第6版の序
歯科あるいは口腔について,人々の関心はますます高まる傾向にあり,オーラルケア,オーラルフレイル,ドライマウス,インプラントなどの単語が日常会話にまで浸透しつつあります.とりわけ,歯科審美への関心は強く,それに呼応するように新しい材料や技術の提供が進んでいます.
そのような中,幸いにも本書は多くの大学の教育現場で教科書あるいは参考図書として使用され,また一般の開業歯科医の先生方にも受け入れられ,版を重ねてまいりました.
しかしながら,本書の第5版の上梓以来,平成28年に「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」,平成30年に「歯科医師国家試験出題基準」がそれぞれ時代の変革に応じて改訂され,用語集に関しても平成29年に『日本顎関節学会学術用語集 第1版』,平成30年に『歯科理工学教育用語集 第3版』,平成31年に『歯科補綴学専門用語集 第5版』(日本補綴歯科学会編集)と次々に編纂あるいは改訂され,日進月歩の歯科医療技術の進歩に伴って歯科医学の学問体系も少しずつ,あるいは新しい分野では急速に変化してきています.特に,第5版の序にも記しましたようにクラウンブリッジ補綴学領域においては,CAD/CAM技術を中心としたデジタル歯科技術の実用化,クラウンブリッジ補綴臨床への歯科接着技術の浸透,口腔インプラント技術のシステム化に伴う治療対象の拡大などがなされてきました.すなわち,第5版出版時からさらにクラウンブリッジ補綴学の学問体系は進化し,それにともなって本書の内容にも改訂の必要な個所が少なからず出てまいりました.
そこで,これまで受け容れられてきた第5版の骨格はそのまま残しながら,内容を全体的に点検して情報の最新化を図るとともに,第5版と同様にすべての写真・図表をカラー化して視認性を高めることにより,本書をより読みやすくすることに努め,ここに『クラウンブリッジ補綴学 第6版』を上梓することができました.
本書に玉稿をお寄せいただいた多くの先生方には深く感謝を申し上げるとともに,この第6版が時代に即応してアップデートされたクラウンブリッジ補綴学の最良の指導書として全国の歯科学生や一般臨床医の方々のみならず専門医の先生方にも利用され,良質の歯科医師の育成と国民の健康に寄与できることを大いに期待し,序といたします.
2020年12月
編集委員
矢谷博文 三浦宏之
細川隆司 小川 匠
木本克彦 松香芳三
第1版の序
クラウン・ブリッジ補綴学についての,成書の出版が久しく待望されていたにもかかわらず,即座に対応できない理由があって,何年かが経過した.すなわち,Peeso(1876)らがまとめた板金加工技術による補綴物の製作法を主とした補綴学から,1945年ごろからの鋳造技術による補綴物の製作法への転換,それに伴い高速切削,精密印象に関する器材と技術の進歩,さらに人工歯材料の改良などを加えてめまぐるしいほどの進歩と発展があった.それとともに新しい咬合理論が導入され,その他の生物学的研究も盛んに行われ,クラウン・ブリッジ補綴学は大きな変革を遂げたのである.
そのため,その間に成書を発刊することは困難であったが,約10年前ごろには理論的にも実際面でもやや定着する傾向をみたので,本書の発刊を企画した.
全国歯科大学,歯学部のクラウン・ブリッジ補綴学担当の各教授に執筆を依頼し,原稿の締切りが1978年12月末日であったが,それぞれのご都合により,最終原稿を入手したのは本年の5月末日である.
このような事情に加えて執筆者の変更もあり,初めに入手した原稿と新しく入手した原稿とでは,内容が不ぞろいのところや重複しているところがみられる.しかし,これ以上発行を遅らせることは問題があるので,ある程度の調整を行い,あえて発刊することにした.
また,用語については,かつてクラウン・ブリッジ担当教授の懇談会でも統一することが難しかったし,現在,日本補綴歯科学会の用語検討委員会が検討を始めているが,クラウン・ブリッジの内容までは検討が至っていない.そのため本書でもある程度の統一をはかったが,多少用語が異なっている部分もあり,このことについては後日,用語の決定をみたうえで改訂を行いたいと思っている.
以上,本書編集の経過を述べたが,現時点でのクラウン・ブリッジ補綴学としては,内容的に満足すべきものであり,この成書を基として,後日改訂を行い,さらに完璧を期したいと思っている.
本書が歯科学生のクラウン・ブリッジ補綴学の良き指導書として,また臨床の基本的理論と技法の手引き書として大いに活用されることを希望して序文とする.
1986年6月
羽賀通夫 中澤 靖
田端恒雄 小森冨夫
下総高次 竹花庄治
第2版の序
クラウン・ブリッジ補綴学の初版は好評をもって迎えられ,1986年の発刊から今日まで刷を重ねて10刷に至っている.学問,研究が日進月歩であることは言うまでもないが,この間,歯科医学教授要綱,歯科医師国家試験出題基準の改訂など歯学教育に関して重要な変化が見られた.そこで今回,これらの変化に対応し,またクラウン・ブリッジの理論,臨床の進歩を取り入れるため,構想を新たにして初版の改訂を計画した.今回の改訂の要点は次のとおりである.
1)初版の内容を再検討して,全面的な改訂を行った.
2)歯科医師国家試験出題基準(いわゆる国家試験ガイドライン)は,これまで4年毎に改訂が加えられ,1993年に全体の組立を変えるという大幅な改訂が行われた.今回の改訂では,これに対応して項目と内容を検討した.
