やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

改訂の序
 管理栄養士養成施設では,臨床栄養学,応用栄養学などの実践栄養に対する重要度がますます高まりつつあります.一方,健常者や,生活習慣病を傷病者にもつ家族においては,健康に対する意識や食への関心,こだわりには並々ならぬものが感じられます.
 今回,五訂増補日本食品標準成分表の公表(平成17年1月24日,文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会報告)に伴い,本書の改訂を次のとおり行いました.
 1.「五訂増補日本食品標準成分表」より成分項目(ビタミンA,E)の変更と,収載食品の変更・削除
 2.「五訂増補日本食品標準成分表―脂肪酸成分表編」より脂肪酸収載項目の変更と追加(n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸)
 以前より臨床栄養の現場では,n-3系およびn-6系多価不飽和脂肪酸と疾患との関わりについて数多く報告されています.これらはいずれも必須脂肪酸であり,とくに,n-3系のイコサペンタエン酸(IPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取が虚血性心疾患や脳卒中の予防に有効であることはすでに周知のとおりです.
 また,肝疾患における肝硬変非代償期では,n-3系およびn-6系の多価不飽和脂肪酸欠乏状態にあることや,腎疾患のネフローゼ症候群にみられる高コレステロール血症時にIPAやDHAの摂取が有効であることなども報告されています.
 これらのことから,現在すでに臨床の実務についている管理栄養士・栄養士や,管理栄養士養成施設学生の演習の場においても,献立作成や栄養指導面で脂肪酸レベルでの治療食への活用・対応がますます必要となってきます.
 本書は,管理栄養士・栄養士を目指す学生の演習・実習書として,また,医療関連施設における管理栄養士・栄養士の実務書として,さらに医師,看護師,薬剤師,栄養指導を必要とする傷病者および家族のための必携の書として引き続きご活用いただければと願っております.
 今後さらに本書の充実をはかり,利用者の皆様方のご要望に応えていきたいと思っておりますので,忌憚のないご意見・ご叱正をいただければ幸いです.
 本書の改訂にあたりご協力いただいた,平井和子教授(千里金蘭大学),浅野恭子助教授(畿央大学),村上恵講師(近畿大学),奥村万寿美講師(名古屋文理大学),青木洋子講師(畿央大学)ならびに医歯薬出版株式会社編集部に深謝の意を表します.
 2006年2月
 臨床栄養総合技術研究会代表
 中島泰子

はじめに
 本書は,1981年に『常用量目安栄養価早見表』として発行以来,日本食品標準成分表の改訂に伴う新版化を進めてまいり,1983年には四訂公表に伴う新版を発行しました.そしてこのたび,五訂日本食品標準成分表(2000年)が公表されましたので,ふたたび新版として世に送り出すことにいたしました.
 近年,食べ物と健康に関する注目度はますます大きくなり,教育現場では管理栄養士・栄養士養成施設カリキュラムの大幅な改正により,それぞれの専門性を明確にしつつ,より高める方向が示されました.とくに応用栄養学,臨床栄養学では身体状況や栄養状態,傷病者の病態や栄養状態の特徴に基づいた適正な栄養管理を行うことが教育目標として掲げられました.
 一方,臨床の現場においても,傷病者やその家族の「健康」や「食事」に対する関心,学ぼうとする姿勢・努力には並々ならぬものがあり,疾病および病態に対応した栄養管理の重要性を痛感しているところです.
 本書は,誰もが,わかりやすく,かつ簡単に食事および食事を構成する食品の成分値を把握できるように食品を常用重量で示し,摂取している食事から,個人の状態に応じた適切な栄養管理が行えるよう工夫しました.
 さらに,治療食の献立作成や栄養指導が十分に行えるよう,治療用・医療関連食品や市販の加工食品,小児関連食品(調製粉乳,ベビーフード)やサプリメント(栄養補助食品)など,約400アイテムの食品を収集・整理して掲載し,必要に応じて使用目的を具体的に併記しています.まだまだ種類や内容面について不満足な点も多く,今後さらに充実していきたいと考えています.
 本書は,将来臨床管理栄養士を目指して学んでいる学生の実習書として,また,医療関連施設における管理栄養士・栄養士の実務書として,さらには医師,看護師,薬剤師,栄養指導を必要とする入院・外来通院中の傷病者およびその家族のための必携の書としてご活用いただければ幸いです.
 最後に,本書を刊行するにあたりご協力いただいた近畿大学農学部食品栄養学科管理栄養士専攻・村上恵,蒲尚子,大和美帆の各氏(管理栄養士)ならびに医歯薬出版編集部に深謝の意を表します.
 2001年7月
 臨床栄養総合技術研究会代表
 中島泰子
 改訂の序
 はじめに
 本書の使用にあたって

五訂増補版食品成分早見表
 1.穀類
 2.いも及びでん粉類
 3.砂糖及び甘味類
 4.豆類
 5.種実類
 6.野菜類
 7.果実類
 8.きのこ類
 9.藻類
 10.魚介類
 11.肉類
 12.卵類
 13.乳類
 14.油脂類
 15.菓子類
 16.し好飲料類
 17.調味料及び香辛料類
 18.調理加工食品類
治療用・医療関連食品等食品成分早見表
  低エネルギー食品
  ダイエット食品
  減塩・塩分調整食品
  低たんぱく・高エネルギー食品
  ミネラル・ビタミン補給食品
  油脂調整食品
  高たんぱく食品
  大豆たんぱく食品
  食物繊維食品
  経腸栄養剤
  濃厚流動食
  調製豆乳
  調製粉乳
  ベビーフード
  介護食
  やわらか惣菜
  うらごし食
  咀嚼・嚥下困難用食品
  ミキサー食(ブレンダー食)
  嚥下補助・とろみ食品
  スポーツ栄養食品
  栄養補助食品
  非常食
  大腸検査食
 付表 プリン体窒素含量
 五訂増補版食品成分早見表食品名さくいん