やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

本書を読まれる方々へ
 平成12年に栄養士法の一部が改正され,平成14年4月から施行されました.このことにより,管理栄養士の資格は登録制から免許制となりました.このように,21世紀の管理栄養士には,高度な専門的知識や技能も要求されますが,バラ色の未来が保障されたことにもなります.平成15年に健康増進法が施行されましたので,管理栄養士にとっては追風となることでしょう.受験生のみなさんが,管理栄養士への道を選ばれたのは,正に“正解”といえましょう.
 管理栄養士国家試験の合格率は,過去数年間約30%でしたが,平成14年20.9%,平成15年19.8%,平成16年15.6%に低下しました.管理栄養士国家試験は競争試験ではなく資格試験ですが,平成15年,16年には正解率60%が合格最低ラインとなりました.しかし,60%以上の正答を達成するのは非常に困難なことです.幅広い分野にわたって重要事項を正確に習得しておくことが必要であるからです.とくに,現場で管理栄養士を目指す栄養士の方々には,大変な負担となります.
 本書は,限られた時間のなかで受験勉強に励まれる受験者が効率的に全分野を学習できるように編集したものであります.一方,管理栄養士専攻課程を修了した新卒者の合格率は70〜80%ということではありますが,確実に合格するためには,大学で学んだことをうまくまとめ,総復習しておかなければなりません.本書は,このような要求にも十分にこたえられる内容です.
 本書の特徴は次のような点にあります.
 1)現行の国家試験出題基準(ガイドライン)に完全準拠して,全科目の要点をわかりやすく解説しました(なお,新ガイドラインは平成14年8月に公表されています).
 2)解説は原則として箇条書きとし,知識の整理に役立つように配慮しました.
 3)重要項目を色文字で示し,重要な箇所が一目でわかるように配慮しました.
 4)章または項ごとに,「受験アドバイス」を本文の左空欄に設け,出題傾向や学習の要領を詳細にアドバイスしました.
 5)科目ごとに「過去5年間の出題傾向」を分析し,これまでの「試験の傾向」と受験にあたっての「学習のポイント」を明示しました.
 6)用語の意味を明確に知っておきたいものについては「キーワード」として解説を加え,とくに詳しく説明が必要なものは「補足」として脚注にも解説を加えました.
 7)「国家試験出題基準」を資料として添え,受験の便を図りました.
 8)巻末に最新の「練習問題」および前回出題の「国家試験問題」を掲載し,傾向をさぐり実力をためすことができるように配慮しました.また,解答には解説を加え,さらに知識が深められるように配慮しました.
 9)出題頻度の高い「最新の国民栄養調査結果」については,とくに詳しい知識が要求されますので,概要を付録として添付しました.
 10)公衆衛生学,公衆栄養学,栄養指導論,健康管理概論は,毎年新しい話題が出てくることもあって,ガイドラインに掲載されていない項目も出題されるようになってきました.本書は,このような項目に対しても,「トピックス」というコラムなどを設けてわかりやすく記述してあります.
 11)平成15年に施行された健康増進法は,管理栄養士にとって,非常に重要な法律です.各科目で具体的な記載がなされていますので,よく勉強しておきましょう.本書の巻頭見返しには「健康増進法の概要」を掲載いたしました.
 12)2004年秋に発表される2005年食事摂取基準(第7次改定日本人の栄養所要量の新しい名称)は2005年4月から使用されることになっていますが,管理栄養士にとっては大変重要ですので,厚生労働省のホームページや医歯薬出版のホームページ(http://www.ishiyaku.co.jp/)からできるだけ早く情報を得て,十分理解しておきましょう.
 13)巻末に索引を付けてあります.ご活用ください.
 さらに,効果的な学習をするために,本書とともに姉妹編の「2005年版徹底分析/管理栄養士国家試験問題集」(医歯薬出版)をお使いになることをおすすめします.
 本書で学ばれたすべての方々が国家試験に合格され,活躍されることを願ってやみません.