3)用語については1992年,文部省と日本歯科医学会の編集による学術用語集・歯学編が刊行された.他方,日本補綴歯科学会の用語検討委員会においても検討が進められ,用語に関する混乱はほぼ解決されたと思われる.そこで今回の改訂では,これらの成果を取り入れて,できるかぎり用語の統一をはかった.さらに読者の便を考えて,巻末にクラウン・ブリッジ補綴に関する同義語一覧」を付した.
4)上記のような内容,用語の整理とともに学習の便を考慮して,頁数の圧縮をはかった.
以上のような改訂の意図を理解された執筆者のご協力によって,本書には限られた頁数に精選された内容を盛ることができたと考えている.ここに執筆者各位に深甚な感謝を捧げるとともに,本書が初版本と同様に歯科学生の指導書として,また臨床家にとっても,クラウン・ブリッジ補綴の基本的理論と技法の手引として広く活用されることを望んで止まない.
1995年1月
青木英夫
田端恒雄
横塚繁雄
第3版の序
たとえ部分的な歯質の崩壊であっても,あるいは歯が1本欠損しているだけでも,その影響は大きく,咀嚼障害,審美障害,さらには心理的な障害を引き起こすことがある.また,歯質の欠損や歯の欠損を放置すると,その影響が隣接する歯群や対合歯列に及び,やがて咀嚼筋や顎関節の障害を引き起こすことも珍しくない.
クラウンブリッジは,こうした歯質の崩壊や歯の欠損を形態的にも機能的にも,また外観のうえでも人工的に修復し,その結果を長期にわたって維持するための装置として長い間重要な役割を果たしてきた.そして今,多くの新規材料や術式が登場し,新たな展開の時を迎えている.
本書の第2版が上梓されたのは平成7年である.以来,9年余が経過し,その間に「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」の提示(平成13年),「歯科医師国家試験出題基準」の改定(平成13年)など歯科医学教育を取り巻く環境は大きく変化した.また,これに呼応するように日本補綴歯科学会によって「歯科補綴学教育基準 改訂2001」が編まれた.これらの変化の意図するところは,DOS(Doctor Oriented System)からPOS(Patient Oriented System)への転換と要約して表現されるように,患者さん主体の医療をさらに前進させることにある.
本書では,このパラダイムシフトを第1章の総論にしっかりと据えるとともに,将来を担う学生の教科書であることを重視し,全体的な構成,内容の選択,項目ごとのページ数のバランスに特別の注意を払った.また,同じ理由から,見やすく読みやすい内容となるよう良質の図表と簡潔な文章を心がけた.さらに,用語については,日本補綴歯科学会の『歯科補綴学専門用語集』(平成13年)を中心に一部改変したものを用いた.
最後に,お忙しいなかご執筆いただいた全国のクラウンブリッジ担当の先生方に深甚なる謝意を表しますとともに,本書が,歯学生をはじめ一般臨床医にとって,最新のクラウンブリッジ補綴を実施するうえでの基本的理論と技術の習得に役立ち,またそれらを通して顎口腔系の健康の維持・増進に寄与することを強く切望いたします.
2004年3月
編集委員
石橋寛二 川添堯彬
川和忠治 福島俊士
矢谷博文
第4版の序
クラウンブリッジ補綴は,歯科臨床の主要な領域の一つで,1本の歯の部分的な欠損から少数歯・多数歯の欠損までを形態的,機能的,そして審美的に修復し,それを長期にわたって維持することを目的としている.その効果は徐々に現れ,高齢者の口腔に多くのクラウンやブリッジを見ることが珍しくなくなった.
折しも日本は高齢者が総人口の20.7%(2006年)を占め,近い将来には31.8%(2030年)を占める長寿社会に突入しようとしている.こうした高齢者は,人々の歯科への関心が急激な高まりをみせているにもかかわらず,まだクラウンやブリッジや可撤性義歯を必要としている場合が大部分である.これからクラウンブリッジ補綴学を学ぶ歯科学生諸君は,質の高いこれら補綴装置を装着できる良医となるべく本書を大いに活用してほしい.
本書の第3版は2004年春に上梓された.以来わずか5年の経過であるが,この短期間にもクラウンブリッジ補綴は大きな変化をみせ,第4版の制作に着手せざるをえない状況となった.セラミックスの質が大幅に向上してセラミックスのみによるブリッジの製作が可能となり,レジンがさらに変貌して歯冠色の咬合面をもつレジン前装冠が登場した.また,インプラント補綴がいよいよその地歩を固め,日常の臨床に利用されるようになった.さらに,これらの臨床を支えるCAD/CAM技術の発展も見過ごすことができない.
本書では,第3版のよいところを踏襲するとともに,上記の新しい変化に対応すべく多くの加筆・修正を行った.その際,歯科医学教育を取り巻く環境の変化,とりわけ2007年に改訂された「歯科医学教授要綱」と「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」,そして新しい「歯科医師国家試験出題基準」について,それぞれの改訂の趣旨である患者本位の医療,臨床現場の重視,口腔と全身との関わり等を尊重し,関連する事項の充実に努めた.
本書が,歯科学生をはじめ一般臨床医にとって,最新のクラウンブリッジ補綴を実践するうえでの基本的な理論と技術の修得に役立ち,それを通して顎口腔系の健康の維持・増進に寄与することを強く切望する.
最後に,お忙しいなかご執筆いただいた全国のクラウンブリッジ補綴学ご担当の先生方に深甚なる謝意を表します.
