やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第3版の序

 20世紀末の今日,我が国は未曾有の高齢社会の到来と,その加速化が指摘されるに至り,リハビリテーション医療の対象者は幼児から高齢者まですべての年代を包含するようになった.
 運動療法は,関節可動域の拡大,筋力および筋持久力の増強,心肺フィットネスの向上,神経筋再教育などを主たる目的としているが,リハビリテーション医療,とりわけ理学療法では最も重要な分野である.各種疾患によって引き起こされる運動麻痺や異常運動を呈する障害者の治療手技として,また廃用症候群や誤用症候群など二次的障害の予防に,更に近年では心疾患や糖尿病など慢性疾患の治療に効果を発揮している.
 1977年の初版発行以来,我が国のリハビリテーション医療に携わる多くの方々から支持を受け,1982年の第2版を経て,1991年に本書第3版が企画されたが,諸般の事情により今日まで8年余りを経過してしまった.改訂を待たれていた多くの読者と,早々に改訂版の原稿を寄せられた執筆者には申し訳ないこととお詫び申し上げる.
 今回の改訂では,旧版の体裁を踏まえながらも,できるだけ新しい知見を取り込み,読者の要望に応えようと努めた.
 第1章をはじめ,関連する章では1990年代から臨床知見を加えている関節運動学的アプローチ(AKA)の意義を補った.第2章には“筋力増強運動の原理と応用”を追加し,第4章は「姿勢・運動の見方」とタイトルを変更して新しくまとめ直した.第6章「運動療法の基本」ではAKAの実技写真を多数掲載し,読者の便宜を図った.
 第7章は,従来運動機能障害の改善のみに焦点を当てていた脳卒中片麻痺の治療に,失行・失認などの高次脳機能障害の影響を考慮してまとめ直した.第8章「脳性麻痺の運動障害」,第10章「パーキンソニズム,運動失調に対する運動療法」は,新しい角度から全面的に書き直した.第16章「関節炎に対する運療療法」では,近年のCPM装置,慢性関節リウマチの評価・障害分類などを補筆した.
 第18章「心疾患の運動療法」,第19章「呼吸障害に対する運動療法」は,今回よりこの分野のエキスパートに執筆してもらうこととし,近年の動向を専門家の立場から新しく提供してもらった.第20章「糖尿病の運動療法」は今回より新しく加わった章である.慢性疾患の運動療法として近年注目を集めつつあり,この分野のエキスパートにより要点を分かりやすくまとめてもらった.第23章「スポーツ医学と運動療法」は新しい執筆者に,概念と動向を示してもらった.その他,細部に手を入れた箇所も多いが,データが少ないため旧版のままとしたものもある.それらの点は,今後版を改める時には,資料の見直しを行わなければなるまいと考えている.
 初版以来,運動療法の基礎から臨床まで,できるだけ幅広くテーマを取り上げてきたが,本書はあくまでも入門書であるから,全てにわたって十分な情報を包含しているわけではない.日々加わっていく最新の知見については,それぞれの専門雑誌や情報を参考にしていただきたい.また本書の記述の不十分な点などについてはご批判,ご助言をいただければ幸いである.
 今後とも医療の中での運動療法の重要性は変わることはないと思われる.本書が運動療法に携わる諸兄姉に役立つことを願っている.
 1999年10月 大井淑雄

