「最新臨床検査学講座」の刊行にあたって
1958年に衛生検査技師法が制定され,その教育の場からの強い要望に応えて刊行されたのが「衛生検査技術講座」であります.その後,法改正およびカリキュラム改正などに伴い,「臨床検査講座」(1972),さらに「新編臨床検査講座」(1987),「新訂臨床検査講座」(1996)と,その内容とかたちを変えながら改訂・増刷を重ねてまいりました.
2000年4月より,新しいカリキュラムのもとで,新しい臨床検査技師教育が行われることとなり,その眼目である“大綱化“によって,各学校での弾力的な運用が要求され,またそれが可能となりました.「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」という教育内容とその目標とするところは,従前とかなり異なったものになりました.そこで弊社では,この機に「臨床検査学講座」を刊行することといたしました.臨床検査技師という医療職の重要性がますます高まるなかで,“技術”の修得とそれを応用する力の醸成,および“学”としての構築を目指して,教育内容に沿ったかたちで有機的な講義が行えるよう留意いたしました.
その後,ガイドラインが改定されればその内容を取り込みながら版を重ねてまいりましたが,2013年に「国家試験出題基準平成27年版」が発表されたことにあわせて紙面を刷新した「最新臨床検査学講座」を刊行することといたしました.新シリーズ刊行にあたりましては,臨床検査学および臨床検査技師教育に造詣の深い山藤 賢先生,高木 康先生,奈良信雄先生,三村邦裕先生,和田骼u先生を編集顧問に迎え,シリーズ全体の構想と編集方針の策定にご協力いただきました.各巻の編者,執筆者にはこれまでの「臨床検査学講座」の構成・内容を踏襲しつつ,最近の医学医療,臨床検査の進歩を取り入れることをお願いしました.
本シリーズが国家試験出題の基本図書として,多くの学校で採用されてきました実績に鑑みまして,ガイドライン項目はかならず包含し,国家試験受験の知識を安心して習得できることを企図しました.また,読者の方々に理解されやすい,より使いやすい,より見やすい教科書となるような紙面構成を目指しました.本「最新臨床検査学講座」により臨床検査技師として習得しておくべき知識を,確実に,効率的に獲得することに寄与できましたら本シリーズの目的が達せられたと考えます.
各巻テキストにつきまして,多くの方がたからのご意見,ご叱正を賜れば幸甚に存じます.
2015年春
医歯薬出版株式会社
序
臨床検査技師を目指す皆さんは,大学もしくは専門学校の初年次の授業として「化学」を学ぶことが多いと思います.国家試験科目には「化学」という科目がないこともあり,化学の授業時間数は学校のカリキュラムにより異なります.そのために,化学をあまり重要な科目でないと感じるかもしれません.しかし,化学は生化学,臨床化学検査学,臨床検査総論などを学ぶための基礎であり,高校で学んだ「化学」の知識を土台としてさらに積み上げていく重要な学問です.本書は,この目的に沿うために,臨床検査技師教育の基礎科目として,化学の全分野を網羅するように配置しました.
“物質の構造“,“物質の状態”,“物質の変化”の各章では,物質の化学的性質についての概念を習得することを目的にしています.この部分は化学の基礎として最も重要でありながら,初学者にとってなかなか理解しにくいところです.そこで,記述をできるだけ丁寧に,平易にすることを心掛けました.また,専門科目とのつながりを重視して,酵素反応機構など少しレベルの高い内容も含まれており,その箇所には「発展(ハイレベル)」の印がついています.是非じっくり取り組んでほしいところですが,難しい場合は読み飛ばしても構いません.
“無機化合物“,“有機化合物”の章では,無機ならびに有機化合物の性質を熟知し,専門科目を学ぶためのベースとなる知識や,また臨床検査技師として業務を遂行するうえで,適切に対処できるような知識を習得することを目標として記述しました.有機化学については,有機電子論による反応機構を理解できるように,形式電荷,共鳴混成体についても詳しく解説しました.
