やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第5版序
 本書は学生と病理組織学を学ぶ初心者を対象とした病理組織学実習書として昭和47年に創刊され,以来改訂,増補を重ねながら全国的に広く利用されてきたことは,執筆,編集に携わった者一同にとり大きなよろこびである.
 臨床医学の進歩,免疫組織化学や分子病理学の病理診断学への導入は,新しい疾患概念の提唱,分類や診断基準の変遷をよび,それに応じて第4版では大きな改訂がなされた.前回の改訂からまだ5年が経過しただけであるが,日進月歩の医学の進歩は病理組織形態学というほぼ確立した学問領域においても,少なからず新しい知見の集積をもたらしている.
 そこで新たに真鍋俊明教授と吉野 正教授を加えた新編集委員会で本書の改訂が話し合われ,一部で新旧執筆者の交代あるいは執筆者の追加を行い,前版の執筆者担当部分にも小改訂を行うことが決められた.
 本書は創刊以来学生諸君や初心者が読みやすく見やすい本であることを心がけ,一疾患を一頁に収めることを基本にしてきたが,新執筆者にもこの原則をできるだけ守っていただいた.また全体の体裁を統一するため編集委員会で執筆内容に多少の変更を加えさせていただいたことをお断りしたい.病理組織学実習書の生命は図がきれいなことである.できるだけ鮮明で色調の良い図を用いるよう各執筆者にはお願いし,出版社にも色調の調整をお願いした.まだ十分とはいえないが満足できる出来ばえになったと考える.各章間に内容の濃淡が生じ一部の内容が学生諸君や病理学の初学者には詳しすぎる点については,執筆内容については各執筆者に一任したためでお許し願いたい.
 本書が前版同様病理組織学の初期研修に広く活用されることを祈念する.書物は読者によって育てられるものである.読者各位の忌憚のないご批判,ご教示を期待したい.
 また最近のCBTや国家試験に病理組織に関する問題がしばしば出題されることに鑑み,本書に掲載された疾患の中から100疾患を厳選し,Webサイトを作成した.図に簡単な質問と回答を付し本書購読者の試験対策の便を図ったので,本書とともに活用されることを希望する.
 最後に,ご多忙の中をご執筆くださった執筆者各位ならびに編集・出版の万般にご協力くださった医歯薬出版株式会社の関係各位に深甚なる謝意を表する次第である.
 2007年7月
 監修者 赤木忠厚

第4版序
 本書は「学生と,学生のみならず病理組織学の習得を志す初心者に役立つ入門書を」との,創始者故浜崎幸雄教授の主旨に沿って,1972年に創刊された実習書である.以来,医学の進歩に応じ大小の改訂,増補を加え,増刷を重ねて全国的に広く利用されてきたことは,執筆,編集に携わった者一同にとり等しく大きなよろこびであり,感謝に堪えないところである.
 周知のように医学の進歩は近年格段と著しく,病理学においても,とくに分子病理学的研究の発展が著しく,中でも免疫組織学的検索の相次ぐ開発が疾患の本質を明らかにし,鑑別診断を行うのに多大の貢献を果しつつある.
 それに伴い,組織形態の認識を骨子とする病理組織診断の領域でも,これら近代的な知見の導入による疾患概念の変遷や新しい概念の出現,それによる疾患分類や規約の改正,あるいは新しい鑑別診断法の提唱など大小さまざまな刷新が後を絶たない現況である.
 このような情勢に鑑み,編集委員会ではかねてから本書の改訂が議論にのぼり,執筆者も新しい世代の病理学者と交代する全面的な改版に踏み切ることに意見が一致した.以来,討議を重ね,編集委員会も改組し,赤木忠厚教授を中心に新しい委員により準備が進められ,旧版ご執筆者のご承諾を得て若干旧版の内容を引用あるいは転載させて頂いたほかは新しい執筆者による時代に即応した改訂第4版が上梓に至ったのである.
 疾患の採択や内容は原則として執筆者各位に一任したが,さらに編集委員会によって創刊の主旨が継承されるよう慎重な検討が加えられた.このようにして生れ変った本書は,学生諸君や病理組織診断の習熟を目指す諸君の座右にあって,必ずや充分有用であると信じるものである.
 ここに末筆ながら,旧版および新版をご執筆下さったすべての方々の並々ならぬご苦労,並びに医歯薬出版株式会社の編集万端をお世話下さった編集担当者ほか関係各位の終始変らぬご協力に深甚の感謝を表明する次第である.
