発刊の序
臨床検査技師になるためには,幅広い領域についての知識を短期間のうちに習得することが求められている.またその内容は,医学・検査技術の進歩に伴い常に新しくなっている.さらに,学生生活を締めくくり実社会に出ていくための関門となる国家試験はきわめて難関で,臨床検査技師を目指す学生の負担は大きい.
本書は,膨大な量の知識を獲得しなければならない学生に対し,効率的に学習を進めるために,そして少しでも勉強に役立つよう,学校での授業の理解を深め,平素の学習と国家試験対策に利用できるように配慮してつくられた.国家試験出題基準をベースに構成され,臨床検査技師教育に造詣の深い教師陣により,知っておかなければならない必須の知識がまとめられている.
「学習の目標」では,国家試験出題基準に収載されている用語を中心に,その領域におけるキーワードを掲載し,「まとめ」では,知識の整理を促すようわかりやすく簡潔に解説することを心掛けた.一通り概要がつかめたら,◯×式問題の「セルフ・チェックA」で理解度を確認し,要点が理解できたら,今度は国家試験と同じ出題形式の「セルフ・チェックB」に挑戦してもらいたい.間違えた問題は,確実に知識が定着するまで「まとめ」を何度も振り返ることで確かな知識を得ることができる.「コラム」には国家試験の出題傾向やトピックスが紹介されているので,気分転換を兼ねて目を通すことをおすすめする.
持ち運びしやすい大きさを意識して作られているので,電車やバスの中などでも活用していただきたい.本書を何度も開き段階を追って学習を進めることにより,自信をもって国家試験に臨むことができるようになるだろう.
最後に,臨床検査技師を目指す学生の皆さんが無事に国家試験に合格され,臨床検査技師としてさまざまな世界で活躍されることを心から祈っております.
新臨床検査技師教育研究会
序
臨床微生物学(微生物検査学)は,微生物学の知識を基礎として細菌・真菌の培養同定検査,薬剤感受性検査,免疫学的検査,遺伝子検査などの「感染症の検査・診断に必要な検査法」の理論と手法を学ぶ学問です.
『ポケットマスター臨床検査知識の整理 臨床微生物学』は,感染症の検査に必要な基礎的および専門的な知識の整理を目的として刊行されたコンパクトな参考書です.内容は臨床検査技師国家試験出題基準の大項目に対応した章立てとし,「医学検査の基礎と疾病との関連」にかかわる内容が1章「微生物の分類」,2章「微生物の形態,構造および性状」,3章「染色法」,4章「発育と培養」,5章「遺伝と変異」,6章「滅菌と消毒」,7章「化学療法」,8章「感染と発症」,「病因・生体防御検査学」にかかわる内容が9章「細菌」,10章「真菌」,11章「ウイルス」,12章「プリオン」,13章「検査法」,14章「微生物検査結果の評価」という構成になっています.臨床検査技師国家試験で問われる重要事項を各章でわかりやすく解説し,知識確認のための「セルフ・チェック(練習問題)」を設けていますので,国家試験対策の実践的な参考書として活用できることはもちろん,日常の授業や実習での知識確認にも活用できると思います.
今年は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが起こり,私たちはかつて経験したことがない状況での生活を余儀なくされています.「ヒトの歴史は感染症との戦いの歴史であり,感染症の歴史は人々の不安と社会の混乱の歴史である」という言葉があります.この言葉はCOVID-19が社会的な問題となっている現状に当てはめることができますが,このような状況下で検査・診断を支えているのが
臨床検査技師の方々であるということを忘れてはいけません.臨床検査技師を目指す学生のみなさんは,先輩方が医療現場で活躍されている姿を目に焼き付けて学習に励み,必ず臨床検査技師免許を手にしてください.本書がその一助になれば幸いです.
2020年9月
森田耕司
臨床検査技師になるためには,幅広い領域についての知識を短期間のうちに習得することが求められている.またその内容は,医学・検査技術の進歩に伴い常に新しくなっている.さらに,学生生活を締めくくり実社会に出ていくための関門となる国家試験はきわめて難関で,臨床検査技師を目指す学生の負担は大きい.
本書は,膨大な量の知識を獲得しなければならない学生に対し,効率的に学習を進めるために,そして少しでも勉強に役立つよう,学校での授業の理解を深め,平素の学習と国家試験対策に利用できるように配慮してつくられた.国家試験出題基準をベースに構成され,臨床検査技師教育に造詣の深い教師陣により,知っておかなければならない必須の知識がまとめられている.