最後に“実習のための基礎知識”の章では,化学実験における基本操作,実験値の正しい取り扱い方などを習熟することを目標としました.試薬の取り扱い方,廃液の処理,実験室における事故の処理など,臨床検査技師として現場で役に立つようになっています.
章末問題には,臨床検査技師国家試験で実際に出題された問題が含まれています.「化学」の知識だけで正解にたどり着ける問題が含まれていることからも,化学の重要性を確認できると思います.特に,酸塩基平衡は体液を理解するうえで欠かせない項目ですので,付録の発展問題では,公式を暗記するだけでなく,原理的な取り扱いも含めて理解を深められるように,解説も少し詳しく載せました.
本書が臨床検査技師教育のための教科書として役立つものとなるように,今後とも多くの方からご指摘やご鞭撻をいただければ幸いです.
2020年1月
奈良雅之
1958年に衛生検査技師法が制定され,その教育の場からの強い要望に応えて刊行されたのが「衛生検査技術講座」であります.その後,法改正およびカリキュラム改正などに伴い,「臨床検査講座」(1972),さらに「新編臨床検査講座」(1987),「新訂臨床検査講座」(1996)と,その内容とかたちを変えながら改訂・増刷を重ねてまいりました.
2000年4月より,新しいカリキュラムのもとで,新しい臨床検査技師教育が行われることとなり,その眼目である“大綱化“によって,各学校での弾力的な運用が要求され,またそれが可能となりました.「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」という教育内容とその目標とするところは,従前とかなり異なったものになりました.そこで弊社では,この機に「臨床検査学講座」を刊行することといたしました.臨床検査技師という医療職の重要性がますます高まるなかで,“技術”の修得とそれを応用する力の醸成,および“学”としての構築を目指して,教育内容に沿ったかたちで有機的な講義が行えるよう留意いたしました.
その後,ガイドラインが改定されればその内容を取り込みながら版を重ねてまいりましたが,2013年に「国家試験出題基準平成27年版」が発表されたことにあわせて紙面を刷新した「最新臨床検査学講座」を刊行することといたしました.新シリーズ刊行にあたりましては,臨床検査学および臨床検査技師教育に造詣の深い山藤 賢先生,高木 康先生,奈良信雄先生,三村邦裕先生,和田骼u先生を編集顧問に迎え,シリーズ全体の構想と編集方針の策定にご協力いただきました.各巻の編者,執筆者にはこれまでの「臨床検査学講座」の構成・内容を踏襲しつつ,最近の医学医療,臨床検査の進歩を取り入れることをお願いしました.
本シリーズが国家試験出題の基本図書として,多くの学校で採用されてきました実績に鑑みまして,ガイドライン項目はかならず包含し,国家試験受験の知識を安心して習得できることを企図しました.また,読者の方々に理解されやすい,より使いやすい,より見やすい教科書となるような紙面構成を目指しました.本「最新臨床検査学講座」により臨床検査技師として習得しておくべき知識を,確実に,効率的に獲得することに寄与できましたら本シリーズの目的が達せられたと考えます.
各巻テキストにつきまして,多くの方がたからのご意見,ご叱正を賜れば幸甚に存じます.
2015年春
医歯薬出版株式会社
序
臨床検査技師を目指す皆さんは,大学もしくは専門学校の初年次の授業として「化学」を学ぶことが多いと思います.国家試験科目には「化学」という科目がないこともあり,化学の授業時間数は学校のカリキュラムにより異なります.そのために,化学をあまり重要な科目でないと感じるかもしれません.しかし,化学は生化学,臨床化学検査学,臨床検査総論などを学ぶための基礎であり,高校で学んだ「化学」の知識を土台としてさらに積み上げていく重要な学問です.本書は,この目的に沿うために,臨床検査技師教育の基礎科目として,化学の全分野を網羅するように配置しました.
“物質の構造“,“物質の状態”,“物質の変化”の各章では,物質の化学的性質についての概念を習得することを目的にしています.この部分は化学の基礎として最も重要でありながら,初学者にとってなかなか理解しにくいところです.そこで,記述をできるだけ丁寧に,平易にすることを心掛けました.また,専門科目とのつながりを重視して,酵素反応機構など少しレベルの高い内容も含まれており,その箇所には「発展(ハイレベル)」の印がついています.是非じっくり取り組んでほしいところですが,難しい場合は読み飛ばしても構いません.