第2版の序

 このたび,本書の第2版が刊行されることになり慶びとするところである.省りみると,医歯薬出版から本書の企画を相談され博田節夫博士とその内容の検討をした時からすでに10年が過ぎた.当時の時点で最も受け入れられており,また最も新しい知見を十分含むべく努力したが,出来栄えは70%満足程度に終ってしまった.これは出版社の責任ではなくて,我々執筆する側の問題である.しかしながら,本書がもっとさらに不満足にならずに済んだのは,ひとえに中村隆一教授ら他の共著者の学問的に優れた業績を基礎においての参画であった.
 リハビリテーション医学を志す者にとって,水治療法や温熱療法,もちろんこれらが大切であることは当然であるが,これのみを習得すれば事足れりと考えられた時代もあったのである.運動療法が現在のように医学的リハビリテーションの中心的役割を果たすようになってみると,当事者として感慨もひとしおであると同時に,未だ解決されていない重要な研究課題の多いことに対して恥入るものである.
 ここ数年の間にも注目すべき知見がいくつかあげられるが,それらすべてを本書に包含することは書物の体裁をまったく変えてしまうことにもなりかねないので,なるべくもとの書き方を残した.最新の知見については専門雑誌を参考にしていただきたいと思うし,本書は入門書と見なしていただいてよい.米国のLichtの運動療法もすでに改訂されるべき数々の点があるが依然として名著であるのと同様に,本書がしばらくの間同好の士の手引きになることを念願している.
 もっとも,新しい本邦独特の研究の中には,リハビリテーション医学の領域のみに止まらず,スポーツ医学,体育学などとの連携のもとに各人(患者と呼んではならないとこの道の先人はいうので)の原疾患,局所所見,体力,筋力とAT点,心肺機能,電気生理学的特徴などを参考にして,運動療法のきめの細かい処方をしようとする試みもあることを附記する.
 1982年3月 大井淑雄

第1版の序

 リハビリテーション医学の実際の診療の中でも,この運動療法はもっとも重要な分野を占めている.運動療法の基礎医学的な研究,臨床的な研究は今後必ずリハビリテーション医学が専門科として独立して発展するために中心となるであろう.
 このような重要な分野について医歯薬出版から執筆を依頼されたことはずいぶん重荷であった.運動療法の実際を学問的体系にまとめあげ,また一般的実地臨床医にも理解しやすく説明して数多くの論文や著書を出しておられる,石田肇先生や大塚哲也先生などの大先輩をさし置いてわれわれのような若輩が試みること自体に無理があったと思う.しかし共同編集者として博田節夫氏が小生の粗雑さを十分補って下さったのでいくぶん体裁はよくなったようである.
 従来の運動療法に関するドイツやアメリカの書,ことにSidny Lichtなどの名著があるだけに本書になんらかの特徴をもたせることは非常に困難が感じられた.しかしながらこの一冊の小著で運動療法を理解しやすくするために基礎医学的知識および研究の成果を多少未消化のそしりは免れないが,とりこんであるつもりである.そして神経生理学の専門家,整形外科医に珍らしく神経系全体に強い,畏友中村隆一氏,リウマチ様関節炎の補体に関する研究に日夜励んでいる松浦美喜雄氏,および斎藤宏氏の強力な援助でどうやら形となったものである.
 運動療法に関するとらえ方も以前のような静的な解剖学的・病理的なものから,より動的な機能解剖学的・生理的なものに移行しつつある.将来さらに生化学的・生体力学的な点もより強調されることは疑いがない.したがって本書も刻々進歩するそれらの研究成果に合わせて近い将来に必ず書き直さねばならないだろうと考えている.諸先輩のいろいろなご助言,ご叱正によってより充実した内容にしていきたいと念願するものである.
 大井淑雄

 本書第6章“運動療法の基本”の執筆にさいして,東京都養育院付属病院理学療法科長松村秩氏のご援助をいただいた.また星ケ丘厚生年金病院リハビリテーション部諸氏にもいろいろご協力いただいた.厚くお礼申し上げる.
 博田節夫
第3版の序
第2版の序
第1版の序

第1章 運動療法の歴史…(博田節夫)
  文献

第2章 運動療法の意義
 1 筋力増強運動の原理と応用…(大井淑雄,李俊熈,板井美浩)
  1.筋力
  2.筋力測定法
  3.筋肉に関する若干の知識の整理
  4.筋力増強
  5.求心性収縮と遠心性収縮
 2 運動療法の目的…(大井淑雄)
 3 運動療法と医療スタッフ
 4 運動の人体への影響
 5 運動療法と機器
  文献

