やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

2023年版(第26版)推薦のことば
 世界70億人のうち6億人強が侵されたCOVID-19パンデミックは百年に1回の危機であった.ウイルスがヒト体内で10 4京回の自己複製を重ねて神経細胞までも侵すまでに変異したのを人類は約3年でほぼ終息させた.これは医科学の勝利であり情報共有と国際連帯の成功であった.そのときフェイクと闘えたのは拠り所となる医学情報であった.本書はそのような拠り所の一つとして35年間に26回も改訂してきた.世界に『ハリソン内科学』という改訂をくり返している名著があるが,身近な国内医学書では本書がその嚆矢である.
 本書は当直の第一線にいて本マニュアルを頻用する若手の編集委員がEBMで作られたガイドラインを紙面に反映させ,有用性を高めている.最多数の読者である研修医からのフィードバックを得て,2023年版でも新たな改訂がなされている.スマホで容易に情報が入手できる時代に,本書のような携帯マニュアルには厳格な執筆項目の選別が求められよう.そのうえ手軽なスマホにはない情報の高い信頼性を編集委員会が担保している.
 まさに知性の集積であった「COVID-19」診療のミニマムリクワイアメントが最新知見を網羅している.腫瘍専門医の管理下にある救急患者の当直対応を「クリニカル・オンコロジー」に纏めたのも有難い.「サル痘」を含む最近話題の感染症が独立し,「救急隊との連携」で病院前とのシームレスなやり取りが新しく記載されたのも当を得たものだ.またCDR(Clinical Decision Rule)のうちWellsやLRINECスコアが採用されている.私たちには知識の更新だけでなく,技能や態度の鍛錬が求められる.当直帯での疲れ,多忙さ,経験の未熟さによって誰でもエラーを犯す危険があり,常に謙虚に最新の知見,患者の病状から学ぶ姿勢で診療に当たりたい.
 本書は「救急」マニュアルでなく「当直医」マニュアルと銘うって急性疾患診療の実践の場である一人当直を念頭に置いている.救急外来では最初に生命に関わる致死的疾患(critical)を,主訴とバイタルサインから優先的に除外する.経験に裏打ちされた蘇生処置,素早い病態把握が第一歩である.続く1時間(golden one hour)では症状からの鑑別診断,初期病名の想定,簡単な検査を実施する.ありふれた(common)疾患を鑑別して治療可能(curable)なものからケアしていく“3C”の診療過程とdispositionの判断はまさに臨床の醍醐味である.
 高度専門医療は医師と患者の非対称性を拡大しているが,私たちは情報開示や医療安全の努力を通して,患者・市民の信任をうけた代理者役割を常に果たさなくてはならない.当直医は近接性・包括性・協調性・説明責任といった役割が求められ,総合診療医のサブスぺである病院総合診療医を代行している重要な役割.リスクマネジメントでいえば,当直医は病院長を代行する.
 基本必修3カ月間の救急を含む2年間の初期研修では救急研修の充実が全体の達成度に影響するのはこの30年来変わっていない.表紙に“ER”と掲げている本書が想定している姿は,夜間救急業務を地域で主として対応する臨床研修病院で研修医を救急専門医が指導できる体制であろう.5万人の救急医がその理想を実現している北米と違うシステムの日本においても,専門医機構の救急科専門医が誕生してまだ全体で5千人強だが,北米型ERに近い施設ができてきた.本書でも当直医でなく「ER医」という単語が散見される.COVID-19対応にあって救急外来がより適切で安全に運用されるようにマネジメントして見事に乗り切ってきた.急場をしのげる臨床力をもった総合診療医が増えてきて地域における医療崩壊の防波堤になったのだろう,第一線の医療機関で経験を重ねた指導医と研修医が作り上げた本書が2025年の地域包括ケアのゴールを支えるだろう.
 EBMで作られたガイドラインも普及しBLS/ACLSのような標準化コースも定着した.診療標準化は院内のクリニカルパス,電子カルテ,第三者評価,DPCで実現していた.診療のプロセス,アウトカムを含めた情報の透明性を高める努力が喫緊の課題である.ワークライフバランスが医療現場でも始動し出したが,一人当直に代弁される過酷な診療環境で病棟も外来もカバーしなければならない当直業務は若手臨床医を鍛える機会の一つと前向きにとらえたい.
 正診率50%と言われるGBM(Google Based Medicine)時代から2047年にはAIがヒトの知性を超えると言われる中,数多くの『マニュアル』と伴に本書を研修医の白衣に見かける.時代に応えながらclinical pearlsを蓄えつつ改訂を重ねる本書は研修医や専門外もカバーする当直医たちを支え,ERの発展に寄与している.
