第4版改訂にあたって
周術期における看護(perioperative nursing)は,患者の生命とQOL(quality of life)を左右するきわめて重要な専門的実践です.医療技術の進展と多様化する医療ニーズに対応するためには,科学的根拠に基づいた判断と,個別性に配慮したケアの統合が必要不可欠となります.本書は,こうした複雑化する周術期医療において,看護職が果たすべき役割を実践的かつ理論的に整理し,理解と応用を促進することを目的としています.
第4版改訂では,腹腔鏡・胸腔鏡を用いた鏡視下手術に加え,今後さらに普及が予測されるロボット支援手術に対応した看護のあり方についても最新の知見に基づいて加筆しました.従来の開腹・開胸手術と比較しながら,それぞれの術式における看護の共通点と相違点を明示し,多様な臨床状況に対応できる知識と判断力の強化を目指しています.
また,本書は周術期における患者の経時的な変化に着目し,時間軸に沿って必要となる看護支援を体系的に提示しています.外来受診時から始まる周術期管理チームにおける看護を「術前編(旧第1巻)」,術中・術後の生体反応に着目した術後急性期の看護を「術中・術後編(旧第2巻)」として示し,連続するプロセスのなかで看護師がどのように関与し,どのような臨床推論を行うべきかについても,多角的に解説を加えました.加えて,「消化器編(旧3巻)」,「脳神経編(4巻)」,「運動器編(5巻)」などの主要疾患別の巻では,各疾患に特有のリスクや支援のポイントにも焦点を当て,より実践的な判断ができる構成となっています.
本書の執筆にあたっては,手術室,集中治療室,一般病棟など多様な臨床現場で活躍する熟練看護師,ならびに看護学教育に携わる大学教員が連携し,現場の実際と教育的視点の両立を図りました.写真やビデオ映像を導入した解説や,事例による看護過程の展開,図表の提示など,分かりやすさに留意しつつ,根拠に基づく看護(evidence-based nursing;EBN)の観点から,各種ガイドラインや最新文献の情報を反映させて,内容の妥当性と信頼性を高めています.
看護師や臨床実習中の看護学生は,患者の生理的・心理的変化を鋭く観察し,刻々と変化する状態に即応する高度な臨床判断力を求められます.加えて,患者の価値観や意思を尊重しつつ,専門職としての責任をまっとうする姿勢も不可欠です.本書が,そのような専門職としての看護実践を支える基盤となり,読者一人ひとりの思考と判断を深める一助となれば幸いです.
竹内登美子
はじめに 初版の序
本書は主に,看護学生や新人ナースを対象としてまとめたものです.読者の方々が,講義や演習などで得た既存の知識を復習・整理することを助け,看護実践(看護学実習)に活かすことができる実践的テキストとして企画しました.
従来の成人看護学「外科系」や「急性期」,臨床外科看護学などの類書といえますが,周手術期看護 perioperative nursing,すなわち患者が手術療法を選択するか否かに関する看護から,「手術前・中・後の看護」に焦点をあて,退院するまでの一連のプロセスに関わる看護までを整理しました.
シリーズ1は外来/病棟における術前看護,シリーズ2は術中/術後の生体反応と急性期看護,シリーズ3は開腹術/腹腔鏡下手術を受ける患者の看護です.これらに共通していることは,頻度の高い幽門側胃亜全摘出術を受ける患者の看護を中心に記述しながら,噴門側手術の場合や,食道あるいは大腸手術,腹腔鏡下手術,開胸手術の場合などと比較検討して知識を広げていけるように構成した点です.麻酔に関する知識についても同様で,全身麻酔と硬膜外麻酔下で手術を受ける患者の看護を中心に学びながら,脊椎麻酔の場合との違いが理解できるように構成されています.
特に,「手術を受ける患者と家族の心理を理解するための看護の要点」,「手術療法の理解と看護実践に必要な解剖・生理学の知識」,「術後合併症予防のための看護技術と指導」に力点をおいています.これらは,周手術期看護の基礎ともいえる必須概念と技術だからです.そしてその際,現在の医療・看護に応じた最新の知見を盛り込んで記述するように努めました.
