●はじめに
“健康”は,幸福の基本であり,万人の等しく望むところである.と同時に,個人や家庭,市町村,都道府県,さらには国家の資産でもある.
この健康づくりこそが“栄養士,管理栄養士”という名称を用い,栄養指導を業とする栄養士,管理栄養士のライフワークであるといっても過言ではない.
戦前,佐伯矩先生が栄養士養成を行っていた当時は“人間”を対象としての実践活動ができる人を養成していた.当時,社会的にその養成が必要だったからである.それがいつの間にか短期大学などの家政系で,いわゆる花嫁の資格獲得のような養成になってきたきらいがある.ところが戦後急速に,国情も栄養士に対する社会的要請も大きく変化した.
つまり,人生80年代の長寿社会を迎え,生活習慣病が増加していくなかで,国民の健康を保持・増進させ,活力ある社会を建設するためには,これらの疾患と関係の深い食生活の改善や教育の充実を図ることの必要性が高まった.
一方,年々高学歴化する社会で,栄養士・管理栄養士が行う栄養食事指導の内容も,その質が問われる時代となり,栄養士の資質の向上と,専門職としての地位の確立を図る必要性が叫ばれるようになった.
こうした社会情勢をふまえ,1962年(昭和37)9月,管理栄養士制度が創設され,さらに1985年(昭和60)6月,栄養士法および栄養改善法(健康増進法の施行に伴い廃止)の一部を改正する法律が公布され,管理栄養士の国家試験制度と特定給食施設への必置義務制度が確立した.この制度は,1987年(昭和62)4月1日から施行され,これにより,栄養士・管理栄養士の社会的ニーズはますます高まり,社会的な責任がより大きなものとなった.
近年,特に健康寿命と平均寿命の差,つまり“何らかの健康障害をもちながら生きている期間”をいかに短くするかということが,先進国の大きな課題となっている.
現在わが国では,少子・高齢化が急速に進んでおり,この社会を健康で活力あるものとするため,医療費などの社会保障を適正水準に保つことが求められている.そのため,健康を増進して発病を予防することを重視し,QOL(生活の質)の向上,健康寿命の延長を図るための国民健康づくり運動“健康日本21“が注目されている.“健康日本21”の対象分野は,(1)栄養・食生活,(2)身体活動・運動,(3)休養・こころの健康づくり,(4)たばこ,(5)アルコール,(6)歯の健康,(7)糖尿病,(8)循環器病(脳卒中,虚血性心疾患等),(9)がん,などである.
こうした現状に対応するため,2002年(平成14)度から栄養士・管理栄養士養成課程におけるカリキュラムが改正され,2005年(平成17)度からはこのカリキュラムにそって国家試験が実施されることとなった.
本書は,以上の背景をふまえながら,栄養教育のあり方を全面的に見直し,社会的ニーズに即するような内容構成として,最新の知見とデータに基づき,読みやすく,活用しやすいように記述した.
なお,本書が新たな栄養教育論の教科書として有益な書となることを確信する.
2004年4月10日
著者代表 落合 敏
“健康”は,幸福の基本であり,万人の等しく望むところである.と同時に,個人や家庭,市町村,都道府県,さらには国家の資産でもある.
この健康づくりこそが“栄養士,管理栄養士”という名称を用い,栄養指導を業とする栄養士,管理栄養士のライフワークであるといっても過言ではない.
戦前,佐伯矩先生が栄養士養成を行っていた当時は“人間”を対象としての実践活動ができる人を養成していた.当時,社会的にその養成が必要だったからである.それがいつの間にか短期大学などの家政系で,いわゆる花嫁の資格獲得のような養成になってきたきらいがある.ところが戦後急速に,国情も栄養士に対する社会的要請も大きく変化した.
つまり,人生80年代の長寿社会を迎え,生活習慣病が増加していくなかで,国民の健康を保持・増進させ,活力ある社会を建設するためには,これらの疾患と関係の深い食生活の改善や教育の充実を図ることの必要性が高まった.
