やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第6版の序文
 初版を1992(平成4)年に発行して以来,わが国の医療・福祉の世界は大きく様変わりを来たした.リハビリテーション関連テキストとして使用される機会の多い本書も,世の実情に合わせ,大きく改編せざるをえなくなった.まさにパラダイムシフト(Paradigm Shift)と考えられるほどである.現在に至るまでに,医療,特にリハビリテーションの世界は年々変化してきたが,その変遷に合わせ,その都度版を改めてきた.ことに,今回の改訂では,行政施策を含めた社会的環境に関する法・制度が大きく変わったことにより,改編は即時の対応を必要とするに至った.初版発行のころから少子高齢化時代の到来することはある程度予測されていたものの,これほど早く人口減少が現実のものになるとは想像できなかった.さらには人口構成からみても特殊出生率は1.5に及ばず,要介護年齢層増加時代に突入したとみてよい.社会的なニーズに呼応して行政も対応し,障害者自立支援法も制定された.このように社会の背景が変わったことでリハビリテーション技術を取り巻く多くの事柄が変わった.
 医療モデルでスタートしたリハビリテーションについて,本書では初版のときから社会モデルを見据えながら内容上の漏れのないように気配りをした心算であったが,急性期の短い期間を除いて回復期以降のリハビリテーションは地域リハビリテーションに委ねる方向で進み,社会福祉関連職種も,介護関連職種も同列に存在せねばならず,さらに拡大して予防衛生・健康維持増強に関わる職種,保健師,健康運動指導士等も同列の最早期に位置する形になってきた.
 本来,地域リハビリテーションの意味するところは,医療も不完全,リハビリテーション関連職員も施設も不十分な発展途上国あるいは発展中の地域で専門職不在であっても,できるかぎりのサービスを行うという行為のことであり,それをCBR(community based rehabilitation)と称した.しかし,本書では,CBRとは異なり,医療機関・施設個々のリハビリテーション技術,サービス体系は充実していることを前提にするが,地域に密着した,急性期,回復期を担当する医療機関,および福祉系列に属する介護老人保健施設,支援センター,身体障害者福祉法関連施設としての更生施設,利用施設(デイサービスセンター)などを中心に地域在宅者中心のリハビリテーション連携網(community rehabilitation network:CRN)の構築をもって地域リハビリテーションの推進と称している.
 現代のリハビリテーションサービスは各分野の専門職がチームを組んで当たることが常識的である.医師,看護師,PT,OT,ST,ORTなど,医療関連職を志す者は,本書後半の医療,福祉用具関連部分(物理的環境部分)とともに法・制度上の問題を含め,社会環境関連分野を学習しておく必要がある.また,社会福祉士等の福祉関連職は,病院・施設中心のリハビリテーションから地域リハビリテーションに流れが変わりつつある現状を認識し,本書の後半部分の物理的環境,機器類についても知っておく必要が大きくなった.
 第6版は,基本的にPT(理学療法士),OT(作業療法士)用テキストを前提にしたが,リハビリテーション関連職種すべてにまたがる共通知識を学習できるように深く,広く編纂した.
 付録として(1)ICF,(2)疾病・障害に起因する心理特性,障害受容,QOL,(3)福祉用具の選び方,(4)福祉用具検索の方法を掲載した.
 2010年3月
 木村哲彦

第5版の序文
 本書は2004年に大改訂を行い,第4版として出版したばかりである.しかし,この分野における行政・法制度の移り変わりは激しく,内容も時代に対応するために再度の大改訂を余儀なくされた.このことは,高齢化の進むこととあいまって,生活に身体的な不自由を感じる人口が急速に増加しつつあることと,生活者を取り巻く環境がきわめて短期間に変遷を重ねていることに端を発しているといってよい.
 生活環境を狭義に捉えれば,建築物・設備等の物理的な環境が,医学的リハビリテーションに従事する専門職にとって最も大切なこととして認識されがちである.しかし,はたしてそればかりであろうか.リハビリテーションが,多くの職種によって構成されるチームで行われるようになった昨今では,急性期医療に従事する者,回復期に関与する者,各種施設に従事する者,在宅者支援に回る者等,PT,OT,ST,ORT,医師,ナース,社会福祉士,介護福祉士,精神保健福祉士,義肢装具士,ホームヘルパーに至るまで,一人の患者・利用者を中心に関わりをもっている.そこで必要なのは皆が同じ方向を向いていることであり,共通の価値観をもつことでもある.