 2022年12月
 みさと健和病院ER 救急総合診療研修顧問 箕輪良行


2023年版(第26版)の序
 『当直医マニュアル 第26版』が完成しました.今回もすべての項目をみなおし,より新しく,よりわかりやすくなった第26版を無事にみなさまにお届けできますことをうれしく思います.『当直医マニュアル』は,1988年の初版のときより,多忙な当直医がポケットにひそませ,その場でレファレンスし,すぐに処方・処置ができるような,実践的な内容に特化した構成となっております.2001年から毎年度版に移行し,編集委員は少しずつ入れ替わってはおりますが,今後もそのコンセプトは継続していく予定です.なお,診療にあたる上で必要とされる知識は年々ふえる一方です.900頁を超える分量になりながらも,白衣(もしくはスクラブ)のポケットに収まるサイズにこだわり,収載する内容を毎年みなおしております.当直医としてその場では必要とは思われない記載を思い切って省き,冗長と思われる説明は避けております.
 本書が長い間,研修医のみなさんをはじめとして若手の医師から評価をいただいている理由の第一は,徹底したユーザー目線と思われます.2023年版では,宇治徳洲会病院,京都民医連中央病院の初期研修医から寄せられた,「こういった記載が欲しい」「新しい項目として〇〇を増やしてほしい」「ここは説明をもう少し詳しく」「この記載はもう必要ないのでは」といった意見を集約し,実際に研修医を指導している指導医クラスの編集会議メンバーが,一つひとつの項目およびその内容に関して編集会議の中で吟味を繰り返しその採否を決めております.研修医の先生から記載を求められることの多いClinical decision ruleについては,多くの施設で普遍的な使用となっているものについてのみ採用する方針としております.
 (1)各項目の冒頭にあるポイントは,当直をするうえで絶対に必要な知識やいわゆるピットフォールに陥りやすい部分などを3つ程度にまとめたもので,後の復習にポイントのみを流し読みしていただくこともできると思います.項目の最後に記載するdispositionは,入退院の判断や集中治療管理の必要性など具体的に記載しました.
 (2)第22版から新設しましたつぶやき欄は,エビデンスや教科書的な記載を超えた先輩たちの知恵をのせたものです.また“ミニコラム”もさらに大幅に追加しております.
 (3)今年度版は目次や索引をより見やすく変えております.当直医のみなさんがより早くより必要な情報にたどりつけるよう毎年工夫を重ねておりますので,また忌憚のない意見をお聞かせいただければ幸いです.
 (4)新規項目の紹介;
 第1章に,救急の入り口としての重要性がましている「救急隊との連携」,がん治療が日進月歩である現在,当直医に必要な知識をまとめた「クリニカル・オンコロジー」の項を新規に記載しました.
 また,第1章に「COVID-19」を独立させ,これまでの知見をコンパクトにまとめなおしました.「最近話題の感染症2023」では「サル痘(Monkeypox)」「小児の原因不明の急性肝炎」「梅毒」「ダニ媒介感染症」をラインナップしました.
 第3章の「めまい」,第13章の「注射薬の配合変化」「オピオイドの使用法」は著者を変更してあらたな視点での記載となっております.
 2004年に新臨床研修制度開始,また新専門医制度も2018年より導入となり,医師の教育制度も大きく様変わりしています.しかしいつの時代でも目の前の患者さんにすぐに対応できる能力およびそれを指導する能力は,実践とその十分な振り返りにて養われます.エビデンスといわれる大規模スタディで得られる結果に加え,いわゆる先人の知恵をいかに伝えるか…なかなか文字として表しにくいところまでこのマニュアルは踏み込んだつもりです.細部を読み込むことでその記載の奥行きを感じていただければ著者として望外の喜びです.また,振り返りの中で新たに得られた知見や先輩医師の言葉,自施設のルールなどについてはMemo欄を十分活用いただき,自分だけの「当直医マニュアル」を作りあげてください.流動する制度の中でも,ユーザーの中心となる皆様方のさまざまな声に絶え間なく耳を傾けながら,ただひたむきに「当直のときにやくにたつ」マニュアルを作り続けることを約束いたします.
 最後に,編集・出版に際しまして,医歯薬出版の岩永勇二さんをはじめ多くの皆様に支えられましたことあらためて感謝申し上げます.
 2022年 師走
 編集代表 井上賀元(京都民医連中央病院)


初版の序
 本書は,当直医が担当するプライマリケアに焦点を絞った実践的マニュアルです.
