正を頂戴できれば幸いである.
2005年初春
著者を代表して 三村邦裕
2002年に臨床検査技師国家試験出題基準が定められ,それに基づいて『臨床検査学講座/検査機器総論』を上梓したのは2005年の3月であった.それから4年あまり経過し,その間,誤植や誤りなどを訂正し,書き改めてきた.
その後,2009年5月に厚生労働省医政局医事課より『平成23年版臨床検査技師国家試験出題基準』が公表となった.「検査機器総論」は,そのうち「X章 医用工学概論」の「検査総合管理学」に含まれている.幸いにして,ほとんどの項目は第1版の内容で網羅されており,国家試験に対応した項目を備えていたが,一部不足しているものがあった.
そこで,今回新しく『臨床検査学講座/検査機器総論(第2版)』を発行する運びとなった.
本書によって教育を受けた臨床検査技師が大きく社会に貢献されることを願ってやまない.
2010年初春
著者を代表して 三村邦裕
第1版の序
今日の臨床検査の飛躍的な発展は,さまざまな分析機器の進歩によるものといっても過言ではない.現在,医療施設における臨床検査部門は迅速化,省力化などとが相まって,自動化やコンピュータ化が進み,検査室はさながら製造工場のラインのごとくみえる.そのなかで臨床検査技師は,ただボタンを押し,機器が動いているのを確認するだけでよいのだろうか.機器の操作法だけでなく,絶えず正確な値が出ているか,機器は正常に働いているか,試薬は適切かなどを判断し,機器の保守管理ができなくてはならない.そのためには,検査に必要な基本的な機器や装置に関する知識の習得は欠くことのできないものである.
平成12年に改正された臨床検査技師学校養成所指定規則では,専門分野のなかで「検査総合管理学」を7単位以上履修しなければならなくなった.その教育目標は,医療機関などにおける医学検査の意義を理解し,総合精度管理および機器・情報・運営・安全に関する管理法を習得することとなっており,臨床検査機器の知識や技術の教育に重点が置かれた.また,平成14年に定められた臨床検査技師国家試験出題基準においても,検査機器総論は科目立てされ,国家試験にも出題されている.このように臨床検査技師は,検査結果の解析と評価についての知識を得ておくとともに,生体情報を分析,測定する検査機器に関する原理や構造などを十分に理解しておく必要がある.
本書は,臨床検査技師養成所指導要領にある教育上必要な機械器具と国家試験出題基準の小項目に記されている機器についてすべてを網羅している.特徴としては,全体を検査機器学総説,共通機械器具の原理・構造,各専門機器(系統別機器)に分け,それぞれについて目的・用途,種類,原理,構造,使用上の留意点などについて解説を行った.また図表を多く取り入れることにより理解の助けとした.
この科目の習熟のためには,理科系の基礎知識が必要になる.特に理解できない専門用語などが出てきたときには,本講座の「物理学」,「化学」,「数学」などを参考にしてほしい.
本書が臨床検査技師を目指す学生の教科書として,また検査室における臨床検査技師の参考書として有益な書となることを願っている.今回『新編臨床検査講座/検査機器総論』の全面改訂を行ったが,さらに本書がよいものとなるためには,読者諸氏からのご意見,ご指摘が必要である.どうか多くのご叱正を頂戴できれば幸いである.