 今回,改訂のきっかけになったのは障害者自立支援法であるといってよい.身体障害者福祉法を柱に構築されていた諸施策は大きな影響をこうむる結果になった.このことは,少なからず障害をもつ者に対し,行政的環境(法制度上),経済的環境,医療環境,教育的環境,障害をもつ者に対する「社会の目」的環境を変える結果になっている.殊に,医療上の環境に関しては健康保険制度,介護保険制度にまで影響が及ぶ結果になった.
 障害の克服に必要な環境面での対策,換言すれば,自立生活に近づけるための環境改善,生活の質(QOL)の改善は,リハビリテーションサービスにおける究極のゴールでもある.短期間であったが,あえて改訂に踏み切った本書は,リハビリテーション従事者のみならず福祉関連従事者にも,知識の源として,あるいは参考書的・辞書的な実用書として活用してほしいと著者を代表して申したい.
 2007年1月
 木村哲彦

第4版の序文
 初版が出版されて以来11年が経過した.その間の医療分野における変革は急速で,リハビリテーション関連分野の改変にも著しいものがある.医学分野の研究の例をみても,診断治療の原点ともいうべき基礎医学,とくに解剖学・生理学・生化学・病理学などは,分子レベル・遺伝子レベルへと理工系の分野の源流にまで遡り,自然科学のルーツに辿り着こうとしている.一方,臨床面においても,先進工業技術の医学分野への技術移転が進み,医学・工学の連携が進んでいる.本来,医療を支える医科学は,純粋な自然科学のみで解決できる領域ではなく,社会科学の支える部分が大きいといってよい.“心をもつ人間“,“社会生活のある人間”を扱う以上,医療を受ける側に立った生活環境について知るためには,単にハードの部分を学習し理解するだけでは事足りない.また,電子媒体を活用した周辺技術の一般化とも相俟って,リハビリテーションを取り巻く事情も11年前とは少なからず変わってきた.患者・障害者を取り巻く環境自体が変わりつつある.
 このたび大改訂版としての第4版を企画するところとなった.新世紀に入ったことと時期を一にして,国の施策,行政上の環境が大きく変わったことが挙げられる.すなわち,世の中の考えは,医療分野主体のリハビリテーションから,高齢者・障害者を視野に入れた福祉関連領域のリハビリテーションに及ぶ医療・福祉連携によるリハビリテーションの流れを促進させる方向に向かっている.急性期は医療,急性期以降は福祉連携の構図である.併せて関連職種の関与を促し,専門職としての育成資格付与が進みつつある.これらを踏まえ,環境に関する知識として,より広い視野に立って新しい情報を可能な限り盛り込む方向に向かっている.
 編集にあたっての基本的な姿勢・哲学は当初から一貫して変わってはいないが,教科書として活用されることを前提にしつつも,多くの読者にハンディーな参考書としての利用もしてもらえるよう,WHOが先頃改定した「ICFの概要」,「福祉用具検索システムTAISの使用方法」について付録ページを付けることにした.
 初版は,理学療法士の養成課程における必須科目「生活環境論」対応の教科書として編集されたが,版を重ね改訂を重ねるに従い,医師・看護師,リハビリテーション専門職(PT,OT,ST,ORT),社会福祉士,介護福祉士,義肢装具士を含むリハビリテーション工学の関連専門職など,全職種に読者層が及んでいることがわかり,著者一同,汎用テキストとしての記述に心がけることとした.
