やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第3 版の監修者の序
 人口の高齢化,医学・医療の高度専門細分化,医療に関わる専門職種の増加が明らかな今日,リハ医学は医療における基本領域として,ほとんどの診療科と関わりを持つようになりました.
 Life scienceは生命科学と訳されてきましたが,Lifeが意味する生活も医療の実践で意識されるようになり,疾病の重症度を日常的な活動制限の程度で分類することが行われるようになりました.この背景で生まれたリハ医学は,疾病がもたらす生活の困難度を最小限にとどめ活動的な生活を支援する医療の専門性を発展させてきました.
 本書が卒前・卒後のリハ医学教育,並びにリハ医療の実践に資することを目的として刊行されたのは20 世紀が終末を迎えた1999 年のことでした.その後,21 世紀の最初の15 年間に医療実践の基盤となる医学は,生命科学や生活支援工学の発展に伴って急速に知識量を膨張させてきました.さらにICT(情報通信技術)の発達と普及により,医学教育は大きな転換期を迎えようとしています.すなわち,専門的知識を含めて誰でも情報にアクセスしやすい時代になって,医師をはじめとする専門職の教育のあり方が見直されつつあります.しかし,情報の質を判断する能力を引き出し育てるためには,基準となるテキストの有用性に期待されます.
 そこで第3 版の編集においても,全国の大学を中心とするリハ医学の研修施設で卒前・卒後の教育に携わっておられる指導的立場の先生方に分担していただきました.教科書としての活用を第一義として内容の調整・洗練をはかるうえで,執筆者の先生方にしばしば加筆・修正をお願いし,ご協力を得られたことで,時代に即した最新で充実した内容にしていただけたことを感謝申し上げます.
 医療の専門性が高度に細分化され,医師と看護師といった古典的な専門職に加えて多種多彩な職種が分化し,それぞれ専門性を確立してきました.したがって,本書の主な読者対象は医学生ならびにリハ専門医を目指す医師としていることは初版以来不変ですが,併せて看護師,理学療法士,作業療法士,義肢装具士,言語聴覚士等にとっても,それぞれの専門職資格の取得に必要なリハ医学の知識を含めることを意図してきました.
 臨床研修医や医学生が臨床に携わるときには,必ず脇に置いて知識を確認し,日常的に役立てていただける教科書になることを願っています.
 2016 年(平成28 年)3 月
 編集者を代表して
 江藤 文夫
 里宇 明元

第2 版の監修者の序
 近年,ライフサイエンスの著しい進歩に伴い,医学の知識と技術の量は膨大となり細分化されてくるなかで,医学教育の質を一層高めるとともに一定の水準を確保する目的で,履修すべき必須の教育内容を精選した“医学教育モデル・コア・カリキュラム”が誕生しました(平成13 年3 月).そして,「臨床実習開始前の学生評価のための共用試験」(CBT,OSCE)のトライアルを積み重ねて,本年(平成17 年)には医学系の全大学が参加して正式実施となります.
 このたび「最新リハビリテーション医学 第2 版」を発行するにあたっては,このような情況を鑑み,第1 版(1999 年発行)の趣旨である,医学教育への貢献を目指すために必須のリハ医学の知識・技術を盛り込むことを基本としつつ,新ガイドラインで提示されたコアとなる医学教育のリハ項目に関する内容を十分に取り入れるように企画しました.そして,ここに第1 版発行以降6 年の経過を経て,4章・52 項目に及ぶさらなる充実した内容で発行できますことは,望外の喜びであります.
 執筆は第1 版同様,全国の大学を中心とするリハ医学の研修施設で卒前・卒後の教育に携わっておられる,指導的立場の先生方に分担していただきました.教科書としての活用を第一義として内容の調整・洗練をはかるうえで,執筆者の先生方にはしばしば加筆・修正をお願いし,秀逸な内容にしていただきましたことを深謝いたします.
 また,主な読者対象を,医学生ならびにリハ医学会専門医を目指す医師とし,看護師,理学療法士,作業療法士のほか,義肢装具士,言語聴覚士にとっても,それぞれの資格取得に必要なリハ医学の知識を十分に盛り込むように意図しました.若い医師や学生が臨床に携わる折りには,必ず目を通し携行する魅力ある教科書となるよう願っています.