 2002年早春
 編集顧問 小川勝士

第3版の増補に際して
 本書が面目を新たにカラーアトラスとして世に出てから2年半が経過した.この度増刷の時期を迎えるに際して聞き及んだところ,本書が全国で広く活用されているとのこと,関係者一同の安堵とよろこびは大なるものがある.さらに多くの方々から直接に,あるいは書評や読者カードを通じて病理組織の学習の手引き書としての本書の特色について高い評価を頂いたり,また改善すべき点について忌憚のないご意見を頂戴したことは感謝の至りである.
 実は本書の増刷が急がれている時ではあるが,可能な限りこれら貴重なご意見に沿い,また新しい概念や規約など必要な事項があれば多少とも加筆して頂くよう執筆者に検討をお願いした.もとより増刷の場合は頁数に制限があるから充分意を尽すことは許されないが,余白を利用するなど執筆者のご努力により若干の加筆を行うことができた.
 書物もまた生きものであり,成長とともに新陳代謝が必要である.日進月歩の医学の進歩の中で病理組織学の内容にも大なり小なり変革の波が及ぶに違いない.本書が時代に則して成長して欲しいと願う者として,今後とも読者各位のご教示,ご鞭撻を切に期待する次第である.
 1997年1月
 監修者 小川勝士

第3版序
 この度本書の第3版が面目を一新して上梓の運びに至ったことはよろこびに堪えない.
 顧みると本書はそのルーツを,古く戦中戦後の時代に医学生に広く親しまれた,故浜崎幸雄教授著『病理組織標本の見方と鑑別診断の付け方』に遡ることができる.この教科書は一定の剖検標本について病理組織所見の読み方を懇切に指導した入門書として有名であった.その後時代の推移とともに,臨床医学の要望に応じて外科病理学が華々しく台頭し,病理組織学の教育内容も解剖病理学の基礎知識に留まらず,生検材料の組織診断に対応し得る修練をも目標とするように拡大した.
 本書はこのような状況に鑑み,『病理組織学をはじめて学ぶ学生と,病理学を専攻すべく組織診断の修練をはじめた大学院生や研究生のためにわかり易い手引き書を作りたい』との浜崎教授のかねてからの念願に基づいて昭和47年に創刊されたものである.
 以来増刷を重ね,ことに昭和50年代後半から目立つようになった種々な疾患概念や分類の変遷,あるいは診断基準の設定などに応じ昭和58年には改訂増補が行われたのであるが,この時以来図譜のカラー化を含めて新しい執筆者による次なる全面改訂が企画され,徐々に準備が進められた.
 先ず新しい改訂版の執筆については主として旧版執筆者のご推せんに基づき,各専門分野にご造詣が深く,斯界でご活躍中の方々に分担をお願いした.また編集の実際に当たっては編集委員会を設け,収録疾患の選択,図譜の適否をはじめ内容全般にわたり慎重な検討を重ねた.
 このようにして本書には大学のカリキュラムの中で学生実習に必要な重要疾患はすべて網羅されている筈であり,さらに大学院生や研究生諸君が日常悩みとする鑑別診断についても疾患名を挙げ,鑑別の要点が指摘されている.学習の便利を意図して採用した『一疾患を1頁に収録する体裁』も初版の形式を踏襲し,記載内容が超過する項目については2頁単位としてそのために不都合が起こることのないよう考慮した.また「参考事項」も関連事項の理解に役立つことが多いと思う.
 以上のように,執筆者の多くが交替し,執筆者の主体性に応じ内容も一新したが,読者諸氏は本書の随所にこれら編集上の配慮とともに初学者にわかり易いようにとの創刊の主旨が継承されていることに気付かれるであろう.幸い本書が旧版にも増して広く学生諸君や研究生あるいは臨床医家の方々の座右にあって病理組織学の習得に大いに役立って欲しいと念願するものである.
 末筆ながら本書の創刊者故浜崎幸雄教授,第1,第2版の執筆をご分担下さった故藤巻茂夫教授,故北村四郎教授,および第3版をご分担下さった故石田陽一教授のご霊前に改訂第3版の上梓をご報告するとともに,謹んでご冥福をお祈り申し上げたい.石田教授のご急逝は大きい驚きであり悲しみであったが,すでにご担当の章はほぼ大綱のご執筆が終っていたので後の諸作業と新しい概念の若干の疾患の追加は中里洋一教授(群馬大学)に引き継ぎをお願いした.