一方,年々高学歴化する社会で,栄養士・管理栄養士が行う栄養食事指導の内容も,その質が問われる時代となり,栄養士の資質の向上と,専門職としての地位の確立を図る必要性が叫ばれるようになった.
こうした社会情勢をふまえ,1962年(昭和37)9月,管理栄養士制度が創設され,さらに1985年(昭和60)6月,栄養士法および栄養改善法(健康増進法の施行に伴い廃止)の一部を改正する法律が公布され,管理栄養士の国家試験制度と特定給食施設への必置義務制度が確立した.この制度は,1987年(昭和62)4月1日から施行され,これにより,栄養士・管理栄養士の社会的ニーズはますます高まり,社会的な責任がより大きなものとなった.
近年,特に健康寿命と平均寿命の差,つまり“何らかの健康障害をもちながら生きている期間”をいかに短くするかということが,先進国の大きな課題となっている.
現在わが国では,少子・高齢化が急速に進んでおり,この社会を健康で活力あるものとするため,医療費などの社会保障を適正水準に保つことが求められている.そのため,健康を増進して発病を予防することを重視し,QOL(生活の質)の向上,健康寿命の延長を図るための国民健康づくり運動“健康日本21“が注目されている.“健康日本21”の対象分野は,(1)栄養・食生活,(2)身体活動・運動,(3)休養・こころの健康づくり,(4)たばこ,(5)アルコール,(6)歯の健康,(7)糖尿病,(8)循環器病(脳卒中,虚血性心疾患等),(9)がん,などである.
こうした現状に対応するため,2002年(平成14)度から栄養士・管理栄養士養成課程におけるカリキュラムが改正され,2005年(平成17)度からはこのカリキュラムにそって国家試験が実施されることとなった.
本書は,以上の背景をふまえながら,栄養教育のあり方を全面的に見直し,社会的ニーズに即するような内容構成として,最新の知見とデータに基づき,読みやすく,活用しやすいように記述した.
なお,本書が新たな栄養教育論の教科書として有益な書となることを確信する.
2004年4月10日
著者代表 落合 敏
・はじめに
1:栄養教育の意義と目的
2:栄養教育の歴史と21世紀の課題
1.学校における栄養教育
1)栄養教育の意義と目的
意義 /目的
2)栄養教育の歴史
3)学校栄養職員の役割と今後の課題
学校栄養職員の役割 /今後の課題
2.病院における栄養教育
1)栄養教育の意義と目的
意義 /目的
2)栄養教育の歴史
基準給食制度での栄養教育 /入院時食事療養制度での栄養教育
3)病院における管理栄養士の役割と今後の課題
3.公衆栄養教育
1)栄養教育の意義と目的
2)栄養教育の課題
3:現代社会と栄養教育
1.人口構造の変化
1)世界の人口
2)日本の人口ピラミッド
3)世帯構造
4)地域別人口
5)平均寿命
6)健康寿命
2.生活様式の変化
食生活の変遷と食の社会化
3.疾病構造の変化
1)死因別死亡率
2)悪性新生物(がん)
3)通院者率
4:栄養教育の基礎知識と関係法規
1.食事摂取基準
1)食事摂取基準の概念
エネルギー /栄養素
2)年齢区分
3)食事摂取基準の活用
推定エネルギー必要量 /たんぱく質食事摂取基準 /脂質食事摂取基準 /炭水化物食事摂取基準 /食物繊維食事摂取基準 /ビタミンの食事摂取基準 /ミネラル・微量元素・電解質の食事摂取基準
2.食品成分表
五訂日本食品標準成分表
食品群の分類と配列 /収載食品 /食品の成分値
3.食品構成
1)食品構成の意義
2)食品構成作成の要点
3)献立作成の要点
4.食品分類
1)3色食品群
2)4色食品群
3)6つの基礎食品
4)フード・ガイド・ピラミッド
5.食品の表示
1)特別用途食品
2)保健機能食品制度
特定保健用食品 /栄養機能食品
3)食品の栄養表示基準制度
4)外食料理栄養成分表示
6.関係法規
1)栄養士法
2)健康増進法
3)学校給食法
4)食品衛生法
5)地域保健法
6)地域における行政栄養士業務の基本方針
7)母子保健法
8)老人保健法
9)児童福祉法
10)介護保険法
5:食生活の現状と栄養教育の展望
1.国民栄養の現状と問題点
1)国民栄養調査
2)国民健康・栄養調査の概要
調査の目的 /調査客体 /調査項目 /調査時期 /調査方法 /調査系統
3)国民栄養調査結果の概要
各栄養素等の摂取状況 /食品の摂取状況 /食事状況 /食生活状況 /身体状況 /ストレス・睡眠・休養状況 /血液検査 /生活習慣状況
2.21世紀の健康づくりと栄養教育
1)健康づくりのための栄養教育
健康づくり運動
2)食生活指針
健康づくりのための食生活指針 /健康づくりのための食生活 /指針-対象特性別 /食生活指針の策定
3)健康づくりのための運動指導
健康づくりのための運動所要量 /健康づくりのための運動 指針 /健康づくりのための年齢・対象別身体活動指針 /高齢者の健康維持のための軽レジスタンス運動
4)健康づくりのための休養・こころの指導