 執筆者らが研修し勤務した病院は中小病院ではありますが,年間数百から千台以上の救急車を受け入れ,夜間にはその数倍に及ぶ救急車以外で来院する患者の診療を行っている第一線の病院です.
 そこでの当直業務に必要なポイントを,みずから得た教訓と多数の文献を参考として整理し,下記の特色をもたせました.
 (1)時間的猶予のない場面でも,その場で役立つ携帯性と実践性を備えた
 (2)頻度の多い疾患を診療科を越えて網羅した
 (3)専門医と連絡をとるべき基準を示した
 (4)臨床経験の乏しい医師,看護婦をはじめとするcomedicalにも使いやすいよう配慮した
 (5)各自が書き込むメモスペースを確保した
 本書は,抽象的論議にとどまりがちなプライマリケアの技術的基準について,第一線医療の現場から提案するひとつの試みでもあります.
 しかし,あふれる医学情報を集積することではなく,プライマリケアに必要な情報を選択しコンパクトにまとめる作業は予想以上に困難でした.いまだ不十分な個所を残していると思われます.今後さらに多くの人々から御意見をいただき,第一線医療の現場で役立つ実践的マニュアルにしていきたいと思います.
 最後に,推薦の言葉をお書きいただいた浜松医科大学の植村研一教授,執筆・推敲の段階で御協力いただいた全日本民主医療機関連合会の先生方,そして出版に御尽力くださった医歯薬出版株式会社に深く感謝いたします.また,88〜93頁の項につきましては,日本福祉大学の二木 立教授(前代々木病院リハビリテーション科医長)に御指導いただきました.厚くお礼申し上げます.
 1988年3月
 東京都リハビリテーション病院 太田喜久夫
 京都民医連中央病院 小畑達郎
 耳原総合病院 小松孝充
 船橋二和病院 近藤克則
 2023(第26版)推薦のことば(箕輪良行)
 2023(第26版)の序
 編集・執筆・執筆協力者一覧
 初版の序
 本マニュアル使用の前に
 本書掲載の抗菌薬(抗真菌薬)の略語一覧
第1章 当直医のために
 当直医の心得
 救急隊との連携
  救急救命士の特定行為(表)
 災害・非常時の対応
  災害・非常時の院内の被害状況の把握(表)
  災害・非常時の情報源の例(表)
   CSCATTT(表)
   START法(図)
   PAT法(図)
   トリアージタグの例(図)
   挫滅症候群(クラッシュ症候群)
  銃創・爆傷
 高齢患者への接し方
  高齢終末期患者への対応
 ホームレス患者への接し方
 外国人患者への接し方
  医療通訳サービスの例(表)
  プロの医療通訳サービスが手配不能な場合の代替手段(表)
  民間飛行機に乗る際に注意すべき疾患/病態(表)
 針刺し事故など血液曝露事故時の対応
  HIV曝露事故後対応フローチャート(図)
  曝露後予防内服が推奨される臨床状況(表)
  専門家への相談が推奨される状況(表)
  HIV曝露後予防のレジメン(表)
 隔離を要する感染症
  感染経路とその対応
  インフルエンザの感染対策
  肺結核の初期対応
  流行性角結膜炎の感染対策
  腸炎(ウイルス性腸炎,CDI)
  疥癬の感染対策
 COVID-19
 最近話題の感染症2023
  サル痘(Monkeypox)
  小児の原因不明の急性肝炎
  梅毒
  ダニ媒介感染症
 クリニカル・オンコロジー
第2章 救命救急処置
 救命救急処置の流れ
  気道緊急が疑われる所見と疾患・対応(表)
  救急救命処置時の気管挿管の適応(表)
  ショックの原因と初期対応(表)
  挿管に使用する代表的な薬剤(表)
  蘇生・救命救急処置のチームダイナミクスの要素(表)
 心肺蘇生法
  BLS
  ALS
   心機能停止のモニター波形(表)
   ALSのアルゴリズム(図)
   心停止の原因“6H5T”(表)
 小児の心肺蘇生法
  PBLS
   小児心停止例に対するBLSアルゴリズム(図)
   2本指法(一人法)(図)
   胸郭包込み両母指圧迫法(二人法)(図)
  PALS
   心停止アルゴリズム(図)
 上気道異物(窒息)の応急処置
  ハイムリック法(腹部突き上げ法)(図)
  背部叩打法(図)
  胸部突き上げ法(乳児)(図)
   輪状甲状靱帯穿刺・切開
 外傷患者の初期診療
  Primary survey
   ABCDEアプローチ(表)