 ここに新旧版を通じてご執筆ないしご支援を賜ったすべての方々の並々ならぬご苦労,ご尽力に対し衷心より感謝の誠を捧げるものである.
 また長年にわたり企画,編集,出版の万般につき終始快くご協力下さった医歯薬出版の関係各位に心からの御禮を申し述べる次第である.
 1994年4月
 監修者 小川勝士

第2版序
 本書が世に出てから早くも10年の歳月が経過した.医学の進歩はじつに目覚ましいものであるが,とりわけこの10年間におけるそれは,二世紀にわたる磐石の歴史の上に築かれた病理形態学の殿堂にもまさに怒濤のごとくおし寄せた感がある.その波は,たとえばリンパ腫や軟部組織の腫瘍など,部門によっては分類や概念の柱に大きい動揺をもたらした.本書の内容を,このような日進月歩の動きに即応せしめることがかねてよりの懸案であったが,このたび執筆者各位のご努力によりこの念願を果たし得たことはよろこびに堪えない.
 本書は監修者浜崎が,学生,病理学研修生,あるいは臨床医学家を対象に,初心者が学習や日常の組織診断に当たり病理組織学を容易に理解できるようにと意図して編集したものである.医学の前進にとって過渡期の混乱は必然の段階であるから,今回の改訂では時代の流れを踏まえてそれを採り入れたが,終始浜崎の意図は貫かれたはずである.
 今回の改訂に当たっては,ご多忙の中をご努力いただいた執筆者各位,ならびに種々無理なお願いを了承され,快くご協力くださった医歯薬出版に心からの感謝を表明したい.
 昭和58年4月
 監修者
 浜崎幸雄
 小川勝士


 病理組織学は,病理学総論を一応修得したものが,与えられた病的組織を鏡検することによって,理論と実際を対比して病理現象に対する認識を深める学問である.しかし実地医学ではこの学問は基礎医学と臨床医学との干渉地帯であるために,複雑多岐な難問が日常かもし出される.たとえば,由来のはっきりしない標本,固定や切り出しの十分でない標本を見せられることは毎々のことであるが,これらも相当の責任をもって診断をつけねばならない.警戒すべきことは臨床医は標本を病理学者に提出さえすれば,万病立ちどころに確診が得られるかのように考える向きもあって,臨床生化学検査の成績はおろか,性別,年齢の記載すら怠るものがある.いずれにしても,病理診断が四肢の切断や胃の全剔など,重大な治療方針を決定する場合が多いことを,くれぐれも忘れないでほしい.
 このように思いをめぐらして来ると,病理学実習に当って従来一般に行なわれているように,この標本は○○病であり,それにはa,b,c…の所見があるといった,被働式な教え方では実地医学の場では物の役に立たない.願わくば学生には診断不明のまま組織標本を与え,この標本にはa,b,cの所見がある.そこでこれは○○病であると言った形式で診断をつける術を修得せしめられたい.
 本書の編集に当っては努めて後の形式を目標として,鑑別診断に重きをおいたが,執筆者の好みにより記載の形式にいささか異同が見られるのは止むを得ないことである.そこで本書を教材として病理組織学を学ばんとされる方々にお願い致したいことは,上に述べた編集理念を常に念頭において修学していただきたいことである.
 著者は単独執筆としたものが首尾一貫して文体,術語,記載の形式が一定し読者には理解に便利である.しかし近来,病理学の分野は急激に拡大され同時に分化が行なわれ,また他の専門分野との交流が激しくなり,そのために単独執筆ではこの複雑化した病理学を処理することは,はなはだ困難な状態となった.本書の編集に当っては,この点に鑑みそれぞれの分野における新進気鋭の先生方に執筆をご依頼し,日進月歩の学界に適応できる教書たらんと願った.しかしいたずらに高踏して理論に走ることなく,学生,病理学研修生および一般医師に対して病理組織検査の好伴侶となり,日常の診断に直接役立たしめることを終始変わらぬ念願とした.