2009年1月
編集委員
石橋寛二 川添堯彬
川和忠治 福島俊士
三浦宏之 矢谷博文
第5版の序
本書は1986年に上梓された第1版から第3版まで約9年ごとに改訂が行われました.第3版は2004年3月に上梓され,全国の歯学部ならびに歯科大学において優れた歯科学生の教科書として最も多く使用された成書となったことは記憶に新しく,御同慶の至りです.その5年後には,新材料および新規技術の台頭や歯科医学教育を取り巻く環境の変化に対応して2009年2月に第4版が上梓され,現在に至っています.
第4版が上梓されてから現在に至るまでの間に歯科医学教育を取り巻く環境はさらに変化しました.歯科医学教授要綱は2007年以来改訂の動きはありませんが,歯学教育モデル・コア・カリキュラムが2010年に改訂されて,文字通り歯学教育のコアとなる目標が新たに定められるとともに,その内容を十分に踏まえたうえで歯科医師国家試験出題基準が2014年に改められました.歯科医学教授要綱,歯学教育モデル・コア・カリキュラムおよび歯科医師国家試験出題基準の3つは我が国における歯学教育の根幹をなす,いわば教育原理を成文化したものであり,これらが内容を改訂した以上,本書を含めた歯科学生の教科書も変わっていかなければならないことは自明の理であると思われます.これら3つの教育基準に共通する理念は,多様化する国民のニーズに十分応えることのできる歯科医師を養成することにあります.特に超高齢社会となった我が国では今後ますます高齢者や全身疾患をもつ者の増加が見込まれることから,クラウンブリッジ補綴学領域においてもそういった患者さんへの対応が求められています.
一方,本格的な歯科用デジタル技術の発展,歯科接着技術の進歩ならびに再生医療技術の進化には著しいものがあり,クラウンブリッジ補綴学領域においては,CAD/CAM技術を応用したメタルフリー歯冠補綴装置の実用化,クラウンブリッジ補綴臨床への歯科接着技術適用の有用性の見直し,口腔インプラント技術の革新と安定化などがなされつつあります.これらの補綴新技術は,その重要性が歯科領域においても叫ばれて久しいpatient/problem centeredcareをますます実効あるものとすることに貢献しており,その意味においてこれらの技術の習得はこれからの歯科医師にとって必須となるでしょう.
以上のような新しい時代の変化に即応することを第5版改訂の第一目標として,第4版の加筆・訂正を行いました.しかしながら,すべての領域で全面的な書き直しが必要であったわけではなく,基本的に第4版の内容を踏襲している領域も少なくなく,そのような領域では第4版を執筆いただいた先生方に内容を引き継ぐことをご快諾いただいていることを申し添えさせていただきます.
最後に,玉稿をお寄せいただいた先生方に深甚なる感謝を表しますとともに,本書が最新のクラウンブリッジ補綴学の最良の教科書として全国の歯科学生や一般臨床医の方々に大いに活用されることを願って止みません.
2014年9月
編集委員
矢谷博文 三浦宏之
細川隆司 小川 匠
歯科あるいは口腔について,人々の関心はますます高まる傾向にあり,オーラルケア,オーラルフレイル,ドライマウス,インプラントなどの単語が日常会話にまで浸透しつつあります.とりわけ,歯科審美への関心は強く,それに呼応するように新しい材料や技術の提供が進んでいます.
そのような中,幸いにも本書は多くの大学の教育現場で教科書あるいは参考図書として使用され,また一般の開業歯科医の先生方にも受け入れられ,版を重ねてまいりました.
しかしながら,本書の第5版の上梓以来,平成28年に「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」,平成30年に「歯科医師国家試験出題基準」がそれぞれ時代の変革に応じて改訂され,用語集に関しても平成29年に『日本顎関節学会学術用語集 第1版』,平成30年に『歯科理工学教育用語集 第3版』,平成31年に『歯科補綴学専門用語集 第5版』(日本補綴歯科学会編集)と次々に編纂あるいは改訂され,日進月歩の歯科医療技術の進歩に伴って歯科医学の学問体系も少しずつ,あるいは新しい分野では急速に変化してきています.特に,第5版の序にも記しましたようにクラウンブリッジ補綴学領域においては,CAD/CAM技術を中心としたデジタル歯科技術の実用化,クラウンブリッジ補綴臨床への歯科接着技術の浸透,口腔インプラント技術のシステム化に伴う治療対象の拡大などがなされてきました.すなわち,第5版出版時からさらにクラウンブリッジ補綴学の学問体系は進化し,それにともなって本書の内容にも改訂の必要な個所が少なからず出てまいりました.
そこで,これまで受け容れられてきた第5版の骨格はそのまま残しながら,内容を全体的に点検して情報の最新化を図るとともに,第5版と同様にすべての写真・図表をカラー化して視認性を高めることにより,本書をより読みやすくすることに努め,ここに『クラウンブリッジ補綴学 第6版』を上梓することができました.
本書に玉稿をお寄せいただいた多くの先生方には深く感謝を申し上げるとともに,この第6版が時代に即応してアップデートされたクラウンブリッジ補綴学の最良の指導書として全国の歯科学生や一般臨床医の方々のみならず専門医の先生方にも利用され,良質の歯科医師の育成と国民の健康に寄与できることを大いに期待し,序といたします.
