やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

Preface
 近年,補綴修復装置の素材や材料の発展とともに,支台歯形成も多様化しつつある.特に接着修復治療・MI修復治療が発展し,支台歯形成も1つの転換期にあると感じる.また補綴修復治療のデジタル化が進み,コンピューター上での支台歯形態やマテリアルスペースの確認などが可能となった.しかし依然として,支台歯形成は歯科医師が口腔内でアナログ的に行う必要があり,それは補綴修復治療の成功を大きく左右する手技である.
 本書では,筆者が習得してきた補綴修復治療およびそれらに必要な支台歯形成,支台歯形態について,症例やイラスト,模型での形成ステップを中心に解説させていただいた.また補綴修復治療に必要な支台歯形成以外の治療手技についても,文献や現状の筆者の知見を元に紹介させていただいた.
 適切な支台歯形成の習得には,知識および技術の研鑽および経験が必要とされる.補綴修復治療の成功を目指して,本書が少しでも読者の皆様のお役に立つことができれば幸いである.
 最後に,常日頃筆者をご指導くださる歯科医師の本多正明先生,松川敏久先生,六人部慶彦先生,歯科技工士の西村好美先生,日本臨床歯科学会(SJCD)の先生方,また筆者に接着修復治療の基礎をご指導くださる青島徹児先生,Dr.David Gerdolle,Dr.Didier Dietschi,Bio_emulationのメンバー,また本書の技工を担当していただいた奥森健史先生,脇田太裕先生,瓜坂達也先生,青木健治先生,当院勤務の倉本慎也先生,本書の作製に尽力いただいた医歯薬出版株式会社の上田雄介氏,井貫幸一先生,また当院のスタッフ,家族に感謝いたします.
 2023年9月吉日
 岩田 淳
 Preface
Chapter 1 支台歯形成の基本的原則
Chapter 2 支台築造
Chapter 3 支台歯形成における補綴前処置
Chapter 4 支台歯形成の具体的なテクニック
Chapter 5 上顎前歯部のクラウン形成
Chapter 6 下顎前歯部のクラウン形成
Chapter 7 小臼歯のクラウン形成
Chapter 8 大臼歯のクラウン形成
Chapter 9 ラミネートベニアの支台歯形成
Chapter 10 インレー,アンレー,オーバーレイの支台歯形成
Chapter 11 ブリッジの支台歯形成
Chapter 12 接着ブリッジの支台歯形成
Chapter 13 咬合再構成症例の支台歯形成
Chapter 14 パーシャルデンチャーにおける鉤歯の支台歯形成
Chapter 15 さまざまな状況における支台歯形成
Chapter 16 プロビジョナルレストレーション
Chapter 17 歯肉圧排,印象採得
Chapter 18 補綴装置の装着