やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 減少する受験者数,低下する合格率
 表1 に示すとおり,OT養成校の定員数は約8,000 名である.その約8 割にあたる6,000 名の学生が国家試験にチャレンジし続けている.その結果,図1,2 に示すように,15 年以上前までは90% 以上の合格率を維持してきたが,ここ数年の合格率は70〜 80%台を上下している.その理由のひとつには,新卒者は80%台の合格率を維持しているにもかかわらず,一度不合格になった受験者(既卒者)がなかなか合格水準に至らないことにある.つまり,巷には不合格者が増え続けているのである.

 合格基準点とはなにか
 試験は午前・午後各20 問,計40 問の実地問題(午前・午後それぞれ問題1〜 20,配点3 点,120 点満点)と,午前・午後各80 問,計160 問の一般問題(配点1 点,160 点満点)で構成されており,280 点が満点である.そのうち,総得点が168 点以上で,しかも実地問題の得点が43 点以上の者だけが合格となる.つまり合格基準の168 点を満たしても,実地問題が42 点であれば不合格となる.ちなみに,厚生労働省発表による第54 回の合格基準は,採点除外5 問,複数正解問題が2 問あったため,表3,4(厚生労働省発表)のとおりであった.
 その結果,合格基準は165 点以上(275 点中)かつ実地問題43 点以上(120 点中)と,合格基準点が引き下げられた.
 用語チェックリスト(索引)
 国試はこうして合格する.
 本書の効果的な使い方
 はじめに
 第54回 OT国試問題の傾向と分析
 第54回 PT/OT国家試験 作業療法分野(基礎OT学) 出題傾向と対策の要点
 第54回 PT/OT国試問題 作業療法専門分野の
  問題分類表
  問題・解答・解説
第1章 作業療法の基礎
 1)作業療法概要
  (1)理学療法士及び作業療法士法
  (2)精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
   a.医療機関への入院
   b.医療観察法,施設,社会資源
  (3)介護保険制度・認知症施策推進総合戦略・障害者総合支援法(旧:障害者自立支援法)
  (4)作業療法士の業務
   記録,個人情報の保護,対応・態度
  (5)国際疾患分類(ICD-10),国際生活機能分類(ICF)
  (6)高齢者の自動車運転(道路交通法)
  (7)職業関連活動と就労支援
  (8)リスク管理
   標準予防策
   ◆かんたんチェックポイント◆
    医療に関連する人物
  (9)作業療法の歴史,人物
  (10)研究法
 2)作業動作分析
  (1)上肢の動作分析
 引用文献・参考図書
第2章 作業療法評価学
 1)運動系感覚系の評価
   ◆かんたんチェックポイント◆
    関節可動域(ROM)測定(基本原則)
    関節可動域(ROM)測定(上肢測定)
    関節可動域(ROM)測定(手指測定)
    関節可動域(ROM)測定(下肢測定)
    関節可動域(ROM)測定(体幹測定)
  (1)関節可動域測定
   基本原則,参考可動域,基本軸
   ◆かんたんチェックポイント◆
    徒手筋力テスト(MMT)筋別一覧
  (2)徒手筋力テスト
   a.抵抗を加える位置
   b.触診
   ◆かんたんチェックポイント◆
    座位で行う徒手筋力テスト(MMT)
   c.測定肢位,分離検査
  (3)感覚(知覚)検査
  (4)脳卒中片麻痺機能障害評価
   Brunnstrom法・FMA
  (5)嚥下の評価
  (6)意識障害の評価(JCS,GCS)
  (7)小脳性失調の評価
  (8)バランス能力の評価
  (9)筋の評価(筋の短縮,緊張)
  (10)腱反射
   ◆かんたんチェックポイント◆
    種々の呼吸機能検査
  (11)生理機能検査
   酸素飽和度,血圧測定,心拍数,呼吸機能検査
   ◆かんたんチェックポイント◆
    小児の発達〔改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)〕
    小児の反射・反応表
 2)発達の評価
  (1)発達レベルと検査
   遠城寺式乳幼児分析的発達検査・改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査・PEDI・GMFM・その他の発達検査
  (2)手指動作
   ◆かんたんチェックポイント◆
    脊髄に中枢がある反射・反応
    脳幹に中枢がある反射・反応
    中脳に中枢がある反射・反応
    大脳皮質に中枢がある反射・反応
  (3)小児の反射・反応
 3)高次脳機能障害の評価
  (1)高齢障害者,認知機能の評価
  (2)失行・失認・行動障害・半側空間無視の評価
   ◆かんたんチェックポイント◆
    ADL評価法
 4) 日常生活活動の評価
  (1)FIM
  (2)その他のADL評価法
 5) 作業能力・職業関連活動の評価
   職業や作業に関連する評価法
 6) 日常生活活動・作業能力・職業関連活動の総合評価
 7)作業療法面接
 引用文献・参考図書
第3章 作業療法治療学(基本介入手段)
 1)基本介入手段
  (1)人間作業モデル
  (2)作業活動の効果・効能
  (3)作業技法,作業時介入法
  (4)社会生活技能訓練(SST)
 2)義肢学
   ◆かんたんチェックポイント◆
    義手
  (1)断端管理
  (2)義手の部品(パーツ)
  (3)前腕切断および前腕義手
  (4)上腕切断および上腕義手
  (5)義手を用いた作業療法介入手段
 3)装具学
  (1)スプリントの型紙
   ◆かんたんチェックポイント◆
    上肢装具の種類・目的・適応
  (2)装具・スプリントの役割
  (3)装具・スプリントの目的・適応
 4)自助具・福祉用具
  (1)車椅子
   a.姿勢・寸法・適合
   b.車椅子生活環境と介助方法および移乗動作練習
  (2)自助具・補助具
 引用文献・参考図書
第4章 地域作業療法学
 1)家庭生活支援
  (1)車椅子生活者・脊髄損傷者に対する住宅環境整備
  (2)片麻痺に対する住宅環境整備
  (3)高齢者に対する住宅環境整備
 2)地域生活支援
   在宅復帰支援
 引用文献

 自己評価テスト
 問題掲載ページ