現代社会と休養の意義 /健康づくりのための休養 /こころの健康づくり /こころの健康を保つための対策
5)健康づくりのためのその他の指導
歯の健康づくり
3.21世紀の日本人の健康課題
1)生活習慣病予防
生活習慣病の範囲
2)要介護者の増加防止
4.諸外国の健康づくり政策
6:栄養教育の方法と技術
1-方法論の概説
1)アセスメント
情報の収集 /問題点の明確化 /問題点の記述
2)計画の立案
優先順位の設定 /目標の設定 /解決方法の立案
3)実施
4)評価
2-栄養教育の方法
1)個別指導
個別指導時の記録
2)集団指導
集団指導の利点
3)栄養教育時の媒体
媒体使用時の注意点
4)カウンセリング
4つの基本姿勢 /カウンセリングを円滑に進めるための基本的技術 /対象者のタイプ別指導の要点
3-基礎資料の作成
1.対象の把握
1)健康・栄養状態の把握
身体計測 /肥満とやせの判定 /肥満とやせの判定表・図 /臨床症状および生化学的検査による評価
2)栄養摂取状況の把握
食事調査結果からの評価・判定
3)食行動の分析
食行動分析 /食行動,食態度の診断・評価
4)食環境の分析
食環境分析 /食環境の評価指標
5)その他の因子
地理的因子 /社会的因子 /経済的因子 /文化的因子 身体的・心理的因子
2.栄養調査の種類と技法
1)栄養調査の種類
2)栄養調査実施の要点
調査計画の立案 /調査対象者の抽出 /調査方法の選定
3)調査法別実施の要点
記録・面接による調査
4)質問紙による調査
調査項目数・内容の検討 /表現 /回答形式 /回収日
3.データの解析
1)統計処理のあり方
対象者の選択時における統計処理 /データの集計と分析作業における統計処理 /各種統計値の検定・推定における統計処理
2)データのとらえ方
指標のとらえ方 /分布・検定統計量のとらえ方 /有意差検定の考え方と検定値のとらえ方
4-栄養教育プログラムの作成と実践
1)目標設定
目標設定時に検討すべき事項 /目標のあり方 /目標設定の内容例
2)教育プログラムの作成
教育内容・方法の検討 /カリキュラムの作成
3)実施にあたっての要点
対象者へのかかわり方のポイント /栄養教育実施時のポイント
4)実施後の評価
実施者側の検討項目 /対象者側の検討項目
5-栄養教育効果の評価
1)教育効果の判定
主な検討項目 /検討・判定の方法 /実施後のアンケート調査による方法 /その他の方法
2)継続教育のあり方
生涯教育をふまえた継続教育の実施
3)栄養教育指導者の研修・育成
7:ライフステージ・ライフスタイル別栄養教育
1-栄養教育の意義と必要性
2-妊婦・授乳婦の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)この期に起こりやすい問題点と対策
つわり /貧血 /便秘 /肥満 /妊娠中毒症
3)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食生活のポイント
3-乳幼児期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)乳児期
この期の特性 /栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント
3)幼児期
この期の特性 /栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント /食習慣の形成
4-学童期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)この期の特性
身体発育 /精神機能の発達
3)食生活の現状と問題点
朝食の欠食 /不適正な間食と夜食 /孤食 /食欲不振 肥満とやせ /その他
4)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント /食育の推進
5-思春期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)この期の特性
3)食生活の現状と問題点
生活リズムの乱れ /健康上の問題点
4)栄養教育の要点
教育目標 /栄養摂取のポイント
6-成人期の栄養教育
1)栄養教育の意義
食生活の現状と問題点 /この期に起こりやすい疾患
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント /栄養教育の場の拡大と充実
7-壮年期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)食生活の現状と問題点
エネルギー収支バランスの不良 /外食利用率による栄養の偏り /家庭の食事の簡便化傾向 /アルコール・喫煙
3)この期に起こりやすい疾患
生活習慣病 /悪性新生物(がん) /その他
4)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント /その他生活習慣におけるポイント