2020年12月
編集委員
矢谷博文 三浦宏之
細川隆司 小川 匠
木本克彦 松香芳三
第1版の序
クラウン・ブリッジ補綴学についての,成書の出版が久しく待望されていたにもかかわらず,即座に対応できない理由があって,何年かが経過した.すなわち,Peeso(1876)らがまとめた板金加工技術による補綴物の製作法を主とした補綴学から,1945年ごろからの鋳造技術による補綴物の製作法への転換,それに伴い高速切削,精密印象に関する器材と技術の進歩,さらに人工歯材料の改良などを加えてめまぐるしいほどの進歩と発展があった.それとともに新しい咬合理論が導入され,その他の生物学的研究も盛んに行われ,クラウン・ブリッジ補綴学は大きな変革を遂げたのである.
そのため,その間に成書を発刊することは困難であったが,約10年前ごろには理論的にも実際面でもやや定着する傾向をみたので,本書の発刊を企画した.
全国歯科大学,歯学部のクラウン・ブリッジ補綴学担当の各教授に執筆を依頼し,原稿の締切りが1978年12月末日であったが,それぞれのご都合により,最終原稿を入手したのは本年の5月末日である.
このような事情に加えて執筆者の変更もあり,初めに入手した原稿と新しく入手した原稿とでは,内容が不ぞろいのところや重複しているところがみられる.しかし,これ以上発行を遅らせることは問題があるので,ある程度の調整を行い,あえて発刊することにした.
また,用語については,かつてクラウン・ブリッジ担当教授の懇談会でも統一することが難しかったし,現在,日本補綴歯科学会の用語検討委員会が検討を始めているが,クラウン・ブリッジの内容までは検討が至っていない.そのため本書でもある程度の統一をはかったが,多少用語が異なっている部分もあり,このことについては後日,用語の決定をみたうえで改訂を行いたいと思っている.
以上,本書編集の経過を述べたが,現時点でのクラウン・ブリッジ補綴学としては,内容的に満足すべきものであり,この成書を基として,後日改訂を行い,さらに完璧を期したいと思っている.
本書が歯科学生のクラウン・ブリッジ補綴学の良き指導書として,また臨床の基本的理論と技法の手引き書として大いに活用されることを希望して序文とする.
1986年6月
羽賀通夫 中澤 靖
田端恒雄 小森冨夫
下総高次 竹花庄治
第2版の序
クラウン・ブリッジ補綴学の初版は好評をもって迎えられ,1986年の発刊から今日まで刷を重ねて10刷に至っている.学問,研究が日進月歩であることは言うまでもないが,この間,歯科医学教授要綱,歯科医師国家試験出題基準の改訂など歯学教育に関して重要な変化が見られた.そこで今回,これらの変化に対応し,またクラウン・ブリッジの理論,臨床の進歩を取り入れるため,構想を新たにして初版の改訂を計画した.今回の改訂の要点は次のとおりである.
1)初版の内容を再検討して,全面的な改訂を行った.
2)歯科医師国家試験出題基準(いわゆる国家試験ガイドライン)は,これまで4年毎に改訂が加えられ,1993年に全体の組立を変えるという大幅な改訂が行われた.今回の改訂では,これに対応して項目と内容を検討した.
3)用語については1992年,文部省と日本歯科医学会の編集による学術用語集・歯学編が刊行された.他方,日本補綴歯科学会の用語検討委員会においても検討が進められ,用語に関する混乱はほぼ解決されたと思われる.そこで今回の改訂では,これらの成果を取り入れて,できるかぎり用語の統一をはかった.さらに読者の便を考えて,巻末にクラウン・ブリッジ補綴に関する同義語一覧」を付した.
4)上記のような内容,用語の整理とともに学習の便を考慮して,頁数の圧縮をはかった.
以上のような改訂の意図を理解された執筆者のご協力によって,本書には限られた頁数に精選された内容を盛ることができたと考えている.ここに執筆者各位に深甚な感謝を捧げるとともに,本書が初版本と同様に歯科学生の指導書として,また臨床家にとっても,クラウン・ブリッジ補綴の基本的理論と技法の手引として広く活用されることを望んで止まない.
1995年1月
青木英夫
田端恒雄
横塚繁雄
第3版の序
たとえ部分的な歯質の崩壊であっても,あるいは歯が1本欠損しているだけでも,その影響は大きく,咀嚼障害,審美障害,さらには心理的な障害を引き起こすことがある.また,歯質の欠損や歯の欠損を放置すると,その影響が隣接する歯群や対合歯列に及び,やがて咀嚼筋や顎関節の障害を引き起こすことも珍しくない.
クラウンブリッジは,こうした歯質の崩壊や歯の欠損を形態的にも機能的にも,また外観のうえでも人工的に修復し,その結果を長期にわたって維持するための装置として長い間重要な役割を果たしてきた.そして今,多くの新規材料や術式が登場し,新たな展開の時を迎えている.
本書の第2版が上梓されたのは平成7年である.以来,9年余が経過し,その間に「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」の提示(平成13年),「歯科医師国家試験出題基準」の改定(平成13年)など歯科医学教育を取り巻く環境は大きく変化した.また,これに呼応するように日本補綴歯科学会によって「歯科補綴学教育基準 改訂2001」が編まれた.これらの変化の意図するところは,DOS(Doctor Oriented System)からPOS(Patient Oriented System)への転換と要約して表現されるように,患者さん主体の医療をさらに前進させることにある.
本書では,このパラダイムシフトを第1章の総論にしっかりと据えるとともに,将来を担う学生の教科書であることを重視し,全体的な構成,内容の選択,項目ごとのページ数のバランスに特別の注意を払った.また,同じ理由から,見やすく読みやすい内容となるよう良質の図表と簡潔な文章を心がけた.さらに,用語については,日本補綴歯科学会の『歯科補綴学専門用語集』(平成13年)を中心に一部改変したものを用いた.