2005年初春
著者を代表して 三村邦裕
第1章 検査機器学総説
I.用手法と検査機器
1-用手法の特徴
2-自動化検査の特徴
3-自動化機器による分析
II.検査機器の背景にある物理的事項
1-SI基本単位とSI接頭語
2-物理的事項
3-医療機器と基本技術
III.検査機器を取り扱ううえでの注意と心構え
1-患者検査
2-検体検査
IV.検査機器の将来と検査技術者の行動に求められるもの
第2章 共通機械器具の原理・構造
A 化学容量器
I.メスフラスコ,メスシリンダー,ピペット,微量ピペット
II.検定公差,検定法,洗浄法
B 秤量装置
1-目的
2-質量測定の原理
3-天びんの種類
4-天びんに関する用語
5-天びんの構造と使用法
C 遠心分離装置
I.原理
II.汎用遠心分離機
III.高速遠心分離機
IV.ヘマトクリット用遠心分離機
V.超遠心分離機
D 分離分析装置
I.電気泳動装置
1-セルロースアセテート(セ・ア)膜電気泳動装置
2-アガロースゲル電気泳動装置
3-ポリアクリルアミドゲル電気泳動装置
4-その他(キャピラリ電気泳動装置)
II.クロマトグラフィ
1-高速液体クロマトグラフィ装置
2-ガスクロマトグラフィ装置
E 攪拌装置
I.攪拌装置の概要
II.攪拌機
1-マグネチックスターラ
2-攪拌機
III.攪拌装置
1-振動式攪拌装置
2-振盪機
3-粉砕装置
F 恒温装置
I.恒温装置の概要
II.温度調節装置
1-バイメタル式センサ
2-熱膨張式センサ
3-液体熱膨張式センサ
4-電子式自動温度調節器
III.恒温水槽
1-ワッサーバード型恒温水槽
2-小型簡易恒温水槽
3-電子冷却式恒温水槽
4-冷凍機つき恒温水槽
5-低温恒温水槽
IV.孵卵器
V.乾燥器
1-定温乾燥器
2-熱風乾燥器
G 保冷装置
I.冷蔵・冷凍の原理
II.冷蔵庫
III.冷凍庫(フリーザ)
H 滅菌装置
I.乾熱滅菌器
II.高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)
III.培地滅菌凝固器(血清凝固器)
IV.EOガス(エチレンオキサイドガス)滅菌装置
V.プラズマ滅菌装置
I 測光装置
I.光についての知識
II.分光光度計
III.炎光光度計
IV.原子吸光光度計
V.蛍光光度計
J 顕微鏡装置
I.生物顕微鏡
II.実体顕微鏡
III.位相差顕微鏡
IV.偏光顕微鏡
V.蛍光顕微鏡
VI.電子顕微鏡
VII.写真撮影装置
K 電気化学装置
I.pHメータ
II.イオン選択性電極
III.酸素電極
IV.血液ガス分析装置
L 純水製造装置
第3章 各専門機器(系統別機器)
A 血液
I.自動血球計数装置
II.自動白血球分類装置
III.自動凝固・線溶検査装置
IV.血小板凝集能測定装置
V.フローサイトメータ
B 化学
I.生化学自動分析装置
II.酵素免疫自動分析装置
III.濃度計(デンシトメータ)
IV.質量分析計
V.RI(放射性同位元素)計測装置
VI.遺伝子増幅恒温槽
VII.遺伝子抽出装置
VIII.遺伝子検出装置
C 病理
I.自動固定包埋装置(ヒストキネット)
II.包埋センター(ティッシュ・エンベディング・コンソール)
III.ミクロトーム
IV.クリオスタット(コールドトーム)
V.パラフィン伸展器
VI.自動染色装置
VII.自動細胞収集装置(オートスメア)
VIII.電子顕微鏡用標本作製装置
D 微生物
I.自動細菌検査装置
II.自動血液培養装置
III.自動抗酸菌培養装置
IV.遺伝子検査装置
V.安全キャビネット
VI.その他の機器
VII.微生物検査における自動機器の位置づけ
E 免疫血清
I.水平回転機
II.イムノビュア
III.マイクロタイタ法(用手法)
IV.ELISAリーダ(比色計)
V.ブロッティング装置
F 生理
I.心電計
II.心音計・脈波計
III.脳波計
IV.超音波画像診断装置
V.呼吸機能検査装置
VI.筋電計
VII.聴力検査装置
VIII.眼底写真撮影装置(眼底カメラ)
IX.誘発電位検査装置
X.熱画像診断装置(サーモグラフィ)
XI.磁気共鳴画像診断装置(MRI)
XII.眼振電図計測装置(眼振計)
XIII.重心動揺計
XIV.経皮的血液ガス分圧測定装置
XV.パルスオキシメータ
G 公衆衛生
I.空気環境測定用器具
1-アウグスト乾湿計
2-アスマン通風乾湿計
3-自記温・湿度計
4-黒球温度計
5-カタ寒暖計(普通カタ計)
II.空気組成・化学物質測定器具
1-検知器(ガス採取器)・検知管
III.空気中浮遊粒子状物質測定器具
1-レーザ粉塵計
IV.騒音測定器具
1-騒音計
V.照度測定器具
1-照度計
VI.水質検査器具