 2005 年(平成17 年)3 月
 米本 恭三


第1 版の監修者の序
 わが国では高齢化の進行に伴って,疾病や障害をもちながら生涯を送る方々が増えてまいりました.その人数が,統計的には70 歳を超えると,完全に良好状態の方々と略同数になるとされます.現在,質の良い人生を送るために,すべての年齢を通じて機能障害に対するリハビリテーション医療の必要性が高まっております.そして今も進行中の教育改革は,高等教育のあり方を根底から変えつつあります.卒前の医学教育では,従来に増して臨床実習が重視され,卒後教育でも,実践的な前期・後期研修の充実がはかられ,そして認定医・専門医の制度が定着してまいりました.本書『最新リハビリテーション医学』の企画はそのような時代の要請に答え,21 世紀を迎へるわが国の医学教育への貢献を目指しました.
 第一回の企画会議を開いてから3 年の月日が経ちましたが,お手元に見る4 章・47 項目におよぶ充実した内容の書として誕生したことは大きな喜びであります.
 振り返ってみますと,私がリハ医学講座の教育の責任者を務めました間,複数の書物を参考にしつつ毎回レジュメを作って学生に手渡したのを覚えています.多くの医科大学の先生方が同じようにして教育しておられると聞きました.そこで本書の目的をはっきりと,(1)卒前・卒後のリハ医学教育,(2)リハ医療の実践に資する,こととして,編纂いたしました.従って全国の大学を中心とするリハ医学の研修施設で卒前・卒後の教育に携わっておられ,そして現役で指導的立場の先生方にご執筆を分担していただきました.快くお引き受けくださり,ご執筆に当たっては編集委員会側の注文に応じて,しばしばご加筆いただいたことを感謝いたしております.
 本書の企画,編集に当たっては,医師,看護婦,理学療法士,作業療法士のほか,義肢装具士や言語聴覚士(平成9 年12 月法制定)が,それぞれの資格取得に必要なリハ医学の知識を十分に盛り込むように計りました.従って,4 年毎に改定される医師国家試験出題基準中のリハの項目に関する内容は含まれております.
 医療・福祉・健康の広い領域で必要なリハ医学の知識や技術を学ぶ教科書として,医学生をはじめ多くの皆様にご利用いただくことを期待しております.
 稿を終わるに当たり,編集や執筆にご努力いただいた先生方,そして医歯薬出版(株)の皆様に心からの謝意を表します.
 1999 年(平成11 年)3 月
 米本 恭三
 執筆者一覧
 第3版の監修者の序(江藤文夫・里宇明元)
 第2版の監修者の序(米本恭三)
 第1版の監修者の序(米本恭三)
第1章 リハビリテーション医学・医療の概要
 1.リハビリテーション医学・医療の成り立ちと発展(木村彰男)
  リハビリテーション医学の定義
  世界におけるリハビリテーション医学の歴史
   米国
   欧州
   アジア
  日本におけるリハビリテーション医学の歴史
  日本リハビリテーション医学会の歴史
  わが国のリハビリテーション医学・医療の課題
 2.リハビリテーションの理念と障害学(江藤文夫)
  リハビリテーションの理念
  医療の場での「リハビリテーション」という言葉の登場
  障害学
   障害と疾患
   疾病分類から障害分類へ
   ICFの概要
   障害と環境
   障害者の人口比
 3.リハビリテーション医療―急性期・回復期・維持期―(正門由久)
  はじめに
  急性期・回復期・維持期とその流れ
   急性期のリハビリテーション
   回復期のリハビリテーション
   維持期のリハビリテーション
  診療の機能分化と連携
  まとめ
 4.保健・医療・福祉の連携(介護保険制度)(近藤克則)
  リハビリテーション医療と地域包括ケア
   リハ医療と保健・予防
   リハ医療と福祉・介護
   リハと地域包括ケア
  臨床レベルの連携
   連携の必要性と効果
   分業(分担)と協業(統合)
  制度・政策レベルの連携―介護保険制度
   介護保険の仕組みと介護サービス利用に至る流れ
  連携の方法と内容例
   臨床レベル
   地域レベル
