やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

監訳者の序
 本書は,Shirley A.Sahrmann博士の著書“Diagnosis and Treatment of Movement Impairment Syndromes”の全訳である.
 20世紀における理学療法の歴史は大きく3期に分けられる.第1期は,戦争などによる末梢神経損傷や筋骨格障害の患者が中心の時期で,第2期は,ポリオの根絶により,脳卒中,頭部障害,脊髄損傷,脳性麻痺患者が中心の時期であった.第3期では,関節機能障害に対して理学療法が展開するようになった時期であるが,関節可動域の制限や,関節周囲組織が機能障害の主な問題であると考えられていたことから,筋組織や運動制御が障害に与える影響にはほとんど注目していなかった.そして,現代では,骨関節疾患の患者は理学療法の対象のなかで最も大きなグループとなり,運動システムに対する理学療法の展開が必要になってきた.
 本書の著者は“人は皆,ひとりひとりが個別に運動パターンをもっていること,さらに骨関節疾患をもつ患者には,その運動パターンが誇張されていること”に気づいたのである.そこで過去20年に渡り,その運動パターンの特徴を説明する法則を見つけ出し,それらがどのような形で痛みに関係,または痛みの原因となっているかということを解明するために努力してきた.
 この本にあげたほとんどの運動パターンにおける解釈は,著者による臨床的な観察により治療方法の指標となっており,治療結果を臨床的に観察することによって,治療の基礎となる原則をより明白にしてきている.
 本書を通読すればわかるように,筋骨格系障害に対する治療技術のマニュアルとは性質を異にするものである.むしろ,詳細な評価に裏づけられたエクササイズ指導や日常の運動パターンの修正を通じて,患者自身がセルフコントロールの方法を会得・実践することに主眼が置かれている.スポーツ障害やその他の整形外科疾患において,“使いすぎ症候群“という用語は一般的であり,スポーツや日常動作の反復によって引き起こされるこの症候群では,“過用”を改善するとともに,障害を引き起こすような動作パターンすなわち“誤用”を見極め修正することも重視されている.この観点に立てば,著者の言わんとすることは周知のものとして容易に理解できると思う.
 しかしながら本書の最大の特徴は,“使いすぎ症候群“として画一的に理解されやすい運動機能障害を,病理運動学的モデルではなく著者の膨大な臨床経験をもとに提示された運動病理学的モデルの視点に立ってとらえなおそうとしている点にある.その際,運動機能障害の分析・分類の鍵として“DSM”(directional susceptibility to movement)すなわち“特定方向への運動の起こりやすさ”という概念が導入されており,骨や関節面の起こりやすい運動の方向を評価・治療の基準にしたという点は,理学療法士が専門性を発揮するうえできわめて斬新である.
 本書からキーワードを拾ってみると,運動機能障害(症候群),DSM,機能解剖学,アライメント・運動パターン分析,筋アンバランス,エクササイズ,ADL指導などがあげられる.
 これらは(最初の2つを除けば),われわれ理学療法士が学生時代から学んできたことであるし,これといったテクニックをもたなかった駆け出しのころに拠り所としていた数少ない“持ち駒“であった.しかし本書を熟読し実際の臨床応用してみると,これら最も初歩的と思われる“持ち駒”を十分に使いこなしていないこと,そして多種多彩な治療手技に目を奪われがちななかで,いわば“宝の持ち腐れ”になってさえいることに気づかされる.また,評価のなかでは詳細な関与因子の検討もなされており,シンプルであっても的を射たエクササイズプログラムやADL指導に到達するためには,緻密な臨床的推論過程が必要であることを再認識させられる
 さて,翻訳・監訳を進めるうちに,“はたして書面上の解釈のみでよいのか“という不安や“直接著者の話を聞きたい”という思いが強くなり,2004年1月に,ミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学で開催される講習会(導入コース)に参加した.Sahrmann女史は,英会話も拙劣な日本からの訪問者を気さくに迎えてくださった.2日間の講義を受け,自分の本書に対する理解がおおかた誤りではなかったことに安堵した一方,より多くの日本の理学療法士に紹介したいという意を強くした.本書は,多くの理学療法士にとって,現場に役立つ情報が盛り込まれた実践的な参考書になるだろう.文献引用も豊富であり,エビデンスの確認やより発展的な検索にもこと欠かない.ただし,学生や疾患別の画一的なアプローチに終始している場合には,DSMを診断基準とするこの見方は理解しにくいかもしれない.しかし,われわれの職業の最大の目的は患者サービスである以上,ルーティンプログラムから逸脱してしまったケースに対しては,得られた情報をもとに理学療法士が自ら考え新しいレールを敷かなくてはならない.そのような場合,本書はきわめて有益な道先案内人になってくれるに違いない.また,本書にもしばしば文献として引用されているKendallのテキスト注)を併読すれば,理解の助けになるだろう.
 原本は独特の言い回し(著者の序文では自らShirley語と称している)や誤植もあり,翻訳しやすいテキストとはいえなかった.各章の翻訳に取り組まれた訳者の方々,および根気強く校閲を待っていただいた医歯薬出版編集部に謝意を表したい.