“無機化合物“,“有機化合物”の章では,無機ならびに有機化合物の性質を熟知し,専門科目を学ぶためのベースとなる知識や,また臨床検査技師として業務を遂行するうえで,適切に対処できるような知識を習得することを目標として記述しました.有機化学については,有機電子論による反応機構を理解できるように,形式電荷,共鳴混成体についても詳しく解説しました.
最後に“実習のための基礎知識”の章では,化学実験における基本操作,実験値の正しい取り扱い方などを習熟することを目標としました.試薬の取り扱い方,廃液の処理,実験室における事故の処理など,臨床検査技師として現場で役に立つようになっています.
章末問題には,臨床検査技師国家試験で実際に出題された問題が含まれています.「化学」の知識だけで正解にたどり着ける問題が含まれていることからも,化学の重要性を確認できると思います.特に,酸塩基平衡は体液を理解するうえで欠かせない項目ですので,付録の発展問題では,公式を暗記するだけでなく,原理的な取り扱いも含めて理解を深められるように,解説も少し詳しく載せました.
本書が臨床検査技師教育のための教科書として役立つものとなるように,今後とも多くの方からご指摘やご鞭撻をいただければ幸いです.
2020年1月
奈良雅之
第1章 物質の構造
I 原子と分子
1 元素,単体,化合物
2 原子,分子
3 化学の基本法則
4 原子量,分子量およびモルの概念
5 化学式
6 当量,原子価
7 国際単位系(SI)
II 原子の構造
1 原子模型
2 原子核の構造
3 ボーアの原子模型
4 核外電子の状態(電子が2個以上の場合)
5 核外電子の配置
6 元素の周期律
7 原子の大きさ
8 イオン化ポテンシャルと電子親和力
9 共有結合
1)単結合
2)多重結合
10 共有結合の極性
11 原子間距離
12 配位結合
13 化学結合の種類
演習問題
実践 国試問題
第2章 物質の状態
I 気体
1 ボイル―シャルルの法則
2 理想気体の状態方程式
3 ドルトンの分圧の法則
4 気体分子運動論
5 実在気体の状態方程式(ファンデルワールスの状態方程式)
II 液体
1 蒸気圧
2 蒸発熱
3 沸点
III 固体
1 結晶
1)イオン結晶
2)共有結合性結晶
3)分子結晶
4)金属結晶
IV 溶液
1 溶液の濃度
1)容量濃度
2)質量濃度
3)モル分率
4)濃度,活量(または活動度)
2 固体の溶解度
3 液体の溶解度
4 気体の溶解度
5 溶液の性質
1)溶液の蒸気圧
2)浸透圧
3)分配の法則
V コロイド
1 コロイド溶液の特徴
2 コロイド溶液の電気的性質
3 拡散
4 沈降
5 粘度
6 コロイド溶液,電解質
7 表面張力,界面活性剤
8 吸着
演習問題
実践 国試問題
第3章 物質の変化
I 化学反応(化学変化)
II 化学反応の種類
1 反応形式による分類
1)化合
2)分解
3)解離
4)置換
5)複分解
6)転移反応
7)転位反応
8)重合
9)縮合
10)加水分解
2 均一反応,不均一反応
3 発熱反応,吸熱反応
1)熱化学方程式
4 熱化学反応,光化学反応
5 酸化還元反応
1)酸化数
2)不均化
6 発エルゴン反応,吸エルゴン反応
III 化学平衡
1 化学平衡
1)化学平衡の法則
2)化学平衡と温度・圧力の関係
IV 電離平衡
1 水の電離,pH
1)強電解質
2)弱電解質
2 電解質水溶液のpH
1)ブレンステッド・ローリーの酸・塩基の定義
2)ルイスの酸・塩基の定義
3)中和滴定
4)緩衝溶液
3 塩の加水分解