 2004年1月
 木村哲彦

第3版の序文
 初版が出版されて9年が経過した.その間,世の中の移り変わりようは予測をはるかに超え,目まぐるしいほどであった.バブル崩壊,急速な高齢社会の到来と相俟って行政改革も進み,法律・制度も変革に変革を重ねてきた.介護保険の導入によって基本的な障害評価の部分に,介護度の評価すなわち,「自立度」を評価するという新しい法制上の基準ができ,そのことで派生する施設,在宅ケア,リハビリテーションのあり方まで哲学を大きく変えざるを得ない状況に立ち至ったと言える.初版から見ると,すでに何度かの手直しがなされているが,ここに至って基本的に大々的な改訂をせざるを得なくなった.特に行政的環境,経済的環境,社会の心身的弱者に対する「目」,生活の「質」QOLに関する価値観は大きく変わった.また,地球規模の環境についても考えるべき時代に突入している.そして高度先進工業技術が福祉用具(機器)の分野にも盛んに導入されるようになり,日常生活の分野から社会参加のためのデバイスの類に至るまで変わってきていることに気づく.これは日本の国の社会が成熟する過程であると考えたい.
 これからの社会で医療・福祉・リハビリテーション及びそれに関連する教育の分野を生業とする者は同じ「心」を持つことが前提になるべきと考えられる.とかく,専門領域で働く者に欠けるのが本来おろそかにしてはならない関連する周辺の諸問題に関する知識と関心である.この部分を学ぶ際に内容的な欠落のないよう編集に際し,重視し,留意した.大きな意味での生活環境は障害の有無に関係なく万人共通の問題であるが,環境に順応し得ない障害をもつ者にとっての環境の整備は障害をもたない者にとっても好都合である.社会的環境も物理的環境も,初版の出版された9年前とは様変わりをしている.
 当初は理学療法士養成課程の必修科目としてカリキュラムに入った「生活環境論」の教科書として編集の視点を置いていたが,医療・福祉・リハビリテーション教育の分野全体で多く読まれるようになり,内容を増やす結果になった.医師,理学療法士,作業療法士はもとより,保健婦,看護婦,言語聴覚士,視能訓練士,義肢装具士,社会福祉士,介護福祉士,精神保健福祉士,臨床心理士,ホームヘルパー,そして介護支援専門職(ケアマネジャー)にも読まれてほしいと考える.
 2001年3月
 木村哲彦

第2版の序文
 理学療法士養成過程において,生活環境論が必須科目に取り入れられてから3年が経過した.その間,身体障害者,老人を取り巻く環境は目まぐるしく変化している.21世紀初めに訪れる高齢化社会においては,障害者も健常者も老人として生活する者の数はピークに達する.老人人口の中に占める要監視,要介助,要介護の人口の占める割合も,それにつれて急増することが予想されており,生活環境そのものを変える必要が大きな社会問題にもなりつつある.行政も,世の中の移り変わりに対処するための新しい施策を次々と打ち出し,新しい法の制定,制度の改正を行うことで周辺の環境の整備を進めている.リハビリテーション医学の分野でも,あるいは,リハビリテーション工学の分野においても,他分野で生かされている新技術の移転を積極的に進めることで,生活環境の整備に寄与する努力が成されている.
 編集にあたっての哲学,方針については,第1版編集の際と相違するものではないが,環境の変化に対応する必要性が生じている事態を認識し,初版を大きく改訂することとした.執筆は初版と同一の著者に引き続きお願いすることとし,新しい内容を盛り込むことに主眼を置いた.
 本著は,初版の序文にも触れたごとく,本来的には理学療法学科学生のための教科書として書かれたものであるが,すべての社会的リハビリテーションを学ぶ者にとって必要な部分でもあることから,参考書的な側面も要求され,各章独立して読まれて参考になるよう編集することとし,かつ,経済的環境,行政・制度的環境については最新の情報を,そして,福祉用具法の制定等,行政サイドの姿勢と相呼応して機器類についての情報も可能なかぎり盛り込むことができたと考えている.
 初版の出版された3年前に比べ,社会的リハビリテーションの分野に及んでいる生活環境に関する知識が,リハビリテーション,さらに,社会福祉を学ぶ者にとって,明らかに多くを要求される時代に至っていることは否めない.医学的リハビリテーションを学ぶ諸氏には総論の部分を,そして,社会福祉を学ぶ諸氏には各論の部分を学んで欲しいものと考える.