第3章 運動器系の基礎的事項
 1 骨・軟骨の解剖と生理…(松浦美喜雄)
  1.骨
   1)骨格と体形の進化
   2)骨格系の構成と機能
   3)骨の形態
   4)骨の構造
   5)骨・軟骨の発生
   6)骨の成長過程
   7)骨改変
   8)骨の物理的な強さ
   9)骨の循環
   10)骨単位
   11)骨の構成物質と代謝調整因子
   12)骨粗鬆症と骨軟化症
   13)骨の神経
   14)運動などの骨変化に及ぼす影響
  2.関節
   1)関節の発生
   2)関節を構成する組織
   3)関節の形態による分類
   4)関節液
   5)関節軟骨の栄養,成長,修復
   6)関節部の知覚
   7)関節の運動
  文献
 2 骨格筋の解剖と生理…(大井淑雄)
  1.筋の発生学的知識
  2.筋の構造と微細構造
  3.筋の収縮機構
  4.運動力学的基礎知識
   1)運動の基本肢位
   2)身体の面と軸
   3)関節の運動
   4)重心
   5)ニュートンの力学の法則
   6)滑車・テコ
  5.筋の生体力学的考察
  6.骨格筋の神経支配
  7.筋収縮のエネルギー…(博田節夫)
  8.筋の疲労と訓練…(大井淑雄)
  文献
 3 神経の解剖と生理…(松浦美喜雄)
   1)中枢神経系
   2)脳・脊髄の循環
   3)末梢神経系
   4)自律神経系
   5)神経系を構成する素材
   6)神経系の伝導路
   7)神経線維の末端
   8)神経病変に応用される画像診断,電気生理学的診断
  文献

第4章 姿勢・運動異常の見方…(長岡正範・中村隆一)
 1 運動とは
  1.運動行動の階層性
  2.陽性徴候と陰性徴候
 2 運動の統合レベル
  1.反射・反応
  2.姿勢と姿勢反射
  3.随意運動・行為
 3 姿勢・運動の異常
  1.反射・反応の異常
   1)陰性徴候
    (1)運動麻痺
    (2)立直り反射
    (3)踏直り反射と足踏み反射
    (4)平衡速動反射
   2)陽性徴候
    (1)局在性平衡反応
    (2)体節性平衡反応
    (3)汎在性平衡反応
    (4)連合反応
    (5)びっくり反応
    (6)不随意運動
  2.随意運動・動作パターンの異常
    (1)随意運動パターン
    (2)動作パターン
  文献

第5章 運動の全身的影響…(博田節夫)
 1 運動時の諸臓器の反応と訓練効果
  1.筋の血流
   1)運動時の筋血流の調節
   2)律動収縮と筋ポンプ作用
  2.循環器系
   1)心拍出量
   2)心拍数
   3)血圧
   4)血流
   5)体温
  3.呼吸
   1)肺容量
   2)死腔
   3)運動時の呼吸
   4)呼吸の調節
   5)運動時の呼吸促進
   6)運動時の内呼吸
   7)呼吸における訓練効果
  4.運動と酸素需要
  5.カルシウム代謝
 2 疲労
  文献