   FAST(図)
   “TAFな3XMAPでDH”(表)
   確実な気道確保の適応(表)
   初期輸液に対する反応(表)
  Secondary survey
   ログロール(図)
   見落としチェックの“FIXES”(表)
  Tertiary survey
   高リスク受傷機転(表)
 ショック
   ショックの病態鑑別(表)
   ショックアルゴリズム(図)
   RUSH examによるショックの分類(表)
  心原性ショック
  循環血液量減少性ショック
  閉塞性ショック
  アナフィラキシーショック
  敗血症性ショック
   quickSOFA(qSOFA)(表)
   SOFAスコア(表)
   脾摘後重症感染症
   壊死性軟部組織感染症
   SSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)
  神経原性ショック
  ショック類似状態(内分泌クリーゼなど)
   急性副腎不全
   甲状腺クリーゼ
   血管迷走神経反射
 アナフィラキシー
   輪状甲状靱帯穿刺・切開
 DIC(播種性血管内凝固症候群)
  急性期DIC診断基準(表)
  SIRSの診断基準(表)
  急性期DICの基礎疾患(表)
  線溶能によるDICの病型分類(表)
  各種治療法のDIC病態別推奨度(表)
   HIT
   HUS
 コンパートメント症候群
  四肢
   下腿深後部のコンパートメント圧測定(図)
  腹部
   腹腔(膀胱)内圧測定法のシステム(図)
 熱中症
 偶発性低体温症
  J波(Osborn wave)(図)
 急性アルコール中毒
  チェックすべき病態の例(表)
  血中エタノール濃度と中枢神経症状の目安(表)
  血中エタノール濃度の推定式(表)
   Wernicke脳症
   アルコール離脱症状
 急性薬物中毒
  代表的なToxidromeとその原因となる薬剤(表)
  トライエージDOA TM結果判定略語と偽陽性例(表)
  CO-Hb濃度と臨床症状の目安(表)
  症状が重篤なときに血液浄化療法が適応となるもの(表)
   アセトアミノフェン中毒解毒
 悪性症候群
 緊急対応を要する感染症
  救急での危険な感染症
  破傷風
  壊死性筋膜炎
  トキシックショック症候群(TSS)/劇症型溶血性レンサ球菌性感染症(STSS)
  発熱性好中球減少症(FN)のマネジメント
   MASCCスコア(表)
   好中球減少の原因(表)
  成人の急性喉頭蓋炎
   輪状甲状靭帯穿刺・切開
 救命のための手技
  輪状甲状靱帯穿刺
  緊張性気胸の脱気(穿刺)
第3章 多臓器系統の鑑別を要する症候
 意識消失(失神)
  Historical Criteria(表)
 意識障害
  Japan Coma Scale(JCS)(表)
  Glasgow Coma Scale(GCS)(表)
  “AIUEOTIPS”(表)
  意識障害に対する治療法の“DONT”(表)
   急性アルコール中毒
   急性薬物中毒
   ベンゾジアゼピン系薬物中毒
   せん妄
   アルコール離脱症状
 頭痛
  危険な頭痛の鑑別“SNOOP”(表)
 めまい
  Head Impulse Test(HIT)(図)
  Skew deviation(斜偏位)(図)
 痙攣
  てんかん重積状態の治療フローチャート(図)
   小児の痙攣
   痙攣と失神の鑑別
 胸痛
 動悸
 咽頭痛
  modified Centor Criteria(表)
 咳,痰
   肺結核の初期対応
   百日咳
 血痰・喀血
 呼吸困難
 悪心・嘔吐
 腹痛(急性腹症)
   妊婦の急性腹症
 腰背部痛
  重篤な脊椎疾患の合併を疑うべきred flags(表)
 四肢の麻痺・しびれ
  麻痺
  しびれ
 血尿,乏尿,無尿
  AKIを引き起こす薬物
 発熱
  「なんとなくおかしい」場合のチェックリスト(表)
   COVID-19
   緊急対応が必要な感染症
   脾臓摘出後重症感染症(OPSI)
   発熱性好中球減少症(FN)
   迅速検査キット
第4章 内科
 ≪脳神経系≫
  頭痛(二次性を除く)
   片頭痛かどうかの問診:POUND(表)
    頭痛(症候編)
  脳血管障害