 昭和47年4月
 浜崎幸雄
プロローグ(赤木忠厚 吉野 正 向井 清)
 (1)本書の有効な利用法
  ・購読者向けオンラインサービス
 (2)病理組織診断の心得
 (3)特殊染色と免疫組織化学
  ・診断に有用な特徴的電子顕微鏡所見
第1章 循環器系(1),(2)
 (1)心臓(植田初江)
  ・概説
  ・大動脈弁病変
  ・僧帽弁病変
  ・心内膜疾患
  ・冠動脈血栓症
  ・心筋梗塞とインターベンション後の病理
  ・心筋炎
  ・特発性心筋症(1)
  ・特発性心筋症(2)
  ・特殊(二次性)心筋症
  ・心臓原発性腫瘍(良性)
  ・循環器原発性腫瘍(悪性)
  ・心臓移植後の拒絶反応
 (2)血管(根本則道)
  ・概説
  ・粥状硬化症(大動脈粥状硬化症および粥状硬化性大動脈瘤)ならびに脳動脈瘤
  ・筋性動脈中膜石灰化および細動脈硬化
  ・大動脈解離および大動脈嚢胞状中膜壊死
  ・高安動脈炎(大動脈炎症候群)
  ・梅毒性大動脈炎および巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
  ・結節性多発動脈炎(結節性動脈周囲炎)および閉塞性血栓性血管炎
  ・川崎病および紫斑病性血管炎
  ・ANCA関連血管炎(チャーグ・ストラウス症候群およびウェゲナー肉芽腫症)
  ・脳内血管病変(もやもや病,脳動静脈奇形および脳アミロイド血管症)
  ・静脈瘤,静脈硬化症および特発性腸間膜静脈硬化症
  ・血栓症および播種性血管内凝固
  ・塞栓症〔腫瘍塞栓,骨髄塞栓,コレステリン(粥腫)塞栓および血栓性塞栓〕
  ・動脈の線維筋性異形成ならびに血管の肉腫(大静脈平滑筋肉腫および大動脈内膜肉腫)
第2章 造血器系(定平吉都)
  ・概説
  ・膠様髄,再生不良性貧血および赤芽球癆
  ・無顆粒球症および特発性血小板減少性紫斑病
  ・鉄欠乏性貧血
  ・溶血性貧血
  ・巨赤芽球性貧血
  ・骨髄異形成症候群
  ・急性骨髄性白血病(1)
  ・急性骨髄性白血病(2)
  ・急性骨髄性白血病(3)
  ・急性リンパ芽球性白血病
  ・慢性骨髄性白血病
  ・骨髄増殖性疾患
  ・多発性骨髄腫および成人T細胞白血病/リンパ腫
  ・慢性リンパ性白血病および有棘細胞白血病
第3章 リンパ節・脾・胸腺(吉野 正 中村栄男)
  ・概説
  ・反応性リンパ節炎
  ・結核性リンパ節炎およびサルコイドーシス
  ・伝染性単核球症およびトキソプラズマ性リンパ節炎(ピリンガーリンパ節炎)
  ・猫ひっかき病
  ・組織球性壊死性リンパ節炎(菊池-藤本病)
  ・皮膚病性リンパ節症
  ・キャッスルマン病
  ・薬剤性リンパ節症
  ・悪性リンパ腫(1)
  ・悪性リンパ腫(2)
  ・悪性リンパ腫(3)
  ・悪性リンパ腫(4)
  ・悪性リンパ腫(5)
  ・悪性リンパ腫(6)
  ・悪性リンパ腫(7)
  ・悪性リンパ腫(8)
  ・悪性リンパ腫(9)
  ・悪性リンパ腫(10)
  ・悪性リンパ腫(11)
  ・悪性リンパ腫(12)
  ・血球貪食症候群
  ・ランゲルハンス細胞組織球症
  ・脾の慢性うっ血
  ・脾アミロイド症
  ・ニーマン・ピック病とゴーシェ病
  ・胸腺腫
第4章 呼吸器系(松原 修)
  ・概説
  ・喉頭ポリープ(謡人結節),声帯乳頭腫および喉頭癌
  ・気管支喘息,びまん性汎細気管支炎および閉塞性細気管支炎
  ・肺水腫,肺うっ血および肺の出血性梗塞
  ・肺動脈血栓塞栓症,脂肪塞栓および骨髄塞栓
  ・肺高血圧症