その他の特徴としては,章の内容を適切に理解する助けとして学習目標objectivesを明示したこと,図表やイラストを多くしてビジュアルな紙面としたこと,知識の整理を促進するために看護過程の展開例を入れたこと,各章に適宜Q & AやPLUS ONEとしてコラムを入れ,追加情報や知識の補足をしたことなどがあげられます.
学生や新人ナースの多くは,手術を受けた患者を適切にイメージすることができず,看護援助が患者の回復の後追いになってしまったり,既存の知識を統合することができず,観察したことを看護に結びつけてアセスメントすることができなかったりするものです.しかし,幾つかのヒントを与えたり,幾つかの参考書を提示すれば,自ら答えを導き出してくることが多いのも事実です.臨床で実習指導や新人ナースの指導を担当しているナースの方々と,看護教員養成課程および看護大学の教員で執筆された本書が,そのような折に有用な手引きとしてお役に立てば幸いです.
竹内登美子
周術期における看護(perioperative nursing)は,患者の生命とQOL(quality of life)を左右するきわめて重要な専門的実践です.医療技術の進展と多様化する医療ニーズに対応するためには,科学的根拠に基づいた判断と,個別性に配慮したケアの統合が必要不可欠となります.本書は,こうした複雑化する周術期医療において,看護職が果たすべき役割を実践的かつ理論的に整理し,理解と応用を促進することを目的としています.
第4版改訂では,腹腔鏡・胸腔鏡を用いた鏡視下手術に加え,今後さらに普及が予測されるロボット支援手術に対応した看護のあり方についても最新の知見に基づいて加筆しました.従来の開腹・開胸手術と比較しながら,それぞれの術式における看護の共通点と相違点を明示し,多様な臨床状況に対応できる知識と判断力の強化を目指しています.
また,本書は周術期における患者の経時的な変化に着目し,時間軸に沿って必要となる看護支援を体系的に提示しています.外来受診時から始まる周術期管理チームにおける看護を「術前編(旧第1巻)」,術中・術後の生体反応に着目した術後急性期の看護を「術中・術後編(旧第2巻)」として示し,連続するプロセスのなかで看護師がどのように関与し,どのような臨床推論を行うべきかについても,多角的に解説を加えました.加えて,「消化器編(旧3巻)」,「脳神経編(4巻)」,「運動器編(5巻)」などの主要疾患別の巻では,各疾患に特有のリスクや支援のポイントにも焦点を当て,より実践的な判断ができる構成となっています.
本書の執筆にあたっては,手術室,集中治療室,一般病棟など多様な臨床現場で活躍する熟練看護師,ならびに看護学教育に携わる大学教員が連携し,現場の実際と教育的視点の両立を図りました.写真やビデオ映像を導入した解説や,事例による看護過程の展開,図表の提示など,分かりやすさに留意しつつ,根拠に基づく看護(evidence-based nursing;EBN)の観点から,各種ガイドラインや最新文献の情報を反映させて,内容の妥当性と信頼性を高めています.
看護師や臨床実習中の看護学生は,患者の生理的・心理的変化を鋭く観察し,刻々と変化する状態に即応する高度な臨床判断力を求められます.加えて,患者の価値観や意思を尊重しつつ,専門職としての責任をまっとうする姿勢も不可欠です.本書が,そのような専門職としての看護実践を支える基盤となり,読者一人ひとりの思考と判断を深める一助となれば幸いです.
竹内登美子
はじめに 初版の序
本書は主に,看護学生や新人ナースを対象としてまとめたものです.読者の方々が,講義や演習などで得た既存の知識を復習・整理することを助け,看護実践(看護学実習)に活かすことができる実践的テキストとして企画しました.
従来の成人看護学「外科系」や「急性期」,臨床外科看護学などの類書といえますが,周手術期看護 perioperative nursing,すなわち患者が手術療法を選択するか否かに関する看護から,「手術前・中・後の看護」に焦点をあて,退院するまでの一連のプロセスに関わる看護までを整理しました.
シリーズ1は外来/病棟における術前看護,シリーズ2は術中/術後の生体反応と急性期看護,シリーズ3は開腹術/腹腔鏡下手術を受ける患者の看護です.これらに共通していることは,頻度の高い幽門側胃亜全摘出術を受ける患者の看護を中心に記述しながら,噴門側手術の場合や,食道あるいは大腸手術,腹腔鏡下手術,開胸手術の場合などと比較検討して知識を広げていけるように構成した点です.麻酔に関する知識についても同様で,全身麻酔と硬膜外麻酔下で手術を受ける患者の看護を中心に学びながら,脊椎麻酔の場合との違いが理解できるように構成されています.