第6章 運動療法の基本
 1 運動の種類…(博田節夫)
  1.等尺運動
  2.等張運動
  3.短縮性収縮と伸長性収縮
  4.等速運動
  5.他動運動
  6.自動介助運動
  7.自動運動
  8.抵抗運動
 2 関節運動学的アプローチ
  1.関節運動学
   1)構成運動
   2)副運動
   3)凹凸の法則
   4)関節の位置
  2.AKAの技術
   1)副運動を利用した技術
   2)構成運動を利用した技術
  3.AKA実施時の注意
  4.関節運動学との関係および治療目的
  5.臨床的意義
  6.AKA手技
 3 関節可動域運動
  1.関節可動域運動
  2.伸張運動
 4 筋力増強,筋持久力増大,協調性改善
   1)筋力
   2)筋の持久力
   3)筋の協調性
   4)筋の運動速度の増大
   5)訓練方法の原則
  1.筋力増強運動
   1)漸増抵抗運動
   2)短時間最大運動
   3)短時間等尺運動
   4)筋力の維持
   5)交差性訓練法
  2.筋持久力運動
  3.協調性訓練
 5 全身調整運動
 6 Overwork症候群
  文献
 7 水中訓練…(松浦美喜雄)
  1.水の物理的性質と訓練への応用
   1)温熱刺激・冷刺激の媒体としての水
   2)水中運動における浮力の利用
   3)水中の粘性抵抗の利用
   4)水流の効果
  2.水中運動訓練の適応,治療体系
  3.水中運動訓練のための設備
  4.水中訓練にあたっての注意
   1)水温について
   2)浴槽について
   3)その他
  文献
 8 歩行訓練
  1.患者の評価と適切な歩行形態の設定
  2.マット訓練
  3.平行棒訓練
  4.松葉杖および杖歩行
   1)松葉杖での訓練内容
   2)松葉杖歩行開始の姿勢
   3)松葉杖歩行のやり方
   4)転倒にそなえる訓練
   5)杖を用いた歩行
   6)杖,松葉杖,その他の歩行補助具
 9 中枢神経筋再教育
  1.中枢神経筋再教育概論
   1)訓練の概要
   2)病状の把握
   3)治療の要件
   4)廃用症候群および誤用症候群
   5)神経筋促通手技など
  文献
  2.神経生理学的アプローチ…(関和則,中村隆一)
   1)代表的なファシリテーション・テクニック
   2)ファシリテーション・テクニックの生理的基礎と研究の動向
  文献
 10 運動療法に用いる器械…(大井淑雄)
  1.Cybex machineによるisokinetic exercise
  文献

第7章 脳卒中に対する運動療法…(博田節夫)
 1 機能障害
  1.運動麻痺
  2.感覚障害
  3.失行・失認
 2 機能回復機序
  1.脳循環の改善
  2.脳幹,脳基底核,健側大脳半球の代償
  3.NDN
  4.その他
 3 急性期治療
 4 全身状態安定後の治療
  1.障害のタイプ
   1)失行タイプ
   2)失認タイプ
   3)単純片麻痺
  2.機能訓練法
   1)失行タイプの機能訓練法
    (1)無意識の動作から意識下の動作へ
    (2)病前の動作習慣
    (3)動的訓練中心
    (4)できない動作は介助
    (5)歩行
    (6)ADL訓練
    (7)神経筋再教育
   2)失認タイプの機能訓練法
    (1)失行に対する訓練を優先
    (2)失認へのアプローチ
    (3)歩行
    (4)神経筋再教育
    (5)関節刺激
   3)嚥下失行の訓練法
   4)発声失行の訓練法
   5)排泄失行の訓練法
   6)基本的動作訓練の順序
  3.合併症の治療
   1)肩手症候群
   2)肩関節亜脱臼
   3)overwork症候群
  文献

第8章 脳性麻痺の運動療法…(飛松好子,中村隆一)
 1 脳性麻痺とは
 2 分類
  1.生理学的分類
   1)痙直型脳性麻痺
   2)不随意運動型
   3)混合型
  2.部位別分類
 3 自然経過
  1.痙直型
  2.不随意運動型
 4 評価
  1.運動発達からの評価
  2.神経学的評価
  3.ADL遂行能力,社会適応の評価
  4.フィットネスの測定
  5.合併症の評価
 5 運動療法
  1.運動療法の目的
  2.正常発達の促進
  3.二次的合併症の予防
  4.機能訓練
  5.フィットネス
  6.ライフステージと運動療法の目的
 6 歴史的にみた運動療法の具体的方法
  1.Phelps法
  2.Temple-Fayの方法
  3.Doman-Delacato法
  4.Vojta法
  5.神経筋促通法
  6.Bobath法
  7.Rood法
  8.高木法
  9.スポーツ,レクリエーション
 7 運動療法の限界
  文献