「学習の目標」では,国家試験出題基準に収載されている用語を中心に,その領域におけるキーワードを掲載し,「まとめ」では,知識の整理を促すようわかりやすく簡潔に解説することを心掛けた.一通り概要がつかめたら,◯×式問題の「セルフ・チェックA」で理解度を確認し,要点が理解できたら,今度は国家試験と同じ出題形式の「セルフ・チェックB」に挑戦してもらいたい.間違えた問題は,確実に知識が定着するまで「まとめ」を何度も振り返ることで確かな知識を得ることができる.「コラム」には国家試験の出題傾向やトピックスが紹介されているので,気分転換を兼ねて目を通すことをおすすめする.
持ち運びしやすい大きさを意識して作られているので,電車やバスの中などでも活用していただきたい.本書を何度も開き段階を追って学習を進めることにより,自信をもって国家試験に臨むことができるようになるだろう.
最後に,臨床検査技師を目指す学生の皆さんが無事に国家試験に合格され,臨床検査技師としてさまざまな世界で活躍されることを心から祈っております.
新臨床検査技師教育研究会
序
臨床微生物学(微生物検査学)は,微生物学の知識を基礎として細菌・真菌の培養同定検査,薬剤感受性検査,免疫学的検査,遺伝子検査などの「感染症の検査・診断に必要な検査法」の理論と手法を学ぶ学問です.
『ポケットマスター臨床検査知識の整理 臨床微生物学』は,感染症の検査に必要な基礎的および専門的な知識の整理を目的として刊行されたコンパクトな参考書です.内容は臨床検査技師国家試験出題基準の大項目に対応した章立てとし,「医学検査の基礎と疾病との関連」にかかわる内容が1章「微生物の分類」,2章「微生物の形態,構造および性状」,3章「染色法」,4章「発育と培養」,5章「遺伝と変異」,6章「滅菌と消毒」,7章「化学療法」,8章「感染と発症」,「病因・生体防御検査学」にかかわる内容が9章「細菌」,10章「真菌」,11章「ウイルス」,12章「プリオン」,13章「検査法」,14章「微生物検査結果の評価」という構成になっています.臨床検査技師国家試験で問われる重要事項を各章でわかりやすく解説し,知識確認のための「セルフ・チェック(練習問題)」を設けていますので,国家試験対策の実践的な参考書として活用できることはもちろん,日常の授業や実習での知識確認にも活用できると思います.
今年は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが起こり,私たちはかつて経験したことがない状況での生活を余儀なくされています.「ヒトの歴史は感染症との戦いの歴史であり,感染症の歴史は人々の不安と社会の混乱の歴史である」という言葉があります.この言葉はCOVID-19が社会的な問題となっている現状に当てはめることができますが,このような状況下で検査・診断を支えているのが
臨床検査技師の方々であるということを忘れてはいけません.臨床検査技師を目指す学生のみなさんは,先輩方が医療現場で活躍されている姿を目に焼き付けて学習に励み,必ず臨床検査技師免許を手にしてください.本書がその一助になれば幸いです.