特に,「手術を受ける患者と家族の心理を理解するための看護の要点」,「手術療法の理解と看護実践に必要な解剖・生理学の知識」,「術後合併症予防のための看護技術と指導」に力点をおいています.これらは,周手術期看護の基礎ともいえる必須概念と技術だからです.そしてその際,現在の医療・看護に応じた最新の知見を盛り込んで記述するように努めました.
その他の特徴としては,章の内容を適切に理解する助けとして学習目標objectivesを明示したこと,図表やイラストを多くしてビジュアルな紙面としたこと,知識の整理を促進するために看護過程の展開例を入れたこと,各章に適宜Q & AやPLUS ONEとしてコラムを入れ,追加情報や知識の補足をしたことなどがあげられます.
学生や新人ナースの多くは,手術を受けた患者を適切にイメージすることができず,看護援助が患者の回復の後追いになってしまったり,既存の知識を統合することができず,観察したことを看護に結びつけてアセスメントすることができなかったりするものです.しかし,幾つかのヒントを与えたり,幾つかの参考書を提示すれば,自ら答えを導き出してくることが多いのも事実です.臨床で実習指導や新人ナースの指導を担当しているナースの方々と,看護教員養成課程および看護大学の教員で執筆された本書が,そのような折に有用な手引きとしてお役に立てば幸いです.
竹内登美子
第1章 周術期看護の全体理解
1 最近の周術期に関する基礎知識(竹内登美子)
(1)周術期管理チームによる周術期医療
(1)周術期とは
(2)周術期管理チームと多職種連携
(3)周術期医療の倫理
(2)手術/手術療法とは
(1)直視下で行う手術
(2)鏡視下で行う手術
(3)ロボット支援手術
(4)拡大手術と縮小手術および緩和(姑息)手術
2 高齢者と成人の周術期看護(竹内登美子・青蜴弥)
(1)周術期看護の定義
(2)高齢者と成人に対する周術期看護の共通点と相違点
(1)高齢者の定義
(2)高齢者と成人の発達課題と看護上の留意点
(3)手術効果やリスクの判断
(4)高齢者に対する周術期看護の留意点
PLUS ONE
高齢患者への身体拘束
認知症高齢者とのコミュニケーション法
3 外来からの入退院支援(北林正子)
(1)退院支援・退院調整と入院支援
(2)入退院支援の3段階
A 第1段階 外来(入院決定)〜入院3日以内
B 第2段階 入院3日〜退院まで
C 第3段階 必要になった時点〜退院まで
(3)入退院支援の評価
A モニタリング
B 退院支援の評価
(4)入退院支援を充実させるために
第2章 入院前に必要な外来での看護
1 外来部門における看護師の役割
(1)患者の意思決定を支える外来看護の重要性(竹内登美子)
(1)看護師による術前患者へのインフォームド・コンセント
(2)手術を受ける患者へのアドバンス・ケア・プランニング
PLUS ONE
手術を受ける患者の自己概念(比嘉肖江)
乳房切除術/乳房再建術の概要(比嘉肖江)
(2)外来でのアセスメントと術前オリエンテーション(竹口将志)
(1)リスクアセスメントと心理的支援に関する看護
(2)入院から退院までの流れに関する説明
(3)禁煙・服薬・感染対策などの体調管理に関する説明
(4)術後の早期回復を目的とした術前トレーニングの説明
PLUS ONE
タバコが体に与える影響は?(橋由起子)
2 診断検査を受ける患者の看護(山田尚子)
(1)放射線検査
(1)単純撮影
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(2)消化管造影
A 上部消化管造影
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
PLUS ONE
腹腔内に造影剤が漏出する可能性のある患者に用いられる水溶性造影剤
a.検査前日
b.検査当日
検査結果の看護へのいかしかた
B 下部消化管造影;注腸造影
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
a.検査前まで
b.検査当日
検査結果の看護へのいかしかた
(2)内視鏡検査(endoscopy)
(1)胃内視鏡検査
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
a.検査前日
b.検査当日
内視鏡検査の合併症
検査結果の看護へのいかしかた
(2)気管支鏡検査
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(3)超音波検査(echo)
(1)腹部超音波検査
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(2)超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography;EUS)
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(4)CT,MRI