 1995年3月
 木村哲彦

第1版の序文
 このたび,新しく理学療法課程を履修する者に生活環境論が必須科目として加わるところとなった.本来,医科学は純粋な自然科学分野の科学ではなく,心をもった人間の病をいかにして癒すかという,生活体の診断・治療について科学することからスタートしたはずであった.しかしながら,急速に発展を遂げた治療学の陰で,ともすれば置き去りにされがちであった“生活する人間”の周辺を取り巻く多くの社会的問題が,医科学を学ぶ者にとって必要であることが,最近になって再認識されるようになった,と考えてよいであろう.このことは,科学工業技術の急速な発展とも無縁ではなく,環境・公害問題に代表されるように,生活する人間に対する配慮を怠ってきたわれわれが,おそまきながらそれに気づき,改善に着手しているのと同様である.
 社会的な問題を含めた生活環境は,障害の有無にかかわらず人間が生活するうえで最も基本に存在する問題である.医療に携わる人間,特にリハビリテーションにかかわる人間には基本的知識として認識されていなければならない分野でもある.技術優先に陥りやすい理学療法学の分野において新しく加わったこの教科は,社会的側面に目を向けることのできる理学療法士の育成に非常に大きな役割を果たすことになるであろうと考えられるのである.
 編集にあたり,生活環境を社会的問題,住居,福祉・リハビリテーション関連機器,設備,地域環境に分け,各分野の専門家に執筆をお願いした.社会機構も大きく異なる諸外国の文献は,そのままではわが国の医療担当者の参考にはならず,集積した知識のなかから書いていただく結果になった.各項,各章を独立した単位として役立てるために,若干の重複をあえて避けずに読みやすい編集にすることにし,最新の研究関連の情報に関しても可能なかぎり紹介することにした.
 特に,社会的リハビリテーションの分野についての専門的な知識は,医療スタッフとして最も欠けやすい部分であり,この書を除いて集中的に学習する機会はあまりないと考えられるので,十分の頁数をこれに当てることにした.
 今回ここに採り上げた諸項目の内容は,リハビリテーション周辺の関連事項として知っておきたい内容であり,理学療法課程を専攻する者に限らず,医師,看護婦,介護福祉士,その他の医療・リハビリテーション従事者に読まれてほしいと考える.
 1992年10月
 木村哲彦
 第6版の序文
 第5版の序文
 第4版の序文
 第3版の序文
 第2版の序文
 第1版の序文
1 生活環境の概念と論点(河野康徳)
 はじめに
 1.生活環境の概念
  1)生活・環境・生活環境
  2)生活環境の機能と価値
 2.福祉的生活環境の展開
  1)福祉国家とその危機
  2)福祉社会実現のために
 3.福祉倫理の実践と課題
  1)「QOL」について
  2)「ケア」について
  3)「エンパワメント」について
  4)「ソーシャルインクルージョン」について
  5)「福祉用具」について
 4.国民生活を取り巻く社会経済環境
  1)社会経済の現在
  2)社会保障の現在と将来
 5.この時代の縁で
2 生活と福祉の施策をめぐる動向と現状(河野康徳)
 1.生活と福祉に関する施策の体系-障害者・高齢者施策を中心に
 はじめに
  1)障害者基本法と障害者施策
  2)高齢社会対策基本法と高齢者施策
  3)障害者・高齢者施策に関する法制
 2.生活保障の基盤づくり
  1)所得保障
  2)保健医療
  3)社会福祉サービス
 3.社会・経済・文化活動への参加の基盤づくり
  1)教育・学習の機会の確保
  2)雇用・就業の機会の確保
  3)社会参加活動の促進
 4.生活環境の整備
  1)住みよいまちづくり
  2)住宅の整備・確保
  3)公共建造物等の構造改善
  4)情報通信
  5)防犯・防災
 5.社会意識の啓発-相互理解のために
  1)心のバリアフリーに向けて
  2)障害者への理解を深めるための啓発広報
  3)高齢者の人権侵犯等を防ぐために
 6.生活と福祉の施策推進に関する動向と課題
  1)動向
  2)課題
3 地域における生活環境整備
 1.一般的知識(黒川幸雄)
  1.ライフラインの整備と運用面の備え
  2.居住地の立地環境の整備
