はじめに
1995年,世田谷ボランテイア協会で世田谷区立身体障害者デイサービスセンターの立ち上げに向けた検討委員会が開催され,私はその委員長を務めました.検討委員会は障害をもった方,施設,行政,医療のスタッフにより構成され,様々な角度から月2回のペースで検討を行い,その内容をまとめ冊子にしました.その後,デイサービスセンターふらっとの開所にあたり,介護スタッフを募集する際に冊子に記した方針などへの感想を求めました.このことで,開所当初からチームスタッフの軸ができたように思います.
開所後も嘱託医として関わってきた私は,様々な思いでふらっとを応援してきました.私のそれまでの体験から,デイサービスなどの介護スタッフは集団での活動は得意なものの,利用者個々の評価,目標,プログラムの計画などは苦手なように感じていました.そこで,ふらっとでは利用者個々のカンファレンスを行い,医療スタッフと介護スタッフによる意見交換を重ねました.こうして,“機能(障害)の切り口から関わるプロ“である医療職に対し,“生活の切り口から関わるプロ”である介護職(ふらっとスタッフ)が着実にその力を発揮し,お互いの限界を認識しながら対等,かつ双方向の関係で仕事が運ばれてきたように思います.
これらを支えてくれたのが,ふらっとの利用者であり家族でした.突然の病気・事故により予想もしない障害が残り,それまでの生活が一変してどうしたらよいのか茫然自失のなか,ふらっとを訪れ,何かしてくれるものと期待していたら,「何がしたいですか」と問われ,さらに混乱しながらも自ら立ち上がる利用者・家族の行動が励みとなり,大きな原動力になったと思います.
高次脳機能障害者は,「もう何もできない」という状態からでも,施設スタッフの援助を受けて楽しみ・役割をあきらめず主体的に担っていくことにより,半年から1年の単位で改善していきます.私が入院中にかかわった方々が,予想を超える機能的な改善をみせた例も多くありました.人間の主体的な行動が高次脳機能障害を改善する推進力になることを,私自身も学びました.
本書は,利用者一人ひとりに対してスタッフがあきらめず,丁寧にかかわったアプローチによる結晶です.高次脳機能障害に関わる医療スタッフ,デイサービスなどで働く介護スタッフ,また日々苦闘している高次脳機能障害者・ご家族の皆さんのご参考になれば幸いです.
2005年1月
ふらっと嘱託医
(桜新町リハビリテーションクリニック)
長谷川 幹
推薦のことば
ふらっとは,“いのち”を表現するところです.
そこは人々が集い,“いのち”を紡ぎ合う機織りの部屋のようにみえます.部屋にはさまざまな色彩の心の糸があり,人生という縦糸と,人と人との出会いという横糸が繊細に組み合わされながら,ふたたび表現することのできない織物が織り込まれていく部屋のように思えるのです.
私はこの本から,ふらっとに集う人々の息づかいを感じとります.人間として生まれ,人間として人生を走り続ける途中に身体を病み,傷を受けた人々の屈辱と誇り,絶望と希望,その間に生まれる痛み,不安,恐怖,悲しみ,嬉しさ,感動,歓喜,そして微笑みを.
私はまた,ふらっとのスタッフ達がもつ人間の生命と魂の尊厳を学びとっていこうとする姿勢を,心から誇りに思います.彼らは,人の役に立ちたいという情熱と自由な探求精神に満ちあふれています.そして,透明な心で訪れる人々を迎え,ありのままを受け入れ,ひたすら理解しようと努力を重ねていきます.やがてその果てしない繰り返しの彼方に,一筋の可能性の灯が見えてきて,小さな光から大きな輝きにふくらんでいくのです.
ふらっとでは,“いのち“を表現するための手仕事を“リハビリテーション”と呼びます.そして,そこに集う人々と「自己選択・自己決定」という約束を交わします.自分のことは自分で選択し,決める.しかし,シンプルにみえるこの約束は,スタッフにも,集う人々にも,それを支える家族にも,ねばり強い忍耐と努力と寛容さを必要とします.