(1)CT(computed tomography;単純コンピューター断層撮影)
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(2)MRI(magnetic resonance imaging;磁気共鳴画像)
MRIの長所と短所
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(5)PET(陽電子放射断層撮影)検査
(1)FDG-PET(fluoro-deoxy-glucose-positron emission tomography)
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
PLUS ONE
診断検査に使用するおもな薬剤の作用・副作用
3 術前検査を受ける患者の看護(竹内登美子・竹口将志)
(1)呼吸機能検査
(1)基礎知識
年齢と肺活量
肺気量分画
拘束性換気障害と閉塞性換気障害
(2)スパイロメトリーによる呼吸機能検査
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(3)動脈血液ガス分析
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
術前の看護へのいかしかた
(2)循環機能検査
(1)基礎知識
循環機能評価のための検査
NYHA(New York Heart Association)分類
心筋梗塞の既往
心臓の刺激伝導系と心電図
心電図からの心拍数の計算方法
(2)心電図(標準十二誘導心電図)
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
心電図の基本的な見方と看護へのいかしかた
PLUS ONE
成人と高齢者の血圧値
電極装着部の覚え方
(3)術前の検体検査
肝機能検査
腎機能検査
血液凝固・止血機能検査
栄養状態に関する検査
(4)術前の身体状態リスク評価(ASA-PS分類)
PLUS ONE
術前外来における成人と高齢者への看護の要点
4 術前薬物療法を受ける患者の看護(緕q嘉美)
(1)癌患者が受ける集学的治療
(1)集学的治療とは
(2)手術が組み込まれる集学的治療の癌薬物療法
A 術前薬物療法(neoadjuvant chemotherapy;ネオアジュバント療法)
目的
B 術後薬物療法(adjuvant chemotherapy;アジュバント療法)
目的
(2)癌薬物療法
(1)癌薬物療法の副作用
副作用の評価
(3)術前薬物療法を受ける患者の看護
(1)術前薬物療法を受ける患者の理解
(2)術前薬物療法の流れと看護の実際
A 開始前
B 投与から終了
(3)癌薬物療法を受けている患者が手術を安全に受けるためのセルフケア支援
A 日常生活における感染・出血予防のセルフケア
B 癌薬物療法の副作用による苦痛のセルフケア
5 術前患者と家族の心理に対する看護(山田尚子・竹内登美子)
(1)患者の心理
(1)病気(疾病)をもった患者の心の変化とその対処
受診・検査を受ける時期
結果説明の時期
(2)患者のニーズ
(3)不安の内容(病者のストレス)
(4)成人・高齢患者に対する術前アセスメント
A 学習者の一般的な特徴
B 術前患者の特質
C 個人の認知プロセス
(5)適応の方向へ危機を解消していくプロセス:フィンクの危機モデル
A 衝撃の段階
B 防衛的退行の段階
C 承認の段階
D 適応の段階
(6)心理的ストレス理論の活用
(2)家族の心理
(1)疾病が家族に及ぼす影響
肯定的影響
否定的影響
(2)家族のニーズ
PLUS ONE
ストレス評価の大きな要因である一般的信念とは?
患者-看護師関係の成立にいかすナースの自己開示
6 術後合併症を予防するための術前看護(竹内登美子・橋由起子)
(1)術前の全身状態の観察と看護
(2)術前トレーニング
(1)深呼吸法の基礎知識
呼吸運動と呼吸に関する筋
a.吸気時
b.呼気時
リラクセーション(全身弛緩)と呼吸筋のマッサージ
(2)深呼吸法の目的
(3)深呼吸法の原理
(4)術前の深呼吸のトレーニング法
腹式呼吸
胸式呼吸
(5)呼吸筋のリラクセーション
(3)術前トレーニングとしての含嗽法
(1)含嗽法の目的
(2)術後の含嗽開始の時期
(3)含嗽の方法
(4)咳嗽による排痰法
(1)基礎知識
生理学的な気道内分泌物の量
正常な気道の「排出・浄化作用」の要因
術前トレーニングとして排痰法を行う理由
咳の起こり方
(2)咳嗽による排痰法の目的
(3)咳嗽による排痰法の原理
(4)術前患者に対する排痰法のトレーニング法
(5)器具を用いた呼吸法
(1)器具を用いた呼吸法の対象
呼吸機能が低下している患者
高齢患者
(2)器具の種類と特徴
PLUS ONE
高齢者に術前指導を行うときのポイント
(6)早期離床のためのトレーニング
(1)下肢の運動
目的
原理
方法
(2)体位変換
目的
原理
方法
a.側臥位への移動
b.座位と立位への援助
PLUS ONE
ハフィング(huffing;強制呼出法)とは?