 著者が本書の症候群の分類について“洗練されていない”と自己評価しているように,このアプローチは完成されたものではなく,ますます発展する余地がある.臨床応用の努力を続ける一方で,今後のさらなる知見や動向にも注意する必要がある.また,読者の批評・御指摘があれば率直に仰ぎ参考にさせていただく所存である.
 本書が,理学療法士などの筋骨格系障害の治療に携わる多くの臨床家の参考になることを懇願しつつ,監訳者の序文としたい.
注)Kendall FP et al.:Muscles;Testing and Function.4th ed.,Williams&Wilkins,1993.
 2005年3月
 竹井 仁
 鈴木 勝


 まれに,われわれの世界の見方に異議を唱える人が現れます.Shirley Sahrmann教授はそのような人物のひとりといえましょう.“運動機能障害症候群のマネジメント“は,人体がどのように動くか単純に観察し分析する長い年月を過ごした成果です.本書を読まれた方なら誰でも,筋骨格医学の世界に関する認識が変わり,その人の世界が永遠に変わることでしょう.私は,Dr.Sahrmannに,先生は“新たな目”を与えてくださいましたとよく言ったものです.私は長年,筋骨格のさまざまな問題に取り組んできて,今やそれらについて以前とは違ったように理解しています.一度このことを患者に言いましたら“目は脳が知っていることしか見ないのです”と言われました.すぐに日々の実践に採り入れられる新しい情報を脳にいっぱい詰め込むことになる本書の読者はきっと,運動系疾患の患者を観察してみようという気になるでしょう.検査手技を洗練し,本書に概説された運動の選択と指導に習熟すれば,患者にとっても医療実践者にとっても大いなる満足が得られることは疑いの余地がありません.
 同世代のほとんどがそうであるように,私も病理運動学的モデルを用いた評価スキルを教わりました.私のスキルは,患者の身にどのような病理学的状況が起きているかを患者に伝え,患者が診断を受けたら満足して家に帰ることを望む程度でしかありません.実際のところ,私の患者たちは何が原因で自分の症状や痛みが起きたのか知りたいのです.私はしばしばそうした要求を“使いすぎたからですよ”という言葉で機械的にやりすごし,それ以上質問が続かないように願っていました.私のフラストレーションは山のように膨れ上がり,この指導モデルの限界を解決する方法を探し始めました.思い起こせば,リレハンメルのオリンピックでこうしたジレンマについて語りました.そのとき,カナダチームの主任セラピストが私に,Dr.Sahrmannの筋肉バランスコースに出席してみてはどうかと勧めてくださいました.彼のアドバイスに従い,Dr.Sahrmannのもとで,その後の多くのコースにも出席して学んだ評価および治療スキルは,私の欲求を完全に満たしてくれました.以来ずっと私は,この知見を実践の場で実際にすべての患者の評価に適用しています.
 Dr.Sahrmannは,疼痛疾患を論理的に運動機能障害カテゴリーに分類した最初の研究者です.Dr.Sahrmannの評価スキルに従えば,同一の病理診断でも同じ運動機能障害によるものではないことが多いことがすぐにわかりました.診断名よりむしろ特異的な障害を治療することが,転帰という意味で得られるものが多いのです.“運動機能障害症候群のマネジメント”は,臨床家が種々の機能障害を診断するために必要な情報を確かなものとして与えてくれます.研究者には,本書で論じられていない身体領域の診断カテゴリーと治療プロトコールを拡大するために必要な研究を行う基盤も提供してくれるでしょう.
 本書がワシントン大学理学療法プログラムのDr.Sahrmannとその同僚から他の人びとに受け継がれることを望みます.この情報は,他の研究者にとって理論的概念を検証し,治療プロトコールをさらに明確に定義するための契機となるでしょう.概念は世界中の理学療法士により検証されていますが,Dr.Sahrmannはすべての人びとが見て評価できるように,まだ大部分作業中ですが,資料を文書の形で発表する予定です.“運動機能障害症候群のマネジメント“はDr.Sahrmannにとって愛情の産物です.私は,その他大勢のひとりとして,この情報を概念化し,検証し,文書として記録するために費やされた先生の長年のご努力に心から感謝申し上げます.それは研究の根幹であり,運動疾患患者の治療法に重大な意味をもつものです.“運動機能障害症候群のマネジメント”を読まれた方はすべて“この臨床状況は何度も経験している.この知見に従えば,その状況がまったく違って見える”と気づくでしょう.Dr.Sahrmannがその知見を提供してくださり,患者との作業をこんなにも楽しいものにしてくださったことに対し感謝してやみません.
 Robert Stalker,MD
 カナダノバスコシア州ハリファックス
 ダルフージー大学保健サービス科

緒言
 ある問題に対して明白な答えが見過ごされ,代わりに複雑な答えや説明が追求される場合がよくみられる.問題解決に対するこの取り組み方は“ひづめの音が聞こえたら,縞馬より先に馬だと思え”という諺に表されている.この諺のような取り組み方を肝に銘じていれば疾患の蔓延を制御する単純な方法は手を洗うようなものであるが,この明白な答えはあまりにも長い間見過ごされていた.驚くことには今日でさえ,このような重要な取り組み方を実践するには多くの助言を必要としている.筋骨格における疼痛の機械的原因およびそうした疾患症状の医学的治療においても,同様の状況が存在すると思われる.明白な機械的問題に取り組むのではなく,原因の追求を行わないまま,症候のみられる組織を治療するために薬物治療が行われたりしている.