1)溶解度積
発展―希薄水溶液中の電離平衡の原理的な取り扱い
1)1価の弱酸(HA)の例
2)水溶液中の電離平衡の連立方程式の立式の実例
3)難溶性電解質
V 酸化還元平衡
1 電解質の活量
2 電池
1)ダニエル電池
2)鉛蓄電池
3)マンガン乾電池
3 水素電極
4 標準電極電位
5 濃淡電池
6 pHメータ
7 ガラス電極
8 電気分解
1)ファラデーの法則
VI 化学反応速度
1 化学反応速度
2 触媒
3 化学反応速度論
1)1次反応
2)2次反応
4 反応機構
1)逐次反応
2)並発反応
3)可逆反応
4)連鎖反応
発展―酵素反応
実践 国試問題
第4章 無機化合物
I 元素の分類
1 金属元素,非金属元素
2 典型元素,遷移元素
3 生元素(必須元素)
II 非金属の化学
1 第18族元素(希ガス)
2 水素
3 ハロゲン
4 酸素,窒素
5 その他の非金属元素
6 水素と非金属元素の化合物
1)第14族の水素化物
2)第15族の水素化物
3)第16族の水素化物
4)ハロゲン化水素
7 酸素と非金属元素の化合物(酸化物)
1)酸性酸化物,酸素酸
2)中性酸化物
3)過酸化物
8 ハロゲンと非金属元素の化合物
9 その他の非金属元素の化合物
III 金属の化学
1 冶金
2 アルカリ金属,アルカリ土類金属とその化合物
1)酸化物,水酸化物
2)塩類
3 遷移元素(典型元素Zn,Hg,Alを含めて)
1)生物の必須微量元素
2)酸化物,水酸化物
3)酸性酸化物,酸素酸
4)貴金属
IV 配位化合物
1 錯イオン
1)アンミン錯イオン(NH3分子を含む錯イオン)
2)シアノ錯イオン(CN-を含む錯イオン)
3)クロロ錯イオン(Cl-を含む錯イオン)
2 配位化合物の立体構造
3 キレート
V 原子核反応
1 核エネルギー
2 放射性元素
3 放射能・放射線の単位
4 原子核反応
1)α照射
2)プロトンpおよびジューテロンd照射
第5章 有機化合物
I 有機化合物の構造式の決定について
1 元素分析
1)炭素と水素の定量
2)窒素の定量
3)その他の元素の定量
2 実験式(組成式)の決定
3 分子式の決定
4 官能基の確定
5 異性体の区別
6 構造式の決定
1)質量分析法
2)核磁気共鳴分光法
3)吸収スペクトル
4)紫外可視分光法(電子スペクトル)
5)赤外分光法(振動スペクトル)
6)ラマン分光法(発展)
7)マイクロ波分光法(回転スペクトル)(発展)
II 有機反応機構について
1 形式電荷
2 共鳴構造式
3 曲がった矢印(巻矢印)と釣り針形矢印
4 有機反応機構の例:共役二重結合
III 有機化合物の基本構造
1 有機化合物の基本構造
1)炭素骨格による分類
2)官能基による分類(主なもの)
2 脂肪族炭化水素
A飽和脂肪族炭化水素(アルカン)
1)アルカンの立体配座
2)不斉炭素原子と鏡像異性体
3)不斉炭素原子のR-S表示
4)置換基の優先順位
B不飽和脂肪族炭化水素
1)アルケン
2)アルケンでよくみられる反応
3)アルキン
4)不飽和度
5)環式炭化水素(脂環式炭化水素と芳香族炭化水素)
6)シクロヘキサンの構造
3 芳香族炭化水素
1)ベンゼンの構造と共鳴
2)ベンゼンの反応
3)ベンゼンの求電子置換反応の機構
4)芳香族環を活性化する置換基と不活性化する置換基
5)芳香族多環式化合物
4 複素環化合物
IV 官能基
1 ハロゲン(F,Cl,Br,I)
1)求核置換反応
2)脱離反応
2 ヒドロキシ基(水酸基)
1)アルコールの性質
2)アルコールの脱離反応