1-残留塩素測定器(比色板)
索引
I.用手法と検査機器
1-用手法の特徴
2-自動化検査の特徴
3-自動化機器による分析
II.検査機器の背景にある物理的事項
1-SI基本単位とSI接頭語
2-物理的事項
3-医療機器と基本技術
III.検査機器を取り扱ううえでの注意と心構え
1-患者検査
2-検体検査
IV.検査機器の将来と検査技術者の行動に求められるもの
第2章 共通機械器具の原理・構造
A 化学容量器
I.メスフラスコ,メスシリンダー,ピペット,微量ピペット
II.検定公差,検定法,洗浄法
B 秤量装置
1-目的
2-質量測定の原理
3-天びんの種類
4-天びんに関する用語
5-天びんの構造と使用法
C 遠心分離装置
I.原理
II.汎用遠心分離機
III.高速遠心分離機
IV.ヘマトクリット用遠心分離機
V.超遠心分離機
D 分離分析装置
I.電気泳動装置
1-セルロースアセテート(セ・ア)膜電気泳動装置
2-アガロースゲル電気泳動装置
3-ポリアクリルアミドゲル電気泳動装置
4-その他(キャピラリ電気泳動装置)
II.クロマトグラフィ
1-高速液体クロマトグラフィ装置
2-ガスクロマトグラフィ装置
E 攪拌装置
I.攪拌装置の概要
II.攪拌機
1-マグネチックスターラ
2-攪拌機
III.攪拌装置
1-振動式攪拌装置
2-振盪機
3-粉砕装置
F 恒温装置
I.恒温装置の概要
II.温度調節装置
1-バイメタル式センサ
2-熱膨張式センサ
3-液体熱膨張式センサ
4-電子式自動温度調節器
III.恒温水槽
1-ワッサーバード型恒温水槽
2-小型簡易恒温水槽
3-電子冷却式恒温水槽
4-冷凍機つき恒温水槽
5-低温恒温水槽
IV.孵卵器
V.乾燥器
1-定温乾燥器
2-熱風乾燥器
G 保冷装置
I.冷蔵・冷凍の原理
II.冷蔵庫
III.冷凍庫(フリーザ)
H 滅菌装置
I.乾熱滅菌器
II.高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)
III.培地滅菌凝固器(血清凝固器)
IV.EOガス(エチレンオキサイドガス)滅菌装置
V.プラズマ滅菌装置
I 測光装置
I.光についての知識
II.分光光度計
III.炎光光度計
IV.原子吸光光度計
V.蛍光光度計
J 顕微鏡装置
I.生物顕微鏡
II.実体顕微鏡
III.位相差顕微鏡
IV.偏光顕微鏡
V.蛍光顕微鏡
VI.電子顕微鏡
VII.写真撮影装置
K 電気化学装置
I.pHメータ
II.イオン選択性電極
III.酸素電極
IV.血液ガス分析装置
L 純水製造装置
第3章 各専門機器(系統別機器)
A 血液
I.自動血球計数装置
II.自動白血球分類装置
III.自動凝固・線溶検査装置
IV.血小板凝集能測定装置
V.フローサイトメータ
B 化学
I.生化学自動分析装置
II.酵素免疫自動分析装置
III.濃度計(デンシトメータ)
IV.質量分析計
V.RI(放射性同位元素)計測装置
VI.遺伝子増幅恒温槽
VII.遺伝子抽出装置
VIII.遺伝子検出装置
C 病理
I.自動固定包埋装置(ヒストキネット)
II.包埋センター(ティッシュ・エンベディング・コンソール)
III.ミクロトーム
IV.クリオスタット(コールドトーム)
V.パラフィン伸展器
VI.自動染色装置
VII.自動細胞収集装置(オートスメア)
VIII.電子顕微鏡用標本作製装置
D 微生物
I.自動細菌検査装置
II.自動血液培養装置
III.自動抗酸菌培養装置
IV.遺伝子検査装置
V.安全キャビネット
VI.その他の機器
VII.微生物検査における自動機器の位置づけ
E 免疫血清
I.水平回転機
II.イムノビュア
III.マイクロタイタ法(用手法)
IV.ELISAリーダ(比色計)
V.ブロッティング装置
F 生理
I.心電計
II.心音計・脈波計
III.脳波計
IV.超音波画像診断装置
V.呼吸機能検査装置
VI.筋電計
VII.聴力検査装置
VIII.眼底写真撮影装置(眼底カメラ)
IX.誘発電位検査装置
X.熱画像診断装置(サーモグラフィ)
XI.磁気共鳴画像診断装置(MRI)
XII.眼振電図計測装置(眼振計)
XIII.重心動揺計
XIV.経皮的血液ガス分圧測定装置
XV.パルスオキシメータ
G 公衆衛生
I.空気環境測定用器具
1-アウグスト乾湿計
2-アスマン通風乾湿計
3-自記温・湿度計
4-黒球温度計
5-カタ寒暖計(普通カタ計)
II.空気組成・化学物質測定器具
1-検知器(ガス採取器)・検知管
III.空気中浮遊粒子状物質測定器具
1-レーザ粉塵計
IV.騒音測定器具
1-騒音計
V.照度測定器具
1-照度計
VI.水質検査器具
1-残留塩素測定器(比色板)
索引