 5.リハビリテーション工学の概要(井上剛伸)
  リハ工学の成り立ち
  リハ工学の現状
  福祉用具を用いた生活支援
  課題と今後の展望
第2章 リハビリテーション診療
 1.リハビリテーション診療の手順(里宇明元)
  はじめに
  医師の役割
  評価の方法
  診察の進め方
   診断のプロセス
   結果のまとめ
  治療
 2.ADL評価(角田 亘)
  ADLの定義と位置づけ
  ADL評価の意義と要点
  基本的ADL評価スケール
  手段的ADL評価スケール
 3.画像診断(生駒一憲)
  画像診断の基礎
   単純X線撮影
   尿路系の画像診断
   CT
   MRI
   MRIの撮像法
   MRIとCT
   機能画像
  脳卒中と脳外傷の画像診断
   脳出血
   脳梗塞
   くも膜下出血
   脳外傷(外傷性脳損傷)
 4.神経筋の電気診断学(岡島康友)
  電気診断の意義
  神経伝導検査(NCS)
   神経傷害の分類
   感覚神経伝導検査
   運動神経伝導検査
   後期応答
  筋電図(EMG)
   安静時異常電位
   運動単位電位
   表面筋電図
  病巣診断と障害の類型
   上肢遠位の麻痺
   肩の挙上障害
   下垂足
   ニューロパチー
   筋障害
  機能予後診断
 5.治療手技のあらまし(杉本 淳)
  はじめに
  チーム医療
   チーム構成
   主な専門職とその役割
   カンファレンス
  リハ医の役割
   診察
   評価およびリハ処方
   治療・訓練
   福祉用具の利用
   病状説明
  理学療法
   関節可動域訓練
   筋力増強訓練
   基本動作訓練
   協調性訓練
   持久力訓練
   物理療法
  作業療法
   運動機能の回復
   高次脳機能障害
   ADL・IADL訓練
  言語聴覚療法
   言語訓練
   嚥下訓練
  装具療法
  福祉用具
  在宅リハビリテーション
 6.QOL評価(新藤恵一郎)
  QOLとは
  QOLの概念と定義
  QOL評価尺度
  物語り(narrative)
  QOL測定の留意点
  運動障害,ADLや介護負担度との関係
  QOLに対する介入とその解釈
 7.障害者心理と障害受容(小林一成)
  身体障害者の心理的反応とステージ理論
  障害の受容と障害への適応
  心理機制と対応方法
第3章 障害の病態生理と評価・治療
 1.廃用による障害(廃用症候群)(間嶋 満)
  廃用症候群の概要
   歴史的背景
   廃用症候群がリハビリテーション医療において重要視される理由
   廃用症候群の内容
   筋量減少,筋力低下,運動能力低下
   骨粗鬆症
   循環系の変化
  廃用症候群の新たな展開
 2.運動障害(角田 亘)
  はじめに
  運動制御に関与する中枢神経系
   大脳皮質と皮質脊髄路・皮質延髄路
   大脳基底核と視床
   小脳
   脊髄
  運動障害の種類とそれぞれの評価
   運動麻痺
   錐体外路症状
   運動失調
  運動障害に対する治療
 3.歩行障害(長谷公隆)
  正常歩行(normal gait)
   歩行周期
   歩行の運動学
   下肢運動と筋活動
  評価
   歩行障害の重症度評価
   歩行機能評価
  異常歩行(abnormal gait)
   逃避歩行(antalgic gait)
   麻痺性歩行(paretic/hypotonic gait)
   痙性歩行(spastic gait)
   失調歩行(ataxic gait)
   ジスキネジア歩行(dyskinetic gait)
   パーキンソン歩行(Parkinsonian gait)
   高次歩行障害(higher-level gait disorders)
   心因性歩行障害(psychogenic gait disorders)
  治療
   安定性・支持性に対する治療
   効率性(歩容を含む)に対する治療
   持久性に対する治療
   環境整備
 4.循環機能障害(伊藤 修)