 運動は,それによって筋骨格系に変化がもたらされることから提唱されているが,日常活動にも運動の鍵となる成分である反復運動が含まれている.運動選手のトレーニングではアライメントと運動パターンが慎重に考慮されているが,毎日の行動においてはまだほとんど関心がはらわれていない.姿勢のアライメントは運動パターンの基盤であり,したがってアライメントがずれていれば最適な運動は困難である.子どもたちが座ったり立ったりしているときに背筋を真っ直ぐ伸ばすように強く教えられた時代は,はるか昔のことになった.以前は,ほとんどの男性が軍隊に入らねばならず,そうした経験に内在する部分がよいアライメントで立つことの訓練になっていた.最近では,前屈みや,だらけた姿勢でも受容される.家具は,特に家庭で“リラックスする“ときには,身体によく沿い,だらけた姿勢を促すような形態に作られている.悪い姿勢の受容は特に,私たちが過去にそうであった以上に座ることが多い現代において顕著である.皮肉なことに,女性が高齢になるにつれ“年老いた”女性に特徴的な後彎姿勢になることが大きな心配事である.しかし,若い女性では胸椎後彎の進行を予防するための努力がほとんどなされていない.骨は加えられる力の形に適応するというWolffの法則は,骨格系によく当てはまる原理である.アライメントや関節の安定性を制御する組織も,加えられる力の影響を受ける.座ることが比較的多い時代では,筋骨格組織は身体的要求がないために十分な発達を遂げず,したがって,身体は負荷への反応によって組織が“より強力”であった時代から損傷を受けやすい素因をもつことになる.その結果が,日常活動の反復運動による機械的損傷の疾病素因の増大である.行動パターンはいったん確立されれば主要なパターンになり,何度も反復される.仕事の場では,コンピュータ作業や,電話をとったり,隣接のカウンターで作業をするために反復的に片側を向くのが典型である.母親は,車の後部座席の子どもに注意をはらうため,何度も後ろを振り向く.また,一日に何度も車への出入りを繰り返し,それも同じ方向から出入りする.歯科医は患者の同じ側から作業する.心臓専門医は聴診器を使用するために何度も屈み込む.ゴルファーやラケットボール選手は,同じパターンの運動でクラブやラケットを振る.同じ方向を向いて寝ることでさえ,アライメントの変化をもたらしうる.
 本書の第1の目的は,日常の活動によって運動パターンや組織にもたらされる変化について述べることである.提示する論題は,そうした運動パターンや組織の適応を修正することは,筋骨格における機械的な疼痛問題を軽減するだけでなく,修正によってそのような問題を予防できるというものである.身体のメカニクスを修正することは,機械的原因が軽減あるいは緩和されることで,抗炎症薬の使用減少にも役立つであろう.患者には,症状を緩和する薬に頼って真の原因解決をないがしろにするのではなく,自分の痛みの問題に責任をもつように指導することができる.関節の動きには限度があり,一般的な問題は多様な活動から生じている.このように今日では,患者の徴候,症状,検査結果に基づいて臨床家が同定することができる特異的な運動機能障害症候群を説明することができるようになった.本書では,肩,腰,股関節の運動機能障害症候群について述べる.
 本書の第2の目的は,正常な解剖学と運動学において観察される変化と組み合わせた理学療法の基本検査や測定値をどのように利用すれば,運動機能障害症候群からなる分類系を構築することができるか考察することである.理学療法を方向づける診断を構成する分類系の考察は,本分野の継続的発展に欠かせないと思われる.分類系を構成する基盤となる理論の大前提は,関節は運動に対して特定の方向へ生じやすい動きを促進させ,このために“弱い接合”が生じ,ほとんどが疼痛部位となることである.
 第1章では,運動系と運動機能障害症候群という概念の展開に至った歴史的および専門的事象と,分類系の探求が重要である理由について述べる.
 第2章では,分類系の基礎となる概念と原理を述べる.精神医学の分野で精神疾患に関する一般的な診断系の必要性が認識されたとき,行動パターンが基盤として利用された.情動の障害は脳の特異的な損傷や相互作用と直接には関連せず,行動における相互的因子の同定は困難であった.ヒトの運動機能異常の分類は,行動を組織化する際に明らかな長所をもっている.分類系は,定義された解剖学的・運動学的原理を伴う生体力学的な性質であるため,相互作用は予測可能である.したがって,機能異常を説明する鍵となる因子や,問題につながりうる相互作用の変化を仮説として提唱することさえ可能である.本章では,日常活動に関連した反復運動と姿勢の維持によって生じた組織の適応について述べる.特定の方向へ生じやすい動きを発達させた関節によって生じる影響も説明する.3つの運動系のモデルを提案し,それらの機能障害に対する相互作用についても述べる.運動学的(kinesiologic),病理運動学的(pathokinesiologic)および運動病理学的(kinesiopathologic)モデルとその要素や構成体を用いて機能障害の発現とそれら機能障害の結果について説明する.構成体やその相互作用の変化の型および特徴は,臨床適用とともに述べる.症例を通して組織変化から生じた機能障害を説明し,組織変化が運動パターンの変化にどのように関与したか説明する.