  3.道路・交通手段の整備
  4.公共施設,社会的資源の活用・整備
  5.産業・職場環境の整備
  6.IT環境の飛躍的整備と高齢者・障害者に対する対応の拡充
  7.精神的心理的バリアの環境改善
  8.各種サービスシステム
 2. 障害者,高齢者の住みよい街づくり(山口 昇)
  1.街づくりの困難さ
  2.街づくりの理念と基本的考え方
   1)街づくりの理念
   2)街づくりの基本的考え方
  3.街づくりの歩み
   1)国の政策・事業
   2)地方自治体の対応
  4.公共建築施設の整備(ハートビル法を中心に)
  5.交通機関の整備
   1)公共交通機関の整備
   2)その他の交通機関および制度
  6.街づくりの効果
  7.公共建築施設整備の評価
 3. ケアマネジメントにおける生活環境整備(福屋靖子)
  1.ケアマネジメント概説
   1)ケアマネジメントの用語
   2)必要背景からみたケアマネジメント機能の特性
   3)ケアマネジメントと人権思想
   4)医学的リハビリテーションと「生活モデル」
   5)ケアマネジメントの定義
  2.ケアマネジメントの実践的な機能
   1)ケアマネジメントの展開プロセス
   2)ケアマネジメントとトータルリハビリテーション
   3)生活支援モデルとしてのリハビリテーションケアの展開構図
  3.生活環境とケアマネジメント
   1)ケアマネジメントにおける生活環境の位置づけ
   2)物理的環境ニーズへのケアマネジメントの有効性
   3)物理的環境に関わるケアマネジメントと医学的リハビリテーションの関係
  4.物理的環境に関わるケアマネジメント─住環境に関わるケアマネジメントの展開─
   1)第1段階:インテーク
   2)第2段階:ケアニーズアセスメント
   3)第3段階:ケア目標の設定
   4)第4段階:ケアプラン作成,第5段階:ケア実施への介入
   5)第6段階:モニタリング
   6)第7段階:事後評価
  5.対人環境に関わるケアマネジメント
  6.生活環境におけるケアマネジメントの課題
4 居住環境の整備
 1. 一般的知識(黒川幸雄)
 2. 介助・移動(移乗)を前提とした居住環境(武田 功)
  1.物的環境と人的環境
  2.介助・移動(移乗)における身体的因子と環境因子
   1)身体的因子および環境因子の評価
   2)移動手段
  3.住宅内外における介助・移動の基本方針
  4.障害者に適した住宅
   1)住宅建築の基準値
   2)車いす移動に適した住宅
   3)車いす住宅とチェックポイント
   4)車いすでの最大および最小の作業範囲
   5)歩行を主とした移動に適した住宅
  5.環境制御装置(ECS)
   1)環境制御装置(ECS)とは
   2)環境制御装置(ECS)の研究・開発
   3)環境制御装置(ECS)の構成
  6.リフター
   1)床面移動型リフター
   2)床面固定型リフター
   3)天井面走行型リフター
  7.介助・移動(移乗)動作
   1)介助・移動(移乗)
   2)介助・移動の原則
   3)介助・移動動作の経済性
   4)力学の応用
   5)介助指導の一般的原則
   6)介助の程度
   7)介助の種類
  8.介助・移動・移乗の実際
   1)寝返り
   2)起き上がり
   3)立ち上がり
   4)移動・移乗動作の方法
 3. ADL自立者を前提にする場合
  A.高齢者(安梅勅江)
   1.老化とは
   2.高齢者の身体機能の特徴
   3.高齢者に対応した住環境への配慮
  B.頸損・脊損(山本吉晴)
   1.門・玄関
   2.廊下・床
   3.トイレ
   4.浴室
   5.ベッド
   6.キッチン・ダイニングルーム
   7.洗面所
   8.棚・収納庫・扉
   9.ガレージ
  C.脳血管障害(Cerebral Vascular Accident:CVA)(水上昌文)
   1.玄関
   2.居室
   3.トイレ
    1)入口
    2)便座への移動
    3)後始末
    4)その他
   4.浴室
    1)脱衣所
    2)入口