3)フェノールの性質
3 エーテル
1)エーテルの性質
2)Grignard試薬(グリニャール試薬)
4 カルボニル基
1)ホルムアルデヒドHCHO
2)アセトアルデヒドCH3CHO
3)アセトンCH3COCH3
4)キノン
5)アルコールの付加反応
6)縮合反応
7)アルデヒドとケトンの酸化反応
8)ケト―エノール互変異性
5 カルボキシ基
1)乳酸の構造と鏡像異性体
2)旋光性
3)マレイン酸とフマル酸
6 エステル
1)エステルのけん化
2)酸無水物
7 ニトロ基
8 アミノ基
1)アミンの分類と構造
9 ニトリル基
V 生体分子成分(生体高分子化合物)
1 糖質(炭水化物)
1)単糖類
2)二糖類
3)多糖類
2 アミノ酸,ペプチド,タンパク質
1)アミノ酸
2)アミノ酸の性質
3)ペプチド
4)タンパク質
5)成分に基づくタンパク質の分類
6)形状に基づくタンパク質の分類
7)タンパク質の構造
8)アミノ酸,ペプチド,タンパク質の呈色反応
9)酵素
3 脂質
1)単純脂質
2)複合脂質
4 核酸
1)DNA
2)RNA
5 ステロイド
6 生体色素
7 ビタミン
1)脂溶性ビタミン
2)水溶性ビタミン
8 ホルモン
演習問題
実践 国試問題
第6章 実習のための基礎知識
I 実験を始める前に
1 安全のためのチェック事項
1)服装
2)実験室内での行動
3)実験操作
4)緊急時の対処
II 加熱の仕方(ガスバーナーの使い方)
III ガラス器具の取り扱い
1 ガラス器具の洗浄
IV 薬品の安全な取り扱い
1 消防法による危険物の分類
2 GHSによる分類と表示
3 化学物質の保管
V 溶液調製における一般的注意
1 測用器具の取り扱い方
2 測用器具の精度
3 マイクロピペット
4 実験廃液の処理
VI 数値の扱い方
1 有効数字
2 誤差
3 正確さ(確度)と精密さ(精度)
4 平均値
5 最小二乗法
VII 無機定性分析
VIII 無機定量分析
1 容量分析
1)中和滴定法
2)中和滴定法の実習
3)キレート滴定法
4)キレート滴定法の実習
2 容量分析における誤差の扱い方
1)間接測定の誤差
付録1:発展問題
付録2:電離平衡の問題演習シート(使用例)
付録3:電離平衡の問題演習シート
付録4:発展問題 解答
索引
付表I 4桁の原子量表
付表II 原子量表
付表III 基底状態における核外電子配置
付表IV 元素の周期表
I 原子と分子
1 元素,単体,化合物
2 原子,分子
3 化学の基本法則
4 原子量,分子量およびモルの概念
5 化学式
6 当量,原子価
7 国際単位系(SI)
II 原子の構造
1 原子模型
2 原子核の構造
3 ボーアの原子模型
4 核外電子の状態(電子が2個以上の場合)
5 核外電子の配置
6 元素の周期律
7 原子の大きさ
8 イオン化ポテンシャルと電子親和力
9 共有結合
1)単結合
2)多重結合
10 共有結合の極性
11 原子間距離
12 配位結合
13 化学結合の種類
演習問題
実践 国試問題
第2章 物質の状態
I 気体
1 ボイル―シャルルの法則
2 理想気体の状態方程式
3 ドルトンの分圧の法則
4 気体分子運動論
5 実在気体の状態方程式(ファンデルワールスの状態方程式)
II 液体
1 蒸気圧
2 蒸発熱
3 沸点
III 固体
1 結晶
1)イオン結晶
2)共有結合性結晶
3)分子結晶
4)金属結晶
IV 溶液
1 溶液の濃度
1)容量濃度
2)質量濃度
3)モル分率
4)濃度,活量(または活動度)
2 固体の溶解度