 第3,4,5章では,それぞれ腰,股関節,肩の運動機能障害症候群について説明する.各章には,関連身体領域の正常な機能の理解に必要と思われる基本的な解剖学と運動学も述べる.各章の後には,運動機能障害だけでなく,関連する症状と疼痛,アライメント,動員パターン,相対的柔軟性と硬さ,および筋の長さと強さについて説明するフォーマットを付す.検査・測定項目,要約,治療プログラムは各症候群ごとに述べる.各運動機能障害症候群は症例を通して図示する.症候群の理解の一助に,各章には症状と既往,鍵となる検査と徴候,関連する徴候,鑑別運動および関連する診断,照会を要する医学的診断を説明するためのグリッドを表示する付表を設ける.
 第6章には,上部四半分および下部四半分の機能障害のための検査を紹介するが,この検査結果は,診断と,治療プログラムにおいて取り組むべき障害関与因子の同定につながると思われる.検査は,体位と特異的肢位における検査に従って構成されている.2つの形式の検査表を用意した.ひとつは,正常または理想的な標準検査,機能障害の基準および特異的な機能障害に関する形式である.もうひとつは,臨床的な検査の基本として使用できる形式である.これはチェックリストになっており,セラピストが検査により判明した特異的な機能障害や,疼痛の根底にあって診断を決定する可能性がある関節運動の方向を記録することができる.検査によって同定される他の問題は,疼痛を誘発する関与因子と考えられる反復運動である.
 第7章は,機械的な疼痛の軽減や予防に重要な身体力学の修正と日常活動の達成を補助する運動プログラムの詳細な説明である.単純ではあるがよく選択され,正確に指導された治療のための運動プログラムは,患者の痛みの解決を助けるために不可欠と考えられる.したがって,それぞれの運動について,個々の状況に対する個別の考察と並行して,きわめて詳しく述べている.第8章は,コピーして患者に配布できる形式の運動の図解である.セラピストがお気づきのとおり,運動プログラムは検査に密接に従っている.結果的にセラピストが検査を行う場合,そのセラピストが患者のための治療プログラムを決定することもできる.セラピストはまた,患者指導に必要な情報を得ることにもなり,そして最も重要なこととして,診断に基づく理学療法の実践に貢献し,その方向性を定めることができる.
 Shirley Sahrmann,PhD,PT,FAPTA

謝辞
 本原稿は,後期石器時代の洞窟の壁に残されたわずかな彫り跡から始まり,多くの時代を通じ風説として言葉で脈々と伝えられ,ようやく21世紀という電子時代に形となって現れたように思われ,したがってなんとか別の銀河での宇宙探査船上で完成することだけは避けられました.それはひとえに,私が特別な感謝を捧げるわが友人にして同僚であるKathleen K.Dixon,PTが,仕事に没頭できるようにしてくれただけでなく,長時間にわたり私の原稿を読み,私の“シャーリー語”を翻訳し,本書の内容を洗練してくれたからこそです.Robert Stalker,MDも多くの時間を原稿の編集と批評に割いてくださいました.また,啓発的な編集者であるChristie Hart女史の有能なご支援や,Dana Peick女史の編集とレイアウト,およびこのプロジェクトをご支援いただいた他のHarcourtの方がたにもお礼申し上げます.
 私の臨床経験および学者としての生涯を通じて,幸運にも,卓越した科学的思考と最良の患者ケアへの関心を伝授してくださる方がたにご指導いただきました.私が専門教育を受けているとき,Lorraine F.Lake,PT,PhDは,理学療法における科学の必要性を初めて指摘してくださいました.卒業研究中は,Margaret Clare Griffin女史とWilliam M.Landau,MDが,私がいまだ到達できずにいる標準を設定してくださいました.Steven J.Rose,PT,PhDは,理学療法における研究や臨床状況の分類の重要性に対する博士の興奮と傾倒を伝授してくださいました.Barbara J,Norton,PT,PhDは,誠実な友人であり,同僚であり,サポーターであり,そして私を多くの知的世界の枝葉から引き戻してくれた最も貴重な批評家です.Nancy J.Bloom,MSOT,PTは,学生として上述の考えを有用なフォーマットに置き換え始め,以後ずっと長年にわたり努力を続けてくれています.私は,上述の概念の考案,洗練,および指導を助けてくださった次のすべての同僚に感謝してやみません:Cheryl Caldwell,PT,CHT;Mary Kate McDonnell,PT,OCS;Debbie Fleming,PT;Susie Cornbleet,PT;Kate Crandell,PT;Tracy Spitznagle,PT;Renee Ivens,PT;Carrie Hall,PT.また,腰の運動障害分類検査および女史の所見発表にご努力いただいたLinda Van Dillen,PT,PhDにも特別な感謝を捧げます.このほかにも,本書は,Kendallらの古典的教科書“筋,検査,および機能”における慎重な観察と経験的分析や,私の生涯を通じて楽しんだFlorence Kendallとの多くの活発な議論によって得られた基本的知識や着想がなければ成立していなかったでしょう.