「自己選択・自己決定」とは,自己の責任だけを要求して,他者や社会とのかかわりを拒否することではありません.むしろ,そこに集う仲間同志が助け合い,家族との絆を深め,地域社会に積極的に関与していくことなのです.私たち一人ひとりの幸せは,互いに依存し合うことからもたらされています.私の安らかさは,あなたの安らかさからもたらされ,あなたの安らかさは,私の安らかさからもたらされます.したがって,私はあなたに対して責任があり,あなたは私に対して責任があります.私の決定はあなたの決定であり,あなたの決定は私の決定でもあるのです.社会に目を転じてみれば,そうした主体的な意志決定を,いまの日本は文化的価値の中心としているのだろうかと強く反省させられます.むしろ,自己の主体的意志の決定に怯えながら,他者や社会に無関心を装い,自己愛の殻に閉じこもり,自分の責任を回避する社会が浸透しつつあるのではないかという危機感さえ抱きます.ふらっとは,そんな社会に対して,主体性の回復へのメッセージを発し続けているのだと信じます.
ふらっとは“自己実現”の場であるともいえます.「自己実現」(self-actualizing)とは,自分のもっている可能性を最大限に発揮することです.別の言葉で表現すれば,「なりたい人間になる」ことであり,私たち一人ひとりが自分が希望し求める人間になるために努力している状態をいいます.
人間性心理学の創始者マズローは,自分の可能性を充分に実現しきっている「自己実現した人々」(self-actualizing people)の特徴を次のように述べています.「孤独やプライバシーを好み,欠乏や不運に対して超然としていること.文化や環境からの自律性.人生をいつも新鮮かつ無邪気に楽しめること.しばしば神秘体験や至高体験をしていること.人類全体への共感や同情.深い人間関係.民主的性格.手段と目的の区別.悪意のないユーモアのセンス.創造性.確固とした価値体系.自己中心的でなく問題中心的であること.自己や他者や自然に対する受容的な態度などをもっている」.
また別の論文でも,マズローは自己実現している人々の基本的特徴を,病気からの解放,基本的要求の満足,自己の能力の積極的利用,(4)ある価値に動機付けられ,それを得ようと努めていること,の4つであると表現しています.また,心理学者のカール・ロジャースは,「自分自身を受け入れて,自分自身にやさしく耳を傾けることができるとき,人は真に自分自身になることができる」と述べています.
ふらっとのスタッフ和田敏子さんからこの本の校正刷りを受けとったとき,私は心のそこから湧き出る哀しみを感じながら,デスクの上のパソコン画面を覗いていました.南アジアからアフリカにかけておそったスマトラ沖地震から派生した大津波は,一瞬のうちに20万人を超える尊い人命を奪ってしまいました.その被災者の多くは,貧しい暮らしを強いられている人々でした.想像を絶する被害現場から発せられた,救援を求める被災国NGOで活動する友人からのメッセージに,心を奪われていたのでした.ようやく,本の校正刷りに目を通し始めたのは,東京の街が雪に見舞われた大晦日でした.時を忘れて読み進めていくうちに,淡々と綴られた記録に刻まれる言葉の一つひとつに,心を突き動かされる何かを感じました.
その何かとは,と考えるうちに,次の言葉を思い出しました.エーリッヒ・フロムは,人間の生活様式を「持つ」(to have)ための生き方と,「在る」(to be)ための生き方とのふたつの行動様式で表しました.「持つ」ための生き方とは,ひたすらに社会的地位や名誉,お金や物や財産,権力や肩書きなどを持つことに専念する生き方です.一方で,「在る」ための生き方とは,限られた能力を最大限にいかして,自らの手で生きることの喜びを獲得していく生き方である,といいます.
私は,この本を通して,次のような確かなメッセージを受けとりました.失われた自分を見つめ続ける毎日よりも,自分にあるものを最大限にいかして,自らの手で生きる喜びを獲得していく生き方こそが大切なのだ,ということを.
最後になりましたが,世田谷ボランティア協会を代表して,ふらっとのスタッフとともに,心から感謝の意を表したいと思います.私たちの試みは,多くの人々によって支えられています.共感の心を行動にあらわし貢献してくれるボランティアの皆さん,賛同していただいた利用者のご家族の皆さん.さらには,使命感に満ち献身的な助言をいただいた桜新町クリニックの長谷川幹医師をはじめ,運営委員や多分野の専門家の皆さん,世田谷区役所や関係諸機関の皆さん.出版の機会を与えてくださいました医歯薬出版株式会社の皆さん.ご支援へのお礼を申し上げます.