術前トレーニングの関連動画QRコード
第3章 入院後(手術前日)の看護
1 入院・術前オリエンテーション(竹内登美子・寺内英真・橋由起子)
(1)入院オリエンテーション
(2)術前オリエンテーション
(1)術前オリエンテーションの目的
(2)術前オリエンテーションのおもな項目
PLUS ONE
内視鏡切除術とは
(3)術前オリエンテーション実施時に必要な知識;全身麻酔の場合
(1)手術予定者の疾患の理解
A 胃癌の基礎知識
概念
症状
おもな検査所見
手術療法
B 肺癌の基礎知識
概念
症状
おもな検査所見
手術療法
(2)硬膜外麻酔法と全身麻酔法の理解
PLUS ONE
硬膜外麻酔と脊髄クモ膜下麻酔(腰椎麻酔,脊椎麻酔)の基礎知識
(3)術式の理解
A 胃切除術
B 肺葉切除術
(4)手術時間と麻酔時間の理解
(5)術前指導の内容と方法の理解
(6)術前に準備する物品の理解
(7)術前処置の理解
(8)麻酔科医,手術室看護師の術前訪問の理解
(9)術後の全身管理とおもな術後経過の理解
(10)入院予定期間と入院費用の理解
(11)退院後の日常生活,仕事への復帰時期の理解
2 前日の術前処置(竹内登美子・橋由起子)
(1)禁飲食
(2)消化管のプレパレーション(preparation)
(3)皮膚の準備
(1)体毛の除去(カッティング)
(2)臍の処置(臍の清潔)
(3)入浴(シャワー,清拭)
(4)爪切り
(5)物品の準備
3 手術室看護師による術前訪問(後藤紀久)
(1)術前訪問の目的
(2)術前訪問時の情報収集
(1)手術申し込み用紙(術前情報用紙)から得る情報
(2)医師カルテ,主治医から得る情報
(3)看護カルテ,受け持ち看護師から得る情報
(4)患者・家族との面接から得る情報
(3)術前訪問時の看護
(1)術前訪問の流れ
(2)術前オリエンテーションの内容
4 麻酔科医による術前訪問(竹内登美子)
(1)麻酔科医による術前訪問のおもな目的
(2)麻酔科医による術前訪問の実際
カルテや画像診断類からの情報収集
診察(気管挿管による全身麻酔と硬膜外麻酔が予定されている患者の場合)
麻酔に関する患者の意思決定支援
PLUS ONE
アレン(Allen)テストとは?