  ・肺拡張不全(無気肺),肺硝子膜症および肺気腫
  ・肺のランゲルハンス細胞組織球症および肺リンパ管筋腫症
  ・気管支肺炎および肺膿瘍
  ・大葉性肺炎,器質化肺炎,リポイド肺炎および嚥下性肺炎
  ・肺結核症(1)
  ・肺結核症(2)
  ・サルコイドーシス
  ・過敏性肺臓炎(外因性アレルギー性肺胞炎)および好酸球性肺炎
  ・アスペルギルス症およびクリプトコッカス症
  ・カンジダ症(モニリア症)およびムコール菌症
  ・ニューモチスシス肺炎および巨細胞封入体肺炎
  ・塵肺症
  ・ウェゲナー肉芽腫症
  ・びまん性肺胞出血および肺胞蛋白症
  ・びまん性肺胞傷害および急性間質性肺炎
  ・通常型間質性肺炎
  ・離性間質性肺炎,巨細胞性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎
  ・肺線維症および原因不明の器質化肺炎
  ・肺過誤腫および肺カルチノイド腫瘍
  ・肺癌(1)
  ・肺癌(2)
  ・肺癌(3)
  ・胸膜悪性中皮腫および孤在性胸膜線維腫
第5章 消化器系(1),(2),(3),(4),(5)
 (1)口腔および関連領域(小川郁子 高田 隆)
  ・概説
  ・扁平上皮癌および上皮性異形成症(1)
  ・扁平上皮癌および上皮性異形成症(2)
  ・顆粒細胞腫,先天性エプーリスおよび疣贅型黄色腫
  ・エプーリス(炎症性歯肉過形成)
  ・口腔カンジダ症および放線菌症
  ・巨細胞病変(巨細胞肉芽腫)
  ・粘液瘤とガマ腫ならびに皮様嚢腫と表皮嚢腫
  ・歯根嚢胞,含歯性嚢胞,術後性上顎嚢胞および鼻口蓋管嚢胞
  ・線維性異形成症および骨性異形成症
  ・エナメル上皮腫
  ・石灰化上皮性歯原性腫瘍および腺腫様歯原性腫瘍
  ・角化嚢胞性歯原性腫瘍
  ・エナメル上皮線維腫,エナメル上皮線維歯牙腫,歯牙腫および石灰化嚢胞性歯原性腫瘍
  ・歯原性線維腫,歯原性粘液腫,セメント芽細胞腫および骨形成線維腫
  ・多形腺腫および筋上皮腫
  ・ワルチン腫瘍および基底細胞腺腫
  ・腺房細胞癌および粘表皮癌
  ・腺様嚢胞癌
  ・多型低悪性度腺癌,上皮筋上皮癌および腺癌NOS
  ・唾液腺導管癌,多形腺腫由来癌腫および癌肉腫
  ・慢性硬化性唾液腺炎(キュットネル腫瘍)およびシェーグレン症候群
 (2)食道・胃(岩下明徳)
  ・概説
  ・食道の異所形成とバレット食道
  ・食道炎
  ・食道の良性上皮性腫瘍
  ・食道癌(1)
  ・食道癌(2)
  ・食道の非上皮性腫瘍
  ・急性胃炎
  ・慢性胃炎
  ・特殊型胃炎
  ・胃潰瘍
  ・胃ポリープ(1)
  ・胃ポリープ(2)
  ・胃ポリープ(3)
  ・胃癌(1)
  ・胃癌(2)
  ・胃癌(3)
  ・胃癌(4)
  ・胃の非上皮性腫瘍
 (3)腸管(中村眞一)
  ・概説
  ・虚血性腸炎
  ・腸結核
  ・潰瘍性大腸炎(1)
  ・潰瘍性大腸炎(2)
  ・クローン病(1)
  ・クローン病(2)
  ・偽膜性大腸炎
  ・細菌性腸炎(1)
  ・細菌性腸炎(2)
  ・アメーバ赤痢
  ・腸型ベーチェット病および単純性腸潰瘍
  ・急性虫垂炎
  ・寄生虫性腸炎
  ・ブルンネル腺過形成および十二指腸異所性胃腺
  ・過形成結節,過形成ポリープおよび移行帯粘膜
  ・粘膜脱症候群および類縁疾患
  ・炎症性ポリープおよび炎症性筋腺管ポリープ
  ・若年性ポリープおよびポイツ・ジェガース症候群
  ・大腸腺腫(1)
  ・大腸腺腫(2)
  ・大腸腺腫(3)