   早期虚血性変化(early CT sign)(図)
   ABCD2スコア(表)
   TIA後の脳梗塞発症率(表)
   来院からrt-PA療法開始までの流れ(図)
   rt-PA療法のチェックリスト(表)
   NIHSS(表)
   脳梗塞急性期の薬物療法の推奨グレード(表)
    rt-PA療法の適応
    抗血栓薬
  髄膜炎
   各髄膜刺激症状の感度・特異度(表)
    痙攣の対応
  脳炎(単純ヘルペス脳炎)
  ギラン・バレー症候群(GBS)
 ≪循環器系≫
  高血圧緊急症
  不整脈
   救急の現場で知っておきたい不整脈
    抗凝固療法の適応
   不整脈の原因
   不整脈診断のコツ
    非心停止不整脈の診療アルゴリズム(図)
   心肺蘇生を要する致死性不整脈
   頻脈性不整脈
    発作性上室性頻拍(PSVT)
    発作性心房細動(PAf)
     CHADS2
    心房粗動(AFL)
    心室頻拍(VT)
   徐脈性不整脈
   致死的心室性不整脈に移行しやすい不整脈
   心房性期外収縮(PAC),心室性期外収縮(PVC)
  急性冠症候群(ACS)
   Forresterの分類(図)
   STEMIにおける緊急および早期PCIの適応(表)
   STEMIにおける緊急手術の適応(表)
   NSTE-ACSにおけるTIMIリスクスコア(表)
  急性心不全
   Nohria-Stevenson分類と治療指針(図)
   クリニカルシナリオと治療指針(図)
   心不全の増悪因子(表)
   心不全の原因疾患(表)
  大動脈解離
   ADDリスクスコア(表)
  急性動脈閉塞
  肺血栓塞栓症(PTE)
 ≪呼吸器系≫
  呼吸不全
  酸素療法・人工呼吸療法(NPPV含む)
   酸素療法
    酸素投与法とFiO2概算値(表)
    ベンチュリーマスクの設定(表)
   NPPV(非侵襲的人工呼吸)
   IPPV(侵襲的陽圧換気療法)
    fighting時のチェック項目と対応(表)
    SBTプロトコール(表)
    鎮静の判定基準
  胸水
   Lightの基準(表)
   胸水の診断アルゴリズム(図)
  過換気症候群
  インフルエンザ
    小児のインフルエンザ
   鳥インフルエンザ
  気管支炎・肺炎
    肺炎重症度分類(A-DROP)(表)
    細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別(表)
   市中肺炎(CAP)
   医療・介護関連肺炎(NHCAP)
    耐性菌のリスク因子(表)
   院内肺炎(HAP)
  気管支喘息急性増悪
   気管支喘息とうっ血性心不全,COPDの違い(表)
   wheezeのJonsson分類(表)
  COPD(慢性閉塞性肺疾患)の増悪
  気胸
  ARDS(急性呼吸促迫症候群)
 ≪消化器系≫
  下痢
  便秘
  下血
  上部消化管出血(吐血)
   Blatchfordスコア(表)
   S-Bチューブ(図)
  虫垂炎
   Alvarado's score(表)
  腸閉塞・イレウス
  急性腸管虚血
  頻度の高い消化管疾患
   急性胃腸炎
    細菌性胃腸炎(表)
    届出が必要な感染症
   急性胃・十二指腸粘膜病変(AGML)
   アニサキス症
   虚血性腸炎
   憩室炎
  肝胆道系酵素の上昇
  急性ウイルス肝炎
   急性期の肝炎ウイルスマーカーの解釈(表)
   急性肝障害時にチェックすべきウイルスマーカー(表)
   自己免疫性肝炎・簡易版スコアリングシステム(表)
   当直帯に注意すべき抗HBV,抗HCV薬の副反応(表)
  急性肝不全
   劇症肝炎の肝移植適応ガイドライン:スコアリング(表)
   肝性脳症の昏睡度分類(表)
  慢性肝不全
   浮腫・腔水症(腹水・肝性胸水)
   肝性脳症
   特発性細菌性腹膜炎(SBP)
   黄疸
  薬物性肝障害
  アルコール性肝炎
   酒の種類と純エタノール換算(表)
   CAGE質問表(表)
   Japan Alcoholic Hepatitis Score(JAS)(表)
  閉塞性黄疽(胆管炎,胆嚢炎)
  急性膵炎