 私は,私の経歴のほとんどをワシントン大学医学部の教員として過ごせたことを幸運に思っています.40年以上,最も傑出し熱心な理学療法士である同僚らとともに働いてきました.彼らの努力とSusie Deusinger,PT,PhDの有能な方向づけにより,理学療法におけるプログラムは真に傑出した評価を得ました.私は,専門と教育部門のサポートにおいては比類がなく,私たちが,最高の水準にあるものを真に得ようと努め,到達できる環境を与えてくれる機関の教員として過ごしてきました.私の希望は,本書が患者のケアにおける最高水準を理学療法において追求する次のステップとなってくれることです.
 Shirley Sahrmann
・監訳者の序
・序
・緒言
・謝辞

Chapter1:概論
 ・運動系バランス概念の発展
  第1期:末梢神経損傷と筋骨格障害に対する理学療法の展開
  第2期:中枢神経障害に対する理学療法の展開
  第3期:関節機能障害に対する理学療法の展開
  現代:運動系に対する理学療法の展開
 ・疼痛症候群の原因として内在する運動の前提
 ・概要
  概念と原理
   診断方法  修正エクササイズ
 ・運動機能障害症候群
  定義
  発症率
  診断と管理(マネジメント)
  影響を受ける組織
  介入に基づく治療アプローチ
  原因の明確化と症状の軽減
 ・分類法の必要性
Chapter2:運動の概念と原理
 ・運動学的モデル
  モデルの構成
  臨床における運動力学的モデルの関与
 ・病理運動学的モデル
  モデルの構成
  臨床における病理運動学的モデルの関与
 ・運動病理学的モデル
  このモデルにおける理論的根拠
  臨床における運動病理学的モデルの関与
 ・筋系における基礎的要素の機能障害
  筋力
   萎縮による筋力低下  筋萎縮の臨床的関連性  損傷(strain)による二次的な筋力の低下  筋肥大による筋力増強
  筋の長さ
   過伸張(over-stretch)による弱化  損傷(strain)による二次的な筋の長さの増加  解剖学的な適応による二次的な筋の伸張―筋節の増加  解剖学的適応により短縮した筋―筋節の減少  共同筋間における筋の長さ変化の相違  筋と軟部組織の硬さ(stiffness)  相対的柔軟性による代償運動
 ・図2-21の説明
 ・骨格系における基礎的要素の機能障害:関節アライメントの構造的多様性
  大腿骨の前捻(antetorsion)
  大腿骨の後捻(retrotorsion)
 ・神経系における調節的要素の機能障害
  動員パターンの変化
  共同筋の動員パターンにおける優位性の変化
   僧帽筋上部線維の優位性  ハムストリングスが腹筋よりも優位な場合  ハムストリングスが大殿筋よりも優位な場合  共同筋の優位性が変化するその他の例
  動員(recruitment)と相対的柔軟性
   膝関節自動屈曲運動の際,腰椎伸展を伴う過度な骨盤前傾  膝関節自動屈曲運動の際に起こる過度な骨盤後傾  手指伸展時に起こる手関節屈曲(掌屈)
  遠心性収縮のパターン
 ・生体力学的(バイオメカニクス)要素の機能障害
  静力学(statics):重力による影響
   重力が筋の働きに及ぼす影響  重力が骨関節の変化に与える影響
  動力学(dynamics):運動と運動を起こす力との関係
   運動力学(kinetics):運動を起こす力の説明  運動学(kinematics):身体の動きの説明
  関節運動学と機能障害
  膝蓋大腿関節における運動病理学的モデルの応用
   筋組織の機能障害  運動制御の機能障害  生体力学的な機能障害
 ・運動の要素の複合的な機能障害
 ・補助的要素の機能障害
Chapter3:腰椎の運動機能障害症候群
 ・正常な腰椎のアライメント
  立位
   正常な姿勢  機能障害
  座位
   正常な姿勢  機能障害
 ・腰椎の動き
  瞬間回旋中心の軌道
  屈曲:前屈
   正常  機能障害
  前屈位からの復位(伸展)
   正常  機能障害
  伸展
   正常  機能障害
  回旋
   正常  機能障害
  側屈
   正常  機能障害
  並進運動
   正常  機能障害
  圧迫
 ・腰椎の筋運動
  背筋群
   広背筋  脊柱起立筋  多裂筋  棘間筋と横突間筋  腰方形筋  腸腰筋
  腹筋群
   外腹斜筋  内腹斜筋  トランクカール-シットアップエクササイズ  腹直筋  腹横筋
 ・腰部の運動機能障害症候群
  腰椎回旋-伸展症候群;放散症状を伴ったものと伴わないもの
   症状と痛み  運動機能障害  アライメント:構造的多様性と後天的機能障害  相対的柔軟性と筋の硬さに関する機能障害  筋と動員パターンの機能障害  確認検査  治療
  腰椎伸展症候群
   症状と痛み  アライメント  運動機能障害  柔軟性と筋の硬さに関する機能障害  筋と動員パターンの機能障害  確認検査  治療
  腰椎回旋症候群