  ・大腸表面型腫瘍
  ・虫垂の上皮性腫瘍様病変ならびに上皮性腫瘍
  ・大腸癌
  ・カルチノイド腫瘍
  ・血管異形成症,腸管気腫症および子宮内膜症
 (4)肝・胆道系/膵(中沼安二)
  ・概説
  ・肝脂肪沈着(大滴性および小滴性)
  ・ヘモクロマトーシス(血色素症)
  ・ウィルソン病
  ・急性ウイルス性肝炎(古典的)
  ・急性ウイルス性肝炎(帯状壊死型,架橋性壊死型)ならびに亜広汎性,広汎性肝壊死
  ・慢性ウイルス性肝炎(定義および進展)
  ・慢性ウイルス性肝炎の分類(病期および活動度)
  ・慢性ウイルス性肝炎(C型肝炎およびB型肝炎)と自己免疫性肝炎
  ・新生児肝炎
  ・薬剤性肝障害(胆汁うっ滞型および肝炎型)
  ・アルコール性肝線維症,アルコール性肝炎および非アルコール性脂肪性肝炎
  ・肝うっ血(急性および慢性)と静脈閉塞性疾患
  ・閉塞性黄疸(急性期および慢性期)
  ・化膿性胆管炎,肝膿瘍および硬化性胆管炎
  ・原発性胆汁性肝硬変(初期および肝硬変期)
  ・慢性肝疾患と肝硬変症一般(慢性肝疾患から肝硬変へ)
  ・慢性肝疾患および肝硬変症(肝硬変の定義と分類)
  ・肝硬変(ウイルス性肝炎性)(1.小結節性)
  ・肝硬変(ウイルス性肝炎性)(2.大結節性)
  ・肝硬変(アルコール性および胆汁性)
  ・肝細胞癌(1.組織構造および細胞異型)
  ・肝細胞癌(2.細胞学的変化および表現型)
  ・肝細胞癌(3.高分化肝細胞癌)
  ・肝細胞腺腫および肝芽腫
  ・肝内胆管癌
  ・海綿状血管腫および血管肉腫
  ・肝吸虫症および日本住血吸虫症
  ・デュビン・ジョンソン症候群およびアミロイドーシス
  ・慢性胆嚢炎(+胆石症)および胆嚢コレステローシス/コレステロールポリープ
  ・胆嚢癌
  ・急性膵炎(脂肪壊死)
  ・慢性膵炎および自己免疫性膵炎
  ・浸潤性膵癌(腺癌)および膵管内乳頭状粘液性腫瘍
第6章 泌尿器系(田口 尚)
  ・概説
  ・微小変化および微小変化ネフローゼ症候群
  ・巣状分節状糸球体硬化症
  ・膜性糸球体腎炎/膜性腎症
  ・IgA腎炎(1)
  ・IgA腎炎(2)
  ・管内増殖性糸球体腎炎/溶連菌感染後急性糸球体腎炎
  ・急速進行性糸球体腎炎/半月体形成性糸球体腎炎
  ・膜性増殖性糸球体腎炎(1)
  ・膜性増殖性糸球体腎炎(2)
  ・硬化性糸球体腎炎/末期腎
  ・ループス腎炎
  ・糖尿病性腎症
  ・アミロイドーシス
  ・結節性多発(性)動脈炎およびウェゲナー肉芽腫症
  ・遺伝性腎炎
  ・多発性嚢胞腎
  ・腎硬化症
  ・尿細管の変性
  ・急性尿細管壊死および腎皮質壊死
  ・腎盂腎炎
  ・移植腎および拒絶反応
  ・腎の良性腫瘍
  ・腎細胞癌(1)
  ・腎細胞癌(2)
  ・腎芽腫
  ・膀胱炎
  ・膀胱腫瘍
第7章 生殖器系(1),(2),(3)
 (1)男性性器(白石泰三 古里征國)
  ・概説
  ・前立腺炎
  ・前立腺肥大症(結節性過形成)
  ・前立腺癌(1)
  ・前立腺癌(2)
  ・前立腺癌(3)
  ・精巣の発育異常
  ・精巣・精巣上体の炎症
  ・精細管内悪性胚細胞
  ・セミノーマ
  ・精母細胞性セミノーマおよび悪性リンパ腫
  ・胎児性癌および奇形癌
  ・卵黄嚢腫瘍(胎児性癌,幼児型・内胚葉洞腫瘍)
  ・奇形腫および関連疾患
  ・性索/性腺間質腫瘍
  ・その他の精巣および付属器の腫瘍
  ・陰茎のコンジローマ
  ・陰茎の腫瘍
 (2)女性生殖器(笹野公伸)