  心臓・循環の生理
   体内循環システム
   循環動態
   冠循環と心筋エネルギー代謝
   運動と循環動態
  障害の病態生理
   心臓の病態
   虚血性心疾患
   心不全
   不整脈
  評価
   自覚症状,Borg指数
   心拍数,脈拍数,血圧
   心電図,酸素濃度モニター
   運動負荷試験
  治療
   虚血性心疾患
   心不全
   不整脈
 5.呼吸の障害(美津島 隆・田島文博)
   呼吸の基礎
   呼吸器の構造
   呼吸筋と呼吸筋力測定
   呼吸気量
   肺胞換気
   ガス交換
   肺胞動脈血酸素較差
   血液によるガス運搬
   呼吸によるpHの調節
   呼吸の調節
   CO2ナルコーシス
   呼吸と運動
 6.摂食嚥下障害(藤島一郎)
  基礎的知識
   摂食嚥下と摂食嚥下障害
   嚥下の神経制御
   呼吸と嚥下
   嚥下における発達と加齢
  摂食嚥下障害の原因と病態
   偽性球麻痺
   球麻痺
   誤嚥の分類と咽頭残留
  摂食嚥下障害の評価/検査
   スクリーニング
   精密検査
   重症度分類
  摂食嚥下障害の治療
   薬物治療
   リハビリテーション
   外科的治療
 7.排尿障害(岡田 弘)
  概要
  病態生理
   蓄尿のメカニズム
   排尿のメカニズム
  尿排出障害
  蓄尿障害
  評価
   自覚症状の評価
   客観的評価法
  リハビリテーション対応
 8.褥瘡(中村 健)
   はじめに
   病態生理
   評価法
   予防
   治療
 9.痙縮・固縮(道免和久)
  概要
  古典的病態生理
  上位運動ニューロン症候群と痙縮
  固縮と関連症状
  評価
  治療
 10.高次脳機能障害 1)記憶障害,失行・失認(原 寛美)
  記憶障害
   はじめに
   記憶障害の評価方法,重症度評価
   記憶障害のリハビリテーション
   記憶障害患者の復職援助
  失行・失認
   失行のリハビリテーション
   失認のリハビリテーション
   Balint-Holmes症候群
   Gerstmann症候群
 11.高次脳機能障害 2)失語・言語障害(小林健太郎・安保雅博)
  失語
   病態生理
   評価
   治療
  言語障害(運動性構音障害を中心に)
   病態生理
   評価
   治療
 12.高次脳機能障害 3)注意障害・遂行機能障害(石合純夫)
  注意障害
   病態生理
   評価
   治療
  遂行機能障害
   病態生理
   評価
   治療・対応
 13.高次脳機能障害 4)認知症(品川俊一郎・繁田雅弘)
  はじめに―定義と用語
  認知症の疫学
  認知症の症状と診断
  アルツハイマー病
  脳血管性認知症
  レビー小体型認知症
  前頭側頭型認知症
 14.加齢による障害(フレイル,老年症候群,サルコペニア)(海老原 覚・福田大空・大国生幸)
  概要
  病態生理
  評価
  治療
   老年症候群や要介護状態に対する方策
   フレイルやサルコペニアに対する方策
 15.発達障害(和田勇治)
  概要
  病態生理
   原因
   遺伝
   病態
  評価
   認知検査
   行動評価
  対応
   薬物療法
   療育
  発達障害各論
   知的能力障害(intellectual disability)
   自閉スペクトラム症(ASD)
   注意欠如・多動性障害(ADHD)
   限局性学習障害(specific learning disorder:SLD)
 16.障害者の性機能(ED)(高坂 哲)
   性機能障害の疫学
   勃起と射精のメカニズム・障害分類
   EDの診断・治療
   障害者の性機能
 17.補装具(上肢・下肢・体幹装具,車椅子,シーティング)(樫本 修)
  概要
   補装具制度の理解
  病態・評価
   装具の目的と分類
   上肢装具
   下肢装具
   体幹装具
   車椅子・シーティング
第4章 疾患とリハビリテーション
 1.脳血管障害 1)急性期(佐々木信幸)