8-高齢期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)この期の特性と問題点
咀嚼困難 /嚥下障害 /消化吸収力の低下
3)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント
4)この期に起こりやすい疾患とその対策
高血圧症,糖尿病などの慢性疾患 /骨粗鬆症 /貧血 /便秘 /愁訴別栄養指導のポイント
9-スポーツ時の栄養教育
1)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /スポーツドリンク
10-単身者の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)成年・壮年・高齢期における単身者の栄養教育の要点
成年・壮年期 /高齢期 /調理のポイント /外食・テイクアウト食品
8:臨床栄養教育
1-栄養教育の意義と必要性
2-入院患者の栄養教育
消化器系疾患
1.胃腸疾患
栄養教育の意義
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント その他の留意点
2.肝臓疾患
栄養教育の意義
1)急性肝炎
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント
2)慢性肝炎,肝硬変症
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント
3)脂肪肝
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント
3.膵臓疾患
栄養教育の意義
1)急性膵炎
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント
2)慢性膵炎
栄養教育の要点
代謝系疾患
1.肥満
1)栄養教育の意義
2)肥満の分類と判定法
3)栄養教育の要点
食品選択と調理のポイント /食習慣改善のポイント
2.高尿酸血症・痛風
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント
3.糖尿病
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食品交換表の活用 /食事のポイント
4.高脂血症
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の基本方針
3)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント
循環器系疾患
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の基本方針
3)栄養教育の要点
適正体重 /減塩指導 /栄養摂取のポイント /食生活のポイント
腎疾患
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の基本方針
3)栄養教育の要点
塩分制限 /栄養摂取のポイント /治療用特殊食品 /食品交換表の活用 /計量・調理指導 /外食時の指導
4)栄養教育の要点
個別指導 /集団および継続指導
術前・術後
1)栄養教育の意義
2)消化器術後の栄養教育の要点
3)食事療法の基本方針
食道手術後 /胃手術後 /術後に起こりやすい症状とその対策 /大腸手術後 /人工肛門造設後 /胆道手術後
貧血
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント /その他の指導
骨粗鬆症
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント
検査食
1)潜血検査食
2)甲状腺機能検査食
3)腎機能検査食
4)腸造影検査食
食事性アレルギー
1)栄養教育の意義
2)食事の基本方針と栄養教育
(1) 卵・牛乳がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育
(2) 大豆がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育
(3) 米・小麦がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育
(4) 肉類・魚介類がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育
(5) いも類・野菜類がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育 /その他の注意事項
3-外来患者の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の目的