2020年9月
森田耕司
1 微生物の分類
A 生物学的位置
B 分類
2 微生物の形態,構造および性状
A 細菌の構造と性状
B 真菌の構造と性状
C ウイルスの構造と性状
3 染色法
A 細菌の観察と染色法
B 真菌の観察と染色法
4 発育と培養
A 細菌の発育
B 真菌の発育
C ウイルスの増殖
D 培地・培養法・培養環境
5 遺伝と変異
A 遺伝子
B 遺伝物質・遺伝情報の伝達
C 変異
6 滅菌と消毒
A 滅菌法
B 消毒法
7 化学療法
A 抗菌薬の基本
B 抗菌薬の種類
C 抗結核薬
D 抗菌薬耐性
E 薬剤耐性菌
F 抗真菌薬
G 抗ウイルス薬
H 細菌の薬剤感受性検査法
I 抗菌薬治療
8 感染と発症
A 常在細菌叢
B 微生物の病原因子
C 宿主の抵抗力
D 感染の発現
E 感染経路
F 現代の感染症の特徴
G 食中毒
H バイオセーフティ
I 感染の予防と対策
J 感染症法
K 感染制御とICT活動,AST活動
9 細菌
A 好気性・通性嫌気性グラム陽性球菌
B 好気性グラム陰性球菌
C 通性嫌気性グラム陰性桿菌
1)腸内細菌科
2)ビブリオ科
3)エロモナス科
4)パスツレラ科
5)バルトネラ科とその他の通性嫌気性グラム陰性桿菌
D 好気性グラム陰性桿菌
1)ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌
2)その他の好気性グラム陰性桿菌
E 微好気性グラム陰性らせん菌
F 好気性・通性嫌気性グラム陽性有芽胞桿菌
G 好気性・通性嫌気性グラム陽性無芽胞桿菌
H グラム陽性抗酸性桿菌
I 嫌気性グラム陽性球菌
J 嫌気性グラム陰性球菌
K 嫌気性グラム陽性有芽胞桿菌
L 嫌気性グラム陽性無芽胞桿菌
M 嫌気性グラム陰性桿菌
N スピロヘータ
O レプトスピラ
P マイコプラズマとウレアプラズマ
Q リケッチア
R クラミジア
10 真菌
A 糸状菌
B 皮膚糸状菌
C 二形性真菌
D 酵母および酵母様真菌
E その他の真菌
11 ウイルス
A DNAウイルス
B RNAウイルス
C その他のウイルス
12 プリオン
13 検査法
A 基本技術
B 検体検査法とその技術
C 検体別細菌検査法
D 嫌気性菌の検査法
E 抗酸菌の検査法
F 真菌の検査法
G ウイルスの検査法
H 免疫学的検査法
I 遺伝子・蛋白検査法
J 迅速診断技術
K 検査に関与する機器
14 微生物検査結果の評価
A 検査結果の評価
索引
A 生物学的位置
B 分類
2 微生物の形態,構造および性状
A 細菌の構造と性状
B 真菌の構造と性状
C ウイルスの構造と性状
3 染色法
A 細菌の観察と染色法
B 真菌の観察と染色法
4 発育と培養
A 細菌の発育
B 真菌の発育
C ウイルスの増殖
D 培地・培養法・培養環境
5 遺伝と変異
A 遺伝子
B 遺伝物質・遺伝情報の伝達
C 変異
6 滅菌と消毒
A 滅菌法
B 消毒法
7 化学療法
A 抗菌薬の基本
B 抗菌薬の種類
C 抗結核薬
D 抗菌薬耐性
E 薬剤耐性菌
F 抗真菌薬
G 抗ウイルス薬
H 細菌の薬剤感受性検査法
I 抗菌薬治療
8 感染と発症
A 常在細菌叢
B 微生物の病原因子
C 宿主の抵抗力
D 感染の発現
E 感染経路
F 現代の感染症の特徴
G 食中毒
H バイオセーフティ
I 感染の予防と対策
J 感染症法
K 感染制御とICT活動,AST活動
9 細菌
A 好気性・通性嫌気性グラム陽性球菌
B 好気性グラム陰性球菌
C 通性嫌気性グラム陰性桿菌
1)腸内細菌科
2)ビブリオ科
3)エロモナス科
4)パスツレラ科
5)バルトネラ科とその他の通性嫌気性グラム陰性桿菌
D 好気性グラム陰性桿菌
1)ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌
2)その他の好気性グラム陰性桿菌
E 微好気性グラム陰性らせん菌
F 好気性・通性嫌気性グラム陽性有芽胞桿菌
G 好気性・通性嫌気性グラム陽性無芽胞桿菌
H グラム陽性抗酸性桿菌
I 嫌気性グラム陽性球菌
J 嫌気性グラム陰性球菌
K 嫌気性グラム陽性有芽胞桿菌
L 嫌気性グラム陽性無芽胞桿菌
M 嫌気性グラム陰性桿菌
N スピロヘータ
O レプトスピラ
P マイコプラズマとウレアプラズマ
Q リケッチア
R クラミジア
10 真菌
A 糸状菌
B 皮膚糸状菌
C 二形性真菌
D 酵母および酵母様真菌
E その他の真菌
11 ウイルス
A DNAウイルス
B RNAウイルス
C その他のウイルス
12 プリオン
13 検査法
A 基本技術
B 検体検査法とその技術
C 検体別細菌検査法
D 嫌気性菌の検査法
E 抗酸菌の検査法
F 真菌の検査法
G ウイルスの検査法
H 免疫学的検査法
I 遺伝子・蛋白検査法
J 迅速診断技術
K 検査に関与する機器
14 微生物検査結果の評価
A 検査結果の評価
索引