  ・概説
  ・血管筋線維芽腫
  ・乳頭汗腺腫
  ・外陰パジェット病
  ・子宮腟部腺症
  ・子宮頸部扁平上皮病変(1)
  ・子宮頸部扁平上皮病変(2)
  ・子宮頸部腺癌
  ・子宮内膜増殖症
  ・子宮内膜癌
  ・子宮平滑筋腫瘍
  ・子宮内膜間質腫瘍
  ・卵巣漿液性・粘液性上皮腫瘍(1)
  ・卵巣漿液性・粘液性上皮腫瘍(2)
  ・ブレンネル腫瘍
  ・顆粒膜細胞腫
  ・線維腫および莢膜腫
  ・ステロイド細胞腫
  ・奇形腫
  ・内胚葉洞型卵黄嚢腫瘍
  ・胞状奇胎
  ・絨毛癌
 (3)乳腺(井内康輝)
  ・概説
  ・女性化乳房および若年性肥大
  ・乳腺症
  ・線維腺腫
  ・乳管内乳頭腫
  ・異型乳管上皮過形成および異型小葉増生症
  ・非浸潤癌
  ・浸潤性乳管癌
  ・特殊型浸潤癌
  ・浸潤性小葉癌およびパジェット病
  ・葉状腫瘍
第8章 内分泌臓器系(佐野壽昭 廣川満良)
  ・概説
  ・クルーク変性,下垂体前葉壊死および下垂体卒中
  ・リンパ球性下垂体炎
  ・下垂体腺腫(1)
  ・下垂体腺腫(2)
  ・下垂体腺腫(3)
  ・頭蓋咽頭腫およびラトケ嚢胞
  ・亜急性甲状腺炎
  ・橋本病
  ・バセドウ病
  ・腺腫様甲状腺腫
  ・甲状腺濾胞腺腫
  ・甲状腺濾胞癌
  ・甲状腺乳頭癌
  ・甲状腺髄様癌(C細胞癌)
  ・甲状腺未分化癌および悪性リンパ腫
  ・副甲状腺過形成
  ・副甲状腺腺腫および副甲状腺癌
  ・糖尿病膵と加齢に伴う膵島変化
  ・膵内分泌腫瘍(1)
  ・膵内分泌腫瘍(2)
  ・副腎の萎縮,変性および感染症
  ・副腎皮質の過形成
  ・副腎皮質腺腫(1)
  ・副腎皮質腺腫(2)
  ・副腎皮質癌
  ・副腎褐色細胞腫
  ・副腎神経芽腫群の腫瘍
第9章 神経系(1),(2)
 (1)腫瘍(中里洋一)
  ・概説
  ・限局性星細胞腫
  ・びまん性星細胞腫
  ・退形成星細胞腫
  ・膠芽腫
  ・乏突起膠腫
  ・上衣系腫瘍(1)
  ・上衣系腫瘍(2)
  ・神経細胞系腫瘍(1)
  ・神経細胞系腫瘍(2)
  ・松果体腫瘍
  ・胎児性脳腫瘍
  ・シュワン細胞腫
  ・髄膜腫
  ・血管芽腫,血管周皮腫および孤発性線維性腫瘍
 (2)炎症,変性,循環障害,代謝異常(大浜栄作)
  ・概説
  ・急性化膿性髄膜炎
  ・単純ヘルペス脳炎
  ・亜急性硬化性全脳炎
  ・進行性多巣性白質脳症
  ・ヒトTリンパ球向性ウイルス脊髄症
  ・多発性硬化症
  ・クロイツフェルト・ヤコブ病
  ・アルツハイマー型認知症
  ・ピック病
  ・ハンチントン病
  ・パーキンソン病
  ・進行性核上性麻痺
  ・オリーブ橋小脳萎縮症
  ・遺伝性皮質小脳萎縮症
  ・マシャド・ジョセフ病
  ・歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症
  ・フリードライヒ運動失調症
  ・筋萎縮性側索硬化症
  ・傍腫瘍性小脳変性症
  ・脳出血
  ・くも膜下出血と脳動静脈奇形
  ・脳梗塞
  ・血管性認知症とビンスワンガー病
  ・白質ジストロフィー
  ・脳脂質症およびテイ・サックス病
  ・肝性脳症
  ・ウェルニッケ脳症
  ・橋中心髄鞘崩壊
  ・ミトコンドリア脳筋症
第10章 骨・関節(野島孝之)
  ・概説
  ・くる病および骨軟化症
  ・骨粗鬆症
  ・骨折
  ・化膿性骨髄炎
  ・副甲状腺機能亢進症における骨変化
  ・好酸球性肉芽腫