周術期管理チームで活躍する薬剤師
第4章 手術当日の看護
1 手術当日の患者と家族に対する看護(竹内登美子・橋由起子)
(1)看護目標と期待される結果
(2)患者と家族に対する心理的援助
(3)身体的準備に関する援助
絶飲食と内服薬の確認
バイタルサインの測定と睡眠状況の確認
清潔
排泄
着替え
身のまわり品の除去
輸液
前投薬(プレメディケーション;premedication)
PLUS ONE
呼吸器合併症のリスク予測スコア(ARISCAT PPC)とは
2 手術室看護師への引き継ぎ(竹内登美子)
(1)引き継ぎ事項
氏名,年齢,性別,病棟
血液型,感染症
アレルギー
身体の清潔
手術野の体毛チェック
絶飲食
内服薬の服用の確認
最終排尿時間と排尿量,排尿方法(自尿,導尿,留置)
最終排便の月日,時刻,方法(自然,下剤,浣腸)
身のまわり品の除去
手術当日の輸液・輸血
心身上の問題点,その他
手術室への持参物品
(2)手術室への患者の移送と引き継ぎの実際
第5章 術前の看護過程の展開
(寺内英真・青蜴弥)
1 胸腔鏡下肺葉切除術を受ける患者の術前の看護過程
(1)看護過程を展開する事例の紹介
(1)入院にいたるまでの患者情報
(2)入院にいたるまでの経過
a.外来での医師から本人への説明
b.本人の反応
c.外来での検査結果
d.外来での病状説明
e.本人と妻の反応
(3)入院後から手術までの経過
a.病状と手術・麻酔に関する説明(インフォームド・コンセント)
b.術前の患者の様子
(2)アセスメントと看護診断:術前
(1)アセスメント
(2)看護診断
(3)解決目標・具体策
(4)看護の実際と評価
付録(竹内登美子)
1 周術期看護に役立つ知識:Q&A
2 周術期看護:おもな看護診断に対する具体策と理論的根拠
索引
1 最近の周術期に関する基礎知識(竹内登美子)
(1)周術期管理チームによる周術期医療
(1)周術期とは
(2)周術期管理チームと多職種連携
(3)周術期医療の倫理
(2)手術/手術療法とは
(1)直視下で行う手術
(2)鏡視下で行う手術
(3)ロボット支援手術
(4)拡大手術と縮小手術および緩和(姑息)手術
2 高齢者と成人の周術期看護(竹内登美子・青蜴弥)
(1)周術期看護の定義
(2)高齢者と成人に対する周術期看護の共通点と相違点
(1)高齢者の定義
(2)高齢者と成人の発達課題と看護上の留意点
(3)手術効果やリスクの判断
(4)高齢者に対する周術期看護の留意点
PLUS ONE
高齢患者への身体拘束
認知症高齢者とのコミュニケーション法
3 外来からの入退院支援(北林正子)
(1)退院支援・退院調整と入院支援
(2)入退院支援の3段階
A 第1段階 外来(入院決定)〜入院3日以内
B 第2段階 入院3日〜退院まで
C 第3段階 必要になった時点〜退院まで
(3)入退院支援の評価
A モニタリング
B 退院支援の評価
(4)入退院支援を充実させるために
第2章 入院前に必要な外来での看護
1 外来部門における看護師の役割
(1)患者の意思決定を支える外来看護の重要性(竹内登美子)
(1)看護師による術前患者へのインフォームド・コンセント
(2)手術を受ける患者へのアドバンス・ケア・プランニング
PLUS ONE
手術を受ける患者の自己概念(比嘉肖江)
乳房切除術/乳房再建術の概要(比嘉肖江)
(2)外来でのアセスメントと術前オリエンテーション(竹口将志)
(1)リスクアセスメントと心理的支援に関する看護
(2)入院から退院までの流れに関する説明
(3)禁煙・服薬・感染対策などの体調管理に関する説明
(4)術後の早期回復を目的とした術前トレーニングの説明
PLUS ONE
タバコが体に与える影響は?(橋由起子)
2 診断検査を受ける患者の看護(山田尚子)
(1)放射線検査
(1)単純撮影
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(2)消化管造影
A 上部消化管造影
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
PLUS ONE
腹腔内に造影剤が漏出する可能性のある患者に用いられる水溶性造影剤
a.検査前日
b.検査当日
検査結果の看護へのいかしかた
B 下部消化管造影;注腸造影
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
a.検査前まで
b.検査当日
検査結果の看護へのいかしかた
(2)内視鏡検査(endoscopy)
(1)胃内視鏡検査
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
a.検査前日
b.検査当日
内視鏡検査の合併症
検査結果の看護へのいかしかた
(2)気管支鏡検査
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(3)超音波検査(echo)
(1)腹部超音波検査
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(2)超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography;EUS)