最後に,お忙しいなかご執筆いただいた全国のクラウンブリッジ担当の先生方に深甚なる謝意を表しますとともに,本書が,歯学生をはじめ一般臨床医にとって,最新のクラウンブリッジ補綴を実施するうえでの基本的理論と技術の習得に役立ち,またそれらを通して顎口腔系の健康の維持・増進に寄与することを強く切望いたします.
2004年3月
編集委員
石橋寛二 川添堯彬
川和忠治 福島俊士
矢谷博文
第4版の序
クラウンブリッジ補綴は,歯科臨床の主要な領域の一つで,1本の歯の部分的な欠損から少数歯・多数歯の欠損までを形態的,機能的,そして審美的に修復し,それを長期にわたって維持することを目的としている.その効果は徐々に現れ,高齢者の口腔に多くのクラウンやブリッジを見ることが珍しくなくなった.
折しも日本は高齢者が総人口の20.7%(2006年)を占め,近い将来には31.8%(2030年)を占める長寿社会に突入しようとしている.こうした高齢者は,人々の歯科への関心が急激な高まりをみせているにもかかわらず,まだクラウンやブリッジや可撤性義歯を必要としている場合が大部分である.これからクラウンブリッジ補綴学を学ぶ歯科学生諸君は,質の高いこれら補綴装置を装着できる良医となるべく本書を大いに活用してほしい.
本書の第3版は2004年春に上梓された.以来わずか5年の経過であるが,この短期間にもクラウンブリッジ補綴は大きな変化をみせ,第4版の制作に着手せざるをえない状況となった.セラミックスの質が大幅に向上してセラミックスのみによるブリッジの製作が可能となり,レジンがさらに変貌して歯冠色の咬合面をもつレジン前装冠が登場した.また,インプラント補綴がいよいよその地歩を固め,日常の臨床に利用されるようになった.さらに,これらの臨床を支えるCAD/CAM技術の発展も見過ごすことができない.
本書では,第3版のよいところを踏襲するとともに,上記の新しい変化に対応すべく多くの加筆・修正を行った.その際,歯科医学教育を取り巻く環境の変化,とりわけ2007年に改訂された「歯科医学教授要綱」と「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」,そして新しい「歯科医師国家試験出題基準」について,それぞれの改訂の趣旨である患者本位の医療,臨床現場の重視,口腔と全身との関わり等を尊重し,関連する事項の充実に努めた.
本書が,歯科学生をはじめ一般臨床医にとって,最新のクラウンブリッジ補綴を実践するうえでの基本的な理論と技術の修得に役立ち,それを通して顎口腔系の健康の維持・増進に寄与することを強く切望する.
最後に,お忙しいなかご執筆いただいた全国のクラウンブリッジ補綴学ご担当の先生方に深甚なる謝意を表します.
2009年1月
編集委員
石橋寛二 川添堯彬
川和忠治 福島俊士
三浦宏之 矢谷博文
第5版の序
本書は1986年に上梓された第1版から第3版まで約9年ごとに改訂が行われました.第3版は2004年3月に上梓され,全国の歯学部ならびに歯科大学において優れた歯科学生の教科書として最も多く使用された成書となったことは記憶に新しく,御同慶の至りです.その5年後には,新材料および新規技術の台頭や歯科医学教育を取り巻く環境の変化に対応して2009年2月に第4版が上梓され,現在に至っています.
第4版が上梓されてから現在に至るまでの間に歯科医学教育を取り巻く環境はさらに変化しました.歯科医学教授要綱は2007年以来改訂の動きはありませんが,歯学教育モデル・コア・カリキュラムが2010年に改訂されて,文字通り歯学教育のコアとなる目標が新たに定められるとともに,その内容を十分に踏まえたうえで歯科医師国家試験出題基準が2014年に改められました.歯科医学教授要綱,歯学教育モデル・コア・カリキュラムおよび歯科医師国家試験出題基準の3つは我が国における歯学教育の根幹をなす,いわば教育原理を成文化したものであり,これらが内容を改訂した以上,本書を含めた歯科学生の教科書も変わっていかなければならないことは自明の理であると思われます.これら3つの教育基準に共通する理念は,多様化する国民のニーズに十分応えることのできる歯科医師を養成することにあります.特に超高齢社会となった我が国では今後ますます高齢者や全身疾患をもつ者の増加が見込まれることから,クラウンブリッジ補綴学領域においてもそういった患者さんへの対応が求められています.
一方,本格的な歯科用デジタル技術の発展,歯科接着技術の進歩ならびに再生医療技術の進化には著しいものがあり,クラウンブリッジ補綴学領域においては,CAD/CAM技術を応用したメタルフリー歯冠補綴装置の実用化,クラウンブリッジ補綴臨床への歯科接着技術適用の有用性の見直し,口腔インプラント技術の革新と安定化などがなされつつあります.これらの補綴新技術は,その重要性が歯科領域においても叫ばれて久しいpatient/problem centeredcareをますます実効あるものとすることに貢献しており,その意味においてこれらの技術の習得はこれからの歯科医師にとって必須となるでしょう.
以上のような新しい時代の変化に即応することを第5版改訂の第一目標として,第4版の加筆・訂正を行いました.しかしながら,すべての領域で全面的な書き直しが必要であったわけではなく,基本的に第4版の内容を踏襲している領域も少なくなく,そのような領域では第4版を執筆いただいた先生方に内容を引き継ぐことをご快諾いただいていることを申し添えさせていただきます.