   症状と痛み  アライメント  運動機能障害  柔軟性と筋の硬さに関する機能障害  筋と動員パターンの機能障害  確認検査  治療
  腰椎回旋-屈曲症候群
   症状と痛み  運動機能障害  アライメント:構造的多様性と後天性障害  柔軟性と筋の硬さに関する機能障害  筋と動員パターンの機能障害  確認検査  治療
  腰椎屈曲症候群
   症状と痛み 運動機能障害 アライメント  相対的な柔軟性と硬さに関する機能障害  筋と動員パターンに関する機能障害  確認検査  治療
  仙腸関節機能異常
  圧迫
  補足的検討事項
  付表
   腰椎屈曲症候群  腰椎伸展症候群  腰椎回旋症候群  腰椎回旋-屈曲症候群  腰椎回旋-伸展症候群
Chapter4:股関節の運動機能障害症候群
 ・股関節の正常アライメント
  骨盤
  股関節
  膝関節
   矢状面  前額面
  足部
 ・股関節の運動
  骨盤帯の運動
  股関節の運動
  股関節の副運動
 ・股関節の筋活動
  骨盤に影響を及ぼす体幹前面の筋群
  骨盤に影響を及ぼす後面の筋群
  股関節に影響を及ぼす前面の筋群
  股関節に影響を及ぼす後面の筋群
  股関節に影響を及ぼす内側の筋群
  股関節と膝関節に影響を及ぼす前面の筋群
  股関節と膝関節に影響を及ぼす後面の筋群
  膝関節と足関節に影響を及ぼす下腿後面の筋群
  足関節に影響を及ぼす下腿前面の筋群
  足部に影響を及ぼす下腿外側の筋群
  足部に影響を及ぼす下腿後面の筋群
  足部に付着している筋群
  筋と運動機能障害
 ・股関節の運動機能障害症候群
  大腿骨前方すべり症候群
   症状と痛み  運動機能障害  相対的柔軟性と硬さの障害  筋と動員パターンの障害  確認検査  治療
  外旋を伴う大腿骨前方すべり症候群
   症状と痛み  運動機能障害  相対的柔軟性と硬さの障害  筋と動員パターンの障害  確認検査  治療
  股関節内転症候群
   症状と痛み  運動機能障害  柔軟性と硬さの障害  筋と動員パターンの障害  確認検査  治療
  膝関節の伸展を伴う股関節伸展症候群
   症状と痛み  運動機能障害  柔軟性と硬さの障害  筋と動員パターンの障害  筋の長さと筋力の障害  確認検査  治療
  股関節外旋症候群
   症状と痛み  運動機能障害  アライメント:構造的多様性と後天的障害  相対的柔軟性と硬さの障害  筋と動員パターンの障害  確認検査  治療
  大腿骨副運動過剰可動性
   症状と痛み  運動機能障害  柔軟性と硬さの障害  筋と動員パターンの障害  確認検査  治療
  上方すべりを伴う大腿骨過少可動性
   症状と痛み  運動機能障害  柔軟性と硬さの障害  筋と動員パターンの障害  確認検査  治療
  短軸方向への離開を伴う大腿骨外側すべり症候群
   症状と痛み  運動機能障害  柔軟性と硬さの障害  筋と動員パターンの障害  確認検査  治療
 ・付表
  内旋を伴わない大腿骨前方すべり症候群  内旋を伴う大腿骨前方すべり症候群  外旋を伴う大腿骨前方すべり症候群  内旋を伴わない股関節内転症候群  内旋を伴う股関節内転症候群  大腿骨の外側すべり症候群  膝関節の伸展を伴う股関節伸展症候群  内旋を伴う股関節伸展症候群  上方すべりを伴う大腿骨過少可動性症候群  大腿骨副運動の過剰可動性症候群  股関節外旋症候群
Chapter5:肩甲帯の運動機能障害症候群
 ・肩甲帯の正常なアライメント
  肩
   正常なアライメント  アライメント障害
  肩甲骨
   正常なアライメント  アライメント障害
  上腕骨
   正常なアライメント  アライメント障害
  胸椎
   正常なアライメント  アライメント障害
 ・肩甲帯の運動
  用語解説―肩甲骨の運動
  肩甲帯の運動パターン
 ・肩甲帯の筋活動
  胸郭-肩甲骨間筋群
  胸郭-上腕骨間筋群
  肩甲骨-上腕骨間筋群
 ・肩甲骨の運動機能障害症候群
  アライメントと運動の関係
  肩甲骨症候群の診断基準
  頻繁に観察される肩甲骨の症候群
   肩甲骨下方回旋症候群  肩甲骨下制症候群  肩甲骨外転症候群  肩甲骨浮き上がり(winging)症候群
 ・上腕骨の運動機能障害症候群
  アライメントと運動の関係
  上腕骨症候群の診断基準
  上腕骨症候群(観察された頻度順)
   上腕骨前方すべり症候群  上腕骨上方すべり症候群  肩関節内旋症候群  上腕骨過少可動性症候群
 ・付表
  肩甲骨下方回旋症候群  肩甲骨下制症候群  肩甲骨外転症候群  肩甲骨浮き上がり・傾斜症候群  上腕骨前方すべり症候群  上腕骨上方すべり症候群  肩関節内旋症候群  肩甲上腕関節過少可動性症候群
Chapter6:上下四半分の運動機能障害検査
 ・運動機能障害:下部四半分検査
  歩行
 ・運動機能障害:上部四半分検査
Chapter7:修正のためのエクササイズ(運動):その目的と留意点