    腹部コンパートメント症候群
 ≪代謝系≫
  糖尿病性昏睡
   低血糖
    代表的な糖尿病治療薬以外による低血糖(表)
   糖尿病ケトアシドーシス(DKA)
   高浸透圧高血糖症候群
  甲状腺クリーゼ
  急性副腎不全(副腎クリーゼ)
  痛風発作
 ≪腎・電解質異常≫
  急性腎不全/AKI
   急性血液浄化療法
   AKI(急性腎障害)
    KDIGO診療ガイドラインによるAKI診断基準と病期分類(表)
    造影剤腎症
  電解質異常
   高ナトリウム血症
   低ナトリウム血症
    血漿浸透圧の予測式
   高カリウム血症
   低カリウム血症
   高カルシウム血症
   低カルシウム血症
   高リン血症
   低リン血症
   高マグネシウム血症
   低マグネシウム血症
  アシドーシス,アルカローシス
   血液ガス分析法(表)
   酸塩基平衡障害で予測される代償性変化(表)
   酸塩基ノモグラム(図)
第5章 小児疾患
 小児患者への接し方
  重症患者の見分け方(表)
  ハイリスク・グループ(表)
  小児のバイタルサイン(表)
  小児用GCS(表)
  小児バイタルサイン・トリアージ表(図)
 発熱
 脱水
  脱水症の程度と臨床症状(表)
  体重毎の維持輸液量に対するHoliday-Segarの式(表)
 下痢
  病原性大腸菌(O157など)による出血性大腸炎
   届出が必要な感染症
  溶血性尿毒症症候群(HUS)
 嘔吐
  年齢による嘔吐の鑑別(図)
 腹痛
 痙攣
 呼吸困難
 予防接種の副反応
  ワクチンの種類(表)
  生ワクチンでの副反応(表)
 髄膜炎
 上気道炎,扁桃炎,気管支炎・肺炎
  上気道炎(かぜ症候群)
  扁桃炎
   modified Centor Criteria
  気管支炎・肺炎
 急性細気管支炎,クループ症候群(仮性クループ),急性喉頭蓋炎
 マイコプラズマ肺炎
 百日咳
 小児のインフルエンザ
 気管支喘息(喘息発作)
  アミノフィリン投与量の目安:2〜15歳(表)
 発疹,伝染性疾患
   出席停止の期間(表)
   登校許可の目安(表)
  突発性発疹
  水痘
  手足口病
  流行性耳下腺炎(ムンプス)
  A群溶連菌感染症
   modified Centor Criteria
  伝染性単核症(EBウイルス感染症)
  伝染性紅斑(りんご病)
  麻疹
  風疹
  咽頭結膜熱(プール熱)
  川崎病(MCLS)
   群馬スコア(図)
 周期性嘔吐症(自家中毒,アセトン血性嘔吐症)
 腸重積
 鼠径ヘルニア嵌頓
 肘内障
 異物誤飲
  気道異物
  消化管異物
  誤飲
 子ども虐待(Child abuse)
  虐待を疑う状況“CHILD ABUSE”(表)
  身体症状から虐待を疑う(表)
  性的虐待を疑うポイント(表)
  Skeletal survey(表)
第6章 外傷・外科・整形外科疾患
 外傷患者への接し方
   外傷患者の初期診療
   破傷風対策
 受傷部位による観察・処置のポイント
  頭部外傷
   「切迫するD」
  顔面・頸部外傷
  脊椎外傷
   頸椎固定解除基準(図)
  胸部外傷
   血胸に対する開胸術の適応(表)
   緊張性気胸
  腹部外傷
   MTP(大量輸血プロトコル)
   腹部コンパートメント症候群
  骨盤骨折
  四肢外傷
   Gustiloの分類(表)
   切断指保存法(図)
   コンパートメント症候群
 挫滅症候群(クラッシュ症候群)
   急性血液浄化療法
 創傷処置
  擦過傷など(表皮欠損を伴う創)
   消毒薬の種類と特徴(表)
   創傷被覆剤の使用例(表)
  裂創・その他の創傷
   Oberst麻酔法(表)
 軟部組織感染症
   フルニエ症候群
   壊死性筋膜炎
 熱傷
  Artzの診断基準(表)
  9の法則(Wallace)(図)
  Lund & Browderの図表(図)
  熱傷の深度(表)
   腹部コンパートメント症候群
   閉鎖湿潤療法
 捻挫,骨折,脱臼
   外傷評価のためのXpオーダー法(表)
   良肢位(機能肢位)と安全肢位(表)
  捻挫
   マレット指(図)
   手指外傷の外固定法(図)
  脱臼・骨折