第9章 脊髄損傷に対する運動療法…(博田節夫)
 1 治療目標
  1.不完全損傷
  2.完全損傷
 2 初期治療
  1.褥瘡予防
  2.関節可動域の維持
 3 全身状態安定後の治療
  1.関節可動域運動
  2.全身調整運動
  3.残存筋の訓練
  4.呼吸訓練
  5.マット訓練
  6.車椅子訓練
  7.歩行訓練
  8.痙性,異所性化骨
  9.痛みと筋スパズム
  文献

第10章 パーキンソニズム,運動失調に対する運動療法…(千田富義,中村隆一)
 1 パーキンソニズム
  1.パーキンソニズムをみせる疾患の特徴
   1)パーキンソニズムの病態
   2)Parkinson病の臨床的特徴
   3)薬物療法
  2.Parkinson病の運動療法
   1)Parkinson病患者の機能障害・能力低下
   2)運動療法の実際
 2 運動失調
  1.運動失調とは
   1)運動失調の定義と分類
   2)小脳の役割
   3)小脳性運動失調
  2.脊髄小脳変性症の運動療法
   1)脊髄小脳変性とは
   2)脊髄小脳変性症患者の機能障害・能力低下
   3)運動療法の実際
   4)運動療法の適応
  文献

第11章 おもな神経筋疾患に対する運動療法…(博田節夫)
 1 神経筋疾患における運動療法の意義
 2 各疾患とそれに対する運動療法
  1.乳児進行性脊髄性筋萎縮症
  2.遺伝性若年性筋萎縮症
  3.筋萎縮性側索硬化症
  4.乳児進行性脊髄性筋萎縮症,遺伝性若年性筋萎縮症,筋萎縮性側索硬化症に対する運動療法
  5.ポリオ
   1)麻痺の回復
  6.ギラン・バレー症候群
   1)麻痺の回復
  7.ポリオ,ギラン・バレー症候群に対する運動療法
   1)初期プログラム
   2)回復期プログラム
   3)ROM運動と伸張運動
   4)起立,歩行,ADL
  8.ポリオ後症候群
  9.神経痛性筋萎縮症および血清神経炎
  10.Charcot-Marie-Tooth病
  11.末梢神経損傷
   1)分娩麻痺
   2)橈骨神経麻痺
   3)尺骨神経麻痺
   4)腓骨神経麻痺
   5)meralgia paresthetica
  12.筋ジストロフィー
   1)Duchenne型
   2)Becker型
   3)肢帯型(肩甲上腕型)
   4)顔面肩甲上腕型
   5)筋緊張性ジストロフィー
   6)筋力および機能状態
   7)運動療法
   8)装具
  13.多発性筋炎
  文献

第12章 四肢切断の運動療法…(大井淑雄)
 1 下肢の切断
  1.足部の切断
  2.足関節の切断
  3.下腿切断
  4.膝関節離断
  5.大腿切断,膝上切断
  6.股関節離断
 2 上肢の切断
  1.手関節離断,手切断
  2.前腕切断
  3.上腕切断
  4.肩関節離断
  文献

第13章 骨折・脱臼の治療における運動療法…(大井淑雄)
 1 手術的療法と保存的療法
 2 骨折・脱臼に伴う合併症に対する運動療法
  1.関節拘縮
  2.Sudeck骨萎縮
  3.廃用性筋萎縮
  4.Volkmannの阻血性拘縮
  5.外傷性化骨性筋炎
  6.その他
  文献

第14章 頸肩腕症候群と腰痛疾患に対する運動療法…(大井淑雄)
 1 頸肩腕症候群
 2 腰痛症
  1.いわゆる腰痛症
  2.椎間板ヘルニア
  3.脊椎分離・辷り症
  4.腰椎椎体圧迫骨折
  文献