最後に,玉稿をお寄せいただいた先生方に深甚なる感謝を表しますとともに,本書が最新のクラウンブリッジ補綴学の最良の教科書として全国の歯科学生や一般臨床医の方々に大いに活用されることを願って止みません.
2014年9月
編集委員
矢谷博文 三浦宏之
細川隆司 小川 匠
第1章 総論
I クラウンブリッジ補綴学の意義と目的(矢谷博文)
A クラウンブリッジ補綴学の定義
B クラウンブリッジ治療の目的と意義
C クラウンブリッジ治療の歴史
D クラウンブリッジ治療と健康科学
E クラウンブリッジ治療の利点と欠点
II クラウンブリッジおよびインプラントの臨床成績(矢谷博文)
A クラウンブリッジの生存率
B 失敗のリスク因子
C クラウンブリッジ治療のEBM
D 口腔インプラントの生存率
III 咬合・歯周組織の正常像と咬合異常・咀嚼障害
A 咬合の原則(窪木拓男,水口 一)
B 歯周組織と歯周病(村上伸也,辻 翔太)
C 咬合異常・咀嚼障害の病因と病態(越智守生,廣瀬由紀人)
D 主要症候(症状と徴候)
IV 診察・診断と感染予防
A 医療面接と診察(田中昌博,柏木宏介,田中順子)
B 検査
C 評価と診断
D 感染予防(越智守生,廣瀬由起人)
V 治療計画を左右する因子(矢谷博文)
A 口腔内因子
B 全身的因子
C 社会・心理学的因子
VI クラウンブリッジの要件(馬場一美,田中晋平)
A 生物学的要件
B 機能的要件
C 力学的要件
D 審美的要件
E 材料学的要件
VII クラウンの種類(舞田健夫)
A 全部被覆冠
B 部分被覆冠
C ポストクラウン(継続歯)
VIII ブリッジの種類と構成(近藤尚知)
A ブリッジの臨床的意義(役割)
B ブリッジの適応症
C ブリッジの種類
D ブリッジの構成要素
IX クラウンブリッジの設計(魚島勝美)
A 支台歯の負担能力
B 欠損歯数と支台歯数
C 支台装置の選択
D 咬合と咬合圧負担
E クラウンの連結
F ポンティック基底面形態
G ブリッジの連結法
H 延長ブリッジ(遊離端ブリッジ,カンチレバーブリッジ)
I 材料の選択
第2章 臨床操作
I インフォームドコンセント(松浦尚志)
A インフォームドコンセントの基本理念
B インフォームドコンセントに必要なプロセス
C 治療の選択に影響する医療従事者の医療レベル
II 前処置(藤澤政紀)
A 予防的処置
B 外科的処置
C 保存的処置
D 矯正的処置
E 補綴的処置
III 支台歯形成(松村英雄,小峰 太)
A 支台歯形成の目的と原則
B 全部金属冠のための支台歯形成
C 前装冠のための支台歯形成
D ジャケットクラウンのための支台歯形成
E 部分被覆冠のための支台歯形成
IV 支台築造(中村善治,小川 匠)
A 臨床的意義
B 支台築造の種類・選択基準
C 支台築造の方法
V 印象採得(佐藤 亨)
A 印象材の種類
B 印象用器材
C 印象の前準備
D 印象法
E 印象採得後の処理
VI プロビジョナルレストレーション(木本克彦)
A 臨床的意義
B 種類
C 製作方法
D 試適
E 仮着用セメントの要件とその種類
VII 顎間関係の記録(咬合採得)(古谷野 潔,荻野洋一郎)
A 咬合関係の決定と記録
B 頭蓋に対する上顎歯列の三次元的位置関係の記録
C 咬合器の顆路を決定するための下顎運動記録
VIII 患者情報の記録と伝達(石神 元)
A 患者情報の記録
B 患者情報の伝達
第3章 ロストワックス法による製作
I 作業用模型の製作
A 構成と要件(関根秀志)
B 模型材の種類
C 作業用模型の種類と関連器具
D 歯型の修正
E 咬合器の種類と選択(南 弘之)
F 咬合器装着
G 咬合器の調節
II ワックスアップ(ワックスパターン形成)(三浦宏之)
A ワックスパターンの要件
B インレーワックスの種類と取り扱い
C ワックスアップの種類
D ワックスアップの実際(盛り上げ法)
III 埋没・鋳造・熱処理・研磨
A 埋没材の種類(羽鳥弘毅)
B 埋没法
C 鋳造用金属(小林 平)
D 鋳造収縮の補償
E 鋳造欠陥
F 鋳造後処理
G 熱処理
H 金属の研磨
第4章 CAD/CAMによるクラウンブリッジの製作
(三浦宏之)
A 臨床的意義
B 歯科におけるCAD/CAM
C CAD/CAMによるクラウンブリッジの製作方法
D 加工用材料
E CAD/CAMクラウン製作時の注意点
第5章 装着と術後管理
I 口腔内試適と装着
A 試適(松香芳三)
B 仮着
C 合着と接着(江草 宏)
D セメントの種類
II 術後管理(メインテナンス)(武部 純,橋本和佳)
A 術後管理(メインテナンス)の重要性
B クラウンブリッジにおけるプラークコントロール
C ホームケア
D プロフェッショナルケア
E インプラントの術後管理
III 装着後に発生する問題とその対応(細川隆司,中本哲自)
A 支台装置
B 支台歯
C 歯周組織
D 残存歯列(咬耗)
第6章 各論
I レジン前装冠(平 曜輔,澤瀬 隆)
A 臨床的意義
B 適応症
C レジンと金属の結合
D 製作法
II ハイブリッド型コンポジットレジンクラウン(疋田一洋)
A 臨床的意義