   顎関節前方脱臼整復法(図)
   鎖骨固定帯(図)
   Stimson法(図)
   Kocher法(図)
   デゾー固定(図)
   上肢シーネ固定(図)
   下肢シーネ固定(図)
   頸椎骨折
 急性単関節炎
  関節液の鑑別診断(表)
  膝関節の穿刺法(左膝)(図)
第7章 精神疾患
 精神的問題をもつ患者への接し方
  軽度意識障害の把握のための着目点(表)
  身体疾患治療を優先すべき病態(表)
 パニック発作
   過換気症候群
 自殺企図・自傷行為
 せん妄
  身体拘束を行う基準(表)
 アルコール離脱
 うつ状態
 不眠
  主な睡眠薬の特性(表)
第8章 泌尿器疾患
 尿路結石
 尿路感染症
  無症候性細菌尿
  膀胱炎
  腎盂腎炎
  急性前立腺炎
  尿道炎
  亀頭包皮炎
 尿閉
 急性陰嚢症
  精巣捻転症
  急性精巣上体炎
第9章 女性疾患
 女性患者への接し方
  月経異常・月経困難症
 不正性器出血
 婦人科領域の腹痛
  婦人科領域の腹痛
  骨盤内炎症性疾患(PID)
  異所性妊娠
  卵巣腫瘤茎捻転
  卵巣出血
   PIDとの鑑別
 乳腺炎
  うっ滞性乳腺炎
  感染性乳腺炎
  乳腺膿瘍
 妊娠・授乳中の投薬
  妊娠中に使用可能な薬剤(表)
 妊娠・授乳中の画像検査
  放射線検査
   妊娠期における主な放射線検査時の胎児被曝量(表)
  MRI検査
 DV(ドメスティック・ヴァイオレンス)
  DV患者対応のためのAVDR approach(表)
   子ども虐待
 レイプ(強姦)被害女性の診察
   B型肝炎の感染リスク
第10章 眼疾患
 眼科患者への接し方
 眼科救急疾患
  コンタクトレンズによる角膜障害
  結膜下出血
  流行性角結膜炎
  ヘルペス性角膜炎
  化学外傷
  電気性眼炎・雪眼炎
  結膜・角膜異物
  穿孔性角膜・強膜外傷および眼内異物
  眼瞼裂傷
  急性原発閉塞隅角緑内障(緑内障発作)
  Posner-Schlossman症候群
  裂孔原性網膜剥離
  原田病
  網膜中心動脈閉塞症・網膜動脈分枝閉塞症
  網膜中心静脈閉塞症・網膜静脈分枝閉塞症
  眼内炎
  眼窩蜂窩織炎
  外傷性視神経症(視束管骨折)
  眼窩吹き抜け骨折,眼窩壁骨折
  視神経炎・視神経症
第11章 耳鼻咽喉疾患
 鼻出血
 急性副鼻腔炎
 耳痛
  急性中耳炎の鼓膜所見(左耳)(図)
  小児急性中耳炎の診療スコアシート(表)
 難聴
 末梢性めまい
  Dix Hallpike試験(図)
  Epley法(図)
 異物(外耳道,鼻腔,咽頭,食道など)
   上気道異物(窒息)
   小児の異物誤飲
第12章 皮膚疾患
 皮膚・粘膜病変
  湿疹様発疹(紅斑,丘疹)
  膨疹(蕁麻疹)
  水疱
  紫斑
  皮膚の糜爛
  皮膚と粘膜の糜爛
  その他の皮膚症状
 帯状疱疹・単純疱疹
 咬傷,虫さされ
  イヌ,ネコ,ヒト,ネズミなどの咬傷
  ヘビ咬傷
  虫さされ(蜂,ムカデ,マダニなど)
第13章 当直医に必要な資料
 POCUS(point-of-care ultrasound)
  外傷におけるE-FASTとは
  呼吸不全でのBLUE protocol
  ショックでのRUSH exam
 中心静脈カテーテル(CVC)使用中のトラブル
 届出が必要な感染症
  感染症法の分類に基づく届出(表)
 感染症の迅速検査キット
 細菌学的検査
  塗抹検査における良質の痰の判定(図)
  Gecklerの分類(表)
  グラム染色塗抹検査で予測可能な菌種と抗菌薬の選択例(表)
 抗菌薬・抗ウイルス薬 選択と投与法
   抗菌薬選択の原則(表)
   抗菌薬投与を直ちに開始すべき疾患(表)
  抗菌薬のアレルギー
   アナフィラキシーショック
  抗菌薬の臓器移行性(薬物動態;PK)
  各種感染症のempiric therapyとde-escalation
  嫌気性菌に感受性のある抗菌薬
  小児における抗菌薬選択の注意点
  妊婦,授乳中の患者における抗菌薬の選択
  肝不全における抗菌薬使用の注意点
  腎不全における抗菌薬使用の注意点
   Ccrの推定法(表)
  血中濃度測定を要する抗菌薬
   バンコマイシン(VCM)の血中濃度(表)
   テイコプラニン(TEIC)の投与量(表)
