序文
本書は，「臨床栄養」別冊＂栄養指導・管理のためのスキルアップシリーズvol．1＂「糖尿病の最新食事療法のなぜに答える 基礎編」として2014年4月刊行，改訂新版＂vol．7＂として2017年10月刊行を経て，書籍化されたものである．
糖尿病の日常診療や療養指導にあたって，患者にとって身近な食事療法に関する疑問や質問に根拠をもって簡潔に答える，というコンセプトで編集した本書は，多くの医療関係者より，「エビデンスがどう実践につながるのかわかった」「個々の患者に応じた説明が，根拠をもってできるようになった」と幅広く支持されてきた．
このたびの書籍化にあたっては，2019年に日本糖尿病学会から公表された「糖尿病診療ガイドライン2019」における食事療法の改訂要点，すなわち目標体重や総エネルギー摂取量等について数値目標を一定の目安としながらも，患者の個別性を考慮した柔軟な対応が必要である，という考え方を反映し，従来の記述との整合性を試みた．さらに，「糖尿病治療ガイド2020-2021」，「日本人の食事摂取基準（2020年版）」等の最新情報を更新し，いっそうの内容の充実を図った．そして，数値目標から実効性ある個別化への転換を本書に課した．
2020年，われわれは新型コロナウイルス感染症の世界的流行という，人類がいまだかつて経験したことのない事態に直面している．この未知の感染症については重症化リスクに糖尿病が指摘されており，これに寄与する食と栄養の役割はますます重要になってくるであろう．
現時点での糖尿病の食事療法のエビデンスを整理・集約した本書は，この前例のない事態においても，栄養指導・管理の拠り所となり，日常診療や療養指導に役立つものと確信している．
幸いにも，糖尿病診療の第一線の医師，各領域で高い専門性をもつ療養指導士の諸先生により，ご多忙ななかでのご協力が叶い，本書の刊行に至った．ここに改めて，深甚の謝意を表する次第である．
2020年 秋の訪れを感じながら
編者を代表して 本田佳子
本書は，「臨床栄養」別冊＂栄養指導・管理のためのスキルアップシリーズvol．1＂「糖尿病の最新食事療法のなぜに答える 基礎編」として2014年4月刊行，改訂新版＂vol．7＂として2017年10月刊行を経て，書籍化されたものである．
糖尿病の日常診療や療養指導にあたって，患者にとって身近な食事療法に関する疑問や質問に根拠をもって簡潔に答える，というコンセプトで編集した本書は，多くの医療関係者より，「エビデンスがどう実践につながるのかわかった」「個々の患者に応じた説明が，根拠をもってできるようになった」と幅広く支持されてきた．
このたびの書籍化にあたっては，2019年に日本糖尿病学会から公表された「糖尿病診療ガイドライン2019」における食事療法の改訂要点，すなわち目標体重や総エネルギー摂取量等について数値目標を一定の目安としながらも，患者の個別性を考慮した柔軟な対応が必要である，という考え方を反映し，従来の記述との整合性を試みた．さらに，「糖尿病治療ガイド2020-2021」，「日本人の食事摂取基準（2020年版）」等の最新情報を更新し，いっそうの内容の充実を図った．そして，数値目標から実効性ある個別化への転換を本書に課した．
2020年，われわれは新型コロナウイルス感染症の世界的流行という，人類がいまだかつて経験したことのない事態に直面している．この未知の感染症については重症化リスクに糖尿病が指摘されており，これに寄与する食と栄養の役割はますます重要になってくるであろう．
現時点での糖尿病の食事療法のエビデンスを整理・集約した本書は，この前例のない事態においても，栄養指導・管理の拠り所となり，日常診療や療養指導に役立つものと確信している．
幸いにも，糖尿病診療の第一線の医師，各領域で高い専門性をもつ療養指導士の諸先生により，ご多忙ななかでのご協力が叶い，本書の刊行に至った．ここに改めて，深甚の謝意を表する次第である．
2020年 秋の訪れを感じながら
編者を代表して 本田佳子
序文
知っておきたい糖尿病情報
Q-1 糖尿病患者数が頭打ちになっているというのは本当ですか?（石澤正博，曽根博仁）
Q-2 糖尿病の診断は何を目的として，どのような基準で行うのでしょうか?（岩永みどり，曽根博仁）
Q-3 血糖コントロールにより，境界型からの糖尿病発症や，糖尿病からの合併症発症をどのくらい予防できるのでしょうか?（鈴木裕美，曽根博仁）
Q-4 「糖尿病診療ガイドライン」とは別に，「高齢者糖尿病診療ガイドライン」がありますが，それはどのようなものでしょうか?（荒木 厚）