第15章 整形外科領域におけるおもな疾患に対する運動療法
   1)Sprengel奇形,先天性肩甲骨高位…(大井淑雄)
   2)先天性橈骨欠損症
   3)先天性橈尺骨癒合症
   4)先天性股関節脱臼
   5)先天性内反足
   6)先天性内反股
   7)先天性筋性斜頸
   8)脊柱側彎症…(松浦美喜雄)
  文献

第16章 関節炎に対する運動療法…(松浦美喜雄)
 1 総論的事項
  1.関節運動訓練上,考慮すべき諸点
  2.関節運動訓練の補助手段
  3.各関節運動の実際
  4.関節運動学的アプローチ
 2 各関節疾患に対する運動療法
  1.関節リウマチ
    (1)「リウマチ」の概観
    (2)RA治療概説
    (3)病状の評価
    (4)運動療法,理学療法上の問題点
    (5)運動と休養のバランス
    (6)疼痛の除去
    (7)RAにおける運動療法・理学療法の目的,方法,手段
    (8)手術後の訓練
  2.変形性関節症
   1)変形性膝関節症
    (1)病態と症状
    (2)治療の要点
    (3)運動療法・理学療法
   2)変形性股関節症
    (1)病態と症状
    (2)病変の評価
    (3)治療の要点
    (4)運動療法・理学療法
  3.強直性脊椎炎
  4.その他の関節疾患
    (1)痛風
    (2)化膿性関節炎
    (3)結核性関節炎
 3 関節疾患に対する整形外科手術とその後療法
   1)人工股関節置換術
   2)人工膝関節置換術
   3)人工骨頭置換術
   4)骨盤骨切り術
   5)大腿骨骨切り術
   6)股関節固定術
   7)近位脛骨骨切り術
   8)滑膜切除術
  文献

第17章 末梢循環障害に対する運動療法……(松浦美喜雄)
  1.末梢循環系の病変
  2.末梢循環障害の症状
  3.動脈系疾患の治療と運動療法の意義
  4.静脈系疾患・リンパ系疾患の診療と運動療法の意義
  文献

第18章 心疾患の運動療法…(山田純生,村山正博)
 1 心臓リハビリテーション
 2 心臓リハビリテーションに必要な運動生理学
  1.運動能力と体酸素摂取量(VO2)
  2.体酸素摂取量と心機能
  3.運動様式と心筋酸素摂取量(MVO2)
 3 心臓カテーテル検査
 4 運動負荷試験
  1.心拍反応
  2.血圧反応
  3.心電図異常
  4.運動耐容能
  5.予後判定指標としての判読法
 5 心肺運動負荷試験
  1.AT
  2.peak VO2,peak GER,O2pulse
 6 運動療法
  1.運動療法の理論的背景
   1)壊死心筋の治癒過程
   2)早期離床の必要性
   3)早期離床ならびに早期運動負荷の安全性
   4)責任冠動脈病変の把握
  2.第I期運動療法
  3.第II期運動療法
  4.第III期運動療法
 7 運動療法の効果
 8 心疾患運動療法の実情と今後の展望
  文献

第19章 呼吸障害に対する運動療法…(北村諭)
 1 呼吸不全患者の運動に伴う生理学的変化
 2 呼吸筋と呼吸筋疲労
 3 呼吸器疾患運動療法の意義と効果
 4 運動療法の考え方
 5 運動療法の対象となる呼吸器疾患とその病態
  1.慢性閉塞性肺疾患
  2.拘束性肺疾患
  3.神経・筋疾患
 6 運動療法の適応
 7 運動療法における酸素吸入
 8 運動能力の評価
 9 運動処方の決め方
 10 運動療法の実際
  1.適応,開始前の評価
  2.効率的な運動療法のためのコンディショニング
  3.運動処方の実際
  4.トレーニング中の注意事項,対処法,パニックコントロール
  5.維持のための運動療法,継続へのアプローチ
  6.呼吸訓練
   1)リラクセーション
   2)腹式呼吸
   3)呼気の緩徐化と口すぼめ呼吸
  7.胸部のストレッチング
  8.呼吸筋トレーニング
  9.上肢・下肢の筋力トレーニング
  10.全身運動療法
   1)全身調整運動
   2)歩行訓練
  11.自立を促すためのADLトレーニング
  12.気道の清浄化
  文献