    3)浴室内
    4)洗い場
    5)浴槽
  D.切断,特に多肢切断(岩ア 洋)
   1.上肢切断
   2.下肢切断
    1)玄関
    2)居間
    3)台所
    4)トイレ
    5)ベッド
    6)浴室
   3.多肢切断
    1)玄関
    2)玄関土間
    3)廊下
    4)居間
    5)トイレ
    6)ベッド
    7)浴室
  E.RAなど多発性の骨関節障害(吉田由美子)
   1.台所・食堂
   2.トイレ
   3.寝室
   4.居間
   5.浴室
   6.廊下,玄関
   7.その他
  F.脳性まひをはじめとする脳原性まひ(川井伸夫)
   1.脳性まひをはじめとする脳原性まひの特色
   2.日常生活のための工夫の意義
    1)一日の多くの時間を過ごすための姿勢
    2)移動のための工夫
    3)コミュニケーションのための工夫
    4)レクリエーション,その他の工夫
  G.内部障害(椿 淳裕)
   1.呼吸器疾患
    1)疾患の進行と在宅生活
    2)呼吸器疾患とADL
    3)在宅酸素療法と生活環境
    4)換気補助療法と生活環境
    5)在宅生活で利用できる制度と課題
   2.循環器疾患
    1)ペースメーカーおよび植え込み型除細動器
    2)循環器疾患と介護保険
  H.精神障害(仙波浩幸)
   1.ようやく精神疾患・障害にも関心が向けられてきた
   2.地域における精神保健医療福祉の連携
   3.リハビリテーション医療従事者の課題
  I.屋外から屋内への進入方法(水上昌文)
   1.歩行自立者(杖,装具の使用を含む)の場合
   2.車いす使用者の場合
    1)道路からポーチまで
    2)玄関ポーチ
 4. 高齢者・障害者配慮住宅(安梅勅江)
  1.配慮住宅の原則
   1)配慮住宅の意義
   2)配慮住宅の基本条件
  2.配慮住宅の基本的な考え方
   1)移動方法の設定
   2)段差の除去
   3)スペースの確保
   4)手すりの設置
   5)緊急時の安全の確保
  3.障害特性配慮住宅の実際
   1)障害別の配慮すべき事項
   2)障害別の配慮項目
  4.空間別配慮の方法
   1)通路およびドアの幅
   2)段差
   3)トイレ
   4)浴室
   5)居室
  5.生活動作別の配慮項目
   1)移動動作
   2)起居動作
   3)整容動作
   4)排泄動作
   5)入浴動作
   6)家事動作
  6.住宅改造に関する諸援助
   1)介護保険制度における住宅改修費の支給
   2)日常生活用具給付等事業
   3)生活福祉資金
   4)障害者住宅整備資金の貸付
   5)住宅金融公庫融資制度
   6)リフォーム融資への割増融資
   7)ホームエレベーター設置工事割増融資
5 福祉用具・社会生活用具等による生活支援
 1.一般的知識(黒川幸雄)
   1.社会生活用具・設備・機器・マンパワー
    1)移動手段となる用具・機器・設備
    2)コミュニケーション手段となる用具・機器・設備
    3)余暇・スポーツ活動などの手段となる用具・機器・設備
    4)職業活動に必要となる用具・機器・設備
    5)学習活動に必要となる用具・機器・設備
   2.障害者自立支援法をめぐる問題と動向
 2.福祉用具
  A.介護保険とその改正における福祉用具など(黒川幸雄)
  B.ADL関連デバイス(自助具)(吉田由美子)
   1.自助具使用の目的
   2.自助具使用とその留意点
   3.自助具の各種
    1)食事
    2)整容
    3)更衣
    4)入浴
    5)排泄
    6)家事
  C.上肢・体幹装具(山本吉晴)
   1.上肢装具
    1)コックアップスプリント(cock up splint)
    2)手関節背屈装具
    3)対立副子
    4)手指外転板
    5)BFO(balanced forearm orthosis,mobil arm support)
   2.体幹装具
    1)硬性コルセット