Q-5 成人の1型糖尿病と2型糖尿病の食事療法にはどのような違いがあるのでしょうか?（金子正儀，曽根博仁）
Q-6 時間栄養学を糖尿病の食事療法に取り入れることはできますか? 体内時計や摂食時刻を考慮した効果的な食事療法のポイントを教えてください．（柴田重信）
Q-7 持続血糖モニター（CGM）を用いると，食事と血糖の関係についてどのようなことがわかりますか? また，血糖変動を抑える食事療法のポイントについて教えてください．（西村理明）
Q-8 腸内細菌と糖代謝にはどのような関係があるのでしょうか? また，糖代謝を改善する食事療法のポイントについて教えてください．（金澤昭雄）
食事療法の基本
Q-9 糖尿病の食事療法は総エネルギー摂取量の適正化が基本ですが，患者ごとの適正な総エネルギー摂取量をどのように設定するのでしょうか?（八幡和明）
Q-10 食事療法の基本である総エネルギー摂取量の適正化が図れれば，食事療法は完結でしょうか?（八幡和明）
Q-11 「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」では，炭水化物エネルギー比率によりいくつかの単位配分が示されましたが，それはどのようなものですか?（本田佳子）
Q-12 「食品交換表」に準拠してカーボカウントの指導用テキストが示されましたが，それはどのようなものでしょうか?（西川直子，川村智行）
Q-13 カーボカウント導入の実際やポイントについて教えてください．（西川直子，川村智行）
Q-14 グリセミックインデックス（GI）とグリセミックロード（GL）の考え方について教えてください．なぜ，その活用がすすめられるのでしょうか?（本田佳子）
Q-15 たんぱく質の割合と質について教えてください．また，割合と質はなぜ重要なのでしょうか?（北田宗弘，古家大祐）
Q-16 脂質の割合と質について教えてください．また，割合と質はなぜ重要なのでしょうか?（安田大二郎，森 保道）
Q-17 エネルギーや三大栄養素以外で，考慮すべき栄養素はどのようなものですか?（細川雅也，田中 仁，津田謹輔）
Q-18 なぜ，食物繊維の重要性が注目されているのでしょうか? 毎日，無理なく上手に摂取できる方法を教えてください．（佐野喜子）
腎症への対応
Q-19 糖尿病性腎症の進行度はどのように判定するのでしょうか?（森 克仁，繪本正憲）
Q-20 重症度別に食事療法はどのように変わるのでしょうか? 糖尿病食から糖尿病性腎症食への切り替えは本当に必要ですか?（安孫子亜津子，羽田勝計）
Q-21 糖尿病性腎症は治ることはあるのでしょうか? 患者にどのように説明すればよいでしょうか?（安孫子亜津子，羽田勝計）
Q-22 維持透析の糖尿病患者では，食事療法はどのような点に注意すればよいでしょうか? また，血糖変動にはどのように対応すればよいでしょうか?（山下滋雄）
その他の合併症への対応
Q-23 肥満・メタボをともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（松下真弥，植木浩二郎）
Q-24 脂質異常症をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（安田大二郎，森 保道）
Q-25 高血圧をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（星出 聡）
Q-26 肝疾患をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（村山賢一郎，江口有一郎）
Q-27 妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（谷内洋子，曽根博仁）
Q-28 認知症をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（荒木 厚）
Q-29 精神障害をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（三島修一）
Q-30 がんをともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（大橋 健）
索引
知っておきたい糖尿病情報
Q-1 糖尿病患者数が頭打ちになっているというのは本当ですか?（石澤正博，曽根博仁）
Q-2 糖尿病の診断は何を目的として，どのような基準で行うのでしょうか?（岩永みどり，曽根博仁）