第20章 糖尿病の運動療法…(藤田芳邦)
 1 健常者における血糖調節のメカニズム
  1.血糖調節を司る主要臓器
  2.血糖調節に関与するホルモンと神経系
 2 健常者の運動生理
  1.運動に必要なエネルギー
  2.運動時のブドウ糖の取り込み
  3.運動時の遊離脂肪酸とアミノ酸の利用
  4.運動時の血糖調節に関与するホルモン
    (1)インスリンとグルカゴンの役割
    (2)カテコラミンの役割
 3 糖尿病とは
  1.糖尿病の分類
    (1)2型糖尿病とは
    (2)1型糖尿病とは
  2.糖尿病における運動療法の意義
 4 糖尿病患者に及ぼす運動の影響
  1.2型糖尿病患者の運動に対する急性代謝応答
  2.1型糖尿病患者の運動に対する急性代謝応答
    (1)インスリン過剰の場合
    (2)インスリン不足の場合
 5 トレーニングの効果
  1.糖尿病患者の動脈硬化性病変の予防は可能か
  2.耐糖能とインスリン感受性に対する効果
  3.運動によって糖尿病の予防は可能か
 6 糖尿病患者のための運動処方
  1.運動処方の基本概念
    (1)運動療法を始める前の医学的検査
    (2)運動強度の設定方法
  2.運動処方の実際
    (1)運動の種類
    (2)運動量
    (3)運動強度
    (4)運動時間と運動実施時間帯
    (5)1回分の運動プログラム
    (6)運動療法の適応と禁忌
 まとめ
  文献

第21章 精神科領域の運動療法…(斎藤 宏)
 1 精神症状に対する運動療法
  1.陽性症状と陰性症状
  2.運動療法の意義
  3.治療的環境
  4.個人と集団
 2 運動療法の実際
  1.ボールゲーム
  2.野球・バレーボール
  3.水泳
  4.体操
 3 合併症としての身体障害の運動療法
  1.疾患の種類
  2.訓練実施上の問題点
   1)評価の信頼性
   2)動機付けの欠如
   3)精神症状と薬物の影響
   4)訓練目標の設定
  文献

第22章 産科の運動…(博田節夫)
 1 妊娠と分娩
  1.重心の移動
  2.分娩
  3.産褥
  4.妊娠時の活動
 2 産科における運動
  1.産前運動
   1)腰痛予防のための運動
   2)腰痛の治療
   3)分娩のための運動
  2.産後の運動
  3.産後の腰痛および頸肩腕痛
   1)急性単純性仙腸関節炎
   2)仙腸関節機能異常
   3)頸肩腕痛
  文献

第23章 スポーツ医学と運動療法
 A 総論…(伊勢亀冨士朗,宇沢充圭,宇賀神直)
 1 スポーツリハビリテーションとは
 2 スポーツリハビリテーションの方法論
  1.スポーツリハビリテーションの評価
  2.リハビリテーションの実際
   1)理学療法
   2)運動療法
   3)装具療法
   4)精神・心理的療法
 3 Handicapに対するスポーツのアプローチ
 4 内科的障害とスポーツ
  文献
 B 各論…(石田晴之)
 1 トレーニングメニュー作成にあたっての留意点
 2 年代別にみたスポーツ傷害の特徴と運動療法
  1.成長期
  2.発達期
  3.充実期
  4.衰退期
  文献

第24章 肥満に対する運動療法…(鈴木愉)
 1 肥満に対する対策
 2 肥満に対する運動療法
  1.肥満の判定法
   1)標準体重比による法
   2)体格指数による法
   3)体脂肪にもとづく法
  2.至適運動負荷量について
  3.運動療法による効果
  文献

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外国語索引