2005年1月18日
社会福祉法人世田谷ボランティア協会
理事長 興呂 寛
1995年,世田谷ボランテイア協会で世田谷区立身体障害者デイサービスセンターの立ち上げに向けた検討委員会が開催され,私はその委員長を務めました.検討委員会は障害をもった方,施設,行政,医療のスタッフにより構成され,様々な角度から月2回のペースで検討を行い,その内容をまとめ冊子にしました.その後,デイサービスセンターふらっとの開所にあたり,介護スタッフを募集する際に冊子に記した方針などへの感想を求めました.このことで,開所当初からチームスタッフの軸ができたように思います.
開所後も嘱託医として関わってきた私は,様々な思いでふらっとを応援してきました.私のそれまでの体験から,デイサービスなどの介護スタッフは集団での活動は得意なものの,利用者個々の評価,目標,プログラムの計画などは苦手なように感じていました.そこで,ふらっとでは利用者個々のカンファレンスを行い,医療スタッフと介護スタッフによる意見交換を重ねました.こうして,“機能(障害)の切り口から関わるプロ“である医療職に対し,“生活の切り口から関わるプロ”である介護職(ふらっとスタッフ)が着実にその力を発揮し,お互いの限界を認識しながら対等,かつ双方向の関係で仕事が運ばれてきたように思います.
これらを支えてくれたのが,ふらっとの利用者であり家族でした.突然の病気・事故により予想もしない障害が残り,それまでの生活が一変してどうしたらよいのか茫然自失のなか,ふらっとを訪れ,何かしてくれるものと期待していたら,「何がしたいですか」と問われ,さらに混乱しながらも自ら立ち上がる利用者・家族の行動が励みとなり,大きな原動力になったと思います.
高次脳機能障害者は,「もう何もできない」という状態からでも,施設スタッフの援助を受けて楽しみ・役割をあきらめず主体的に担っていくことにより,半年から1年の単位で改善していきます.私が入院中にかかわった方々が,予想を超える機能的な改善をみせた例も多くありました.人間の主体的な行動が高次脳機能障害を改善する推進力になることを,私自身も学びました.
本書は,利用者一人ひとりに対してスタッフがあきらめず,丁寧にかかわったアプローチによる結晶です.高次脳機能障害に関わる医療スタッフ,デイサービスなどで働く介護スタッフ,また日々苦闘している高次脳機能障害者・ご家族の皆さんのご参考になれば幸いです.
2005年1月
ふらっと嘱託医
(桜新町リハビリテーションクリニック)
長谷川 幹
推薦のことば
ふらっとは,“いのち”を表現するところです.
そこは人々が集い,“いのち”を紡ぎ合う機織りの部屋のようにみえます.部屋にはさまざまな色彩の心の糸があり,人生という縦糸と,人と人との出会いという横糸が繊細に組み合わされながら,ふたたび表現することのできない織物が織り込まれていく部屋のように思えるのです.
私はこの本から,ふらっとに集う人々の息づかいを感じとります.人間として生まれ,人間として人生を走り続ける途中に身体を病み,傷を受けた人々の屈辱と誇り,絶望と希望,その間に生まれる痛み,不安,恐怖,悲しみ,嬉しさ,感動,歓喜,そして微笑みを.
私はまた,ふらっとのスタッフ達がもつ人間の生命と魂の尊厳を学びとっていこうとする姿勢を,心から誇りに思います.彼らは,人の役に立ちたいという情熱と自由な探求精神に満ちあふれています.そして,透明な心で訪れる人々を迎え,ありのままを受け入れ,ひたすら理解しようと努力を重ねていきます.やがてその果てしない繰り返しの彼方に,一筋の可能性の灯が見えてきて,小さな光から大きな輝きにふくらんでいくのです.
ふらっとでは,“いのち“を表現するための手仕事を“リハビリテーション”と呼びます.そして,そこに集う人々と「自己選択・自己決定」という約束を交わします.自分のことは自分で選択し,決める.しかし,シンプルにみえるこの約束は,スタッフにも,集う人々にも,それを支える家族にも,ねばり強い忍耐と努力と寛容さを必要とします.