B 適応症と禁忌症
C ハイブリッド型コンポジットレジンの種類
D 製作法
III 陶材焼付冠(五味治徳,新谷明一)
A 臨床的意義
B 適応症と禁忌症
C 陶材と金属の結合
D 製作法
IV オールセラミック修復(中村隆志,矢谷博文)
A オールセラミック修復の歴史
B 臨床的意義
C 適応症と禁忌症
D 材料の選択と製作法
E ラミネートベニア
V ブリッジ(従来型ブリッジ)(山口泰彦,上田康夫)
A 臨床的意義
B 適応症と禁忌症
C ブリッジの支台歯形成,印象採得,咬合採得
D ブリッジの製作
VI 接着ブリッジ(矢谷博文)
A 接着ブリッジの歴史
B 基本デザイン
C 臨床的意義
D 適応症
E 製作法
VII 口腔インプラント支台のクラウンブリッジ
A 口腔インプラントとは(渡邉文彦)
B 口腔インプラント治療の流れ(細川隆司,正木千尋)
C 口腔インプラントによる補綴歯科治療
VIII オーラルアプライアンス(口腔内装置)(井川知子,小川 匠)
A オーラルアプライアンスとは
B 顎関節治療用口腔内装置:スタビリゼーションアプライアンス
C OSAS治療用口腔内装置:スリープアプライアンス
D ブラキシズムに対する口腔内装置:ナイトガード
E スポーツ用口腔内装置:スポーツマウスガード
第7章 高齢者・要介護者におけるクラウンブリッジ治療
(津賀一弘,吉川峰加)
A 高齢者・要介護者を対象としたクラウンブリッジ治療
B 後期高齢者ならびに要介護高齢者への対応
第8章 歯周病患者におけるクラウンブリッジ治療
(星 憲幸,木本克彦)
A 目的
B 注意すべき項目
C 歯周治療による前処置
D クラウンブリッジで考慮すべき項目
E 臨床におけるその他の注意点
第9章 顎関節症患者における補綴歯科治療
(松香芳三)
A 顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害
B 顎関節症の病態と病因
C 顎関節症の検査
D 顎関節症に対する治療
E 顎関節症に対する補綴歯科治療
column 1 全部鋳造冠の名称変更(福島俊士)
column 2 陶材によるクラウンの製作法の変遷─ポーセレンジャケットクラウンからオールセラミッククラウンへ─(三浦宏之)
column 3 中心位(小川 匠)
column 4 再生医療とクラウンブリッジ治療(江草 宏)
column 5 支台歯形態の変遷(三浦宏之)
column 6 マージンとフィニッシュライン(福島俊士)
column 7 作業用模型の分類(三浦宏之)
column 8 ロストワックス法で用いられるセラミックス(三浦宏之)
column 9 FGPテクニック(細川隆司)
I クラウンブリッジ補綴学の意義と目的(矢谷博文)
A クラウンブリッジ補綴学の定義
B クラウンブリッジ治療の目的と意義
C クラウンブリッジ治療の歴史
D クラウンブリッジ治療と健康科学
E クラウンブリッジ治療の利点と欠点
II クラウンブリッジおよびインプラントの臨床成績(矢谷博文)
A クラウンブリッジの生存率
B 失敗のリスク因子
C クラウンブリッジ治療のEBM
D 口腔インプラントの生存率
III 咬合・歯周組織の正常像と咬合異常・咀嚼障害
A 咬合の原則(窪木拓男,水口 一)
B 歯周組織と歯周病(村上伸也,辻 翔太)
C 咬合異常・咀嚼障害の病因と病態(越智守生,廣瀬由紀人)
D 主要症候(症状と徴候)
IV 診察・診断と感染予防
A 医療面接と診察(田中昌博,柏木宏介,田中順子)
B 検査
C 評価と診断
D 感染予防(越智守生,廣瀬由起人)
V 治療計画を左右する因子(矢谷博文)
A 口腔内因子
B 全身的因子
C 社会・心理学的因子
VI クラウンブリッジの要件(馬場一美,田中晋平)
A 生物学的要件
B 機能的要件
C 力学的要件
D 審美的要件
E 材料学的要件
VII クラウンの種類(舞田健夫)
A 全部被覆冠
B 部分被覆冠
C ポストクラウン(継続歯)
VIII ブリッジの種類と構成(近藤尚知)
A ブリッジの臨床的意義(役割)
B ブリッジの適応症
C ブリッジの種類
D ブリッジの構成要素
IX クラウンブリッジの設計(魚島勝美)
A 支台歯の負担能力
B 欠損歯数と支台歯数
C 支台装置の選択
D 咬合と咬合圧負担
E クラウンの連結
F ポンティック基底面形態
G ブリッジの連結法
H 延長ブリッジ(遊離端ブリッジ,カンチレバーブリッジ)
I 材料の選択
第2章 臨床操作
I インフォームドコンセント(松浦尚志)
A インフォームドコンセントの基本理念
B インフォームドコンセントに必要なプロセス
C 治療の選択に影響する医療従事者の医療レベル
II 前処置(藤澤政紀)
A 予防的処置
B 外科的処置
C 保存的処置
D 矯正的処置
E 補綴的処置
III 支台歯形成(松村英雄,小峰 太)
A 支台歯形成の目的と原則
B 全部金属冠のための支台歯形成
C 前装冠のための支台歯形成
D ジャケットクラウンのための支台歯形成
E 部分被覆冠のための支台歯形成
IV 支台築造(中村善治,小川 匠)