 ・立位エクササイズ
  前屈(腰椎を平坦に保った股関節屈曲)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  体幹を巻きこむ前屈(脊柱と股関節屈曲を伴った前屈)
   目的  正しい方法
  脊柱の側方への屈曲―側屈位
   目的  正しい方法
  片脚立位(片側の股関節と膝関節の屈曲)
   目的  正しい方法  代償運動に関する特別な留意点
  体幹直立位で制限された範囲での股関節・膝関節屈曲(スモール・スクワット)
   目的  正しい方法  特別な留意点
 ・背臥位エクササイズ
  股関節屈曲のストレッチ(反対側の股関節と膝関節を最大限に屈曲して,股関節と膝関節の伸展)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  下肢運動に伴った骨盤コントロール(股関節・膝関節屈曲位からの股関節・膝関節伸展)
   目的  正しい方法
  大殿筋のストレッチ(股関節・膝関節伸展位からの股関節・膝関節屈曲)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  大殿筋のストレッチ(股関節・膝関節伸展位からの股関節・膝関節屈曲)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  股関節・膝関節伸展位から踵をすべらせての股関節・膝関節屈曲(ヒールスライド)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  段階的下部腹筋エクササイズ
   目的  正しい方法  特別な留意点
  トランクカール-シットアップ(段階的上部腹筋エクササイズ)
   目的  注釈  正しい方法  特別な留意点
  股関節・膝関節屈曲位からの股関節外転/外旋
   目的  正しい方法  特別な留意点
  膝伸展位下肢挙上(SLR;膝を伸展した状態での股関節屈曲)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  股関節屈筋(二関節筋)のストレッチ
   目的  正しい方法  特別な留意点
  広背筋と肩甲上腕関節筋群のストレッチ(肘伸展位での肩屈曲/挙上)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  肩の外転運動
   目的  正しい方法  特別な留意点
  肘屈曲で肩外旋しながらの外転運動
   目的  正しい方法  特別な留意点
  肩関節回旋
   1.内旋―目的  正しい方法  特別な留意点
   2.外旋―目的  正しい方法  特別な留意点
   3.水平内転―目的  正しい方法  特別な留意点
  小胸筋のストレッチ
   目的  正しい方法  特別な留意点
 ・側臥位エクササイズ(下肢)
  股関節外旋
   目的  正しい方法  特別な留意点
  股関節外転(外旋を伴わない外転と伴う外転)
   レベル 1:股関節の外旋を伴わない外転―目的  正しい方法  特別な留意点
   レベル 2:股関節の外旋を伴った外転―目的  正しい方法  特別な留意点
   レベル 3:股関節外転―目的  正しい方法  特別な留意点
  大腿筋膜張筋-腸脛靱帯のストレッチ
   目的  正しい方法  特別な留意点
  筋力強化のための股関節内転
   目的  正しい方法  特別な留意点
 ・側臥位エクササイズ(上肢)
  肩関節屈曲,外旋,肩甲骨内転
   1.肩関節屈曲―目的  正しい方法  特別な留意点
   2.肩甲骨内転(僧帽筋エクササイズ)―目的  正しい方法  特別な留意点
   3.肩関節回旋―目的  正しい方法  特別な留意点
  肩甲骨の外転と上方回旋
   目的  正しい方法  特別な留意点
 ・腹臥位エクササイズ(下肢)
  膝関節屈曲
   目的  正しい方法  特別な留意点
  股関節回旋
   目的  正しい方法  特別な留意点
  膝関節伸展位での股関節伸展
   目的  正しい方法  特別な留意点
  膝関節屈曲位での股関節伸展
   目的  正しい方法  特別な留意点
  股関節外転
   目的  正しい方法  特別な留意点
  両股関節外転・両膝関節屈曲位での等尺性の股関節外旋
   目的  正しい方法  特別な留意点
  等尺性の大殿筋収縮
   目的  正しい方法  特別な留意点
 ・腹臥位エクササイズ(上肢)
  背部の伸筋群の活性化(背部の伸筋群の活動を高めるための肩関節屈曲)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  肩関節屈曲
   目的  正しい方法  特別な留意点
  段階的僧帽筋エクササイズ
   レベル 1:手を頭部に乗せて―目的  正しい方法  特別な留意点
   レベル 2:肘屈曲位で肩外転位からの肩甲骨内転―目的  正しい方法  特別な留意点