「自己選択・自己決定」とは,自己の責任だけを要求して,他者や社会とのかかわりを拒否することではありません.むしろ,そこに集う仲間同志が助け合い,家族との絆を深め,地域社会に積極的に関与していくことなのです.私たち一人ひとりの幸せは,互いに依存し合うことからもたらされています.私の安らかさは,あなたの安らかさからもたらされ,あなたの安らかさは,私の安らかさからもたらされます.したがって,私はあなたに対して責任があり,あなたは私に対して責任があります.私の決定はあなたの決定であり,あなたの決定は私の決定でもあるのです.社会に目を転じてみれば,そうした主体的な意志決定を,いまの日本は文化的価値の中心としているのだろうかと強く反省させられます.むしろ,自己の主体的意志の決定に怯えながら,他者や社会に無関心を装い,自己愛の殻に閉じこもり,自分の責任を回避する社会が浸透しつつあるのではないかという危機感さえ抱きます.ふらっとは,そんな社会に対して,主体性の回復へのメッセージを発し続けているのだと信じます.
ふらっとは“自己実現”の場であるともいえます.「自己実現」(self-actualizing)とは,自分のもっている可能性を最大限に発揮することです.別の言葉で表現すれば,「なりたい人間になる」ことであり,私たち一人ひとりが自分が希望し求める人間になるために努力している状態をいいます.
人間性心理学の創始者マズローは,自分の可能性を充分に実現しきっている「自己実現した人々」(self-actualizing people)の特徴を次のように述べています.「孤独やプライバシーを好み,欠乏や不運に対して超然としていること.文化や環境からの自律性.人生をいつも新鮮かつ無邪気に楽しめること.しばしば神秘体験や至高体験をしていること.人類全体への共感や同情.深い人間関係.民主的性格.手段と目的の区別.悪意のないユーモアのセンス.創造性.確固とした価値体系.自己中心的でなく問題中心的であること.自己や他者や自然に対する受容的な態度などをもっている」.
また別の論文でも,マズローは自己実現している人々の基本的特徴を,病気からの解放,基本的要求の満足,自己の能力の積極的利用,(4)ある価値に動機付けられ,それを得ようと努めていること,の4つであると表現しています.また,心理学者のカール・ロジャースは,「自分自身を受け入れて,自分自身にやさしく耳を傾けることができるとき,人は真に自分自身になることができる」と述べています.
ふらっとのスタッフ和田敏子さんからこの本の校正刷りを受けとったとき,私は心のそこから湧き出る哀しみを感じながら,デスクの上のパソコン画面を覗いていました.南アジアからアフリカにかけておそったスマトラ沖地震から派生した大津波は,一瞬のうちに20万人を超える尊い人命を奪ってしまいました.その被災者の多くは,貧しい暮らしを強いられている人々でした.想像を絶する被害現場から発せられた,救援を求める被災国NGOで活動する友人からのメッセージに,心を奪われていたのでした.ようやく,本の校正刷りに目を通し始めたのは,東京の街が雪に見舞われた大晦日でした.時を忘れて読み進めていくうちに,淡々と綴られた記録に刻まれる言葉の一つひとつに,心を突き動かされる何かを感じました.
その何かとは,と考えるうちに,次の言葉を思い出しました.エーリッヒ・フロムは,人間の生活様式を「持つ」(to have)ための生き方と,「在る」(to be)ための生き方とのふたつの行動様式で表しました.「持つ」ための生き方とは,ひたすらに社会的地位や名誉,お金や物や財産,権力や肩書きなどを持つことに専念する生き方です.一方で,「在る」ための生き方とは,限られた能力を最大限にいかして,自らの手で生きることの喜びを獲得していく生き方である,といいます.
私は,この本を通して,次のような確かなメッセージを受けとりました.失われた自分を見つめ続ける毎日よりも,自分にあるものを最大限にいかして,自らの手で生きる喜びを獲得していく生き方こそが大切なのだ,ということを.
最後になりましたが,世田谷ボランティア協会を代表して,ふらっとのスタッフとともに,心から感謝の意を表したいと思います.私たちの試みは,多くの人々によって支えられています.共感の心を行動にあらわし貢献してくれるボランティアの皆さん,賛同していただいた利用者のご家族の皆さん.さらには,使命感に満ち献身的な助言をいただいた桜新町クリニックの長谷川幹医師をはじめ,運営委員や多分野の専門家の皆さん,世田谷区役所や関係諸機関の皆さん.出版の機会を与えてくださいました医歯薬出版株式会社の皆さん.ご支援へのお礼を申し上げます.