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(4)CT,MRI
(1)CT(computed tomography;単純コンピューター断層撮影)
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(2)MRI(magnetic resonance imaging;磁気共鳴画像)
MRIの長所と短所
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(5)PET(陽電子放射断層撮影)検査
(1)FDG-PET(fluoro-deoxy-glucose-positron emission tomography)
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
PLUS ONE
診断検査に使用するおもな薬剤の作用・副作用
3 術前検査を受ける患者の看護(竹内登美子・竹口将志)
(1)呼吸機能検査
(1)基礎知識
年齢と肺活量
肺気量分画
拘束性換気障害と閉塞性換気障害
(2)スパイロメトリーによる呼吸機能検査
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
(3)動脈血液ガス分析
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
検査結果の看護へのいかしかた
術前の看護へのいかしかた
(2)循環機能検査
(1)基礎知識
循環機能評価のための検査
NYHA(New York Heart Association)分類
心筋梗塞の既往
心臓の刺激伝導系と心電図
心電図からの心拍数の計算方法
(2)心電図(標準十二誘導心電図)
目的
方法
インフォームド・コンセント
検査時の看護
心電図の基本的な見方と看護へのいかしかた
PLUS ONE
成人と高齢者の血圧値
電極装着部の覚え方
(3)術前の検体検査
肝機能検査
腎機能検査
血液凝固・止血機能検査
栄養状態に関する検査
(4)術前の身体状態リスク評価(ASA-PS分類)
PLUS ONE
術前外来における成人と高齢者への看護の要点
4 術前薬物療法を受ける患者の看護(緕q嘉美)
(1)癌患者が受ける集学的治療
(1)集学的治療とは
(2)手術が組み込まれる集学的治療の癌薬物療法
A 術前薬物療法(neoadjuvant chemotherapy;ネオアジュバント療法)
目的
B 術後薬物療法(adjuvant chemotherapy;アジュバント療法)
目的
(2)癌薬物療法
(1)癌薬物療法の副作用
副作用の評価
(3)術前薬物療法を受ける患者の看護
(1)術前薬物療法を受ける患者の理解
(2)術前薬物療法の流れと看護の実際
A 開始前
B 投与から終了
(3)癌薬物療法を受けている患者が手術を安全に受けるためのセルフケア支援
A 日常生活における感染・出血予防のセルフケア
B 癌薬物療法の副作用による苦痛のセルフケア
5 術前患者と家族の心理に対する看護(山田尚子・竹内登美子)
(1)患者の心理
(1)病気(疾病)をもった患者の心の変化とその対処
受診・検査を受ける時期
結果説明の時期
(2)患者のニーズ
(3)不安の内容(病者のストレス)
(4)成人・高齢患者に対する術前アセスメント
A 学習者の一般的な特徴
B 術前患者の特質
C 個人の認知プロセス
(5)適応の方向へ危機を解消していくプロセス:フィンクの危機モデル
A 衝撃の段階
B 防衛的退行の段階
C 承認の段階
D 適応の段階
(6)心理的ストレス理論の活用
(2)家族の心理
(1)疾病が家族に及ぼす影響
肯定的影響
否定的影響
(2)家族のニーズ
PLUS ONE
ストレス評価の大きな要因である一般的信念とは?
患者-看護師関係の成立にいかすナースの自己開示
6 術後合併症を予防するための術前看護(竹内登美子・橋由起子)
(1)術前の全身状態の観察と看護
(2)術前トレーニング
(1)深呼吸法の基礎知識
呼吸運動と呼吸に関する筋
a.吸気時
b.呼気時
リラクセーション(全身弛緩)と呼吸筋のマッサージ
(2)深呼吸法の目的
(3)深呼吸法の原理
(4)術前の深呼吸のトレーニング法
腹式呼吸
胸式呼吸
(5)呼吸筋のリラクセーション
(3)術前トレーニングとしての含嗽法
(1)含嗽法の目的
(2)術後の含嗽開始の時期
(3)含嗽の方法
(4)咳嗽による排痰法
(1)基礎知識
生理学的な気道内分泌物の量
正常な気道の「排出・浄化作用」の要因
術前トレーニングとして排痰法を行う理由
咳の起こり方
(2)咳嗽による排痰法の目的
(3)咳嗽による排痰法の原理
(4)術前患者に対する排痰法のトレーニング法
(5)器具を用いた呼吸法
(1)器具を用いた呼吸法の対象
呼吸機能が低下している患者
高齢患者
(2)器具の種類と特徴
PLUS ONE
高齢者に術前指導を行うときのポイント
(6)早期離床のためのトレーニング
(1)下肢の運動
目的
原理
方法
(2)体位変換
目的
原理
方法
a.側臥位への移動
b.座位と立位への援助
PLUS ONE
ハフィング(huffing;強制呼出法)とは?