3)外来栄養教育の実際
4)チームによる外来栄養教育
4-院内スタッフとの連携
1)チーム医療
2)コメディカルスタッフ間の信頼関係の構築
3)NSTにおける管理栄養士の役割
4)POS
5)クリティカルパス
9:栄養行政と公衆栄養教育の実際
1)栄養行政と公衆栄養教育の意義
2)栄養行政の組織と役割
(1) 国の行政組織
厚生労働省
(2) 地方自治体の行政組織
本庁(都道府県,政令市,特別区) /保健所(都道府県,政令市,特別区) /市町村および保健センター・老人福祉センター・母子健康センター
3)公衆栄養業務の実際
4)公衆栄養教育の実際
市民に対する栄養教育・栄養相談 /専門的・広域的栄養指導
10:在宅訪問栄養指導
栄養教育の意義と必要性
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の必要性
3)栄養教育の実際
訪問栄養教育 /訪問栄養教育の実際 /栄養教育の要点 /栄養指導の記録・報告
・参考文献
・付表 日本人の食事摂取基準(2005年版)
1:栄養教育の意義と目的
2:栄養教育の歴史と21世紀の課題
1.学校における栄養教育
1)栄養教育の意義と目的
意義 /目的
2)栄養教育の歴史
3)学校栄養職員の役割と今後の課題
学校栄養職員の役割 /今後の課題
2.病院における栄養教育
1)栄養教育の意義と目的
意義 /目的
2)栄養教育の歴史
基準給食制度での栄養教育 /入院時食事療養制度での栄養教育
3)病院における管理栄養士の役割と今後の課題
3.公衆栄養教育
1)栄養教育の意義と目的
2)栄養教育の課題
3:現代社会と栄養教育
1.人口構造の変化
1)世界の人口
2)日本の人口ピラミッド
3)世帯構造
4)地域別人口
5)平均寿命
6)健康寿命
2.生活様式の変化
食生活の変遷と食の社会化
3.疾病構造の変化
1)死因別死亡率
2)悪性新生物(がん)
3)通院者率
4:栄養教育の基礎知識と関係法規
1.食事摂取基準
1)食事摂取基準の概念
エネルギー /栄養素
2)年齢区分
3)食事摂取基準の活用
推定エネルギー必要量 /たんぱく質食事摂取基準 /脂質食事摂取基準 /炭水化物食事摂取基準 /食物繊維食事摂取基準 /ビタミンの食事摂取基準 /ミネラル・微量元素・電解質の食事摂取基準
2.食品成分表
五訂日本食品標準成分表
食品群の分類と配列 /収載食品 /食品の成分値
3.食品構成
1)食品構成の意義
2)食品構成作成の要点
3)献立作成の要点
4.食品分類
1)3色食品群
2)4色食品群
3)6つの基礎食品
4)フード・ガイド・ピラミッド
5.食品の表示
1)特別用途食品
2)保健機能食品制度
特定保健用食品 /栄養機能食品
3)食品の栄養表示基準制度
4)外食料理栄養成分表示
6.関係法規
1)栄養士法
2)健康増進法
3)学校給食法
4)食品衛生法
5)地域保健法
6)地域における行政栄養士業務の基本方針
7)母子保健法
8)老人保健法
9)児童福祉法
10)介護保険法
5:食生活の現状と栄養教育の展望
1.国民栄養の現状と問題点
1)国民栄養調査
2)国民健康・栄養調査の概要
調査の目的 /調査客体 /調査項目 /調査時期 /調査方法 /調査系統
3)国民栄養調査結果の概要
各栄養素等の摂取状況 /食品の摂取状況 /食事状況 /食生活状況 /身体状況 /ストレス・睡眠・休養状況 /血液検査 /生活習慣状況
2.21世紀の健康づくりと栄養教育
1)健康づくりのための栄養教育
健康づくり運動
2)食生活指針
健康づくりのための食生活指針 /健康づくりのための食生活 /指針-対象特性別 /食生活指針の策定
3)健康づくりのための運動指導
健康づくりのための運動所要量 /健康づくりのための運動 指針 /健康づくりのための年齢・対象別身体活動指針 /高齢者の健康維持のための軽レジスタンス運動
4)健康づくりのための休養・こころの指導
現代社会と休養の意義 /健康づくりのための休養 /こころの健康づくり /こころの健康を保つための対策
5)健康づくりのためのその他の指導
歯の健康づくり
3.21世紀の日本人の健康課題
1)生活習慣病予防
生活習慣病の範囲
2)要介護者の増加防止
4.諸外国の健康づくり政策
6:栄養教育の方法と技術
1-方法論の概説
1)アセスメント
情報の収集 /問題点の明確化 /問題点の記述
2)計画の立案
優先順位の設定 /目標の設定 /解決方法の立案
3)実施
4)評価
2-栄養教育の方法
1)個別指導
個別指導時の記録
2)集団指導
集団指導の利点
3)栄養教育時の媒体
媒体使用時の注意点
4)カウンセリング
4つの基本姿勢 /カウンセリングを円滑に進めるための基本的技術 /対象者のタイプ別指導の要点
3-基礎資料の作成
1.対象の把握
1)健康・栄養状態の把握
身体計測 /肥満とやせの判定 /肥満とやせの判定表・図 /臨床症状および生化学的検査による評価