   レベル 3:肘伸展位で肩外転位からの肩甲骨内転―目的  正しい方法  特別な留意点
  肩関節回旋
   目的
   1.外旋―正しい方法
   2.内旋―正しい方法  特別な留意点
   3.最終域での内旋―正しい方法
 ・四つ這い位エクササイズ
  四つ這い位での揺さぶり(rocking)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  前方への揺さぶり
   目的  正しい方法  特別な留意点
  四つ這い位での四肢の運動
   1.肩関節屈曲―目的  正しい方法  特別な留意点
   2.股関節伸展―目的  正しい方法  特別な留意点
   3.肩関節屈曲位での股関節・膝関節伸展―目的 正しい方法  特別な留意点
  頸部の屈曲と伸展
   目的  正しい方法  特別な留意点
  頸部の回旋
   目的  正しい方法  特別な留意点
 ・座位エクササイズ
  膝関節伸展と足関節背屈
   目的  正しい方法  特別な留意点
  股関節屈曲
   目的  正しい方法  特別な留意点
 ・立位エクササイズ
  肩関節屈曲(壁に背中をつけた立位)
   目的
   レベル1:肘関節屈曲位―正しい方法  特別な留意点
   レベル2:肘関節伸展位―正しい方法  特別な留意点
  肩関節外転(壁に背中をつけた立位)
   目的  正しい方法  特別な留意点
  肩関節屈曲(壁に背中をつけない別の方法)
   目的
   1.壁に向かって立つ―正しい方法  特別な留意点
   2.戸口に立つ―正しい方法  特別な留意点
   3.壁に体側を向けて立つ―正しい方法  特別な留意点
  肩関節外転(壁に向かった立位,僧帽筋エクササイズ)
   目的  正しい方法  特別な留意点
 ・歩行エクササイズ
  股関節と膝関節内旋のコントロール
   1.骨盤回旋の制限―目的  正しい方法  特別な留意点
   2.股関節内旋の制限―目的  正しい方法  特別な留意点
  股関節内転の制限
   目的  正しい方法  特別な留意点
  膝関節過伸展の防止
   目的  正しい方法  特別な留意点
  膝関節回旋の制限
   目的  正しい方法  特別な留意点
  足関節底屈
   目的  正しい方法  特別な留意点
Chapter8:運動機能障害症候群を修正するためのエクササイズ
  前屈:腰椎を平坦に保った股関節屈曲
  脊柱と股関節屈曲を伴った前屈
  脊柱の側方への屈曲―側屈位
  片膝立位:片側の股関節と膝関節の屈曲
  反対側の股関節と膝関節を最大限に屈曲して,股関節と膝関節の伸展
  股関節・膝関節屈曲位からの股関節・膝関節伸展
  他動的,自動的それぞれでの股関節・膝関節伸展位からの股関節・膝関節屈曲
  股関節・膝関節伸展位から踵をすべらせての股関節・膝関節屈曲
  下部腹筋力の増大(段階的下部腹筋エクササイズ,レベル 0.3〜5)―一側の股関節屈曲
  下部腹筋力の増大―膝を抱えて股関節屈曲
  下部腹筋力の増大―他方の足の支持なしで股関節と膝関節の屈曲
  下部腹筋力の増大―股関節と膝関節の伸展
  下部腹筋力の増大―両股関節と膝関節の屈曲
  上部腹筋力の増大(段階的上部腹筋エクササイズ,レベル 1 A〜3):トランクカール-シットアップ(起き上がり)
  股関節・膝関節屈曲位からの股関節外転/外旋:屈曲した膝を左右に倒す
  股関節・膝関節屈曲位からの股関節外転/外旋:膝伸展
  膝伸展位下肢挙上(SLR):膝を伸展した状態での股関節屈曲
  股関節屈筋(二関節筋)のストレッチ
  肩関節屈曲―肘関節伸展での挙上と広背筋のストレッチ
  肩関節屈曲―肘関節屈曲での挙上
  肩関節屈曲/外転
  肩関節外転―従重力
  肩関節回旋―背臥位―水平内転(屈曲)
  小胸筋のストレッチ
  股関節外旋―側臥位
  股関節の外旋を伴わない外転と伴った外転―側臥位
  筋力強化のための股関節内転―側臥位
  肩関節屈曲,外旋,肩甲骨内転―側臥位
  膝関節屈曲―腹臥位
  股関節回旋―腹臥位
  股関節伸展位での股関節伸展―腹臥位
  膝関節屈曲位での股関節伸展―腹臥位
  股関節外転―腹臥位
  両股関節外転・両膝関節屈曲位での等尺性の股関節外旋
  等尺性の大殿筋収縮
  背部の伸筋群の活動を高めるための肩関節屈曲―腹臥位
  肩関節屈曲―腹臥位
  段階的僧帽筋エクササイズ―腹臥位
  肩関節回旋―腹臥位
  揺さぶり(移動)―四つ這い位
  四肢の運動―四つ這い位
  頭部と頸部の屈曲と伸展―四つ這い位
  膝関節伸展と足関節背屈―座位
  股関節屈曲―座位
  肩関節屈曲―壁に背中をつけた立位
  肩関節外転―壁に背中をつけた立位
  肩関節屈曲―壁に向かった立位
  肩関節外転―壁に向かった立位―僧帽筋エクササイズ
  歩行時の股関節と膝関節内旋のコントロール
  歩行時の膝関節過伸展の防止
  足関節底屈

・索引