   主な抗菌薬・抗ウイルス薬の腎不全時の投与量(内服薬)(表)
   主な抗菌薬の腎不全時の投与量(注射薬)(表)
   主な抗ウイルス薬(注射薬)・抗真菌薬の腎不全時の投与量(表)
 救急薬剤の使い方
  カテコラミン総論
   ノルアドレナリンの投与方法の例(表)
   ドパミンとドブタミンの薬理作用(表)
  ドパミン塩酸塩(イノバン(R))
  ドブタミン塩酸塩(ドブトレックス(R))
  ノルアドレナリン(ノルアドリナリン(R))
  アドレナリン(ボスミン(R))
  バソプレシン(ピトレシン(R))
  ニトログリセリン(ミリスロール(R))
  カルペリチド(ハンプ(R))
  リドカイン塩酸塩(静注用キシロカイン(R))
  アトロピン硫酸塩(アトロピン硫酸塩(R))
  アミオダロン塩酸塩(アンカロン(R))
  ジゴキシン(ジゴシン(R))
  ジルチアゼム塩酸塩(ヘルベッサー(R))
  ニカルジピン塩酸塩(ペルジピン(R))
  ミダゾラム(ドルミカム(R))
  プロポフォール(ディプリバン(R))
  ケタミン塩酸塩(ケタラール(R))
  チオペンタール(ラボナール(R))
  デクスメデトミジン(プレセデックス(R))
  ロクロニウム臭化物(エスラックス(R))
  スガマデクスナトリウム(ブリディオン(R))
  プロタミン硫酸塩(ノボ・硫酸プロタミン(R))
 成人重症患者の痛み・不穏・せん妄・不動・睡眠の管理
  Behavioral pain scale(BPS)(表)
  鎮静の判定基準(RASS)(表)
  日本語版CAM-ICUフローシート(図)
 輸血療法・血液製剤の使用指針
  赤血球液(RBC)
  血小板製剤(濃厚血小板:PC)
  新鮮凍結血漿(FFP)
  アルブミン製剤
 輸液剤の選択と投与法
  1日維持必要水分量(表)
  輸液剤の種類と適応(表)
 注射薬の配合変化
 抗血栓薬 使用時の注意点
  <抗凝固薬(注射薬)>
   未分画ヘパリン(=標準ヘパリン)
   低分子量ヘパリン
   抗トロンビン薬
   合成Xa阻害薬
  <抗凝固薬(内服薬)>
   ワルファリンカリウム(ワーファリン(R))
  <直接経口抗凝固薬(DOAC)>
 小児薬用量と常用処方
 解熱鎮痛薬
 オピオイドの使用方法
 ステロイドの使い方
  ステロイドの主な副作用(表)
  ステロイド薬の力価比較(表)
  ステロイド外用薬の強弱(表)
  ステロイドカバーの例(表)
 造影剤を使用する際の注意点(造影剤腎症を含む)
  造影剤腎症(CIN)
  腎性全身性線維症(NSF)
 腎不全,透析患者に対する薬物投与
 透析患者への対応
 死亡診断書,死体検案書の書き方

 事項索引
 薬剤索引

 ミニコラム一覧
  気管挿管時の薬剤の使用法について
  チームダイナミクス
  妊婦の心肺蘇生のポイント
  穿通性異物への対処
  中等度以上の四肢外傷への対処
  ICM(植え込み型心臓モニタ)
  めまいの分類の考え方
  Stroke mimics
  痛みの“OPQRST”
  腰痛のブロック治療
  CGRP抗体薬について
  ELVO screen
  腰椎穿刺前の血小板減少への対応
  ペースメーカ不全について
  LVEFの低下した心不全
  P-SILI
  SIADHの診断基準
  refeeding syndromeのマネジメント
  小児の画像検査
  STEC-HUS
  ケトン性低血糖症
  頸椎画像読影のポイント
  処置時の沈静
  LRINEC(ライネック)スコア
  精神病棟への入院形態について
  血液培養検体の採取
  クリオプレシピテート

 おもな診療スコア・スケール等
  ABCD2スコア
  AIUEOTIPS
  Alvarado's score
  Blatchfordスコア
  CHADS2スコア
  FAST
  Forresterの分類
  GCS(Glasgow Coma Scale)
  GCS(小児用)
  Historical Criteria
  JCS(Japan Coma Scale)
  MASCCスコア
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  Wellsスコア