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Special report 現地徹底取材 それぞれのIDS 2023 歯科医療の未来をカタチづくる歯科器材

第1部 歯科材料研究者&歯科技工士が見たIDS 2023
はじめに
 ドイツのケルンで2年に一度開催されるIDS(International Dental Show)は歯科業界で最も重要な展示会と認識されており,世界中から集まる革新的な最新技術や製品のレベルは群を抜いている.今回のIDS2023は1923年に第1回のIDSが開催されてから100年目にあたる記念すべき大会(図1)であり,“Shaping the dental future“(歯科医療の未来をカタチづくる)がメインテーマであった.大会事務局によれば,今回のトレンドは2つあり,“The stringent digital workflow and an improved sustainability”=「デジタルワークフローの厳格化」と「持続可能性の向上」に集約されるとしている.筆者(伴)は今回で3回目の参加になるが,今回の開催現場では数々の画期的な改善がなされ,展示内容に派手さはないものの,確実な進化が感じられた.
 本稿で展示内容を全て報告することは困難であるので,特定のテーマに焦点を絞り,それぞれの立場から見て感じた内容について報告する.第1部では歯科材料研究者と歯科技工士の視点から見たデジタルワークフロー関連を中心に,まず,開催状況の変化について説明する.
 伴 清治 愛知学院大学歯学部歯科理工学講座
 鶴木次郎 鶴木クリニック医科歯科(千葉県市川市)


第2部 開業歯科医師が見たIDS 2023 (1) 口腔内スキャナーを中心に
はじめに
 2023年3月14〜18日にドイツのケルンにて行われた世界最大のデンタルショーIDS2023は筆者にとっては4年ぶり,2017年の初参加から3回目の参加となった.今回は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により久方ぶりの開催かつIDS100回記念ということもあり期待が大きい参加であったので,一臨床家として2017年からの変化を踏まえて報告させていただきたい.
 奥田祐司 亀戸デンタルオフィス(東京都江東区)
Opening Graph IDS 2023
 Since1923 → 100 years → Future in dentistry

IOS 初めて口腔内スキャナーを使うあなたへ
 Part 2 口腔内スキャナー“イロハのイ”の基礎知識
 (疋田一洋)

Special report 現地徹底取材 それぞれのIDS 2023 歯科医療の未来をカタチづくる歯科器材[前編]
 第1部 歯科材料研究者 & 歯科技工士が見たIDS 2023
 (伴 清治・鶴木次郎)
 第2部 開業歯科医師が見たIDS 2023 (1):口腔内スキャナーを中心に
 (奥田祐司)

Artificial molar teeth ジルコニアを活用した新しいブレード人工臼歯の開発と臨床
 咀嚼機能・経済性・審美性のバランスに優れた無歯顎治療のために
 (阿部晴彦・阿部薫子)

連載 歯科医院のための内科学講座(50)
 第50回記念インタビュー
 「歯科における医学のあり方を考える」
 (柳川 徹)

コバルトコーヌス クリニカルケースプレゼンテーション(10)
 マージン不適合などに伴う度重なる通院に悩んできた患者へのコバルトコーヌス治療
 (長谷川英毅)

Home-visit Dental Care 歯科訪問診療 その現状と歯科医師の役割[後編]
 超高齢社会の国民健康福祉に貢献するために
 (誉田栄一・井藤克美・石田哲也/鶴木次郎(コーディネーター))

News & Report
 公益社団法人 日本補綴歯科学会 第132回学術大会・設立90周年記念大会を開催