やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 第45回理学療法士・作業療法士国家試験は平成22年2月28日(日)に実施され,合格者は平成22年3月31日に厚生労働省より発表されました.本年度の受験者数,合格者数および合格率は以下の通りでした.
 理学療法士 9,835人 9,112人 92.6%
 作業療法士 6,469人 5,317人 82.2%
 また,参考までに第31回(1996)から第45回(2010)までの15年間の受験者数の変遷をグラフに示しました.理学療法士・作業療法士とも第39回以降急激な増加傾向を示しますが,作業療法士の本年度の受験者数は始めて減少に転じ,昨年よりも206名下回っています.15回すべての合格率の平均は理学療法士が94.8%,作業療法士が88.5%となりました.
 合格基準は,理学療法士・作業療法士ともに,一般問題を1問1点(158点満点),実地問題を1問3点(120点満点)とし,次の合格基準のすべてを満たして者を合格とするとあり,この基準は従来通りとなっております.
 総得点 167点以上/278点 実地問題 43点以上/120点
 今年度の試験で採点除外等の取り扱いをした問題は以下の5問でした.
 ・理学療法士 午後 問題21
 ・共通問題 午前 問題52,84,94,95
 本年度は出題の様式に大きな変更がみられました.従来は午前に専門分野100問(そのうち40問が実地問題),午後に専門基礎分野100問が出題されましたが,本年度は専門分野および専門基礎分野の試験問題が午前および午後それぞれに出題されています.具体的には午前および午後に出題された100問のうち,問1から問50が専門分野(20問が実地問題,30問が一般問題),問51から問100が専門基礎分野(従来の共通問題)となっており,専門基礎分野の50問は理学療法士,作業療法士とも同一の問題となっていました.また,試験形式の変更に伴い,試験時間は午前・午後ともに2時間40分となりました.
 本年度の試験のもう一つの留意点は「平成22年度版 理学療法士・作業療法士国家試験出題基準」(全国理学療法士・作業療法士学校連絡協議会編)が取りまとめられたことです.
 例年に比べて問題そのものの難度が高まったという印象はありません.相対的に難易度を高めるX(2)タイプの問題(設問に対して5つの選択肢を置き,2つの正解肢を選ぶ)は,理学療法士で200問中55問(27.5%),作業療法士で51問(25.5%)の問題が出題され,どちらも30%以内の出題数となっていました.しかし,専門基礎分野および専門分野の試験問題の出題配列がこれまでのものと異なっていることや,新しい出題基準に則したものと思われる内容(たとえば患者と療法士の対話場面に関する問題など)など,これまでにはみられなかった問題に若干の戸惑いがあったかもしれません.
 専門基礎分野の問題は本年度は理学療法士と作業療法士ともに同一問題が出題されましたが,専門性を重視したときには必ずしも同一である必要はなく,将来は重み付けを考慮した別個の問題の出題もあり得ることと思われます.また,専門基礎分野と専門分野の問題が明確に区分されずに混然一体とした形で出題される可能性もあることなどに留意しておいたほうがよいかもしれません.
 本書は第41回から第45回までの5年間の全問題が掲載されております.本書の構成は,問題,解答,解説からなります.
 問題は,可能な限り原文に則して記載し,図や写真は縮小してあります.
 解答は,基本的には厚生労働省が公表したものとしてあります.
 解説は,解答を導き出すのに参考となることがらを限られたスペースのなかにメモ程度に記載しました.
 パーソナルコンピュータで学習できるように,付録にCD-ROM(第35回―第44回分を収録)を添付しました.対応機種と操作方法は巻末のマニュアルをご覧下さい.
 本書の解答,解説,CD-ROM等でお気づきの点,また構成についてご意見がございましたら編集部宛にご教示下さいますようお願い申し上げます.
 来る第46回の理学療法士・作業療法士国家試験には,どうか本書を存分に活用されて,見事全員が合格されますよう編集部一同心からお祈り申し上げます.
 2010年6月
 医歯薬出版編集部
 はじめに
第41回 理学療法士作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法
 作業療法
 共通問題
第42回 理学療法士作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法
 作業療法
 共通問題
第43回 理学療法士作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法
 作業療法
 共通問題
第44回 理学療法士作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法
 作業療法
 共通問題
第45回 理学療法士作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法午前
 理学療法午後
 作業療法午前
 作業療法午後

 付録 CD-ROM取扱説明書