3 液体の溶解度
4 気体の溶解度
5 溶液の性質
1)溶液の蒸気圧
2)浸透圧
3)分配の法則
V コロイド
1 コロイド溶液の特徴
2 コロイド溶液の電気的性質
3 拡散
4 沈降
5 粘度
6 コロイド溶液,電解質
7 表面張力,界面活性剤
8 吸着
演習問題
実践 国試問題
第3章 物質の変化
I 化学反応(化学変化)
II 化学反応の種類
1 反応形式による分類
1)化合
2)分解
3)解離
4)置換
5)複分解
6)転移反応
7)転位反応
8)重合
9)縮合
10)加水分解
2 均一反応,不均一反応
3 発熱反応,吸熱反応
1)熱化学方程式
4 熱化学反応,光化学反応
5 酸化還元反応
1)酸化数
2)不均化
6 発エルゴン反応,吸エルゴン反応
III 化学平衡
1 化学平衡
1)化学平衡の法則
2)化学平衡と温度・圧力の関係
IV 電離平衡
1 水の電離,pH
1)強電解質
2)弱電解質
2 電解質水溶液のpH
1)ブレンステッド・ローリーの酸・塩基の定義
2)ルイスの酸・塩基の定義
3)中和滴定
4)緩衝溶液
3 塩の加水分解
1)溶解度積
発展―希薄水溶液中の電離平衡の原理的な取り扱い
1)1価の弱酸(HA)の例
2)水溶液中の電離平衡の連立方程式の立式の実例
3)難溶性電解質
V 酸化還元平衡
1 電解質の活量
2 電池
1)ダニエル電池
2)鉛蓄電池
3)マンガン乾電池
3 水素電極
4 標準電極電位
5 濃淡電池
6 pHメータ
7 ガラス電極
8 電気分解
1)ファラデーの法則
VI 化学反応速度
1 化学反応速度
2 触媒
3 化学反応速度論
1)1次反応
2)2次反応
4 反応機構
1)逐次反応
2)並発反応
3)可逆反応
4)連鎖反応
発展―酵素反応
実践 国試問題
第4章 無機化合物
I 元素の分類
1 金属元素,非金属元素
2 典型元素,遷移元素
3 生元素(必須元素)
II 非金属の化学
1 第18族元素(希ガス)
2 水素
3 ハロゲン
4 酸素,窒素
5 その他の非金属元素
6 水素と非金属元素の化合物
1)第14族の水素化物
2)第15族の水素化物
3)第16族の水素化物
4)ハロゲン化水素
7 酸素と非金属元素の化合物(酸化物)
1)酸性酸化物,酸素酸
2)中性酸化物
3)過酸化物
8 ハロゲンと非金属元素の化合物
9 その他の非金属元素の化合物
III 金属の化学
1 冶金
2 アルカリ金属,アルカリ土類金属とその化合物
1)酸化物,水酸化物
2)塩類
3 遷移元素(典型元素Zn,Hg,Alを含めて)
1)生物の必須微量元素
2)酸化物,水酸化物
3)酸性酸化物,酸素酸
4)貴金属
IV 配位化合物
1 錯イオン
1)アンミン錯イオン(NH3分子を含む錯イオン)
2)シアノ錯イオン(CN-を含む錯イオン)
3)クロロ錯イオン(Cl-を含む錯イオン)
2 配位化合物の立体構造
3 キレート
V 原子核反応
1 核エネルギー
2 放射性元素
3 放射能・放射線の単位
4 原子核反応
1)α照射
2)プロトンpおよびジューテロンd照射
第5章 有機化合物
I 有機化合物の構造式の決定について
1 元素分析
1)炭素と水素の定量
2)窒素の定量
3)その他の元素の定量
2 実験式(組成式)の決定
3 分子式の決定
4 官能基の確定
5 異性体の区別
6 構造式の決定
1)質量分析法
2)核磁気共鳴分光法
3)吸収スペクトル
4)紫外可視分光法(電子スペクトル)
5)赤外分光法(振動スペクトル)
6)ラマン分光法(発展)