    2)軟性コルセット
  D.下肢装具(小山信之)
   1.長下肢装具
   2.短下肢装具
   3.膝装具
   4.靴型装具
  E.装飾用装具(川井伸夫)
   1.装飾用装具の必要な理由
   2.装飾用装具の種類と実際例
    1)上肢切断用装飾義手
    2)両大切断用装飾義足
    3)義眼
    4)人工乳房
    5)人工耳介,その他の顎顔面補綴
 3.社会生活用具・設備
  A.コンピュータ・電子情報機器の利用─障害をもつ人の情報通信環境─(園田啓示)
   1.生活の道具としてのコンピュータ
   2.コンピュータの基本構成
    1)コンピュータの構成
   3.リハビリテーションにおけるコンピュータ
    1)コンピュータの活用形態
    2)コンピュータ操作上の問題点と解決の手順
   4.視覚障害をもつ人におけるコミュニケーション
   5.運動機能に障害をもつ人々のコミュニケーション(上肢障害を中心に)
    1)運動機能障害者におけるコンピュータ操作上の問題点
    2)上肢に障害をもつ人々によるコンピュータ利用の実際
   6.携帯電話,携帯型情報端末の活用
   7.障害をもつ人々のコンピュータ利用をめぐる動き
  B.自動車運転用補助装置(岩ア 洋)
   1.補助的手段としての運転用補助装置
    1)手動装置
    2)旋回装置
    3)左足用アクセル
    4)左方向指示器
    5)運転用改造座席
   2.疾患別自動車運転用特殊装置
    1)片麻痺患者
    2)背髄損傷者
    3)切断
    4)脳性麻痺
    5)関節リウマチ
    6)筋ジストロフィー
    7)その他(骨形成不全症,モルキオ病)
   3.車いす積み下ろし装置
    1)補助するもの
    2)全介助するもの
  C.公共設備,交通機関など(安梅勅江)
   1.公共建物設備など
    1)構内通路
    2)呼び出し設備
    3)外部出入口
    4)内部出入口
    5)廊下
    6)階段
    7)エレベーター
    8)事務室
    9)便所
   2.移動・交通機関
    1)公共交通ターミナル
    2)交通機関
  D.電話・ファクシミリなど(安梅勅江)
   1.重度障害者向け福祉電話
   2.緊急時通報用福祉電話
   3.電話補助具
   4.個別機器紹介
    1)配慮電話
    2)ファックス
    3)コミュニケータ
    4)パーソナルコンピュータの活用
  E.生活支援工学(山忠雄)
   1.生活支援
    1)生活支援工学とは
    2)福祉用具の歴史的変遷と定義
    3)福祉用具の有効活用
   2.福祉用具の活用
    1)福祉用具活用の意味
    2)障害特性からみた福祉用具
   3.生活支援工学における研究開発の実際
    1)ホームヘルスモニタリング
    2)行動モニタリングシステム
    3)福祉用具のパワーアシスト化
    4)生活支援工学の展開に向けて

 付録1 生活機能分類を用いて障害の多様性を理解する─ICF(国際生活機能分類)の活用に向けて─(古西 勇,黒川幸雄)
  1.はじめに
  2.国際生活機能分類とは
  3.ICF活用で期待される効果
   1)共通理解のツールとして
   2)サービス計画や評価,記録のツールとして
  4.疾病および関連保健問題の国際統計分類との相互補完関係
  5.国際障害分類からICFへ
  6.国際社会と日本国内の動向
 付録2 加齢・疾病・障害に起因する心理特性,障害の受容,QOL(細井俊希)
  1.障害の受容
  2.加齢による心理的特性
  3.意欲の形成
   1)社会的認知理論
   2)トランスセオレティカルモデル
  4.QOL
 付録3 福祉用具の選び方(木村哲彦)
  1.レディメイドかオーダーメイドか
  2.公的制度で給付・貸与されている福祉用具
 付録4 福祉用具の検索(木村哲彦)
  1.TAISとは
  2.分類の原則
  3.分類と対象用具の範囲
  4.どこにアクセスするか
  5.登録件数および大分類

 索引