2)栄養摂取状況の把握
食事調査結果からの評価・判定
3)食行動の分析
食行動分析 /食行動,食態度の診断・評価
4)食環境の分析
食環境分析 /食環境の評価指標
5)その他の因子
地理的因子 /社会的因子 /経済的因子 /文化的因子 身体的・心理的因子
2.栄養調査の種類と技法
1)栄養調査の種類
2)栄養調査実施の要点
調査計画の立案 /調査対象者の抽出 /調査方法の選定
3)調査法別実施の要点
記録・面接による調査
4)質問紙による調査
調査項目数・内容の検討 /表現 /回答形式 /回収日
3.データの解析
1)統計処理のあり方
対象者の選択時における統計処理 /データの集計と分析作業における統計処理 /各種統計値の検定・推定における統計処理
2)データのとらえ方
指標のとらえ方 /分布・検定統計量のとらえ方 /有意差検定の考え方と検定値のとらえ方
4-栄養教育プログラムの作成と実践
1)目標設定
目標設定時に検討すべき事項 /目標のあり方 /目標設定の内容例
2)教育プログラムの作成
教育内容・方法の検討 /カリキュラムの作成
3)実施にあたっての要点
対象者へのかかわり方のポイント /栄養教育実施時のポイント
4)実施後の評価
実施者側の検討項目 /対象者側の検討項目
5-栄養教育効果の評価
1)教育効果の判定
主な検討項目 /検討・判定の方法 /実施後のアンケート調査による方法 /その他の方法
2)継続教育のあり方
生涯教育をふまえた継続教育の実施
3)栄養教育指導者の研修・育成
7:ライフステージ・ライフスタイル別栄養教育
1-栄養教育の意義と必要性
2-妊婦・授乳婦の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)この期に起こりやすい問題点と対策
つわり /貧血 /便秘 /肥満 /妊娠中毒症
3)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食生活のポイント
3-乳幼児期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)乳児期
この期の特性 /栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント
3)幼児期
この期の特性 /栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント /食習慣の形成
4-学童期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)この期の特性
身体発育 /精神機能の発達
3)食生活の現状と問題点
朝食の欠食 /不適正な間食と夜食 /孤食 /食欲不振 肥満とやせ /その他
4)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント /食育の推進
5-思春期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)この期の特性
3)食生活の現状と問題点
生活リズムの乱れ /健康上の問題点
4)栄養教育の要点
教育目標 /栄養摂取のポイント
6-成人期の栄養教育
1)栄養教育の意義
食生活の現状と問題点 /この期に起こりやすい疾患
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント /栄養教育の場の拡大と充実
7-壮年期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)食生活の現状と問題点
エネルギー収支バランスの不良 /外食利用率による栄養の偏り /家庭の食事の簡便化傾向 /アルコール・喫煙
3)この期に起こりやすい疾患
生活習慣病 /悪性新生物(がん) /その他
4)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント /その他生活習慣におけるポイント
8-高齢期の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)この期の特性と問題点
咀嚼困難 /嚥下障害 /消化吸収力の低下
3)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント
4)この期に起こりやすい疾患とその対策
高血圧症,糖尿病などの慢性疾患 /骨粗鬆症 /貧血 /便秘 /愁訴別栄養指導のポイント
9-スポーツ時の栄養教育
1)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /スポーツドリンク
10-単身者の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)成年・壮年・高齢期における単身者の栄養教育の要点