7)マイクロ波分光法(回転スペクトル)(発展)
II 有機反応機構について
1 形式電荷
2 共鳴構造式
3 曲がった矢印(巻矢印)と釣り針形矢印
4 有機反応機構の例:共役二重結合
III 有機化合物の基本構造
1 有機化合物の基本構造
1)炭素骨格による分類
2)官能基による分類(主なもの)
2 脂肪族炭化水素
A飽和脂肪族炭化水素(アルカン)
1)アルカンの立体配座
2)不斉炭素原子と鏡像異性体
3)不斉炭素原子のR-S表示
4)置換基の優先順位
B不飽和脂肪族炭化水素
1)アルケン
2)アルケンでよくみられる反応
3)アルキン
4)不飽和度
5)環式炭化水素(脂環式炭化水素と芳香族炭化水素)
6)シクロヘキサンの構造
3 芳香族炭化水素
1)ベンゼンの構造と共鳴
2)ベンゼンの反応
3)ベンゼンの求電子置換反応の機構
4)芳香族環を活性化する置換基と不活性化する置換基
5)芳香族多環式化合物
4 複素環化合物
IV 官能基
1 ハロゲン(F,Cl,Br,I)
1)求核置換反応
2)脱離反応
2 ヒドロキシ基(水酸基)
1)アルコールの性質
2)アルコールの脱離反応
3)フェノールの性質
3 エーテル
1)エーテルの性質
2)Grignard試薬(グリニャール試薬)
4 カルボニル基
1)ホルムアルデヒドHCHO
2)アセトアルデヒドCH3CHO
3)アセトンCH3COCH3
4)キノン
5)アルコールの付加反応
6)縮合反応
7)アルデヒドとケトンの酸化反応
8)ケト―エノール互変異性
5 カルボキシ基
1)乳酸の構造と鏡像異性体
2)旋光性
3)マレイン酸とフマル酸
6 エステル
1)エステルのけん化
2)酸無水物
7 ニトロ基
8 アミノ基
1)アミンの分類と構造
9 ニトリル基
V 生体分子成分(生体高分子化合物)
1 糖質(炭水化物)
1)単糖類
2)二糖類
3)多糖類
2 アミノ酸,ペプチド,タンパク質
1)アミノ酸
2)アミノ酸の性質
3)ペプチド
4)タンパク質
5)成分に基づくタンパク質の分類
6)形状に基づくタンパク質の分類
7)タンパク質の構造
8)アミノ酸,ペプチド,タンパク質の呈色反応
9)酵素
3 脂質
1)単純脂質
2)複合脂質
4 核酸
1)DNA
2)RNA
5 ステロイド
6 生体色素
7 ビタミン
1)脂溶性ビタミン
2)水溶性ビタミン
8 ホルモン
演習問題
実践 国試問題
第6章 実習のための基礎知識
I 実験を始める前に
1 安全のためのチェック事項
1)服装
2)実験室内での行動
3)実験操作
4)緊急時の対処
II 加熱の仕方(ガスバーナーの使い方)
III ガラス器具の取り扱い
1 ガラス器具の洗浄
IV 薬品の安全な取り扱い
1 消防法による危険物の分類
2 GHSによる分類と表示
3 化学物質の保管
V 溶液調製における一般的注意
1 測用器具の取り扱い方
2 測用器具の精度
3 マイクロピペット
4 実験廃液の処理
VI 数値の扱い方
1 有効数字
2 誤差
3 正確さ(確度)と精密さ(精度)
4 平均値
5 最小二乗法
VII 無機定性分析
VIII 無機定量分析
1 容量分析
1)中和滴定法
2)中和滴定法の実習
3)キレート滴定法
4)キレート滴定法の実習
2 容量分析における誤差の扱い方
1)間接測定の誤差
付録1:発展問題
付録2:電離平衡の問題演習シート(使用例)
付録3:電離平衡の問題演習シート
付録4:発展問題 解答
索引
付表I 4桁の原子量表
付表II 原子量表
付表III 基底状態における核外電子配置
付表IV 元素の周期表