2005年1月18日
社会福祉法人世田谷ボランティア協会
理事長 興呂 寛
はじめに
推薦のことば
I デイサービスセンターふらっとの活動―あきらめないを合い言葉に
●ふらっと設立の経緯と施設概要
(1)ボランティアで作った身体障害者デイサービス事業検討委員会
(2)施設概要
・援助の基本的な考え方 ・援助内容 ・利用概要 ・職員体制
●ふらっとQ&A
Q 1 どのような障害の人が利用しているのですか?
Q 2 受傷の原因は?
Q 3 利用者の年齢層は?
Q 4 重複した障害をもった人もいますか?
Q 5 高次脳機能障害の内容は?
Q 6 医療処置のある人の受け入れは可能ですか?
Q 7 支援費制度と介護保険はふらっとに関係しますか?
Q 8 利用時間は何時から何時までですか?また送迎はありますか?
Q 9 どんなプログラムがありますか?
Q10 職員の人数は足りるのですか?また療法士による個別訓練はないのですか?
Q11 ふらっとを利用するのにはお金がかかりますか?
Q12 ボランティアの受け入れはどうやっていますか?
Q13 運営委員会とは何ですか?
Q14 社会福祉法人世田谷ボランティア協会の組織体制は?
Q15 ふらっとの利用が決定するまではどんな流れですか?
Q16 ふらっとでの一日の過ごし方は?
Q17 利用者の送迎はどうしていますか?
●新たなる回路の模索への支援
(1)利用者のデイサービスとの出会い
(2)利用のきっかけと当事者の思い
(3)初回面接のポイント
・不本意な利用開始は避ける ・当事者の決心を待つ
(4)可能なかぎり当事者自身で決める
(5)自分で決めるきっかけ作り
・若い人たちの自己決定―きっかけはボランティアの力 ・中高年層の自己決定―きっかけは多様な価値観と幅広い年齢層 ・自由自在のプログラムからみえる“自信” ・小さな心の揺れは回復の兆し
ふらっとこらむ
●心が前に… ●ペンは握れなくても… ●旅の釣果は「自信」 ●忘れたくないプレゼント
II 高次脳機能障害の基礎知識―事例の理解に向けて
●高次脳機能障害を理解するために
(1)脳の解剖の理解
(2)要素的機能と高次脳機能
(3)わかりにくい高次脳機能障害
●高次脳機能障害の主な症状
(1)注意障害
(2)記憶障害
(3)失語症
(4)遂行機能障害
(5)行動と情緒の障害
III 事例にみる高次脳機能障害者へのアプローチ
Case 1 目的の確認と情報の整理により行動しやすい環境を作る
Case 2 失語症を超える「あきらめない」取り組み
Case 3 苦手なことを整理し,広がっていった得意なこと
Case 4 活動的な暮らしのために
Case 5 自分を理解すること,人に理解してもらうことの大切さを学ぶ
Case 6 すべてを拒否していた彼が,回復へのイメージと仲間により自信をつけるまで
Case 7 意欲を失った彼が前を歩み続けるまで
Case 8 失語症の彼が言葉で教える料理教室
Case 9 就労への援助─「仕事がしたいです」
Case10 生きる意欲は「〜したい」という希望から
外出プログラム外出に秘められた力─高次脳機能障害者のリハビリに外出が効果的なわけ
IV デイサービスで高次脳機能障害者をみる―方法とプロセス
●高次脳機能障害者が利用するデイサービスの視点
(1)初回面接の留意点
(2)利用希望調査書と初期プログラムの方向作成
(3)プログラムを自己決定に導く要素・身体変化のインフォームドコンセント
(4)スタッフカンファレンス・療法士による機能評価および画像カンファレンス
(5)プログラムの提案の準備
(6)ボランティアを核にした支援体制作り
(7)制度を利用した支援体制作り
●デイサービスでの療法士・医師からのアプローチ
(1)作業療法士からのアプローチ
・自助具 ・車椅子,シーティング ・電動車椅子 ・パソコン ・記憶障害へのアプローチ ・遂行機能障害へのアプローチ
(2)言語聴覚士からのアプローチ
・失語症の回復とは ・ST主導でないことの試み ・失語症の人とのコミュニケーション ・会話の支援 ・個別支援
(3)医師からのアプローチ
・医療面の助言 ・中途障害者の心理と援助の視点 ・説明のポイント ・高次脳機能障害者の予後 ・地域での取り組みの重要性
あとがき
推薦のことば
I デイサービスセンターふらっとの活動―あきらめないを合い言葉に
●ふらっと設立の経緯と施設概要
(1)ボランティアで作った身体障害者デイサービス事業検討委員会
(2)施設概要
・援助の基本的な考え方 ・援助内容 ・利用概要 ・職員体制
●ふらっとQ&A
Q 1 どのような障害の人が利用しているのですか?