成年・壮年期 /高齢期 /調理のポイント /外食・テイクアウト食品
8:臨床栄養教育
1-栄養教育の意義と必要性
2-入院患者の栄養教育
消化器系疾患
1.胃腸疾患
栄養教育の意義
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント その他の留意点
2.肝臓疾患
栄養教育の意義
1)急性肝炎
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント
2)慢性肝炎,肝硬変症
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント
3)脂肪肝
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント
3.膵臓疾患
栄養教育の意義
1)急性膵炎
栄養教育の要点 /栄養摂取のポイント /食事のポイント
2)慢性膵炎
栄養教育の要点
代謝系疾患
1.肥満
1)栄養教育の意義
2)肥満の分類と判定法
3)栄養教育の要点
食品選択と調理のポイント /食習慣改善のポイント
2.高尿酸血症・痛風
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント
3.糖尿病
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食品交換表の活用 /食事のポイント
4.高脂血症
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の基本方針
3)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント
循環器系疾患
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の基本方針
3)栄養教育の要点
適正体重 /減塩指導 /栄養摂取のポイント /食生活のポイント
腎疾患
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の基本方針
3)栄養教育の要点
塩分制限 /栄養摂取のポイント /治療用特殊食品 /食品交換表の活用 /計量・調理指導 /外食時の指導
4)栄養教育の要点
個別指導 /集団および継続指導
術前・術後
1)栄養教育の意義
2)消化器術後の栄養教育の要点
3)食事療法の基本方針
食道手術後 /胃手術後 /術後に起こりやすい症状とその対策 /大腸手術後 /人工肛門造設後 /胆道手術後
貧血
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント /その他の指導
骨粗鬆症
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の要点
栄養摂取のポイント /食事のポイント
検査食
1)潜血検査食
2)甲状腺機能検査食
3)腎機能検査食
4)腸造影検査食
食事性アレルギー
1)栄養教育の意義
2)食事の基本方針と栄養教育
(1) 卵・牛乳がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育
(2) 大豆がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育
(3) 米・小麦がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育
(4) 肉類・魚介類がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育
(5) いも類・野菜類がアレルゲンの場合
食事の基本 /栄養教育 /その他の注意事項
3-外来患者の栄養教育
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の目的
3)外来栄養教育の実際
4)チームによる外来栄養教育
4-院内スタッフとの連携
1)チーム医療
2)コメディカルスタッフ間の信頼関係の構築
3)NSTにおける管理栄養士の役割
4)POS
5)クリティカルパス
9:栄養行政と公衆栄養教育の実際
1)栄養行政と公衆栄養教育の意義
2)栄養行政の組織と役割
(1) 国の行政組織
厚生労働省
(2) 地方自治体の行政組織
本庁(都道府県,政令市,特別区) /保健所(都道府県,政令市,特別区) /市町村および保健センター・老人福祉センター・母子健康センター
3)公衆栄養業務の実際
4)公衆栄養教育の実際
市民に対する栄養教育・栄養相談 /専門的・広域的栄養指導
10:在宅訪問栄養指導
栄養教育の意義と必要性
1)栄養教育の意義
2)栄養教育の必要性
3)栄養教育の実際
訪問栄養教育 /訪問栄養教育の実際 /栄養教育の要点 /栄養指導の記録・報告
・参考文献
・付表 日本人の食事摂取基準(2005年版)