Q-3 血糖コントロールにより，境界型からの糖尿病発症や，糖尿病からの合併症発症をどのくらい予防できるのでしょうか?（鈴木裕美，曽根博仁）
Q-4 「糖尿病診療ガイドライン」とは別に，「高齢者糖尿病診療ガイドライン」がありますが，それはどのようなものでしょうか?（荒木 厚）
Q-5 成人の1型糖尿病と2型糖尿病の食事療法にはどのような違いがあるのでしょうか?（金子正儀，曽根博仁）
Q-6 時間栄養学を糖尿病の食事療法に取り入れることはできますか? 体内時計や摂食時刻を考慮した効果的な食事療法のポイントを教えてください．（柴田重信）
Q-7 持続血糖モニター（CGM）を用いると，食事と血糖の関係についてどのようなことがわかりますか? また，血糖変動を抑える食事療法のポイントについて教えてください．（西村理明）
Q-8 腸内細菌と糖代謝にはどのような関係があるのでしょうか? また，糖代謝を改善する食事療法のポイントについて教えてください．（金澤昭雄）
食事療法の基本
Q-9 糖尿病の食事療法は総エネルギー摂取量の適正化が基本ですが，患者ごとの適正な総エネルギー摂取量をどのように設定するのでしょうか?（八幡和明）
Q-10 食事療法の基本である総エネルギー摂取量の適正化が図れれば，食事療法は完結でしょうか?（八幡和明）
Q-11 「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」では，炭水化物エネルギー比率によりいくつかの単位配分が示されましたが，それはどのようなものですか?（本田佳子）
Q-12 「食品交換表」に準拠してカーボカウントの指導用テキストが示されましたが，それはどのようなものでしょうか?（西川直子，川村智行）
Q-13 カーボカウント導入の実際やポイントについて教えてください．（西川直子，川村智行）
Q-14 グリセミックインデックス（GI）とグリセミックロード（GL）の考え方について教えてください．なぜ，その活用がすすめられるのでしょうか?（本田佳子）
Q-15 たんぱく質の割合と質について教えてください．また，割合と質はなぜ重要なのでしょうか?（北田宗弘，古家大祐）
Q-16 脂質の割合と質について教えてください．また，割合と質はなぜ重要なのでしょうか?（安田大二郎，森 保道）
Q-17 エネルギーや三大栄養素以外で，考慮すべき栄養素はどのようなものですか?（細川雅也，田中 仁，津田謹輔）
Q-18 なぜ，食物繊維の重要性が注目されているのでしょうか? 毎日，無理なく上手に摂取できる方法を教えてください．（佐野喜子）
腎症への対応
Q-19 糖尿病性腎症の進行度はどのように判定するのでしょうか?（森 克仁，繪本正憲）
Q-20 重症度別に食事療法はどのように変わるのでしょうか? 糖尿病食から糖尿病性腎症食への切り替えは本当に必要ですか?（安孫子亜津子，羽田勝計）
Q-21 糖尿病性腎症は治ることはあるのでしょうか? 患者にどのように説明すればよいでしょうか?（安孫子亜津子，羽田勝計）
Q-22 維持透析の糖尿病患者では，食事療法はどのような点に注意すればよいでしょうか? また，血糖変動にはどのように対応すればよいでしょうか?（山下滋雄）
その他の合併症への対応
Q-23 肥満・メタボをともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（松下真弥，植木浩二郎）
Q-24 脂質異常症をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（安田大二郎，森 保道）
Q-25 高血圧をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（星出 聡）
Q-26 肝疾患をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（村山賢一郎，江口有一郎）
Q-27 妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（谷内洋子，曽根博仁）
Q-28 認知症をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（荒木 厚）
Q-29 精神障害をともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（三島修一）
Q-30 がんをともなう糖尿病では，何を食事療法の評価指標とし，どのような指導・管理をすればよいでしょうか?（大橋 健）
索引