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第3章 入院後(手術前日)の看護
1 入院・術前オリエンテーション(竹内登美子・寺内英真・橋由起子)
(1)入院オリエンテーション
(2)術前オリエンテーション
(1)術前オリエンテーションの目的
(2)術前オリエンテーションのおもな項目
PLUS ONE
内視鏡切除術とは
(3)術前オリエンテーション実施時に必要な知識;全身麻酔の場合
(1)手術予定者の疾患の理解
A 胃癌の基礎知識
概念
症状
おもな検査所見
手術療法
B 肺癌の基礎知識
概念
症状
おもな検査所見
手術療法
(2)硬膜外麻酔法と全身麻酔法の理解
PLUS ONE
硬膜外麻酔と脊髄クモ膜下麻酔(腰椎麻酔,脊椎麻酔)の基礎知識
(3)術式の理解
A 胃切除術
B 肺葉切除術
(4)手術時間と麻酔時間の理解
(5)術前指導の内容と方法の理解
(6)術前に準備する物品の理解
(7)術前処置の理解
(8)麻酔科医,手術室看護師の術前訪問の理解
(9)術後の全身管理とおもな術後経過の理解
(10)入院予定期間と入院費用の理解
(11)退院後の日常生活,仕事への復帰時期の理解
2 前日の術前処置(竹内登美子・橋由起子)
(1)禁飲食
(2)消化管のプレパレーション(preparation)
(3)皮膚の準備
(1)体毛の除去(カッティング)
(2)臍の処置(臍の清潔)
(3)入浴(シャワー,清拭)
(4)爪切り
(5)物品の準備
3 手術室看護師による術前訪問(後藤紀久)
(1)術前訪問の目的
(2)術前訪問時の情報収集
(1)手術申し込み用紙(術前情報用紙)から得る情報
(2)医師カルテ,主治医から得る情報
(3)看護カルテ,受け持ち看護師から得る情報
(4)患者・家族との面接から得る情報
(3)術前訪問時の看護
(1)術前訪問の流れ
(2)術前オリエンテーションの内容
4 麻酔科医による術前訪問(竹内登美子)
(1)麻酔科医による術前訪問のおもな目的
(2)麻酔科医による術前訪問の実際
カルテや画像診断類からの情報収集
診察(気管挿管による全身麻酔と硬膜外麻酔が予定されている患者の場合)
麻酔に関する患者の意思決定支援
PLUS ONE
アレン(Allen)テストとは?
周術期管理チームで活躍する薬剤師
第4章 手術当日の看護
1 手術当日の患者と家族に対する看護(竹内登美子・橋由起子)
(1)看護目標と期待される結果
(2)患者と家族に対する心理的援助
(3)身体的準備に関する援助
絶飲食と内服薬の確認
バイタルサインの測定と睡眠状況の確認
清潔
排泄
着替え
身のまわり品の除去
輸液
前投薬(プレメディケーション;premedication)
PLUS ONE
呼吸器合併症のリスク予測スコア(ARISCAT PPC)とは
2 手術室看護師への引き継ぎ(竹内登美子)
(1)引き継ぎ事項
氏名,年齢,性別,病棟
血液型,感染症
アレルギー
身体の清潔
手術野の体毛チェック
絶飲食
内服薬の服用の確認
最終排尿時間と排尿量,排尿方法(自尿,導尿,留置)
最終排便の月日,時刻,方法(自然,下剤,浣腸)
身のまわり品の除去
手術当日の輸液・輸血
心身上の問題点,その他
手術室への持参物品
(2)手術室への患者の移送と引き継ぎの実際
第5章 術前の看護過程の展開
(寺内英真・青蜴弥)
1 胸腔鏡下肺葉切除術を受ける患者の術前の看護過程
(1)看護過程を展開する事例の紹介
(1)入院にいたるまでの患者情報
(2)入院にいたるまでの経過
a.外来での医師から本人への説明
b.本人の反応
c.外来での検査結果
d.外来での病状説明
e.本人と妻の反応
(3)入院後から手術までの経過
a.病状と手術・麻酔に関する説明(インフォームド・コンセント)
b.術前の患者の様子
(2)アセスメントと看護診断:術前
(1)アセスメント
(2)看護診断
(3)解決目標・具体策
(4)看護の実際と評価
付録(竹内登美子)
1 周術期看護に役立つ知識:Q&A
2 周術期看護:おもな看護診断に対する具体策と理論的根拠
索引














