はじめに
安保雅博
東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
近年,リハビリテーション治療は大きな変革期を迎えています.少子高齢化の進展,医療技術の革新,さらには社会の価値観の変化により,その役割や守備範囲が大きく拡大しているのです.かつては,主に医療機関内での治療が中心でしたが,現在では在宅リハビリテーション医療や地域包括ケアの重要性が高まっています.特に,高齢者や慢性疾患を抱える患者に対して,地域社会全体で支える仕組みが求められています.この流れを受けて,リハビリテーション専門職だけでなく,一般の介護従事者や家族もリハビリテーション医療に関与する機会が増えています.さらに現在ではその概念が広がり,予防医療,慢性疾患管理,さらには健康増進やQOLの向上にまで及んでいます.よって,現在“活動を育む医学“として,リハビリテーション医学は,疾病や外傷で低下した身体的・精神的機能を回復させ,障害を克服するという従来の解釈の上に立ち,人の営みの基本である“活動”に着目し,その賦活化を図る過程をリハビリテーション医学・医療の中心に据えることにしています.
現在のリハビリテーション科の診療は,疾患多様性であり,病期多様性となり,かねてからいわれているリハビリテーション治療の質や量に対して抜本的な変革をしなくてはならない時期であるともいえます.よって,本特集「大変革期のリハビリテーション治療と拡大する守備範囲」の企画立案し,わかりやすく,「治療技術の進化」,あえて「疾患別リハビリテーション治療の進化」と「領域の拡大」の大項目に分け,22題目について一線で活躍されている先生方に執筆をお願いいたしました.本特集では,それぞれの項目における最新のリハビリテーション医学・医療の動向や技術革新を紹介するとともに,今後の展望についてもわかりやすく解説していただいています.よって,この本特集が,リハビリテーション医療に関わるすべての人が,リハビリテーション治療が大きな変革期であることを理解し,よりよい未来を築くための一助となることを願っています.
安保雅博
東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
近年,リハビリテーション治療は大きな変革期を迎えています.少子高齢化の進展,医療技術の革新,さらには社会の価値観の変化により,その役割や守備範囲が大きく拡大しているのです.かつては,主に医療機関内での治療が中心でしたが,現在では在宅リハビリテーション医療や地域包括ケアの重要性が高まっています.特に,高齢者や慢性疾患を抱える患者に対して,地域社会全体で支える仕組みが求められています.この流れを受けて,リハビリテーション専門職だけでなく,一般の介護従事者や家族もリハビリテーション医療に関与する機会が増えています.さらに現在ではその概念が広がり,予防医療,慢性疾患管理,さらには健康増進やQOLの向上にまで及んでいます.よって,現在“活動を育む医学“として,リハビリテーション医学は,疾病や外傷で低下した身体的・精神的機能を回復させ,障害を克服するという従来の解釈の上に立ち,人の営みの基本である“活動”に着目し,その賦活化を図る過程をリハビリテーション医学・医療の中心に据えることにしています.
現在のリハビリテーション科の診療は,疾患多様性であり,病期多様性となり,かねてからいわれているリハビリテーション治療の質や量に対して抜本的な変革をしなくてはならない時期であるともいえます.よって,本特集「大変革期のリハビリテーション治療と拡大する守備範囲」の企画立案し,わかりやすく,「治療技術の進化」,あえて「疾患別リハビリテーション治療の進化」と「領域の拡大」の大項目に分け,22題目について一線で活躍されている先生方に執筆をお願いいたしました.本特集では,それぞれの項目における最新のリハビリテーション医学・医療の動向や技術革新を紹介するとともに,今後の展望についてもわかりやすく解説していただいています.よって,この本特集が,リハビリテーション医療に関わるすべての人が,リハビリテーション治療が大きな変革期であることを理解し,よりよい未来を築くための一助となることを願っています.