A 臨床的意義
B 支台築造の種類・選択基準
C 支台築造の方法
V 印象採得(佐藤 亨)
A 印象材の種類
B 印象用器材
C 印象の前準備
D 印象法
E 印象採得後の処理
VI プロビジョナルレストレーション(木本克彦)
A 臨床的意義
B 種類
C 製作方法
D 試適
E 仮着用セメントの要件とその種類
VII 顎間関係の記録(咬合採得)(古谷野 潔,荻野洋一郎)
A 咬合関係の決定と記録
B 頭蓋に対する上顎歯列の三次元的位置関係の記録
C 咬合器の顆路を決定するための下顎運動記録
VIII 患者情報の記録と伝達(石神 元)
A 患者情報の記録
B 患者情報の伝達
第3章 ロストワックス法による製作
I 作業用模型の製作
A 構成と要件(関根秀志)
B 模型材の種類
C 作業用模型の種類と関連器具
D 歯型の修正
E 咬合器の種類と選択(南 弘之)
F 咬合器装着
G 咬合器の調節
II ワックスアップ(ワックスパターン形成)(三浦宏之)
A ワックスパターンの要件
B インレーワックスの種類と取り扱い
C ワックスアップの種類
D ワックスアップの実際(盛り上げ法)
III 埋没・鋳造・熱処理・研磨
A 埋没材の種類(羽鳥弘毅)
B 埋没法
C 鋳造用金属(小林 平)
D 鋳造収縮の補償
E 鋳造欠陥
F 鋳造後処理
G 熱処理
H 金属の研磨
第4章 CAD/CAMによるクラウンブリッジの製作
(三浦宏之)
A 臨床的意義
B 歯科におけるCAD/CAM
C CAD/CAMによるクラウンブリッジの製作方法
D 加工用材料
E CAD/CAMクラウン製作時の注意点
第5章 装着と術後管理
I 口腔内試適と装着
A 試適(松香芳三)
B 仮着
C 合着と接着(江草 宏)
D セメントの種類
II 術後管理(メインテナンス)(武部 純,橋本和佳)
A 術後管理(メインテナンス)の重要性
B クラウンブリッジにおけるプラークコントロール
C ホームケア
D プロフェッショナルケア
E インプラントの術後管理
III 装着後に発生する問題とその対応(細川隆司,中本哲自)
A 支台装置
B 支台歯
C 歯周組織
D 残存歯列(咬耗)
第6章 各論
I レジン前装冠(平 曜輔,澤瀬 隆)
A 臨床的意義
B 適応症
C レジンと金属の結合
D 製作法
II ハイブリッド型コンポジットレジンクラウン(疋田一洋)
A 臨床的意義
B 適応症と禁忌症
C ハイブリッド型コンポジットレジンの種類
D 製作法
III 陶材焼付冠(五味治徳,新谷明一)
A 臨床的意義
B 適応症と禁忌症
C 陶材と金属の結合
D 製作法
IV オールセラミック修復(中村隆志,矢谷博文)
A オールセラミック修復の歴史
B 臨床的意義
C 適応症と禁忌症
D 材料の選択と製作法
E ラミネートベニア
V ブリッジ(従来型ブリッジ)(山口泰彦,上田康夫)
A 臨床的意義
B 適応症と禁忌症
C ブリッジの支台歯形成,印象採得,咬合採得
D ブリッジの製作
VI 接着ブリッジ(矢谷博文)
A 接着ブリッジの歴史
B 基本デザイン
C 臨床的意義
D 適応症
E 製作法
VII 口腔インプラント支台のクラウンブリッジ
A 口腔インプラントとは(渡邉文彦)
B 口腔インプラント治療の流れ(細川隆司,正木千尋)
C 口腔インプラントによる補綴歯科治療
VIII オーラルアプライアンス(口腔内装置)(井川知子,小川 匠)
A オーラルアプライアンスとは
B 顎関節治療用口腔内装置:スタビリゼーションアプライアンス
C OSAS治療用口腔内装置:スリープアプライアンス
D ブラキシズムに対する口腔内装置:ナイトガード
E スポーツ用口腔内装置:スポーツマウスガード
第7章 高齢者・要介護者におけるクラウンブリッジ治療
(津賀一弘,吉川峰加)
A 高齢者・要介護者を対象としたクラウンブリッジ治療
B 後期高齢者ならびに要介護高齢者への対応
第8章 歯周病患者におけるクラウンブリッジ治療
(星 憲幸,木本克彦)
A 目的
B 注意すべき項目
C 歯周治療による前処置
D クラウンブリッジで考慮すべき項目
E 臨床におけるその他の注意点
第9章 顎関節症患者における補綴歯科治療
(松香芳三)
A 顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害
B 顎関節症の病態と病因
C 顎関節症の検査
D 顎関節症に対する治療
E 顎関節症に対する補綴歯科治療
column 1 全部鋳造冠の名称変更(福島俊士)
column 2 陶材によるクラウンの製作法の変遷─ポーセレンジャケットクラウンからオールセラミッククラウンへ─(三浦宏之)
column 3 中心位(小川 匠)
column 4 再生医療とクラウンブリッジ治療(江草 宏)
column 5 支台歯形態の変遷(三浦宏之)
column 6 マージンとフィニッシュライン(福島俊士)
column 7 作業用模型の分類(三浦宏之)
column 8 ロストワックス法で用いられるセラミックス(三浦宏之)
column 9 FGPテクニック(細川隆司)