Q 2 受傷の原因は?
Q 3 利用者の年齢層は?
Q 4 重複した障害をもった人もいますか?
Q 5 高次脳機能障害の内容は?
Q 6 医療処置のある人の受け入れは可能ですか?
Q 7 支援費制度と介護保険はふらっとに関係しますか?
Q 8 利用時間は何時から何時までですか?また送迎はありますか?
Q 9 どんなプログラムがありますか?
Q10 職員の人数は足りるのですか?また療法士による個別訓練はないのですか?
Q11 ふらっとを利用するのにはお金がかかりますか?
Q12 ボランティアの受け入れはどうやっていますか?
Q13 運営委員会とは何ですか?
Q14 社会福祉法人世田谷ボランティア協会の組織体制は?
Q15 ふらっとの利用が決定するまではどんな流れですか?
Q16 ふらっとでの一日の過ごし方は?
Q17 利用者の送迎はどうしていますか?
●新たなる回路の模索への支援
(1)利用者のデイサービスとの出会い
(2)利用のきっかけと当事者の思い
(3)初回面接のポイント
・不本意な利用開始は避ける ・当事者の決心を待つ
(4)可能なかぎり当事者自身で決める
(5)自分で決めるきっかけ作り
・若い人たちの自己決定―きっかけはボランティアの力 ・中高年層の自己決定―きっかけは多様な価値観と幅広い年齢層 ・自由自在のプログラムからみえる“自信” ・小さな心の揺れは回復の兆し
ふらっとこらむ
●心が前に… ●ペンは握れなくても… ●旅の釣果は「自信」 ●忘れたくないプレゼント
II 高次脳機能障害の基礎知識―事例の理解に向けて
●高次脳機能障害を理解するために
(1)脳の解剖の理解
(2)要素的機能と高次脳機能
(3)わかりにくい高次脳機能障害
●高次脳機能障害の主な症状
(1)注意障害
(2)記憶障害
(3)失語症
(4)遂行機能障害
(5)行動と情緒の障害
III 事例にみる高次脳機能障害者へのアプローチ
Case 1 目的の確認と情報の整理により行動しやすい環境を作る
Case 2 失語症を超える「あきらめない」取り組み
Case 3 苦手なことを整理し,広がっていった得意なこと
Case 4 活動的な暮らしのために
Case 5 自分を理解すること,人に理解してもらうことの大切さを学ぶ
Case 6 すべてを拒否していた彼が,回復へのイメージと仲間により自信をつけるまで
Case 7 意欲を失った彼が前を歩み続けるまで
Case 8 失語症の彼が言葉で教える料理教室
Case 9 就労への援助─「仕事がしたいです」
Case10 生きる意欲は「〜したい」という希望から
外出プログラム外出に秘められた力─高次脳機能障害者のリハビリに外出が効果的なわけ
IV デイサービスで高次脳機能障害者をみる―方法とプロセス
●高次脳機能障害者が利用するデイサービスの視点
(1)初回面接の留意点
(2)利用希望調査書と初期プログラムの方向作成
(3)プログラムを自己決定に導く要素・身体変化のインフォームドコンセント
(4)スタッフカンファレンス・療法士による機能評価および画像カンファレンス
(5)プログラムの提案の準備
(6)ボランティアを核にした支援体制作り
(7)制度を利用した支援体制作り
●デイサービスでの療法士・医師からのアプローチ
(1)作業療法士からのアプローチ
・自助具 ・車椅子,シーティング ・電動車椅子 ・パソコン ・記憶障害へのアプローチ ・遂行機能障害へのアプローチ
(2)言語聴覚士からのアプローチ
・失語症の回復とは ・ST主導でないことの試み ・失語症の人とのコミュニケーション ・会話の支援 ・個別支援
(3)医師からのアプローチ
・医療面の助言 ・中途障害者の心理と援助の視点 ・説明のポイント ・高次脳機能障害者の予後 ・地域での取り組みの重要性
あとがき