  はじめに
  脳卒中の病型と急性期リスク
  脳卒中急性期リハ1:初診時評価〜ベッドサイド
  脳卒中急性期リハ2:離床〜座位
  急性期における投薬治療
  急性期から回復期リハへ
 2.脳血管障害 2)回復期(宮井一郎)
  はじめに
  脳卒中に対するリハの意義
  脳卒中に対するリハの有効性のエビデンス
  回復期リハ病棟の創設とその後の整備
  回復期リハ病棟に対する質の評価の導入
  脳卒中の機能回復の特徴
  回復期リハにおけるリハ・ケア介入
  回復期リハにおける脳卒中の合併症および再発予防
  回復期リハ病棟におけるケアプロセス
 3.脳血管障害 3)維持期(川手信行・水間正澄)
  概論
  評価
   医学的管理・評価
   障害の評価
  リハビリテーションの実際
   医学的アプローチ
   脳卒中維持期におけるリハ
 4.頭部外傷・低酸素脳症(渡邉 修)
  頭部外傷の概要
   原因と疫学
   受傷機転と分類
   急性期の管理
   障害像
  低酸素脳症の概要
   病態と原因
   低酸素脳症後の遅発性神経症状
   障害像
  頭部外傷および低酸素脳症の評価
  認知リハビリテーション
 5.脊髄損傷(池田篤志・コ弘昭博)
  概要
  障害の評価
   機能障害レベル
   活動レベル
   社会参加のレベル
  合併症対策の重要性
   急性期
   回復期
   慢性期・社会復帰後
  合併症の実際
  リハビリテーション治療
 6.神経疾患 1)パーキンソン病・脊髄小脳変性症・多発性硬化症(中馬孝容)
  パーキンソン病
   概要
   評価
   診断
   リハビリテーション
  脊髄小脳変性症
   概要
   主な症候
   診断
   評価
   治療とリハビリテーション
  多発性硬化症
   概要
   評価
   診断
   リハビリテーション
 7.神経疾患 2)ALS・PPS(佐伯 覚)
  筋萎縮性側索硬化症
   概要
   評価
   リハビリテーション
  ポリオ後症候群
   概要
   評価
   リハビリテーション
 8.リウマチ性疾患(関節リウマチ・全身性強皮症・多発性筋炎)(佐浦隆一)
  関節リウマチ
  疾患の概要
   臨床症状
   診断
   RAの臨床経過
  評価
  治療とリハ
   薬物治療
   リハビリテーション
  まとめ
  全身性強皮症・多発性筋炎
  疾患の概要とリハ
 9.末梢神経障害(柿木良介)
  概要
   末梢神経の解剖
   末梢神経損傷
   末梢神経再生
   末梢神経障害の原因
   末梢神経障害の主な治療法
   末梢神経障害の症状
  末梢神経障害後のリハ
 10.下肢切断と義足(陳 隆明)
  末梢血行障害による切断の増加と切断者の高齢化
   疫学
   予後
  下肢切断者のリハにおけるチームアプローチ
   下肢切断者のリハの流れ
   専門職種の役割
  切断術と術後断端ケア
   切断術前評価と切断レベルの決定
   下肢切断術の原則
   切断術直後断端ケアの実際
  義足パーツ―最近の動向も含めて
   ソケット
   膝継手
   足部
  リハゴール設定と義足処方の実際
   リハゴール設定の目安
   義足処方の実際
  切断者に対するリハ
   義足装着前(切断術前)訓練
   義足の適合とチェック
   異常歩行の原因と対策
   義足歩行訓練
 11.上肢切断と義手(飛松好子)
  上肢切断
   疫学
   切断部位と名称
  義手
   義手の基本構造
   義手の分類
   義手のパーツと役割
   義手の仕組みと動かし方
  上肢切断のリハ
   チームアプローチ
   リハの流れ
   義手訓練
   義手と生活
 12.内部障害 1)総論/腎臓疾患(上月正博)
  内部障害者とは
  急増する内部障害者
  内部障害リハの概念
  腎臓疾患
   概要
   評価
   リハビリテーション
 13.内部障害 2)循環器疾患(牧田 茂)
  はじめに
  心筋梗塞
   概要