はじめに(安保雅博)
治療技術の進化
リハビリテーション医学におけるバーチャルリアリティとメタバースの応用(百崎 良・他)
ニューロモジュレーションとリハビリテーション医療の融合(植木美乃)
ウェアラブル技術が切り開くリハビリテーション医療の未来(上原信太郎・大高洋平)
ビッグデータが切り開くリハビリテーション医療の展望(木下翔司・安保雅博)
外傷性脳損傷に対する幹細胞治療(川堀真人・藤村 幹)
脊髄損傷の再生医療─幹細胞治療(中村 健)
疾患別リハビリテーション治療の進化
脳卒中リハビリテーション治療最前線(角田 亘)
COVID-19感染後のブレインフォグに対するrTMS治療(佐々木信幸)
誤嚥性肺炎に対するリハビリテーション治療の進化(岡崎達馬)
関節疾患に対するリハビリテーション治療の進化(坂井孝司)
スポーツ領域におけるリハビリテーション医療の進化─ACL損傷予防の歴史・現状・展望(津田英一・木村由佳)
骨転移に対するリハビリテーション治療の進化(酒井良忠)
領域の拡大
ICUにおける超早期リハビリテーション医療(新見昌央)
術前リハビリテーション医療のエビデンスと展望(尾川貴洋)
回復期リハビリテーション病棟の未来─地域包括ケアシステムでの役割(岡本隆嗣)
精神疾患に対するリハビリテーション医療の新たな領域─精神科理学療法への期待(荒川英樹)
神経発達症に対するリハビリテーション医療(蓮川嶺希・上出杏里)
誰一人取り残さないリハビリテーション医療の実現のために─アクセシビリティの課題と展望(鈴木 慎・吉田健太郎)
高齢者への地域リハビリテーションにおける新たな側面─ポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチの連携(飯島勝矢)
認知症予防の考え方と実践(鈴木正彦)
障害者に対する就労支援─医療福祉連携(菊地尚久)
災害リハビリテーション医療─JRAT(栗原正紀)
次号の特集予告
サイドメモ
ウェアラブルデバイス
科学的介護情報システム(LIFE)
神経筋コントロール
新たな地域医療構想について
マイオカイン(myokine)
5歳児用直接検査
ICF
リハビリテーション医療の普遍化と災害レジリエンス
地域JRAT
地域リハビリテーション活動(介護予防)
治療技術の進化
リハビリテーション医学におけるバーチャルリアリティとメタバースの応用(百崎 良・他)
ニューロモジュレーションとリハビリテーション医療の融合(植木美乃)
ウェアラブル技術が切り開くリハビリテーション医療の未来(上原信太郎・大高洋平)
ビッグデータが切り開くリハビリテーション医療の展望(木下翔司・安保雅博)
外傷性脳損傷に対する幹細胞治療(川堀真人・藤村 幹)
脊髄損傷の再生医療─幹細胞治療(中村 健)
疾患別リハビリテーション治療の進化
脳卒中リハビリテーション治療最前線(角田 亘)
COVID-19感染後のブレインフォグに対するrTMS治療(佐々木信幸)
誤嚥性肺炎に対するリハビリテーション治療の進化(岡崎達馬)
関節疾患に対するリハビリテーション治療の進化(坂井孝司)
スポーツ領域におけるリハビリテーション医療の進化─ACL損傷予防の歴史・現状・展望(津田英一・木村由佳)
骨転移に対するリハビリテーション治療の進化(酒井良忠)
領域の拡大
ICUにおける超早期リハビリテーション医療(新見昌央)
術前リハビリテーション医療のエビデンスと展望(尾川貴洋)
回復期リハビリテーション病棟の未来─地域包括ケアシステムでの役割(岡本隆嗣)
精神疾患に対するリハビリテーション医療の新たな領域─精神科理学療法への期待(荒川英樹)
神経発達症に対するリハビリテーション医療(蓮川嶺希・上出杏里)
誰一人取り残さないリハビリテーション医療の実現のために─アクセシビリティの課題と展望(鈴木 慎・吉田健太郎)
高齢者への地域リハビリテーションにおける新たな側面─ポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチの連携(飯島勝矢)
認知症予防の考え方と実践(鈴木正彦)
障害者に対する就労支援─医療福祉連携(菊地尚久)
災害リハビリテーション医療─JRAT(栗原正紀)
次号の特集予告
サイドメモ
ウェアラブルデバイス
科学的介護情報システム(LIFE)
神経筋コントロール
新たな地域医療構想について
マイオカイン(myokine)
5歳児用直接検査
ICF
リハビリテーション医療の普遍化と災害レジリエンス
地域JRAT
地域リハビリテーション活動(介護予防)