 2004年9月
 著者代表
2005年版管理栄養士国家試験全科の要点 目次
1.栄養指導論
 〈総論〉
  1 栄養指導の概念
  2 栄養指導の歴史
  3 今後における栄養指導
  4 栄養指導の方法と技術
  5 栄養所要量と食品構成
  6 栄養状態の評価
  7 栄養指導と運動指導
  8 栄養指導と休養指導
 〈各論〉
  1 年代別栄養指導
  2 妊婦・授乳婦の栄養指導
  3 単身者の栄養指導
  4 臨床栄養指導
  5 特定給食施設における栄養指導
  6 食生活・栄養に関連する諸調査
  7 栄養指導と情報の収集・処理
2.臨床栄養学
 〈総論〉
  1 病態生理
  2 臨床検査
  3 検査食
  4 栄養法
 〈各論〉
  1 胃・腸
  2 肝臓・胆嚢・膵臓
  3 内分泌・代謝
  4 循環器
  5 腎臓
  6 血液
  7 感染症および呼吸器疾患
  8 免疫・アレルギー
  9 骨・関節
  10 歯科
  11 栄養欠陥
  12 心身症
  13 外科
  14 小児
3.公衆栄養学
  1 公衆栄養学の沿革
  2 栄養行政(政策)
  3 五訂日本食品標準成分表
  4 公衆栄養関連法規
  5 国民栄養の現状と動向
  6 地域公衆栄養活動
  7 栄養所要量
  8 諸外国の栄養問題
4.給食管理
  1 給食の概念
  2 経営管理
  3 栄養管理
  4 栄養教育
  5 食材料管理
  6 衛生・安全管理
  7 施設・設備管理
  8 作業管理
  9 特定給食施設の種類と特徴
5.調理学
  1 調理の意義・目的
  2 調理と嗜好性
  3 調理操作
  4 食品の調理
  5 食品の冷凍保存
  6 エネルギー源・調理器具
6.公衆衛生学
  1 公衆衛生の意義
  2 公衆衛生の歴史
  3 人口と公衆衛生
  4 衛生統計
  5 疫学
  6 衛生行政
  7 公衆衛生活動
  8 学校保健
  9 労働衛生(産業保健)
  10 環境衛生
  11 公害
  12 衛生法規
  13 国際衛生
  14 社会保障・社会福祉
  15 医療制度
  16 トピックス
7.食品衛生学
  1 食品衛生行政
  2 食品衛生関係法規
  3 食品と微生物
  4 食品の変質
  5 変質の防止
  6 食中毒
  7 経口的寄生虫疾患
  8 有害物質による汚染
  9 食品添加物
8.食品加工学
  1 食品の加工法と主な加工食品
  2 食品の保存法
  3 食品の包装
  4 加工食品の製造規格と品質表示
  5 主な加工食品
9.解剖生理学
  1 人体の構造と機能
  2 人体の支え
  3 筋組織
  4 循環器系
  5 呼吸器系
  6 消化器系
  7 泌尿器・生殖器系
  8 内分泌系
  9 神経・感覚系
  10 皮膚と体温調節
10.病理学
  1 病気の原因
  2 細胞・組織の障害
  3 細胞の成長の異常
  4 腫瘍
  5 循環障害
  6 炎症と修復
  7 感染症
  8 病態生理
  9 奇形
11.生化学
  1 糖質(糖,炭水化物)
  2 脂質
  3 アミノ酸・ペプチド・たんぱく質
  4 ヌクレオチドと核酸
  5 ビタミン
  6 酵素
  7 エネルギー
  8 糖質代謝
  9 脂質代謝
  10 アミノ酸代謝
  11 グルコース,アミノ酸,脂肪酸代謝の相互関係
  12 たんぱく質代謝
  13 ヌクレオチドと核酸の代謝
  14 ホルモン
  15 血液
  16 生体膜
  17 免疫
12.栄養学
  1 栄養と健康
  2 栄養素の消化・吸収
  3 栄養素の機能
  4 エネルギー代謝
  5 母子栄養
  6 高齢期の栄養
  7 運動と栄養
  8 特殊環境と栄養
13.健康管理概論
  1 健康の概念
  2 健康の現状
  3 健康増進医学
  4 健康づくり施策
  5 健康管理技術
14.食品学
 〈総論〉
  1 食品
  2 食品成分表
  3 食品成分
  4 食品成分の変化
  5 食品の物性
  6 官能検査
 〈各論〉
  1 植物性食品
  2 動物性食品
  3 油脂食品
  4 食品の嗜好材料
管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)
  栄養指導論
  臨床栄養学
  公衆栄養学
  給食管理
  調理学
  公衆衛生学
  食品衛生学
  食品加工学
  解剖生理学
  病理学
  生化学
  栄養学
  健康管理概論
  食品学
練習問題と解答・解説
  栄養指導論問題
  臨床栄養学問題
  公衆栄養学問題
  給食管理問題
  調理学問題
  公衆衛生学問題
  食品衛生学問題
  食品加工学問題
  解剖生理学問題
  病理学問題
  生化学問題
  栄養学問題
  健康管理概論問題
  食品学問題
  解答・解説
第18回管理栄養士国家試験問題・解答・解説
  栄養指導論問題
  臨床栄養学問題
  公衆栄養学問題
  給食管理問題
  調理学問題
  公衆衛生学問題
  食品衛生学問題
  食品加工学問題
  解剖生理学問題
  病理学問題
  生化学問題
  栄養学問題
  健康管理概論問題
  食品学問題
  解答・解説
索引