  ・線維性異形成
  ・骨パジェット病
  ・孤立性骨嚢腫および動脈瘤様骨嚢腫
  ・骨軟骨腫,骨膜性軟骨腫および内軟骨腫
  ・軟骨芽細胞腫および軟骨粘液様線維腫
  ・軟骨肉腫(1)
  ・軟骨肉腫(2)とその亜型
  ・骨腫,類骨骨腫および骨芽細胞腫
  ・骨肉腫(1)
  ・骨肉腫(2)と表在性骨肉腫
  ・骨巨細胞腫
  ・ユーイング肉腫および末梢型未分化神経外胚葉性腫瘍
  ・非骨化性線維腫
  ・脊索腫
  ・アダマンチノーマ
  ・転移性骨腫瘍
  ・慢性関節リウマチおよび変形性関節症
  ・骨壊死,人工関節の弛みおよびガングリオン
  ・結晶性関節炎
  ・色素性絨毛結節性滑膜炎および腱鞘巨細胞腫
  ・滑膜軟骨腫症および骨軟部軟骨腫
第11章 軟部組織(岩崎 宏)
  ・概説
  ・線維腫および孤在性線維性腫瘍
  ・小児の線維性腫瘍ならびに小児および若年者の線維腫症
  ・結節性筋膜炎および増殖性筋炎
  ・弾性線維腫
  ・線維腫症
  ・線維肉腫および低悪性線維粘液性肉腫
  ・線維性組織球腫および隆起性皮膚線維肉腫
  ・悪性線維性組織球腫
  ・脂肪腫
  ・血管脂肪腫,紡錘形細胞脂肪腫および脂肪芽腫
  ・脂肪肉腫
  ・平滑筋腫および平滑筋肉腫
  ・横紋筋肉腫
  ・血管腫
  ・リンパ管腫
  ・血管肉腫およびカポジ肉腫
  ・グロームス腫瘍(血管球腫)および血管外周皮腫
  ・腱滑膜の巨細胞腫および滑膜肉腫
  ・シュワン腫(神経鞘腫)
  ・神経線維腫および神経線維腫症
  ・悪性末梢神経鞘腫瘍(悪性シュワン腫,神経線維肉腫)
  ・未分化神経外胚葉性腫瘍およびユーイング肉腫
  ・傍神経節腫(パラガングリオーマ,化学受容体腫)
  ・軟部の軟骨肉腫
  ・淡明細胞肉腫(軟部の悪性黒色腫)
  ・胞巣状軟部肉腫
  ・類上皮肉腫
  ・炎症性病変および変性疾患
  ・神経原性筋萎縮
  ・進行性筋ジストロフィー,筋緊張性ジストロフィーおよび多発性筋炎
第12章 皮膚および皮膚付属器(真鍋俊明)
  ・概説
  ・接触皮膚炎
  ・慢性単純性苔癬および結節性痒疹
  ・多形滲出性紅斑
  ・尋常性乾癬
  ・扁平苔癬
  ・結節性紅斑
  ・硬結性紅斑
  ・エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)
  ・強皮症
  ・アレルギー性血管性紫斑病(シェーンライン・ヘノッホ紫斑病)
  ・尋常性天疱瘡
  ・水疱性類天疱瘡
  ・皮膚表在性真菌症および深在性真菌症
  ・皮膚結核およびハンセン病
  ・尋常性疣贅および伝染性軟属腫
  ・単純疱疹および帯状疱疹
  ・黄色腫
  ・脂漏性角化症
  ・基底細胞癌
  ・ケラトアカントーマ
  ・日光角化症
  ・ボーエン病
  ・扁平上皮癌
  ・表皮嚢腫
  ・毛母腫
  ・エックリン系腫瘍
  ・アポクリン系腫瘍
  ・脂腺腫および脂腺癌
  ・肥厚性瘢痕およびケロイド
  ・化膿性肉芽腫
  ・母斑細胞母斑(色素性母斑)
  ・悪性黒色腫
  ・菌状息肉症
第13章 感覚器系(1),(2),(3)(伊藤智雄)
 (1)眼球および付属器
  ・概説
  ・眼瞼の炎症疾患および脂腺癌
  ・悪性リンパ腫
  ・網膜芽細胞腫および悪性黒色腫
 (2)鼻,副鼻腔
  ・概説
  ・鼻茸および乳頭腫
  ・扁平上皮癌
  ・リンパ上皮癌
  ・悪性黒色腫
  ・嗅神経芽腫
 (3)耳
  ・概説
  ・真珠腫
  ・反復性多発性軟骨炎
 略語一覧
 文献
 索引