   評価・診断
   リハビリテーションの実際
  心不全
   概要
   評価・診断
   リハビリテーションの実際
 14.内部障害 3)呼吸器疾患(藤原俊之)
  概要
  評価
  呼吸リハビリテーション
   コンディショニング
   運動療法
   ADL訓練
  疾患別呼吸リハプログラム
   包括的呼吸リハ
   周術期呼吸リハ
   神経筋疾患,脊髄損傷などの麻痺性呼吸障害に対するリハ
 15.骨折(森田定雄)
  骨折治療の原則
   概要
   骨折治療の基本
   評価
   リハの具体的な内容
  大腿骨近位部骨折
   概要
   リハビリテーション
 16.骨粗鬆症(萩野 浩)
   疾患概念と定義
   病態
   診断
   治療
 17.頚部痛(白倉賢二)
   概要
   評価
   診断
   リハビリテーションの実際
 18.上肢痛(肩・肘・手)(上野竜一)
   上肢のリハにおける特色
   肩関節
   肘関節
   手関節および手
 19.腰痛(白土 修)
  はじめに
  腰痛の原因と診断
  腰痛のリハ
   安静(bed rest)
   患者指導(教育)
   薬物療法
   物理療法
   牽引療法
   装具療法
   運動療法(腰痛体操)
 20.下肢痛(股・膝・足)(堀井基行・久保俊一)
   評価法
   保存療法としてのリハ
   人工関節置換術後のリハ
 21.スポーツ外傷・障害(帖佐悦男)
  疾患の概要
  評価
  リハビリテーションの実際
 22.障がい者スポーツ(田島文博)
  はじめに
  歴史と制度
  効果
  競技種目
  器具の使用
  クラス分け
  運動生理学上の特徴
  アンチドーピング・メディカルチェック
  リハ科医への期待
 23.複合性局所疼痛症候群(CRPS),RSD(山田 圭・志波直人)
  背景
  症状
   痛み
   腫脹
   関節拘縮
   自律神経症状
   運動障害
  病態生理
   筋骨格系末梢レベル(末梢性感作)
   脊髄上位レベル(中枢性感作)
   痛みによる不動化と異常姿勢
   大脳レベル(高次中枢神経レベル)
  診断
   日本版CRPS判定指標
   検査
  治療
   治療の方針
   疼痛に対する治療
   機能障害に対する治療(リハ)
   認知行動療法
 24.熱傷(鈴木大雅)
   患者の評価
   リハビリテーションの実際
 25.脳性麻痺(朝貝芳美)
   概要
   評価
   診断
   リハビリテーションの実際
 26.二分脊椎(芳賀信彦)
   概要
   診断・評価
   リハビリテーションの実際
 27.筋ジストロフィー(花山耕三)
   疾患の概要
   診断・評価
   リハビリテーション
 28.精神疾患(先ア 章)
  抑うつ障害群と発動性低下
   はじめに
   リハにおける抑うつ障害群
   リハにおけるうつ病の鑑別
   失語症者のうつ病をどのようにしてみつけるか,どう対応するか
   アパシー(発動性低下)
   情動表出の低下
  統合失調症合併例の身体リハ
   リハの構造と統合失調症
   リハの難しさと具体的な対応法
   リハ対応にあたってのポイント
  その他の障害
 29.視覚障害(仲泊 聡)
   視覚障害の原因眼疾患
   視覚障害の診断と程度評価
   視覚リハビリテーション
 30.平衡障害・聴覚障害(染矢富士子)
  平衡障害
   概要
   評価
   診断
   リハビリテーションの実際
  聴覚障害
   概要
   評価
   診断
   リハビリテーションの実際
 31.悪性腫瘍(がん)(辻 哲也)
   はじめに
   悪性腫瘍(がん)の概要
   がんリハの概要
   がんリハの実際
   リスク管理
   原発巣・治療目的別のリハ

 付表
  付表1 関節可動域表示ならびに測定法
  付表2 身体障害者障害程度等級表
  付表3 日常記憶チェックリスト
  付表4 厚生労働省CRPS研究班による日本版CRPS判定指標

 和文索引
 欧文索引